| [著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス 雪山で大河の本当の気持ちを聞いてしまった。しかし、ようやく学校に復帰した大河は"あの時"のことをはっきりとは覚えておらず、今まで通りの態度を取ってくる。戸惑いを隠せない竜児だが、同じ頃家では進路を巡って泰子とのすれ違いが表面化しており… | ![]() |
何より一番大きかったのはずっと奥歯に物の挟まったような展開だった竜児と実乃梨の関係に一応の決着がついた事でしょうか。このままどっちともつかずにな関係を続けてしまうのが一番不安だったので、竜児が実乃梨への気持ちに決着を付けたこと、実乃梨が遂に竜児への気持ちを隠すことなく打ち明けた事が読者として嬉しかった。決して竜児の言うような「強い」女の子ではない気がするけど、実乃梨のサッパリとした前向きな考えは同じ女としてかっこいいと思う。
そして今まで実乃梨並みかそれ以上に本心を隠しとおしてきた亜美の本音が……なんか普通にけなげ過ぎて泣ける…。大河や実乃梨以上に自分の行動に責任を感じて動けなくなってしまっていたのが実は亜美で。なんでも判ってる、大人の女のように振舞っているけど一番不器用で臆病で純粋なのは彼女だったんじゃないかという気がします。そんな彼女に実乃梨が全力でぶつかっていこうとする姿が頼もしい。ほんと、この子には幸せになってほしいと思う。
実乃梨や亜美が頑張る一方で、今回は大人たちにスポットが当たった話でもありました。竜児の気持ちを見抜いて懸命に進路指導をしようとする独身(30)とか、トボケた言動の裏に様々な気持ちを隠したやっちゃんとか。そして竜児が自らの進路で悩むあたりのやりとりは、なんか殆ど親と衝突しないままなんとなくで大学行った自分としては凄く眩しく映りました。
絡まっていた様々な糸を解いて、一つの大きな山を越えて、見ないフリをしていたお互いの気持ちに向き合おうとした大河と竜児の前に、新たな試練が立ちふさがる……ってえええ、ここで終わりですか!?しかも電撃は12月まで予定出てるから年内には出ないんだよなあ…なんという蛇の生殺し。
とりあえず早く新刊を、新刊を!!




















