ページ 138 | 今日もだらだら、読書日記。

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アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃

 

人間ではない『一族』がいた。ある山の奥深く、人の手の届かない場所で里を作り、ひっそりと暮らす―女しか生まれず、それ故に滅びかけていた『あやかし』。今までも、これからも、彼女たちは人の世から隠れ、人の世の狭間に生きていく、そのはずだった。しかし、その日。『一族』が起こしたある諍いは、小さな波紋となって町へと広がっていく。その結果として霧沢景介と灰原吉乃の前に現れたのは、枯葉と名乗る少女だった。彼女がふたりにもたらしたのは、運命か、或いは―。藤原祐×椋本夏夜のコンビが送る現代伝奇ファンタジー、ここに開幕。 (「BOOK」データベースより)

姉が失踪してから8年…高校生となった霧沢景介は、中学時代に親友が失踪して以来塞ぎ込む少女・灰原吉乃に親近感を抱いていた。クラスの中でも孤立する彼女をなんとかしてやりたいと思った景介は友人達と遊びに出かける計画を立て、吉乃を誘うことにしたのだが……

「電撃の黒い太陽」が全開すぎる件について。
序盤読んでレジンキャストミルク的な「ほのぼの×ダーク」な学園異能再びかと思ったらむしろ「ルナティックムーン」もかくやな暗黒展開だったよ!!ごく普通の高校生達が日本の片田舎にひっそりと隠れ住んでいた「あやかし」の一族の諍いに巻き込まれてしまうという、和風伝奇ファンタジーです。

第一巻だというのに、カラーページで紹介されるメインキャラクターの半分近くが死んだり敵に回ったりするという状態で、まさに血みどろ青みどろ。そういえば藤原作品だと「レジンキャストミルク」は割合控えめだったけど、「ルナティックムーン」は結構盛大に人が死にまくったよなあ…と懐かしく思い出しました。まず初っ端で身も蓋もなくヒロインが死亡して、しかも結構グロテスクな展開が待ってたりするあたり、とってもとっても全開です。ていうか、もう1巻でいきなり日常殆ど崩落してるような気がするんだけど、今回は完全に「ほのぼの」分は無しなの…か…?

とにかく序盤で一族の本家跡取り娘である枯葉が“喪着”を執り行う場面が物凄い衝撃で。残酷で、恐ろしくグロテスクな場面の筈なのに、どこか凄絶な美しさがあるというか、なんというか。その他作品全体にも、醜いのに美しいというか、古き日本の様式美みたいなのが漂ってるといいますか…なんかそんな雰囲気がとてもツボでした。あぁ、語彙の無さが悔やまれる…。

キャラクター的には吉乃も枯葉も良いけど、やはりオトコマエな棗さんが良いです。殊子先輩といい、藤原作品のオトコマエ女子キャラはとてもツボだ…そして毎度の如く、ツンデレ全開な主人公がとても良いですね。枯葉の気高く美しく矜持も高く直球な物言いと、どこか世間知らずを漂わせる発言に翻弄されてツンツンしちゃう主人公にニヤニヤします。重苦しい雰囲気の本編の中、中盤移行は枯葉と景介のやりとりだけが唯一の息抜きポイントだったように思えます。

とにかく、「レジンキャストミルク」のダーク分や「ルナティックムーン」が好きだった人なら文句なしに楽しめるかと。かなり容赦ない展開が続くので、ほのぼの分お目当ての人にはちょい厳しいかも…?色々な意味で大変なところで次巻に続いちゃってるので、続きが楽しみでなりません。

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電脳幽戯 ゴーストタッチ

[著]真名月 由美 [絵]宮川 由地

私立探偵・鷺浦悠人の元に死んだ息子の死因を調査してほしい、という依頼が舞い込む。依頼そのものは断ったのだが、偶然彼のお葬式に遭遇し、なんとなく事件自体を調べることに。調査の結果、「Foolish Children」というウェブサイトで行われるゲームが浮上してきて…
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リレー小説形式で行動を書き込む事で“ゴースト”と呼ばれる化け物を操ったり、ある程度現実世界に干渉することができるという謎のゲームに何も知らないまま巻き込まれて命を狙われている女子高生と、かつてそのゲームにかかわったことのある私立探偵が、迫りくる敵をかわしながら反撃していくというお話。

ホラーと知能バトルのいいとこどりをしようとしてどっちもとりそこねちゃったような、そんな印象が。いや、ホラー要素が物足りなく感じてしまったのはどう考えても「学園ホラー」の一言で「Missing」を思い出してしまったからに他ならないんだけど、少なくても私には屍鬼という化け物の恐ろしさがあまり伝わってこなかったです。ていうか“ゴースト”の存在そのものがなんか弱くて、インパクト薄い…わざわざ自分の身近で大切だった人を“ゴースト”にする意味があまり感じられなかったというか(ラストのシーンのためだけに使うには、重い設定だと思うんだけどなあ)

知能バトル要素としても、細かいルール設定や「書いたことが現実化」という要素も相俟って露骨にデスノートを髣髴させます……とかおもったら、本当にデスノオマージュでしたという罠でした(後書き参照)。ネットの書き込みから顔も見れない相手の個人情報を割り出し、いかに敵の不意をつけるかというのがキモになっていて、ゲームのルール自体はとても面白いんだけど、少ない書き込みから主人公達が“襲撃者”を割り出すあたりがあっさりと必要最低限にはしょられていて、非常に残念。事細かにやったら今度長すぎて面白くないんだろうけど、もう少し敵の正体を割り出すのに手間取ってくれた方が面白そうだった。

全体の流れとしては面白かったんだけどお上品な薄味というか…私としてはもうちょっとムラがあってもいいので濃い味が好みだったかなぁ。

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てめぇら、とっとと金返せ! 魔術士オーフェン無謀編1

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

金貸しをやりながら一人旅を続ける黒魔術士・オーフェン。ところが、地人の兄弟ボルカン&ドーチンに振り回され、身入りの無い日々を送っていた。しかも彼ら持ち込む依頼はヘンテコなものばっかりで…!?
   個人的お気に入り度数
1年半ほど前に大人買いして、「はぐれ旅」1巻を読んだまま積みっぱなしだったオーフェン。「なかなか積読が減らないの!」と泣きついたら既読の友人から「たぶん無謀編のほうが読みやすいよ!」というありがたいアドバイスを戴きました。というわけで、金貸し魔術士のオーフェンがクリーオウやマジクと出会う前に出会った依頼を描く、短編集です。

………うーん、面白い事は面白いんだけど、こういうのって最初にやったもの勝ちというか、最初に読んだ作品の一人がちというか……ちょっと正確歪んでるけど才能はある天才系キャラが何かおかしい変人達に振り回されて…みたいな展開は、スレイヤーズすぺしゃるやフルメタの「?」シリーズに代表される富士見F系短編集のテンプレート的展開ですよねー、という感じで、1巻なのに全く始めて読んだ気がしないというのはどういうことだろう。

学生時代に「スレイヤーズすぺしゃる」を文字通り飽きるまで読破した(シリーズ30巻中20巻まで頑張ったよ!)身としては、あまりにも目新しさがなかったと言うのが本音だったりする。いや、どっちがどっちの二番煎じというのは論じないとして、単純にこのテの話は読み飽きてるんだ…私にとっては。きっとスレイヤーズとオーフェンをリアルタイムで交互に追いかけていけば、素直にこちらはこちらで楽しんで読めたんだろうなあ。なんで私、スレイヤーズはほぼ全部読んだのにオーフェンは未読なんだろう……(しかも「エンジェル・ハウリング」は途中まで読んでいるという不思議)

今のところ同時代に人気を二分した富士見の「スレイヤーズすぺしゃる」シリーズと違う部分を見出せなかったので、どうしても絶賛は出来ないかなぁ…。1編あたりの分量が少ないので、気分転換に崩していくには良いかもしれませんが。噂によると、無敵属性執事が出てからが本番らしいので、一気に件の執事が出るところまで飛ばすのもありかなあとか思う今日この頃です。

あ、忘れてた。ちっさいキリランシェロかわいいよキリランシェロ。過去編のためだけにシリーズ追いかけてもいいと思うくらいには可愛かったよキリランシェロ!!無感情系生意気天才っ子と逆ツンデレ系お兄さんなコンビは萌えますね!!

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吉永さん家のガーゴイル8

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

夜のお墓で、クラスの3バカと夜の墓場で「運動会」を繰り広げ、住職にこっぴどく叱られた双葉。帰ってきたらガーくんの様子がなんかおかしい。一昨年死んだお隣のジイサンの霊に取りつかれてしまったらしいのだ。慌てて兎轉舎に駆け込んだら、今度は他の幽霊たちまで視認できるようになってしまって…!?
   個人的お気に入り度数
町内アットホームコメディ第8弾。久しぶりに双葉&ガーゴイルがメインのお話。

佐々尾さんのおばあちゃんが登場する1巻のエピソードは1巻の中で特に好きなエピソードだったりするのですが、佐々尾のジイサンがまたいいキャラすぎる。なんていうかこういう、年輪を重ねてるのにどこかヤンチャな爺さんは良いですね。そしていろいろとターミネーターな住職様との凸凹関係がまた良いんだ。つかジイサンどんだけ素直になれないツンデレっ子なんだよ!!

佐々尾のじいさんがガーゴイルに取り憑いて、彼を成仏させるために御色町の守護霊達が追いかけてきて、しかもなぜか彼ら幽霊が人の目に見えるようになってしまって…!?といつも通りの大騒動。ガーゴイルとは違って搦め手主体の佐々尾のじーさんや、自分とは違う形で町を守り続ける幽霊達に感化されていくガーゴイルの姿が面白かったなぁ。いつの間にやら佐々尾のじいさんに戦い方を伝授してもらってる姿が微笑ましいです。

しかし、住職さんが武器の卒塔婆を自分の寺のお墓から引っこ抜いてるのには爆笑した。聖職者なのにそんなことしちゃってるアンタが一番バチ当たりだよ!!!!墓石ドミノといい卒塔婆を武器に襲ってくる住職と言い、岡田あーみんの「こいつら100%伝説」思い出した。

どこかヤンチャで無鉄砲で、でも一本気溢れるジイサンを暖かく優しく時に厳しく見守るおばあさんとの夫婦関係が素敵。ラストでは思わずホロリとさせられてしまいました。面白かったー。


余談ですが、何気にエンターブレイン公式のあらすじがおかしい件について。

夜は墓場で運動会! 夏休みの晩、寺の境内でムカデ競争や騎馬戦に熱中する双葉と三バカ達は墓石をドミノ倒しにして、あえなく御用。ターミネーター似の住職に大目玉を食らう。「ご先祖様を大切に」と諭されてもピンとこないなどと考えているうち、異変が! 最強の門番の誇りをもつガーくんが倒れ、生霊に憑かれてしまう! 町は幽霊だらけになり、災いの元を探る双葉は思いがけず死んだはずの隣のジーサンに再会する!?  ご町内ハートフルコメディ第8弾。

私の知識が正しければだけど、「生霊」ってまだ生きている人の霊のことじゃないっけ?

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吉永さん家のガーゴイル7

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

小学校の授業で「百色のような怪盗になりたい」と言い出した梨々。どんな名目でも窃盗は犯罪だと言う双葉はそんな彼女と大喧嘩をしてしまう。どちらも考えを譲ることができずに仲直りのきっかけを見失ってしまう二人だが、そんな折りに妖しげな宗教団体と対立していた百色が行方不明になってしまって……
   個人的お気に入り度数
ガーくんのライバル・怪盗百色と梨々にスポットが当たるシリーズ第7弾。梨々が大好きな百色のためにけなげに頑張る姿も最高なのですが、それ以上にお互いの保護者達に影響受けまくりな梨々と双葉の姿ににんまり。将来なりたい職業といわれて、“門番”になるにはどうすればいいのか…と人知れず悩む双葉が可愛いのなんの。

百色側の視点からの物語ということで、今回は普段味方の側から見ているだけでは実感しきれないガーゴイルの圧倒的な強さが引き立つお話でした。物語が割りとのほほんとしているので、言葉でいくら「ものすごく強い」といわれても実感できない部分が多かったんだなぁ。梨々がおびえるのも判るというか。

百色に憧れて「正義の怪盗になりたい」と言う梨々、ガーゴイルに影響されて「どんなに正義を持っていても窃盗は駄目だ」と言う双葉。そんな彼女を心配しながら見守る大人たち。怪盗になるには梨々が思っている以上に辛い覚悟が必要で……そんな覚悟を背負った百色が敢えて“悪”になる姿がかっこよかった。そして百色を捕らえていた人間達にガーゴイルが言い放ったセリフが物凄く印象的でした。久しぶりの錬金術ネタのバトル話でしたが、今までの中でもクライマックスの盛り上がりは髄一だったかも。本当に何度も胸が震えた。

それにしても、なんか今まで悪役で登場したキャラクターでもなんだかんだとご近所時空に取り込まれていったこのシリーズですが、今回の最後の最後でなんだか嫌な伏線が生まれてしまった予感。これはそのうち再び火種となって戻ってくるんだろうなあ…

それにしても、3巻の双葉、4巻のイヨ&ガーゴイル、5巻のパパママ、6巻の和巳、7巻の梨々…と、毎回スポットの当たるキャラクターが変わっていってその度に少しずつ違った雰囲気の物語が楽しめるのがとても楽しいです。8巻では誰にスポットが当たるんだろう…と期待しながら次巻に手をつけたいと思います。

余談ですが7巻感想をざっと見たらみんな「梨々可愛いよ梨々」みたいなので一人で地味に主張してみる。
デュラハンかわいいよデュラハン!!!

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吉永さん家のガーゴイル6

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

クラスメイトに巻き込まれ、なぜか演劇部が新入生歓迎会で披露する劇に主演することになってしまった和巳。最初は及び腰だったものの、ヘトヘトになりながらも少しずつ演劇の練習に楽しみを見出すようになる。ところが、演劇部当てに、劇を中止するよう脅迫状が送られてきた。その台本はかつて学園で起こったとある事故をモチーフにしているらしく…?!
   個人的お気に入り度数
妹・双葉の影に隠れて影が薄かった兄・和巳が大活躍のシリーズ第6弾。和巳が拾った台本に隠された8年前の事件の真相とは、そして台本の作者と脅迫者の正体は…!?という感じの学園ミステリー風仕立ての物語です。

演劇の台本が8年前に起きた事件をモチーフにしていて、作中劇と実際の事件での配役を見立てながら事件を解決する様子はなんとなく同じレーベルの「文学少女」シリーズを髣髴しましたが、ドロドロはしてなくてむしろそのあたりは「ガーゴイル」らしくサッパリ綺麗に終わらせてくれます。台本の作者はなんとなく想像が付いていたんだけど序盤のひっかけにはまんまと騙されてました。

謎の脅迫者から演劇部を護る為にガーゴイルに護衛を依頼するのですが、気がつけば和巳達の良い相談役になっているガーゴイルの、精神的な成長に思わずニヤリとしてしまいます。序盤のとにかく空気読めないガーゴイルを知っているとこの短期間でどれだけ成長したかを思って胸が熱くなる。そして何気にカラーページの漫画がいいんだよなあ…作品を読みながら、ガーゴイルが和巳の学校に行ってる間の御色町を想像するだけでニヤニヤが止まりません。

なよなよしてるけど優しくて生真面目でまっすぐな和巳のキャラクターがよく出ているお話。これは単純な双葉ではこういう展開に出来ないだろうし、主人公が和巳だからこそのお話という感じが素敵です。ただ、個人的にはますます和巳が何故「女と見まごう美少年」設定なのかわからなくなってきたなぁと。これまでは彼自身の影が薄いから死に設定化しててもそこまで気にならなかったけど。彼がメインを張ったお話でここまで完全に死に設定になってるのを見ると、せいぜい普通の美少年くらいにとどめておけばよかったのでは…という気がしてしょうがありません。この作品で「和巳モエー」な展開をやられても多分かなり困りますが、性別不詳キャラスキーとしてはやっぱり設定生かせてない部分が気になるんだよなあ…。

それにしても後書き読んで噴いた。この冊数を1年で出したのかよ!!速筆すぎ。

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今月のまとめとオススメ本[2008年7月分]

今月の読了本は感想を書かなかった本を含め24冊でした。
うち3冊は青い鳥文庫の再読だったので感想割愛で。クレヨン王国は永遠の心のオアシス。
でも、それを抜いても21冊も一ヶ月に読んだのは久しぶりだなあ…

2008年7月のページアクセストップ4

ば、バカテスがトップ圏内に居ない…!いやまあ、5位にはいるんですけど。
今月実は、TOPを除く全ページで一番アクセス高かったのは担当イラストレーター別感想リストだったりするんです……いつもみたいに特出したアクセスが殆どありませんでした。読んだ本の中に新刊があまりなかったからかなあ。

銀色ふわり
⇒感想

AURA
⇒感想

生徒会の三振
⇒感想

花園のエミリー
⇒感想

というわけで、「インフィニティゼロの有沢まみずですねわかります」という感想より「有沢まみずがシリアス感動モノ書いてるよっ!?」という感想を頻繁に見かけたような気がしてならない「銀色ふわり」がさりげなく今月の1位でした。インフィニティ・ゼロ、私は好きなんだけどなあ…「いぬかみっ!」も「ラッキーチャンス!」もスルーしたので比較できませんが。

2位はライトノベル界に色々な意味で今月ホットな話題を提供してくれた田中ロミオ新作「AURA 魔竜院光牙最後の闘い」。…正直私、このタイトルよりも仮題時代の「流行の学園ラブコメを目指してみる(仮)」の方がぜっっっっっったい、面白かったと思うんだけど。というか個人的にはこの仮題を知って読んだほうが方が絶対面白く感じると思うのですがいかがなものか。タイトルが「AURA」になった瞬間、私の購入意欲がどーんと下がったのは良い思いでです。結局買ったけどね!

特出作品無しの中、新刊出るたびアクセス数が5位とか6位くらいで甘んじてしまう「生徒会の三振」が上がってきたのも印象深し。個人的に、一番何も考えずにゆるーく楽しめる感が大好きなシリーズです。鍵かこいいよ鍵。「花園のエミリー」は先月のアクセス数の残滓で4位居座り。あと数日遅かったらバカテスに抜かれてた気がします。バカテスが強すぎる件について。

2008年7月に読んで面白かった本


吸血鬼のひめごと 3
⇒感想

戦闘城塞マスラヲ Vol.4
⇒感想

おと×まほ5
⇒感想

吉永さん家のガーゴイル5
⇒感想

正直、「おしごと」最終巻を壁にぶん投げた経験を持つ私としてはエンディングだけで下半期ラノサイ杯に投票余裕でした状態(まだ今リアルタイムで上半期やってますから!!)な「吸血鬼のひめごと3」が文句なしで今月一番のオススメ。ただ、あのカタルシスは「おしごと」をリアルタイムで追いかけた者にしか味わえないんだろうなあ……良くも悪くも、あのエンディングで終わりだと思って読まないと、この感動は味わえないと思うorz

その他、8月新刊からのフライングですが鈴蘭かこいいよ鈴蘭で「戦闘城塞マスラヲ4」。…しかし、鈴蘭がマジでどこぞの主役奪還した某スーパーコーディにしか見えない。最終巻ではヒデオが活躍するといいよね……(遠い目)「おと×まほ5」はエフェクトさんのキャラに100万点つけます。あとryoさんの初音ミクCDに。あ、あとかなたんもかっこよかったよね!(オマケかよ)

そしてゆっくりとした足取りで「吉永さん家のガーゴイル」を消化中……タイミングよく先日最終巻が発売されたわけですが、そこまでたどり着くまでに暫く時間がかかりそうです…ファミ通の目録がほしいのに、今月来月で買う予定の本が「文学少女」だけという状態なので、最終巻だけでもフライングで買っちゃおうかしら。おるたなてぃぶ含めてあと14冊とか遠すぎるorz とりあえずお気に入り度的に言うと、5>>>3=1>2、4かな。やはりご町内の皆さんがワイワイやってる話が好きみたいです。

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今月はコミケ準備やらなにやらで時間が取れないので割愛しますがとりあえず一言……


先月からバカテス5巻が待ち望まれすぎな件について。
気持ちはわかるけどさ!!わかるけどさ!!

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機動戦士ガンダム00(2) ガンダム鹵獲作戦

[著]木村 暢 [原作]矢立 肇 [原作]富野 由悠季
[絵]柳瀬 敬之 [絵]羽音 たらく


ソレスタルビーイングに対抗する為、ユニオン・AEU・人革はそれぞれがガンダムを鹵獲しようと動き出す。ヴェーダの予想よりも遙かに早く結託した三勢力は圧倒的な物量作戦を展開し、ガンダムマイスター達を追い詰めていく。絶体絶命の彼らの前に現れたのは、3機の新しいガンダムだった…!
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コーラサワーが私の癒し……
あんただけは最後までバカのままでいておくれ……アニメ「機動戦士ガンダムOO」のノベライズ第二段です。

この辺りの展開は、アニメ側は全く見てなくてなんとなく人づてで何が起こったか軽く聞いたくらいなんですけど(だれそれが死んだとか、ケガした程度の知識)、人づてに聞いた話から予想していた展開よりもずっと重かったんですね。特にルイスがネーナの起した事件によって負傷する場面が想像以上に……この作品には不釣合いなくらいに明るい彼女の姿が印象に残っているだけに衝撃も大きかったです。ソレスタルビーイングとしても、敵側に本気出されてことごとく予想を上回られた上、トリニティの3人によってまた別の意味での危機に…と、まさに綱渡りの連続だなあ。

まだ2巻だというのにとことん重い展開の連続で、前回あれだけはっちゃけぶりを見せてくれたグラハムまでシリアスキャラになってしまったのがとても哀しいです。ガンダム鹵獲作戦のときはちょっと色々とアレでしたけど。天然皇女・マリナさんの出番も殆どなくて、もうこの作品の希望はコーラサワーだけですよっ!もう彼には最後までスペシャル的にとかなんとか言っててほしい。撃墜されても無傷な辺り、既に製作側も彼はギャグキャラ扱いなんだなあと感慨深く思いました。

しかし、うーん、悪くないんだけど、物語的にもキャラクター的にもやはり一押し突き抜け方が足りないみたいな印象が否めない…単純に好み的な問題で。コーラサワーのバカっぷりを拝む目的の為だけに読むには、本編が重過ぎる……しかし、次はいよいよロックオン兄さんがアレなことになってしまう話だと思われるので、なんだかんだと買ってしまいそうですが。

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吉永さん家のガーゴイル5

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

御色町南口商店街では、恒例の春祭りが始まろうとしていた。お祭り気分が高まる吉永家の面々だが、北口商店街にあるデパートがバーゲンセールを春祭りと同じ日程で開催すると言い出し、俄かに南口・北口との対立が表面化。しかも、なぜかパパまで北口側を応援すると言い出して…!?
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今まで子供たちの影に隠れがちだった吉永家のパパ&ママにスポットが当たる町内アットホームコメディ第5段。久しぶりにご町内の人々が大活躍。

お祭り前のワクワク感、お祭り最中の高揚感がひしひしと伝わってきて、読んでいるこちらまで思わずワクワクしてしまうような展開がとても良かったです。しかもデパートの件を契機にどちらかというと保守的だった南口商店街の面々がどんどん派手に祭りを盛り上げようとして大暴走する姿が面白い。南口側ではイヨさんやデュラハンや百色やオシリス、北口側は東宮一派…と、これまでシリーズに出演したキャラクターたちが総出演で祭を盛り上げる姿も感慨深かったです。何よりもなんとなく吉永パパが北口側についた思惑が最初にわかってしまっていたので、パパの期待した通りの展開に祭が進行していくのにはニヤニヤでした。

ただ、色々と思うところがあったにせよ、松川&ゴールデンボーイズの最後の暴走っぷりはいささか強引だった様な。独白の通り後がないと思い詰めていた松川はとにかく、まだまだ後があるゴールデンボーイズがここまで致命的な暴走をやらかしてしまうというのはありえないと思うのです。裏である程度汚いことをやらかしているグループであるなら尚更、そういう部分にはデリケートに対処しそうな気がするんだけど。あれだけのことをやらかしておいてほぼお咎めなしなのにも疑問が残りました。

とはいえ、彼らをオールキャストでやりこめるキャラクター達の姿がとても爽快だったので、細かい部分は気にしないが吉なのかもしれません。何よりもパパ&ママの活躍が素敵過ぎる!!南口・北口の対立を巡って冷戦状態に陥っていた二人が仲直りする場面では胸が熱くなりました。そして最強キャラなのに何気に少女趣味なママさんに噴いたw

2?4巻まではどちらかというと錬金術関連の話が多かったけど、やはり御色町のご近所さん達が活躍する話は格別に面白いなあ。今後も、もっと町内の皆さんが活躍するような話が読みたいです。

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戦闘城塞マスラヲ Vol.4 戦場にかかる橋

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人

聖魔グランプリを勝ち抜き、優勝候補としての座を磐石のものとしたヒデオ・ウィル子ペア。優勝を意識し始めたヒデオは魔殺商会を率いる少女・鈴蘭を最大の障害と考えていた。そんな中、魔殺商会と魔人組織<アルハザン>が主催するサバイバルバトル<クロスフラッグス>の存在を知った二人はアルハザンに味方し、大会中に彼女を倒す事を決意する。「未来視」とさえ噂される優勝候補・ヒデオの動きによって、クロスフラッグスは思わぬ展開を見せるが…
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うわあああ、敵も味方も熱いっ!
3巻ではちょっとテンションダウンかなと思う部分もありましたが、今回は物凄く面白かったです!

魔殺商会vsヒデオ・ウィル子達が参加するアルハザンという形で、遂に前シリーズ主人公である鈴蘭とヒデオの直接対決が実現!……というわけで、ヒデオ達の戦いも勿論熱いのですが、今回はとにかく鈴蘭達が圧倒的過ぎる!因縁の敵同士であったエリーゼ商会とアルハザンを味方につけ、大きく成長したウィル子の能力で規格外だらけの魔殺商会の面々を翻弄したところまでは良かったのですが、本気を出した鈴蘭達がここまで強いとは。

一見バラバラのように見えながら、自らに絶対的な自信を持ち、同時にそれに相応しい実力を持って立ちふさがる魔殺商会の小細工なんか必要としない圧倒的な強さ。そして自らの前に立ちふさがる圧倒的な宿命を全力でぶち壊そうとする鈴蘭の思いがかっこよすぎ。久しぶりに全開な鈴蘭節に、「お・り・が・み」ファンとしてはニヤニヤが止まらない展開でした。一方、我が強いアウター達に振り回されてワタワタする、かつての鈴蘭の燐片も覗かせて、とにかく今回は前シリーズが好きだった人にはたまらない1冊という感じでした。正直、本来の主人公であるヒデオを鈴蘭が食ってしまっている印象は3巻から引き続いて否めませんでしたが…。

そんな彼女の強さにあらゆる面で圧倒され、自らが感じていた成長は全て仮初のものであると自覚してしまったヒデオ。打ちのめされた彼に容赦なく、更に過酷な現実が襲い掛かります。今までとは段違いに絶望的な状況に陥ってしまった中でも、せめて自分が巻き込んでしまった女性だけでも死なせるわけにはいかないと絶望の淵から立ち上がる姿に胸が熱くなりました。そしてその増援は流石においしすぎますよっ!!

物語は次巻で完結。半ばフライング気味に二人のその後が軽く示唆された中、多少精神的な成長はあったとはいえどもまだまだニートで臆病な自分を脱却しきれていないヒデオがどうやってその示唆された未来にたどり着くのか。最終巻がとても楽しみです。

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