ページ 138 | 今日もだらだら、読書日記。

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バッカーノ!2001?The Children Of Bottle

[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ

不死者となってからはや300年…マイザーは不死者仲間であるチェス、シルヴィ、ナイルの3人と共に、一人の不死者の元を訪れる。笑顔に異様な執着を持ち、"笑顔中毒者"と呼ばれるその男・エルマーは私有地の森の中に深く閉ざされた閉鎖的な村に身を寄せていたが……
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不死者やらマフィアやら泥棒やらが巻き起こす騒動を様々な視点から描く「バッカーノ!」シリーズ5冊目。今回は300年前に全ての始まりとなった不死者達が現代の閉鎖された村を舞台に繰り広げるお話。複数の人間の視点からの群像劇だったこれまでの作品と違い、通常の小説と同じような三人称視点で描かれるのが印象的です。

色々面白かったところはありますし、エルマーのキャラクターも中々素敵だったのですが今回はとりあえずチェス可愛いよチェスでいいんじゃないですか!とある事件をきっかけに人間不信になってしまった老年ショタが、マイザーやエルマーをはじめ、錬金術師仲間達や不思議な少女・フィルと出会って少しずつ態度を軟化させていくという流れが正直たまりません。特に村人に襲われた際にフィルを守ろうと孤軍奮闘するくだりではとても心がときめきました。しかも最高のタイミングで挿絵が入って、それがまた燃えるという…

他のキャラクター達も負けず劣らず印象的で、ほんとキャラクターの魅力だけでぐんぐん先に先にと読み進められてしまうシリーズっていうのが良いなあ。特にハッピーエンド至上主義者のエルマーの空気読めなさとウザイまでの前向きっぷり、それに対して終盤で一度だけちらりと見せる非情な一面とのギャップがたまりません。あとナイルの口調が何気に脳内で癖になる。

それにしても、確かに第一巻のラストでそんな事を語られてたような記憶があるけど、カラーページのアイザック&ミリアの会話に噴いた。 気 付 く の 遅 い よ ! 彼らの前向きポジティブシンキングはエルマーに匹敵できると思います。というか、エルマーと話の合いそうなお二人さんだ…。

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バッカーノ!1932?Drug & The Dominos

[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ

父と兄を亡くした大富豪のお嬢様・イブは行方不明になっているもう一人の兄・ダラスを追ってNYにやってくる。家政婦であるサマサのつてで“情報屋”D&D新聞社を訪れるが、その頃NYではマフィアや麻薬中毒者に不死者までを巻き込んでの騒動が起こりつつあった…!?
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フライング・プッシーフット号での騒動の後、ニューヨークで起こった騒ぎを描くシリーズ4冊目。ほぼ同時期に起きた事件と言う事で、かなり密接に「1931」とリンクしてる部分が出るのが面白かった。以前と全く同じ場面が登場しても、事前知識の差で全然違う印象を受けたり。

様々な人々の群像劇で、個々の物語が少しずつ関わり合いながら最後には一つの騒動へと収束していくというあたりは変わらず。というか、良い意味で安定して出来が良くてツッコミどころが少ないというか、下手に物語に触れ辛いというか、とにかく感想の書きにくい作品ではあるなあ…。

ヤク中でかなりダメダメな人間ロイと、世間知らずのお嬢様イブという二人の「普通の人」の奮闘が素敵。ベタベタですがこういう普通の人が頑張る姿はやはり見ていて微笑ましくなる。そしてやっぱりクレアいいよクレア。俺中心に地球廻ってるよ的な突拍子もないオレサマ発言っぷりにニヤニヤしつつ、美味しい所はしっかりもってくところがたまらない。ついでに、物語が大変な時にのんきにドミノ倒しやってるマルティージョファミリーと泥棒カップルには笑いが止まりませんでした。

そういえば、並行して途中までアニメ見たんだけど、「1932」は結構原作と違う展開してるっぽい?他の話はほぼアニメと原作で展開に違いがなかったように思えたんだけど。

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ラノベ部

 

国語が苦手な文香はちょっぴり不純な理由で「文芸部」に入ろうと決意する。しかし、その学校に文芸部はなく、代わりに"軽小説部"という名前の部活が存在していた。部活見学に訪れた彼女は軽小説部の部長・美咲から本を借りる事になり、はじめてライトノベルに触れるのだけど…

漫画は読むけど本は殆ど読まない女の子が「軽小説部」通称ラノベ部に入部して初めてラノベに触れ、個性豊かな部員達と他愛もない話をしながら少しずつライトノベルにハマっていく姿を描いた日常的小説。富士見の「生徒会」シリーズよりも4コマ漫画っぽい雰囲気を持った小説で、あちらがハイテンションに畳み掛けてくる面白さであれば「ラノベ部」は心地よいまったり感に時々じわじわと押し寄せてくる笑いが心地よい物語でした。

学生が主役のオタク系4コマを読んでいるような雰囲気でラノベやオタク系のネタをふんだんに詰め込んだメタっぷりや日常会話のやりとりもかなり楽しいのですが、読んでいるだけでラノベの良さがわかるような、読み終わったあとラノベを読みたくなるような感覚がかなり素敵。特にはじめてラノベを読んだときの場面や今まで部室から本を借りていくだけだった文香が一念発起して本屋で初めてラノベを買うシーンなんかはもう、とにかく楽しさが伝わってきてこちらまで楽しくなってしまったり。国語や文章を読むのが苦手だからラノベはちょっとな?…とか思ってる人には是非読んでほしい1冊です。会話部分でツボにハマったのは「語尾に偉人の名前をつけて喋る」会話のあたり。さりげなく色々なモノを風刺してるその精神に感服しました。ただ偉人の名前を挙げてるだけだったのに、誰ですかマスコミとか政治とかさりげなく批判してるの!!

「福田康夫って誰だっけ? ?小泉首相」

とくにこの発言ヤバイ。色々しゃれになってない。なんという時事ネタ。2?3年したらリアルで「誰だっけ?」状態になりそうな気がして仕方ありません。これは風化するまえに読むべき。

キャラクター的には、主人公である文香のほのかな恋の行方ともさることながら、とりあえず暦の可愛いさは異常。長門のような無表情キャラかと思いきや、だんだん露になっていく主人公への不器用な愛情表現にニヤニヤが止まらない。エピローグでの妄想小説には緑茶噴いた。なんかもう、本当にこの娘かわいいなあ!他のキャラがイマイチキャラ立てされてなかったり、キャラクターを掴み辛いと感じていた中で、この娘は一人輝いていました。

ただ、作者さんのキャパ以上の人数が常に画面に居て、全てを描写し切れてないような印象で、章毎に空気化してるキャラがいたのが凄く気になった。堂島とか腹黒系美少年という設定なのに哀しいほど空気とかどういうこと……あと何度読み返しても腹黒美少年というよりただのオカマですありがとうございました。この他にも、文章を読んだ限り「表情がコロコロ変わるドジ娘」っぽい印象だった文香が「表情の変わらない無表情娘」と書かれていたり、文章から受ける印象とキャラクター設定として書かれている但し書きが一致してないのも気になった。

一部で話題を呼んだ桜野綾先輩の腐女子設定はもろに「最近の面白おかしい一連の報道を元にして男ヲタが生み出した、妄想世界の腐女子キャラ」という感じなので、腐女子の人は相当割り切って読まないと辛いかもしれません。なんていうか、まだそこは生傷だから触れないで!という感じがする。あのテの報道に本気で怒りを感じてる人たちは、このネタを笑い飛ばせるようになるにはもうちょっと時間が必要なんじゃないかな…あと、腐女子は「二次元の男に興味ない」なんて普通言わない。

なんか本当に空気だったキャラとかも居るし、主人公の恋の行方も本当にさわりしか触れられていないので、シリーズ化を前提に描かれているのかなあという印象?次の巻では是非とも今回空気だった腹黒美少年の活躍をお願いします。

なお、豊富すぎるメタネタはこちらこちらのエントリを参考にすると良いです。改めて多いなネタの多さ・幅広さにびっくりですよ。既に誰かが触れてた気がしますが143Pの挿絵にどうみても鬼畜眼鏡が居たのには噴いた。攻眼鏡て……

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生徒会の日常 碧陽学園生徒会黙示録1

[著]葵 せきな [絵]狗神 煌

碧陽学園生徒会の面々がドラマガ進出!効果的な広告方法を考える為、いつものごとく意見を出し合う面々だが…その他、生徒会メンバーの過去や日常がちょっとだけ明かされたり、鍵のクラスにあの「中目黒くん」が転校してきちゃったり、ついに鍵の正体が明らかになっちゃったりする(!?)番外編シリーズ!
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ドラマガ掲載された作品を中心に、いつも通りの生徒会室での駄弁り話や生徒会室の外での彼らの日常や過去話まで盛り込んだ番外編シリーズ第一段。

とりあえず自称:杉崎鍵総受推進委員会会員としては真冬の杉崎妄想内に登場した「中目黒くん」と同名のキャラクターが鍵のクラスに転入し、なぜか杉崎とBLフラグを立てまくる「二年B組の一存」がイチオシといわざるを得ない。しかも何気に中目黒×鍵な展開に持っていかれるところがとても良いと思います。カラー挿絵の中目黒くんが典型的な総受顔なだけに、可愛い子攻好きの血がぎったぎたに滾ります。時代は可愛い子攻!!!(「二年B組の一存」に関する詳しい感想はドラマガ掲載時の感想がありますのでこちらをどうぞ)

その他の短編もいつも通りのハイテンションな会話満載の面白短編ばかり。特に「ドラマガで効果的な販促をしたい」→「なら人気作品にあやかればいいじゃない!」と他作品ネタを詰め込みまくった「生徒会の零話」がヤバすぎる。深夏がスレイ●ーズの人気にあやかろうとしたのを皮切りに、まともな意見を挙げると思いきやどんどん人気作品への便乗ネタを思いつきまくる会長と知弦さん、そしてさりげなく生徒会シリーズのBL化を目論む真冬を一瞬で黙らせる鍵のツッコミの速さに爆笑した。

興味深かったのは鍵の妹と幼馴染が登場(後者は間接的に)する「杉崎家の一晩」。「鍵の記録を勝手に持ち出して?」ということは、まだ3人の関係が壊れる前の話?間接的にしか登場しない飛鳥や意味深な言動の林檎など、色々と今後の伏線っぽいお話で気になる。こちらの過去話は「黙示録」シリーズで徐々に明かされていくのかな。こちらの進展も楽しみです。あと、次の黙示録にも是非中目黒を(もういい)

余談だけど、「3年A組の二心」が物凄くひぐらしに見えた…なんという部活パート。

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SH@PPLE?しゃっぷる? 3

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

青美女学院の新聞部に正体をすっぱ抜かれそうになり、急遽学校入れ替わりを中断する羽目になった雪国&舞姫。久しぶりに戻った空舟五中で、「人力リバーフェスタ」でのイベント参加を頼まれた雪国は再び青美女学院生徒会との共同イベントを提案するが、舞姫はその提案を拒否し、中部連と組むと言い出して…!?
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双子の姉弟の学校入れ替わりラブコメ第三弾。2巻を読んだときは燃え要素が落ち着き気味でちょっと物足りなさを感じていたのですが…3巻はそんな不安をぶっとばすような胸キュンラブ+燃え展開でした。面白かった…!!

舞姫にかけられた疑惑を払拭する為に一時的に学校入れ替わりを中断して青美女学院に戻ってきたら、雪国には見えていなかった様々な部分で軋みが生じていて、その中でも顕著だったのが雪国がローズロワイヤルとの距離を縮めた事によって相対的に不信感を募らせていた中部連。その歪みを解消する為に舞姫達生徒会は中部連の肩を持つことになり、一方で結託相手を見失った雪国達空舟五中の面々はローズロワイヤルと共同で出し物をやることに。結果として元々仲の悪かったローズロワイヤルと中部連の対立図に淡路姉弟の兄弟喧嘩が重なり、雪国を舞姫と思って恋に悩む蜜、すっかり名誉兄貴こと舞姫にホの字になってしまったSEO研の芝目、すっかり雪国にホレてしまった上に変な勘違いまで起している胡蝶の宮などの恋愛事情まで相乗されてもうしっちゃかめっちゃかに…というお話。楽しそうな弟の姿を見て複雑な感情を抱いた舞姫が自棄で蜜とデートしようとしたり、舞姫の言動や行動に芝目が一喜一憂したりする様子が、見ていて微笑ましい。特に芝目と雪国(※舞姫)の関係を誤解した胡蝶の宮に雪国が振り回される場面では大爆笑してしまいました。胡蝶の宮あんたなんていいキャラだ……。

一方で、今回は熱い展開も目白押し。蜜と舞姫のデートの場面では久しぶりに「女の子の味方」っぷり全開なSEOの面々に思わずニヤリとしてしまったり、蜜に自分の正体を伝えるかどうかで葛藤する雪国にきゅんとしてしまったり。そして何より、「リバーフェスタ」の練習の為に青美に泊り込むハメになった後が熱いですね。中部連の長船が素晴らしい「悪役」ぶりを発揮していて、わりとまったりペースだった雪国たちに発破をかけてくる場面が最高です。

そして何よりも空舟五中の生徒会長・鳥子さんが可愛すぎる。もうロコツに雪国&蜜のかませ犬になりそうな勢いがプンプンするのですが、お堅いガリ勉タイプかと思ったら…な意外性とか、何かと問題をふっかけて雪国に突っかかってくるツンデレっぷりがたまりません!今回の話の決着はこのまま4巻に持ち越しのようなので、4巻でも彼女がガンガン活躍してくれることを切に願ってやみません。

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電撃コラボレーション  MW号の悲劇

[著]電撃文庫記念企画
(渡瀬草一郎、三雲岳斗、時雨沢恵一、有沢まみず、成田良悟、近藤信義、藤原祐、在原竹広、岩田洋季、谷川流、おかゆまさき)
[絵]エナミカツミ、とりしも
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電撃文庫の記念コラボ企画第二弾は豪華客船「MW号」の沈没という共通の事件を元に、「タコ」「電撃」「30」の3つの単語を物語りに織り込むという縛りを加えたアンソロジー小説。

とりあえずカラーページのびんかんサラリーマンなんぞこれーーーっ!
電車の中でカラー表紙のページ開いて慌てて閉じたよ!!何このBL小説も真っ青のエロいカラー挿絵!!これはいつか「腐女子向けラノベ」エントリとか書いた時のオチとして使えという天啓か!!

例によって様々な解釈の短編が収録されていますが、単体での一番ツボにハマったのは有沢さんの「万年すだれ禿係長小保多喜八郎の冒険」。人生滑りまくり、「仕方ない」と溜息を吐きながら自殺しようと決意した一人の男が、死ぬ前に一花咲かせようとするお話なのですが……正直すだれ禿親父に感動させられる日が来るとは夢にも思わなかった。コボタかこいいよコボタ。先月のホラー話といい、このコラボシリーズでの有沢さんの輝きっぷりは半端じゃない。

あとはベタベタ王道なボーイミーツガールを描いた渡瀬さんの「残酷劇の夜」や、惨劇の起こる船ではなく、惨劇の最中のネット掲示板を舞台にした時雨沢さんの「MW号専用掲示板『ウィー・アー・オン・ボード!』」あたりがお気に入り。時雨沢さんは「キノの旅」本編を彷彿させる、強烈なブラックジョークだなあ…こういう時にネットなんか頼っちゃいけませんよってことですねわかります。三雲さんの「DIVE TO BLUE」と在原さんの「内藤君と水野君の場合」ははっちゃけすぎてて好き嫌いが分かれそうな感じ。特に在原さんは、なんかもう途中から作品そのものが親父ギャグ化しちゃってたからなあ…良い息抜きにはなりましたが、寒かった事も事実としか言いようがない。意図的に狙ってハズしたギャグをやって、そのハズしっぷりを楽しむ作風なのかなあという感じだけど、これを「ギャグ」と受け取れるかどうかは微妙なライン。

しかし、何より今回物凄かったのはこの設定も何もかもバラバラな物語群全てを1つの「群像劇」へと仕立て上げ、バッドエンドになった作品には追加でハッピーエンドオチまで付けてしまった成田さん。元々代表作である「バッカーノ!」からして群像劇なわけで、ある種得意分野だったのかもしれませんが、アンドロイドネタの藤原さんや異能要素バリバリでフリーダムまっしぐらな谷川さんの短編まで強引に1つの世界へと引き込んでしまったのは圧巻としかいいようがない。そして物語そのものも凄く良いのですよね。荒神さんと『魔法のランプ』一味がオトコマエすぎて胸が熱くなりました。すごい、この人凄すぎるよ……!!

そして巻末の「応答せよ!びんかんサラリーマン」噴いた。
びんかんサラリーマン強えええええーーーっ!!

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 6 嘘の価値は真実

[著]入間 人間 [絵]左

大江家での事件から2ヶ月が過ぎ、僕とまーちゃんは以前通りの自堕落な生活を満喫中。今日も体育の時間をサボった僕達が生徒たちの目につかない所でイチャイチャしていたところ、黒くて長い棒(性的な意味ではない)を持った男が乱入。かくして、体育館には血の花が咲く羽目に。まーちゃんとののどかなランチタイムを満喫するため、仕方なく事件解決のため動き出したけど…
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一度手に取るのをやめた「みーまー」シリーズを再び手に取るきっかけは、各所の6巻感想の不可解っぷりが気になって気になって、そんな気持ちが最後にフラン☆Skinさんの感想を見て頂点に達した…という過程があったわけですが、これは確かに、なんてコメントつけたらいいか分からない。

学校の体育館を占拠した通り魔に対抗するため、いささか不純な動機でみーくん(+むしろ足を引っ張るまーちゃん)が立ちあがる!というお話。まーちゃんさえ無事ならどうでもいい、といいつつさりげなく伏見や長瀬を気に掛けるみーくん可愛いなあ。あと今回でついにみーくんのフルネームが明らかになりましたね。しかし、嘘つきみーくんで「枝瀬(エセ)」って物凄い名字だな……

これまでみーくんとかかわったキャラクターの一人称によるモノローグ的なモノが挿入されたり、なんか色々と思わせぶりの多い今回。いろいろ張りっぱなしの伏線とかあるんでこれで完結編ではないと思いたいですが、ある意味ここで本当に終わったりしたらこれ以上になく「みーまー」らしいよなあ、と思う気持ちもあり。

それで、結局これはどういう結末なんだ?エピローグで真犯人が投げかける問いの答えは、みーくんともまーちゃんとも、はたまた挿入されたモノローグが不審な途切れ方をしたあの人とも受け取れるわけだけど。個人的には最後説が有力かなあ(続きを出す問題的な意味で)と思うのですが、表紙のまーちゃんがとても意味深だったりして、なんかいまいちどれと言い切れない物が……うーむ。

まーちゃんにも些細ながら意味深な変化が見られるし、このまますべてうやむやのまま終わるというのも(いやまあそれはそれでアリですが)落ち着かないので、ぜひとも続きを読みたいです。しかし、少しずつ風呂敷を畳んでる感じを受けるので出たとしても次で完結とかそういう感じになりそうかな。

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 5 欲望の支柱は絆

[著]入間 人間 [絵]左

破綻したマユを直す為やってきた元我が家は密室仕様に改造され、殺人事件が起きていた。そんなことはさておいてまーちゃんを「直す」ための準備も整ってそろそろ事件でも解決させておこうかなんて思っていたら、犯人最有力候補の僕は後頭部を強打されて嫌な思い出が多数眠る元我が家の地下室に閉じ込められてしまう。密室殺人事件らしくやっぱり行き着く先は華の全滅へ一直線…?
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4巻から続く、みーくんの「元我が家」を舞台にした密室連続殺人事件・解決編。

今までの中でバツグンに読みやすかったという事もあるけど、それ以上にこのシリーズの中では一番面白かった…というか興味深いというか…な話でした。大概の密室殺人事件は推し量ったかのように事件を解決した直後に救いの手が差し伸べられるものなんだけど、嘘と悪趣味で構成されているこの物語はそんなテンプレ通りの展開は全く起こらず。その代わりといっては何ですが……事件の真相なんか笑顔でぶっとばす、人によっては死ぬほど後味悪いクライマックスが待っています。

なんという異次元空間。黒幕の思惑といい、実行犯である「あの人」の行動原理といい、いい具合にイカレちまってるなぁ。後半の殺人犯との鬼ごっこはまさにリアルクロックタワーかバイオハザードかはたまた(黒幕の)理由のくだらなさ的にはリアル鬼ごっこ。狂気を売りにしたラノベにしては狂気分が足りないなあと思っていた分を見事取り返すかの如く、怒涛の勢いで狂気分を充填させてくれました。言動と比べて茜さんが普通の人間精神持ってたのは意外だったけど、もうほんと彼女とゆずゆずくらいじゃないですか、まともな精神持ち合わせてるの。あの状況でなんだかんだと平静を保ち続ける湯女&みーくんも大概にアレです。

というか良くも悪くも胸糞悪い真相とその後に襲うクライマックスの恐怖が強烈過ぎて、逆に感想が出てきません。あれはもう「体験してみろ」としか言えない。あ、地味にみーくんの「日記」が良いエッセンスを醸しておりました。だんだん文章が破綻してくるのが実に良いですね。ページが一部破けて読めなかったりとかそういう特殊効果が入ってるとモアベターだったと思うですよ(それはそのまんま「おしまいの日」ですねわかります)

一方で、離れていて出番の無いまーちゃんの事についてもなにやら意味深の会話があったりして、今後の展開も期待。というか、聞いた話によるとあと1冊ではないかと思われるのでどうやって決着をつけてくれるのかに期待と言うべき?そして、なんだかんだとエピローグのみーくんのはしゃぎっぷりにニヤニヤしてしまった私。

それにしても、みーくんの浴衣姿が結局挿絵にならなかったのが実に残念…

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 4 絆の支柱は欲望

[著]入間 人間 [絵]左

些細な出来事をきっかけに記憶と現実の整合性が取れなくなったマユが破綻した。彼女を「直す」ため、僕は彼女を壊した誘拐犯が住んでいた家…?要するに元我が家へと向かう。まだ、僕はまーちゃんを騙し足りないから。その「元我が家」は大江という人の所有物になっており大改装を受けていて…なぜか伏見まで付いてきてて…ついでに殺人事件まで起きて…!?
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3巻で一旦切ったはずなんですが、あと3冊だっていうし、最終巻の内容気になるし……で再び手に取ってしまった「みーまー」の第4巻。今回はみーくんの「元・我が家」で起きる密室殺人事件のお話・前編です。

相変わらず「嘘だけど」だらけで真実の把握が難しく、回りくどい語り口は健在。今回は「すべての事象を逆に覚えている」というゲストキャラクターの登場でますます読者を混乱の極みに突き落としてくださいます。あ?やっぱりこの回りくどい文体だけは好きになれないなぁ。これが売りだといわれると文句のしようもないのですが。今回は短いのでなんとか耐えられたという感じが……

まーちゃんの電波とヤンデレをミックスしたような素っ頓狂な行動はあらすじで語られている通りの理由でほとんど無く、その代りに代理ヒロイン(?)の座を勝ち取った伏見柚々は行動こそ電波入ってるもののとても普通の人間らしい行動を見せてくれて、ある種このシリーズ的には新鮮。しかもマユがいないのを良いことにしっかりいい雰囲気になっちゃいます。マジでこれ、マユに知られたら血の雨が降りそうです……

一方、そんなヒロインの分を取り返すかのように大江家の皆様が良い具合に壊れていらっしゃる。大江家の長男・貴弘さんが両親に紹介される場面ではうっかり「ああ、いつもの"みーまー"だ!」と安心してしまったり。唯一まともだと思っていた桃花さんからもサラっと物凄い発言が飛び出したり。父親の耕三さんは……あの滅茶苦茶なキャラは元からなのか、それとも殺人事件でテンパってるだけなのかが気になるところ。…とはいえ、母親に主犯がありそうとはいえ、あの子供たちの親という時点で、マトモとも言い難い気が。みーくんとの成り立ってない会話には緑茶噴いた。

次回はこの事件の解決編のようですが、どうなることやら。誰もが犯人になりえそうなのが怖い。個人的には茜さんの煙に巻かれまくりのさかさま発言がキーになってそうな気がするけど…。

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バッカーノ!1931 鈍行編 The grand punk railroad

[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ

強盗団にギャングにテロリストに泥棒カップル、そして不死者…様々な思惑をもった人々を乗せて、列車「フライング・プッシーフット号」はNYへ向かう。泣き虫少年・ジャグジーは泥棒カップルから「線路の影をなぞる者(レイル・トレーサー)」の怪談を聞かされ、怯えるままに車掌室へ向かうのだが……
 
アチャーorz

うっかり間違えて「特急編」から読んでしまったバッカーノの1931年シリーズ「鈍行編」。続編となる「急行編」と合わせて、列車「フライング・プッシーフット号」で起きた事件を描きます。様々な人間の視点から物語が語られていきますが、鈍行編では泣き虫な強盗団のボスの少年・ジャグジーとその仲間達の動向が中心。ちょっと貨物室に眠るお宝を強奪するだけのはずがギャングやテロリスト達と乗り合わせてしまい、さらには正体不明の怪物まで現れて大変な事に…!?というお話。

…なんていうか、もう、とりあえず、うっかり「急行編」を先に読んでしまったのが痛すぎる。なんであのキャラが死んでるのかとか、ラッドがなんで車掌室の事をやたらと聞いてきたのかとか、何よりレイルトレーサーの正体とか…とか。とくに「正体不明の」「赤い怪物」のおどろおどろしい描写を読むたびに「正体知っててごめんなさい」状態でorz

2つで一つの物語構成になっていながら、「鈍行編」から「急行編」を読むと最高に面白くなるようにできているお話なので、この物語を正当に楽しめなかったのがとても残念。というか、やはりもう少し順番わかりやすいように作っておいてくれないかなあ…というのが本音だったり。

しかし相変わらずバカップル二人のやりとりは楽しい。あとジャグジーの「いつも泣いている理由」にはちょっと胸がキュンとなりました。

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