[著]田中 ロミオ [絵]山崎 透 人間が衰退し、妖精さんが新しい「人類」としてまったりと住まっている世界。調停官の仕事をしている「わたし」はある日、妖精さんが作ったとおぼしき謎の不思議道具の知らせを受け、それの調査をすることになりました。その中から計量スプーンを発見した「わたし」が効果を確かめる為、クッキーを焼こうとしてみたところ、いつのまにか妖精さんサイズに縮んでしまっていて… |
「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」は、妖精さんの不思議道具で妖精さんサイズになってしまった主人公が元の姿に戻る為に「小さな」「大冒険」を繰り広げるというお話。ミニマムサイズになってしまった「わたし」がわたわたとあまりにも大きくなってしまった自分の家の中を歩き回るあたりはほのぼのと和んでしまう何かを感じるのですが、後半になるにつれブラックなネタが頻出し、最後の場面では思わず手に汗握ってしまいました。この「数字」増やすための解決法がまたバカバカしくて、このシリーズらしくて素敵。…しかし、最後の方は何故どんどん「数字」が減っていくのかイマイチ判らなかったんだけども。
「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、遂に復帰する事になった「助手さん」を迎えに行ったら、なぜか何度も何度も同じような事を堂々巡りでやるハメに……という、ループもの。…えーと、1度読むだけでは意味がわからなかったんだけども……とりあえずお菓子食べたいだけのために自らの技術力を無駄遣いする妖精さん達が可愛すぎる。そして、なんだかんだと言いながらしっかりと本能のままにお菓子を作ってしまう「わたし」が可愛いですw
ちょっとSF色が強くなったとはいえ、独特のまったり具合は健在で、地味に続きが楽しみなシリーズです。というか続編は今週発売なのかーーーっ!!!なんというタイミング…。