ページ 141 | 今日もだらだら、読書日記。

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死神姫の再婚 薔薇園の時計公爵

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

突然、アズベルグの前領主・ディネロの所に結婚の挨拶をしにいく事をカシュヴァーンから言い渡されたアリシア。滞在中は普段仕事で忙しいカシュヴァーンと一緒に居られる、と素直に喜ぶアリシアだったがその裏では成り上がりのカシュヴァーンを亡き者にしようとする<翼の祈り>の陰謀が動き始めていて…?!
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天然ボケボケお姫様と暴君…と言われてはいるけど実は領民想いなツンデレ領主様の織り成すラブコメ第二弾。1巻を読んだとき程のインパクトはなかったものの、なんかもうキャラクターがみんな個性的で安心して楽しめるのが嬉しい。物語がどうのこうのというより、このキャラクターたちが動いて絡んでるというだけでニヤニヤしてしまう何かが。何かが。

初っ端からアリシアさんが前回自分が殺されそうになった毒を屋敷の人やカシュヴァーンに一服盛る事を、あくまで善意で考え始めたあたりからもう大爆笑。新キャラの時計伯爵・ディネロさん(こっちも天然)との要領を得ない会話にニヤニヤ。そして更にその二人の姿を見て嫉妬を隠し切れないカシュヴァーンをみてまたニヤニヤニヤ。電車の中で読むにはちょっぴりきつい書物でありました。

アリシアにたいする態度はその最たるものですが、カシュヴァーンの様々な部分におけるツンデレっぷりには始終ニヤニヤさせられっぱなしでした。税金を払わない貴族の納屋を焼き討ちにした件についての真意にいたっては、あまりに遠まわしな気遣いに笑いが止まらない。なんかもー、ほんと可愛いなあこの人は。

そんな二人とその周囲の人々にときめく一方、今回は1巻で後見人に裏切られた貴族の坊ちゃん・ティルナードに焦点が当たります。後見人に恵まれなかった彼が大きな後見人不信に陥りながらも、カシュヴァールに認めてもらいたくて仕方なくてついついツンツンデレデレしてしまう姿がとても微笑ましい。余裕のないカシュヴァールに愛称で呼ばれたときの反応とか、可愛すぎでしょう。そんな彼が今回、一つ大きな成長を遂げるわけですが……いや、ほんと最後の一言にグっときました。こういう可愛いおばかさんって大好きです、私。というかこれはノーラとのフラグが立ったと見て良いのだろうか。何気に似合いそうな気もするけど。

狙いすぎまでに「眼鏡キャラ」で「執事キャラ」なセイグラム氏も素敵。というか眼鏡とか執事なキャラは全然好みじゃないのに、うっかり何回かときめいてしまいましたよ!?ティルと併せて彼らの出番はひと段落?…という気がしなくもないですが、次巻以降も是非とも活躍して欲しいところです。ティル&セイグラムのコンビがもっと見たいとか思っている私が居る…。

しかし、セイグラム氏が大活躍するたびに、↓のマンガを思い出してしまったのは私だけじゃないよね!?
475751963X黒執事 1 (1) (Gファンタジーコミックス)枢 やな
スクウェア・エニックス 2007-02-27

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眞マ国より愛をこめて

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

危険を顧みず、“箱”の力を使って異世界へのトリップを敢行しようとする村田。ところが途中で他の力に介入され、見知らぬ…しかし、彼の魂が知っている男・眞王の魂の元に引き寄せられてしまう。彼の口から語られる、眞王と大賢者の馴れ初めとは…!?
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短編集第五弾……というよりも、「聖砂国編」を中心にした本編補完話と言った方が正しいかも。初代魔王こと「眞王」と、その軍師であった「大賢者」の馴れ初めや有利と村田の馴れ初め話もかたられて、全体的にこれなんて村ユスペシャル?とりあえず村田好きは必見というカンジのお話です。

結構楽しめましたが聖砂国編の終盤がグダグダだったので相対的に面白く感じたという部分が大きいかも。いや、決してつまらなくは無いんですがそろそろコテコテに笑わせてくれる今までの「まるマシリーズ」に戻ってほしいなあ…というのが本音。それなのに今回の短編でもどんどん暗い方向に物語が進んでしまいそうな伏線が張られていって、正直ちょっと不安です。

あと、後書きで「15.5」と称された書きおろし「彼はまだ還らない」は、多少無理してでも本編“聖砂国編”のラスト・エピソードとして「故郷マ」に入れて欲しかったです。砂マ・故郷マのページ数や構成を調整すれば、出来なくはなかった筈だと考えると本当に残念。まあその前から兆候はあったとはいえ…某なんとかのファンブックじゃないけど、アニメ3期にあわせて「砂マ」を強引に出しちゃって後のテンポが狂いまくった感が否めないんだよなぁ。

新たな伏線も張られたことだし、本編次回作はまた面白い組み合わせでの冒険が期待できそうなので、そちらに期待したいと思います。良くも悪くも「つなぎ」の一冊でした。

まあ正直、何が一番不満なのかって「故郷マ」以降ヴォルフラムの出番が少なすぎて涙が止まらないわけですが。畜生畜生!!ラストのオトコマエなヴォルフが唯一の心の清涼剤でしたよ畜生!!!

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今月のまとめとオススメ本[2008年6月分]

2008年も上半期終了ですよ!時の流れは速い……
というわけで今月の読了本は18冊でした。見事に4月以降、月18冊ペースを維持しています。
去年の平均が17冊なので多少増えているのか…。

2008年6月の感想ページアクセストップ4

名誉欠番:「バカとテストと召喚獣1」(今月も元気に第三位とかでした)

花園のエミリー
⇒感想

バカとテストと召喚獣4
⇒感想


ドラマCD バカとテストと召喚獣
⇒感想

とある魔術の禁書目録16⇒感想

毎月、月末の半端な時期に出るファミ通文庫はこういう記事作るときにアクセス数が分散されて1位取れない宿命にあるよなあ……というわけで、今月ぶっちぎり1位を維持していたバカテス4巻、最後の最後で「エミリー」に追い抜かれる。ってスーパーダッシュも月末発売なんですけど!!ネタバレ防止で長らく「続きを読む」仕様にしていたのが原因か、それとも「booklines.net」さんと「Alles ist im Wandel」さんがダブルでうちの記事を取り上げてくれた関係か…でも6月1番のオススメも「花園のエミリー」なので、皆さん是非読みましょう。

2位と3位はもう…何も言うまい。なお、バカテス1巻を名誉欠番にしなければ3.5巻発売直後と同じような顔ぶれになっていたという素敵な罠。余談ですが感想ページを除く今月アクセス数1位はバカテス人気投票支援してましたページで、今月のアクセスベスト6位(禁書16の下)にはバカテス3.5巻が控えていますが何か?

というわけで名誉欠番により、順当にアニメ化決定の「とある魔術の禁書目録16」が繰り上がり。今回も良い熱い展開でした。検索ワードの方に、何気にアックアさん関係が多かったのが印象的。今までの禁書シリーズの中でも有数に良い敵キャラだったと思いますアックアさん。

2008年6月に読んで面白かった本



紫電一閃!華蝶仮面3(上)
⇒感想

ベン・トー2
⇒感想

死神姫の再婚
⇒感想

SH@PPLE?しゃっぷる?2
⇒感想

花園エミリーがアクセス数の方でTOP4入りしてるので、繰上げで曹操様可愛いよ曹操様な「紫電一閃!華蝶仮面」が一人勝ち。とりあえず百合かツンデレが好きならなんとしても読むべき1冊。ちなみに私、曹操×董卓じゃなくて董卓×曹操だと思うんだがいかがなものか。「ベン・トー2」は持ち前のアツさもさることながら、どんどん受キャラ化として本領を発揮する主人公に100万票!「死神姫の再婚」はツンデレ鬼畜×天然娘な夫婦にキュンキュンしっぱなしで、もっと早くに読めばよかった?と大後悔しましたです…はい。

しゃっぷる2」は、1巻でツボだった燃え展開が少なくて★評価は低めなのですが、安定して楽しめる少女漫画的ラブコメで、今年始まった新シリーズの中では屈指のオススメ作品です。女の子には特にオススメしたい1作!

2008年6月の面白検索キーワード

先月、数ヶ月ぶりに検索語句総合ランクTOP1から滑り落ちたバカテスですが、今月はアニメ化確定の「とある魔術の?」を破って華麗に1位に返り咲き。新刊発売効果でパワーアップして帰ってきました。


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恋姫・無双外伝 紫電一閃!華蝶仮面 3(上) ?わたしを愛した覇王?

[原作]BaseSon [著]御門 智 [絵]水月 悠

赤壁の戦いを切り抜け、新たなる仲間となった鳳統と共に呉を離れた蜀御一行。ところが再び路に迷い、今度は魏にたどり着いてしまう。そこで彼らはかつての敵である董卓軍と遭遇するのだが、様々な行き違いから董卓が曹操の元に囚われる羽目に。赤壁での無理が祟って倒れた華蝶仮面の回復を待ちながら董卓奪還に力を貸す事になった一刀達だが…
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「恋姫無双」の外伝ノベライズ第三弾。2巻までのような熱血美少女特撮モノな雰囲気は影を潜めてしまいましたが、その分普通にストーリーが面白かった。っていうか今回はラブコメモードですよ!?

史実とは対照的におどおどした引っ込み思案の少女・董卓と、2巻でもちょっぴり登場して高飛車っぷりを見せ付けてくれた曹操によるハートフル百合ストーリー。赤壁の戦いでの悪役っぷりもとても素敵だった曹操様ですが、今回は「覇王」として厳しいながらも仲間を思いやる強い王としての一面と、意地っ張りな一人の少女として自分とは対照的な董卓に惹かれていく姿が描かれます。ていうかとりあえず今回の感想曹操様可愛いよ曹操様!!でいいんじゃね!?

典型的なツンデレ少女で、気高く誇り高く強い曹操が、後半に行くにつれどんどん董卓にデレていく姿が可愛らしくてたまりません。一方で董卓の正体を知った彼女が自分付きの召使としてただの“月”という少女を愛せなくなった事に対して葛藤する姿がまたものすごく魅力的。そしてラストで魏の「覇王」としての自分を貫こうと決意した曹操が、結局どうしようもなく自らの感情に振り回されてなりふり構わずしまう董卓を追いかけてしまう姿が可愛すぎました。挿絵の入れ方がまた物凄く絶妙なんだ……。曹操と董卓、二人の関係が次に発売される「下巻」でどのようになってしまうのか、とても楽しみ。

華蝶仮面の能力に制限が加えられ、そんなときに限って彼女の力がないと厳しい事件が次々と起こるのはお約束。彼女が主役の外伝ということで、よもやこのままフェードアウト…ということはないでしょうが、上巻での絶望的に厳しい展開からの大逆転!にも期待したいところです。

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えたーなる★ふれんど Fromはぴねす!

[著]水碕 睦月 [原作]ういんどみる [絵]せんむ

とある事件をきっかけに瑞穂坂学園の普通科から魔法科に編入した小日向雄真だったが、ある日突然体調を崩して倒れてしまう。どうやらここ最近で急に魔法の力を使うようになった所為で、彼自身の心と体がついていけなくなっているらしい。御薙先生の見立てで唯一雄真を正しい方向に導くことが出来るといわれた渡良瀬準は雄真につきっきりで看病をすることになったのだが…
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18禁美少女ゲーム「はぴねす!」の外伝ノベライズ。うーん、今までのなごみ文庫が猛烈にアタリ率高かったから期待が高すぎたというのはあるのかもしれませんが……ちょっと期待はずれ。

雄真と準の一人称を交互に使うという文章形式を取っているのですが、一番酷いと2?3Pずつ交互に視点が入れ替わるというような状況が何回も続くので目まぐるしく、読んでいてとても疲れます。文章に注釈入れれば視点を変えまくってよい、ってもんじゃないとおもうんだ!!そもそも、雄真側の視点を加える事にそこまで意義が見出せなかったし…。

他のキャラクターの出番も必要最低限に絞られていて、良くも悪くも準くんに萌えられないとキツイお話でした。ラブコメとしては悪くは無いんだけど、逆に他のヒロインと主人公の絡みがこのスピンオフだけでは殆ど見て取れない為、このキャラクターを男にする必要性を感じなかった。原作ゲームではサブヒロイン扱いだったのでまだメインヒロイン昇格にならない原因ということで納得できそうなんだけど、これだけ乙女ちっくなキャラでメインヒロイン扱いで「でも男です」っていわれてもなあ…みたいな部分が。

特に、終盤で中途半端に女体化してしまうのは個人的には興ざめだったかも……こういうネタをやるなら、もっとページ数を割いて、準くんの切ない気持ちとかをどーんと描いて欲しかった。それまでのお話でもこいつら十分ラブラブしてたので、元の鞘に納まることに対してそこまで悲哀を感じないんですよね。

準くんのキャラについては……能書きに「実は男です」って書かれてる女、くらいにしか見えなかったのが個人的には痛かったかなあ…普通に女の子として描いてくれたほうが素直に二人のラブコメを楽しめた気がします。特に腐方向から女装キャラに萌えてる人間としては、もうちょっと男の子らしい部分を見せてくれないとギャップ萌えが出来ないというか…いや、まあ「エロゲにそんなん求められても困る」といわれるとその通りなんですけど。

とりあえず、最後に女装少年萌えとして一つ言っておこう。
女装ヒロインはメインヒロインに昇格できない日陰っぷりが最大の魅力なんだぜ?

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ベン・トー 2 ザンギ弁当295円

[著]アサウラ [絵]柴乃 櫂人

半額弁当を求め、今日もスーパーでライバル達と凌ぎを競う《狼》となった佐藤洋。そんな彼の元に、暴虐無人な幼馴染・著莪あやめが現れる。実は彼女も“湖の麗人”の二つ名を持ついっぱしの《狼》であった。洋の先輩であり師匠でもある“氷結の魔女”槍水仙に勝負を申し込むあやめだが、その裏では多くの《狼》たちを巻き込む陰謀が進行していた…!
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夜のスーパーで半額になった弁当を巡り、《狼》と呼ばれる猛者どもが無意味に熱い闘いを繰り広げる熱血バカ小説第二弾。新キャラや新勢力がも登場し、物語もスケールアップ……って、全国各地に居るんだ《狼》!?
てっきりあの地方固有の伝統というかそういう何かだと思ってました……そのうち4巻とか5巻くらいになると、全国の《狼》集めて全国トーナメントとか開催されそうでイヤな感じですね。なんかなさそうに思えるけどあってもおかしくない気がするのはどうしてだろう?

さてさて今回も、ともすればとても熱い…ように見えてよく読みなおすと何かアツさが間違ってる熱いバトルが展開されます。卑怯な手段で強引に力を得た者や自ら《狼》を捨てて犬に成り下がっても《狼》としての心意気を忘れられない者に洋達が立ち向かいます。1巻でライバルとして闘い合った者達も、ある時は今までと同じように凌ぎを削り、またある時は協力し……と、まるでスポーツのような爽やかなバトルが展開されます。ゲーマー大喜びなメタメタなギャグも健在。さりげなーくちょっとよい話を展開するのも忘れては居ません。

相変わらずの熱さの大バーゲンセールに加えてキャラクター達の個性も2巻になって磨かれてきます。ナチュラルセクハラ系な新キャラ・著莪あやめやどんどん間違った方向に自らの才能を拡げる白粉花は勿論ですが、たった一瞬の登場なのに猛烈なインパクトを与えてくださった白梅様が忘れられません。あのご雄姿を拝んだ後では思わず様付け必須みたいな。

まあそれはとにかく、個人的にはどんどん弄られ系受主人公としての才能を拡充し続ける主人公が愛しくてたまりません。今回は白粉の妄想の犠牲になるだけではなく、リアルでオッサンに裸に剥かれたり、単一電池を大変な所に挿入されそうになったり、女装姿で夜のスーパーに出陣する羽目になったりします。……いやあ、よもやこんな早い段階でリアルで女装ネタが来るとは予想外でしたねー……女装姿の洋きゅんの挿絵がないのがとても残念です。

洋はこれからももっとどんどん弄られるといいよ!!主に白粉あたりに。
3巻がとてもとても楽しみです。(腐女子的なイミで)

それで、「筋肉刑事」の単独書籍化はいつですか?
買いますので教えてください。ていうか削った編集表へ出ろと。
……あれ、集英社ってBLレーベルあったっけ?

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花園のエミリー 鉄球姫エミリー第三幕

[著]八薙 玉造 [絵]瀬之本 久史

このままでは皆を護る事はできない…そう悟ったエミリーは、かつて彼女の命を狙い、大切な人たちを奪い去ったグレンの父・ノーフォーク公ジョゼフと直接対決することを決意。僅かな供を引き連れ、敵地に侵入したエミリーは諸侯を王宮に集め、王位の完全な返還を提案するが…
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自らと周囲の人間の平穏の為、エミリーが敵の喉元に潜り込み、物語が急展開を迎えるシリーズ第三弾。

とりあえず、真っ先にひとこと。
「2巻の展開が生ぬるい。がっかりだ」とか思ってる人は
今すぐ書店に行って買ってくるといいですよ?

…今回は本気で……凄いです。作者本領発揮しすぎです。


ノーフォーク公との形の上での和解、弟王ガスパールとの姉弟関係改善、そしてエミリーの完全な王位返上……と物語が希望に向かって動き出す……と思ったらラストで盛大なちゃぶだい返し。

1巻での容赦ない展開とは打って変わって2巻・3巻で描かれてきた展開は全てこのエピローグで全部叩き壊す(←ネタバレ)為の布石だったと言う訳なのですね。あんまりにもあっさりと語られるのであやうく見落としそうになりましたがまさか物語最後の1行だけで今までの努力を全部無に返すとは…なんという容赦のない物語だろう。そしてなんて悪趣味なんだこの作者!(※最大級の褒め言葉です

とにかく3巻終盤までの希望に満ちた展開が、とても幸せそうに見えるだけにラストのどんでん返しの威力が絶大すぎる。仲の良さそうなエミリーとガスパールの姉弟の姿も、愛憎を経て今までのような「憧れ」ではない、等身大の父親の姿を漸く見ることが出来るようになったグレン親子の関係も、そして「もう誰も大切な人を失いたくない」と懇願するエミリーの姿も、全てが痛い。全てが良い方向に向かっていたと思えるだけに。

本当にここからどういう展開になってしまうのか…楽しみのような、心配のような。
この物語だったらあっさり全滅エンドとか来てもおかしくないんじゃないかと思い始めました。
とりあえず、来月発売の「第四幕」に期待。

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SH@PPLE?しゃっぷる? 2

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

憧れの少女・蜜から“胡蝶の宮”典子と3人で温泉に行こう、と誘われた淡路舞姫(…の格好をした弟の雪国)。双子の姉の舞姫の私服を持ち出し、女装して旅行に出かけることにしたのだが、二人に気づかれないよう公衆温泉に入ろうとしたところをホテルのオーナーの娘・エリスに見られてしまう。更に弟の不審な様子に気が付いた舞姫とSEOの面々もこっそりついてきて…!?
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双子の姉弟の入れ替わり女子高ラブコメ、第二段。今回は女の子二人と嬉し恥ずかしな旅行に出かけた雪国が、旅先で様々なトラブルに巻き込まれるお話。女装ラブコメというウリともろに「萌え」を狙った挿絵が特徴的ですが、現在腐的な意味を除外すれば女の子にも読んでほしい非少女レーベルライトノベルNo.1かも。

「温泉」「お泊り」と女装していて正体を明かせない雪国にとっては致命的にもなりかねないイベントが目白押しで、正体に気づかずに女の子同士の調子で振り回す蜜&典子に悶々とする雪国の姿がとても微笑ましかったです。女装軍団を気味悪がる二人の会話を聞いて地味にへこんだり、二人がベッドの中にもぐってきて眠れない夜を過ごしたり…と女装ネタならではのイベントが多かったのも女装ネタスキーとしてはうれしいかも。一方姉の舞姫も全く男を意識しない仕種で一緒に居るSEOの連中を悶々とさせます。非モテだけどウブで紳士で結局隣の布団で寝ることすらままならないSEOの面々が愛しすぎる。

ラブコメ方面では自らの気持ちを自覚し始めたのは良いものの、舞姫(雪国)が女装してるばかりに「女同士なのに…!」と思って葛藤し、それでも舞姫(雪国)がお姉さまやエリスと仲良くしている姿を見るとヤキモチを焼かずにいられない蜜や、家柄の違いに気後れしつつ早くも彼女への独占欲を覗かせる雪国の様子がとても可愛らしい。終盤の追いかけっこには爆笑しながらも「いいぞもっとやれー!」とニヤニヤしてしまいました。しかし「雪国争奪戦」と見るならば胡蝶の宮・典子も参戦して来そうな気配で今後どうなるのやら…。

ラブコメ率が高くなった分、1巻の時の様な「燃え」展開が影を潜ませてしまった部分があるので個人的にはその辺がちょっと残念だったりしましたが、とても楽しかったです。3巻は舞台を学園に戻して大炎上の予定らしいので、次巻を楽しみに待ちたいところ。

……しかし、個人的に今回の再萌えポイントは、やはり舞姫の風呂を(本人公認とはいえ)覗こうととするSEOをさりげなーくガッツリ雪国が牽制するシーンだと思うんだ。

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はてなスターをSBにも設置してみた。

ちょっと前からちょっと気になっていた「はてなスター」を試験的に設置してみました。
記事タイトル横にある☆マークをポチっと押すと記事の横に☆マーク(設定によってはそれ以外の画像)が表示されるというサービスで、特にコメントとかは送れませんが(文字列をドラッグした状態でボタンを押すとその部分の引用は可能)気軽にブログ管理人の気力を上げることが出来ます。はてなIDをもってサービスにログインしている事が条件のサービスなのではてなユーザー以外が多い腐女子サイトとかではどうしても需要のなさそうなネタですが、慣れると拍手とはまた違った味わいがある、中々面白いサービスです。

というわけで今回はSereneBachにはてスタを導入する方法を……書こうとしたのですが、
ぶっちゃけやり方はJUGEMやロリポブログと全く同じなのであまり面白みがありませんでした。ちなみに、個人的にはYukke Clipsさんの説明記事が一番判りやすかったです。

このままでは記事として面白くないので小ネタをひとつ。
(説明がとてつもなくヘボいですが、備忘録代わりなのでご勘弁ください…)

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ディアナ・ディア・ディアス

[著]新井 素子

南の国は、代々“高貴なる”ディアの純血を持つ人間のみによって統治されている。その血は気高く、同時にその血を持つ者を狂気に陥らせる呪われた血でもある。しかし、純血の跡継ぎが居ないまま暫定の王が立ち、そのカイオス王の治世が長く続いていた頃、カトゥサは兄であるリュドーサの死にり、ムール将軍家の後継者としての道を歩きはじめる。彼は純血のディアの男“ディアス”であり、“運命”は彼を巡って動き始めていた…
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「扉を開けて」と世界観を共有するファンタジー小説。「扉を?」は世界の真ん中にある中つ国を舞台にしていますが、こちらは南の国が舞台となっています。あちらと同じような少女漫画系異世界ファンタジーかと思いきや、こちらは神である“ディア”である血を受け継いだものの出世とは無縁な大神官を目指していたカトゥサが兄・リュドーサの死を転機に稀代の王への道を歩み始める…という戦記系極太ファンタジー…というのはタテマエで、本線は呪われた血を持つ母・ディアナの半世を辿りながらディアナとディアス(カトゥサ)と、彼らを巡る人々が織り成す様々な“狂気”を描く壮大な「ヤンデレファンタジー」です。

明晰な頭脳とは裏腹に狂気を併せ持つディアの血を引く主人公のカトゥサと母・ディアナの歪みに歪んだ母子関係も病みまくってますが、王としては優秀だけどある凶念を併せ持ち、皇女であったディアナを追い詰める現王・カイオスの狂気も相当なもの。また、母子に使える侍女の親子、パミュラとプシケの献身的な姿も解釈によっては狂気に見えてきたりするのがまた…。

あらすじを読むとカトゥサの立身出世の物語のように思えますが、メインはあくまで母・ディアナの半生にあると思います。その為、戦記ファンタジー的なものを期待すると痛い目見るかも。王女であったディアナがいかにして自らその位を退き、一介の将軍であるムール将軍の下へ嫁ぐ事になるのか、リュドーサの弟であるはずのカトゥサが何故ディアの純血の長男にしか与えられない“ディアス”という名で呼ばれるのか。そして、血に翻弄されて最後まで哀しい人生を歩んだ女性・ディアナの半生の物語。正直、カトゥサ側の物語もディアナの“その後”を描く為の壮大な伏線に思えてなりません。あのエンディングはカトゥサがディアの“狂気”を孕んでいく様子を描いていなければ、意味不明のまま終わったものだったでしょうから。

頭でっかちな母子と侍女コンビのやり取りがメインとなるので、他の新井作品に比べて少々読みづらいなあという印象も受けましたが、新井素子の“狂気分”を補給するにはとても良い物語でした。ヤンデレ好きは読んで損は無いと思います!

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