[著]深見 真 [絵]うなじ 家庭環境に恵まれず、2ヶ月遅れで高校に入学した佐々木一兎。必ずどこかの部活に入らなければいけないと言われてできるだけ活動の無さそうな映画部の見学に行った所、「ここにはお前のできることは無い」といわれ、追い出されてしまう。ところがその帰り道、映画部に所属する少女と共に変な奴らに襲われて… |
うーん、可もなく不可もなく、つまらなくは無くて、面白かったかといえば面白かったとはいえるけど、「気に入ったのか」といわれると返事に詰まる…そんな感じでした。よくある学園異能ですね、の1言で片付けられてしまうというか、薄味というか。ベタすぎてこの作品だからこその面白さというものがあまり伝わって来なかったというか。
前半はまだ普通に面白いなあと感じたんだけど、終盤の展開が詰め込みすぎで酷い。一兎が疑われた後にもう1?2エピソード挟んで、部活メンバーの結束を強めるような展開になるのかと思ったら、速攻で真犯人が判明して緑茶噴いた。あと、女子はまだいいんだけど男子のキャラ立ちがなんだか不自然。熱血くんなのか被害妄想気味ネガティブ少年なのかイマイチよくわからない主人公とか。突然よくわからないままBL臭をプンプン漂わせはじめる部長副部長コンビとか(あそこまで露骨に狙われると、腐女子としてはちょっぴり萎えるんだ…!)。キャラ立てが不完全なままで無理やり動かしているという印象がぬぐえませんでした。女子も睦美さんは結構好きなんだけど、志甫はなんというか……全角カナで音声再生されると想像すると、2ch用語連発がこんなにウザイとは思わなかったっ!!「ウマー」「キタコレ」「ワクテカ」とか……1、2回口を付くくらいなら結構あるけど、連発しないで欲しい…。
なんだかんだと感想を書き始めると文句しか出てきませんが、普通に面白かったことは面白かったです。というかバトルシーンよりも断然日常シーンのほうが面白かったかな。特に心理学や映画に関する薀蓄話はなかなか興味深くて、かなり楽しく読めました。
ただ、毎月大量にラノベが排出されるこのご時勢で他の作品を読む暇を削ってまでこれを読みたいかと聞かれるとちょっと…という感じはする。とりあえず2巻まで買ってあるので、3巻以降を買うかどうかは2巻次第で。