ページ 151 | 今日もだらだら、読書日記。

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2007年に読んだ本まとめ その1


あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

去年は萌えの勢い余ってバカテス本まで出してしまった当ブログとしましては、巫女姿の秀吉でも描かねばいけないのではないかという考えが脳内をよぎった今日この頃ですが、時間的な都合で間に合いませんでした……このブログを見てくださってる皆様は冒頭の台詞を読む際、各自巫女服姿の秀吉が頬を染めながらなれない標準語で挨拶している姿を思い浮かべればいいと思います。隣に巫女服の明久が思い浮かんだら、貴男も立派な腐の仲間入り☆

そんなこんなで今年の総括行ってみます。

2007年の読了冊数
 2007年1月:16冊 2007年2月:17冊
 2007年3月:11冊 2007年4月: 7冊
 2007年5月:17冊 2007年6月:14冊
 2007年7月:16冊 2007年8月:16冊
 2007年9月:22冊 2007年10月:16冊
 2007年11月:13冊 2007年12月:8冊
合計:173冊


ほぼ約2日に1冊ペース。
スパロボW(3?4月)や原稿(11?12月)の関係で読了ペースが猛烈に落ちた時期を除外して考えれば、いつも通りな感じがしますね。ちなみに12月には感想書いてないだけで新井素子のハードカバー読んだり、小説ツインシグナルの読み直しをやったりしてたので、その辺を加えれば約180冊ってところかと推測。

2007年読了のオススメ本
「2007年に読了した本」という区切りで、各部門ごとにベスト3を選出。
2007年読了にするか発売にするかで結構大きな違いが…特にアレとかアレとか。
なお、部門は一部去年のものから削ったり増やしたりしてます。
※画像リンクはbk1の該当ページとかに飛びます。(一部違うのあり)



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今月のオススメと面白検索キーワー…ど?[2007年12月分]

明日あたりに2007年まとめ記事を書こうと思っているんで、
全体的に超簡潔に行きたいと思います。

…というか、今月は本当に本を読んでいないです!!
久しぶりのまとめ記事がニュースサイトさんに紹介されたりしたもので
アクセス数自体は落ちていないのですが、11月の半分強ってところか…。
「マスラヲ」の感想が31日中にアップできるかとおもったら、
電車の中で寝てしまって出来なくなりました…orz

2007年12月のオススメ本。


とらドラ6!(⇒感想

文学少女と月花を孕く水妖(⇒感想

修道女エミリー(⇒感想

12月は豊作だったという声が実際多いようですが、
実際何冊も読んでいないのにオススメしたい本が多くて困りました…。
とりあえず色々神がかりすぎだった「とらドラ!」と「文学少女」は鉄壁として、
予想以上に上手く2巻につなげていった「修道女エミリー」をオススメ。

2007年12月の人気(?)感想三選。

実はアクセス数的には、1位が「とらドラ!6」で3位が「文学少女と月花を孕く水妖」だったりするのですが、同じものを2回紹介しても楽しくないのでそれ以外から順位出しました。
というか文学少女新刊の感想アップしたの5日前だよ!?追い上げ凄すぎ。

断章のグリム6(⇒感想

バカとテストと召喚獣(⇒感想

砂はマのつく途の先!(感想)

…実は、今月15日くらいまで「マ」最新刊がぶっちぎりトップだったのですよね。
注目度と評判の高かったトラどらと文学少女、感想が他所で紹介されてアクセスが高かったと推測されるグリムに抜かれるのはわかるんですが…

アクセス数4位のバカテスはなんだ…!


今月の面白検索キーワード

いや、面白いっていうか…

バカテス ぶ っ ち ぎ り 。

やはりバカテス本の告知が癌だったんでしょうが、先月凄まじかった彩雲国ですら検索キーワードではここまでぶっちぎっていませんでした。というか、検索ワードでここまで何かがブっちぎっているのを見たのは初めてです。

そんなに需要あるんでしょうか、バカテス同人。
皆もっと参入すればいいのに(切実)

あ、コミケでバカテス本購入してくださった皆様、本当にありがとうございましたー!(遅)

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“文学少女”と月花を孕く水妖

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

夏休みに遠子先輩たっての頼みで、半ば強引に麻貴先輩の別荘につれて来られた心葉。ところが、彼らの前に八十年前に起きたという惨殺事件の影が忍び寄る。八十年前の事件との様々な符合を自ら仕組んだ麻貴先輩の思惑とは…?
   個人的お気に入り度数
心葉と遠子先輩がすごした、まるで“夢のような”夏休みの物語を描いた番外編。
単なる番外編かと思いきや、最後で物凄い不意打ちを喰らわせられました。なんとなく序盤から普段と違ってどこか不安そうな遠子先輩の描写が大量に出てくると思ったら、こういう幕引きですか!一気にクライマックスとなるであろう「卒業編」が待ち遠しくなってしまいました。ていうか、これでななせエンドがほぼ確定となった訳ですが!大どんでん返しで遠子エンドをちょっぴり期待してたのに!

麻貴先輩の別荘を舞台に巻き起こる八十年前の惨劇の謎解きや、文学作品の薀蓄も勿論、いつもの通り魅力的ですが、今回はとにかく遠子スペシャルといっても過言ではありません。麻貴先輩やお手伝いの魚谷さんにヤキモチを焼く遠子先輩、不安げで儚い遠子先輩、そしていつもの通りの“文学少女”な遠子先輩……と、彼女の魅力が余すことなく描写されています。最近は琴吹さんがヒロイン扱いで遠子先輩の影が薄かったと言うのもあるけど、とにかく遠子先輩がめちゃくちゃ可愛い。ななせさんも可愛いんだけどやはり遠子先輩好きだ…!

ところで、ラストの麻貴先輩と○○○のやりとりは…意味に気が付いたら本当にニヤニヤが止まりませんでしたね。麻貴先輩、ななせさん以上のツンデレ娘だと見た!そんな二人に全く気づいてない、ウブな心葉がまた微笑ましい。

今回取り上げられた泉鏡花の作品の如く、夢のように美しく、そして夢の終わりの儚さを感じさせる番外編でした。読み終わった後、しばらく余韻に浸ってしまった程。もうとにかく卒業編が楽しみです。

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修道女エミリー 鉄球姫エミリー第二幕

[著]八薙 玉造 [絵]瀬之本 久史

ノーフォーク公の3男で、マティアスを「師」と仰ぐグレン。父や兄達の役に立とうと護衛騎士として修行を積む彼に、ノーフォーク公はエミリー姫の護衛を命じる。師が命を賭して護り抜いた憧れの姫を護衛できると喜び勇んでエミリーが院長を務める修道院に赴いたグレンだったが、彼女は想像とは全く違う下品な姫様で…!?
   個人的お気に入り度数
「鉄球姫エミリー」で結構綺麗に終わっていたように思えたので続きが出ると聞いてどうなることやらとドキドキしていたんだけど、そんな不安などまさに心配御無用だったシリーズ第二作。前回の事件でセリーナ以外の親しい者が殆ど喪われてしまい、王位継承権を放棄して修道院に入ったエミリー姫が、新たな仲間達を得るというお話。

エミリーにとってはまさに仇敵以外の何者でもないノーフォーク公の息子が、真実を何も知らされないまま派遣されてきた事を皮切りに新たな陰謀の影が浮かび上がるのですが、前作のふてぶてしいまでの倣岸不遜ぶりを知っていると、罵詈雑言を吐きつつも親しいものを再び喪うまいと一人で必死になって今にも倒れてしまいそうなエミリーの姿が痛々しくてしょうがない。下品な言葉の応酬も、やっぱりちょっと強がりの裏返しと言う気がして、前作と比べるとキリがないですね。世間では「鉄球姫」と呼ばれ怖れられる彼女ですが、今回は新キャラクターであるグレンの視点から見ることによって、エミリーの精神的に弱い部分がかなり露に描かれてきて、とにかく哀しい気分になります。教会でのシーンではちょっと泣いた。

以前はものすごいセクハラを働きつつもなんだかんだと慕われていたエミリー王女、修道院では外敵を気にしてかなり強引に様々な方向転換を行った結果、修道女達からはお世辞にも受け入れられているとは言いがたく……。前作でのジュディのようなポジションにいるお人よしで心優しい少女・ロッティの意外な台詞にはハッとさせられてしまいました。それだけエミリーも精神的に余裕がなかったということなんだけど、ポジションがまんまジュディだっただけに、彼女だけはエミリーの良いところを解っているような展開を期待してしまっていたんだなあ。前回のように大量の死者が出るような展開ではないのですが、どこか冷徹で残酷で容赦のない物語展開は、紛れもなく「鉄球姫エミリー」の続編なんだと感じさせる部分が多々あります。

そんなこんなで、とにかく人が死にまくりな1巻から、残酷な事件を糧に少しずつ信頼できる仲間を得て新たに強く立ち上がる2巻という感じで既に完結した話から無理に2巻を作らなくてはいけないのであろう新人さんの作品にしてはものすごい上手い繋ぎ方をしたなあという印象で、凄く面白かったのですが、相変わらず戦闘描写が読み辛いのはなんとかならないものか……。

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キスとDO?JIN! 同級生は801嫌い!?

[著]小林 来夏 [絵]由良

同じクラスでスポーツ万能の姫宮君が中学時代の先輩と口論している所に出くわした七海。何故かその場の勢いで姫宮に告白され“お付き合い”をすることになるのだが、彼女は姫宮に対して1つの負い目を感じていた。その「負い目」とは、姫宮の口論相手である先輩・小野寺に関することで…
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それにしても、なんでこのシリーズはこう狙ったかのように人が同人で修羅場ってる頃に発売されるんでしょうか。余裕入稿で3桁ページ数の本を出してしまう七海に嫉妬が止まらない。

もういっそ、私ネーム描くから七海に作画やってほしい…(切実)(プライド?なにそれ、おいしいの?)

そんなこんなでテンバイヤー、脱税同人作家と毎度ギリギリなネタを提供し続けるこのシリーズ、第三巻は一部の腐女子的にはまさに禁断とされているナマモノでやってまいりました。ナマ、というか周囲の男性で801っていうのは自分的には未体験ゾーンだったので結構新鮮に読めました。でも確かに自分が密かに本気で妄想してた男の子達にその妄想がバレたら、本人達が気にしてなくてもめちゃくちゃ気まずいだろうなあ?…

真っ直ぐでちょっぴり天然気味な姫宮君がいつもとは逆に、あの最強執事を翻弄する姿に爆笑。その後の凸凹野球対決でも笑わせていただきました。例によって執事のいい味出しっぷりは異常(特にオマケ漫画…)なんですが、それに追随するほどに東条兄妹がいい味だしまくってます。更に相手チームのピッチャーと水無瀬のきまず?い対決ではもう笑いが止まらない。短編のマダム・バタフライがまた、めちゃくちゃ可愛くて。正直メイン2人(高橋&西東北)は完璧に周囲に食われてるよなあ…というか、ぶっちゃけ明良が最強キャラになってない?

2巻までと違って同人ネタは少なめに感じましたが、その分脇役達がどんどん魅力的になってきて、純粋に楽しんで読めるシリーズになってきたような気がします。濃ゆい人々が繰り広げるオタク的ドタバタラブコメ、という方向でも楽しめるのですが、同時にちゃんと腐女子の萌えポイントを的確についてくるところがニクイ。ヘタレな乙女攻×ツンデレ少年が元々好みの私は、今回の小野寺×姫宮はストライクゾーンガッツリだったしね!!姫宮君は逆ツンデレ属性も併発してて、個人的に萌えろといわれんばかりでした。

いやあ正直序盤から、「小野寺は絶対、姫宮好きだろ?!」と思ってたら、ラストのイベントシーンでプーアル茶噴きました。ギリギリそれっぽく書かれているのにどうとでも解釈できる終わり方にはしてやられました。さすがベテラン同人誌作家。この寸止め感は絶妙すぎる…!!

なんか1巻から地道に面白さが増してきているシリーズなので、続編が来年末というのはいささか遠すぎる気がするのですが、うずうずしながら4巻を待ちたいと思います。

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おと×まほ3

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

彼方の通う学園で文化祭が行われた。いつも通りヘンタイだらけのクラスメイト達に悩まされつつ、いつの間にか依と留真まで巻き込んで、彼方のクラスの喫茶店は大盛況に終わる。しかし彼方はそんな楽しい雰囲気の中、どうしても思い出せないクラスメイトが一人居る事に気が付いて…
   個人的お気に入り度数
アニメイトで初回限定版買って来ましたよ?。ミニポスターは「どないせいっちゅーねん!」ってかんじでしたが、この価格でこのお値段ならむしろ良心的と言えるんじゃないでしょうか。個人的にはポスターいらんから小冊子の内容を充実させてくれと言いたくてしょうがなかったけど。

相変わらず彼方を振り回し続ける変態クラスメイト達のやりとりが最高。自分たちを「ヘンタイ」の集団だと言い切る潔さといい、隣のクラスの彼方親衛隊隊長・古伊万里とのバトルもミモノ。しかし、いい年した男にウェディングドレスを着せて校内を歩き回らせるとは、本当に腐ってるなこのクラス(褒め言葉)。まあ個人的には、ウェディングは依お姉さんに着せてあげて、かなたんには和服を着ていただきたかったんだけど。

そしてほのぼのムードの前半とは打って変わって、「いいんちょ」の正体が明らかになる中盤以降はシリアスな魔女っ子バトル全開。いいんちょとその後ろにいる敵の正体が明らかになった所で最強キャラの此方かーさん帰国、今まで敵だったキャラがいつのまにやら味方ポジションに、と美味しい展開が目白押し。かなたんもパワーアップして、大団円で満足でした!!……と言いたいところなのです、が。

とりあえずラストが納得いかない!!トランスセクシャル萌えと女装っ子萌えは、似ているようで全くベツモノなんだと主張する!!
「のべるのぶろぐ」さんに至っては遂に「TS魔法少女モノ」とか書いちゃってるし!ち、違うんだー。TSと女装はあくまでベツモノ…だとおもうんだー!(自信なし)

本当に、ラストバトルでこんなにハラハラした(別の意味で)は本当に久しぶりでした。違うんだ…そこでそう来るのはなんか違う……そこでかなたんが本当に女になってしまったら正直このシリーズ買うの止めてただろうとまじめに考えたくらいにはハラハラしてた。……いや、あの、……女装は凄い萌えるんだけど、「女体化」には全く来ない……あれの違いといったら、それこそ「パンツ脱いで股を開いてる女の子」に萌えるか「風でめくれそうなスカートを、顔を赤く染めながら必死に抑えてる女の子」に萌えるかくらいの段差があるんだよう……。

オチでなんとか元に戻れたからよかったとはいえ、今回の話でトランスセクシャルをする事による魔女っ子としての上位モードがあるという話になってしまったという今回のオチ自体が、今後はTS展開も視野に入れて物語を進めていくためのフラグ立てのように思えてしょうがない。女体化属性全くない私にとっては不安でしょうがない。

…確かに魔女っ娘のかなたんはかわいかったけど!
く、くやしい!ヤスさんの描く、魔女っ娘かなたんがめちゃくちゃかわいいのがなんだか悔しい…!!

1・2巻でも全体的に「魔法少女モノとしては面白い、でも女装少年モノとしては駄目」って評価だったんだけど、今回のオチはマジで酷かった気がする…。百歩譲って、こういうネタはシリーズ完結までとっておいて欲しかった。いやマジで。こんな序盤で、安易にやっていいネタじゃないよこれは…。

物語自体が面白いので今のところ切る予定はないのですが、女装少年好きとしては時々耐え難い展開が多くなってきたので、今後の展開によっては切る事もありえるかな…まあとりあえず4巻待ちって感じで。

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「エニックス」のノベライズ作品を忘れないであげてください

GAMECITY文庫の陰で忘れられつつあるスクエニとコナミ (StarChartLogさん)
こんなエントリを見てしまうと、1990年代後半は少年ガンガンと共にあった私としては熱く昔のエニックスについて語らなくてはいけないような衝動にかられてしまうのですが!いつぞやの「ライトノベル読もうぜ!」さん発のレーベルレビューみたいな感じで語ろうかと思ったのですが、知識が足りない上に長文になってしまうので、自分の心に残ったスクエニ小説作品を熱く語ってみます。

現在のEXノベルズの全身となる「エニックス文庫」の創刊が1989年。DQ4コママンガ劇場の刊行が1990年、少年ガンガンの創刊が1991年だそうなので、実は出版事業的にはマンガよりも小説への参入の方が早かったようですよ。これは個人的にはちょっと驚きでした。

ちなみに当時は「ゲーム・アニメ作品のノベライズ」「ゲーム作品(後期は一部のガンガン作品)のゲームブック」「オリジナル作品」の3本柱での刊行が行われてました。特にゲームブックは他の出版社では見られないメディアミックスだったので新鮮だった記憶が。

小説版・ドラゴンクエスト
小説 ドラゴンクエスト4—導かれし者たち〈1〉 (ドラゴンクエストノベルズ)小説ドラゴンクエスト5—天空の花嫁〈1〉 (ドラゴンクエストノベルズ)

(※リンク先は復刊版のものです。)

ドラクエ未体験者の私が偶然読んだ、久美沙織さんのノベライズ。元々、小学生時代に廃品回収に出されていたものをコッソリ拾って帰ってきて読んだという懐かしい思い出があったり。
久美さんというと「丘の上のミッキー」「ここは魔法少年育成センター」あたりがあるので、ライトノベル作家として現在もお馴染みの作家さんですが、その一方でオリジナル設定付け加えまくりの大暴走なノベライズをする人として一部では有名な作家さん。

ノベライズを手がけた小説版MOTHER2が、何故かネスとポーキーの友情物語になり、
後書きで「MOTHERがBROTHERになっちゃいました。」という
歴史的な名言を残した作家さんとしても(私の中で)有名です。

そんなこんなでこの作品、ドラクエのノベライズなのですが原作ゲームと同じ話をやっているのに違う展開になったり、ストーリーによっては結末そのものが変わったり……とかなり面白いことになっている……らしいです。すいません、ドラクエは久美版ノベライズしか知らないのでどう違うのか判りません。ただ、Wikipediaを参照した限り小説版独自のオリジナル設定はDQ1?3を担当された高屋敷さんの時代から存在するので、エニックス的にもそういう原作改編に積極的だった可能性は高いのではないかという気もしますが。

とりあえず、ゲームを知らない人間でもまったく無理なく楽しめる良作でだったと記憶しております。
大学に入ってからサークルでこの話をすると外伝→正史扱いになった「精霊ルビス伝説」を好きだったという人が結構多く久美さんのノベライズ話題で盛り上がったりも。

ゲーム作品各種のノベライズ
小説スターオーシャンセカンドストーリー〈下巻〉エナジーネーデ解体ゲーム作品ノベライズの全盛期、殆どゲームをやらない学生だったのでこちらは殆ど記憶にないのですが、忘れられないのがやはり梅村崇版「スターオーシャンセカンドストーリー」です。

基本的に原作に沿った内容ながら、さりげなくオリジナル設定入れてくるドラクエノベライズから続く伝統は変わらず。下巻のフィーナルでの十賢者との戦いではどこぞのアニメ版無印セーラー●ーンよろしく仲間が次々に十賢者と相打っていくという展開に。当時人気のあった某キャラクターが干からびて骨と皮だけの死体(←思い出したら状況勘違いしてたので修正)になる姿が生々しく描写され、うっかり読んでしまったファンの間で阿鼻叫喚の叫びが木霊したのも懐かしい思い出です。今思うと、キャラクターありきのノベライズ作品で物語を盛り上げるためにここまでガンガンメインキャラクターを惨殺してしまうノベライズというのも稀有なのではないかと。

最愛のキャラクターがエクスペルごと死亡した設定になっていて良かったなあと、ここまでしみじみ思った事もありませんでしたが。

少年ガンガン作品のノベライズ
当時「グルグル」「ハーメルン」「ツインシグナル」「守護月天」などの数々の有力作品を抱え、全盛期にあった少年ガンガンはEXノベルズとは別に「コミックノベルズ」という、自社コミック作品のノベライズを専門とするレーベルを作っていました。
基本的には外伝作品という位置づけの作品で、こういったノベライズ作品にしては珍しく2桁以上の巻数を記録したシリーズも僅かながらありました。

小説 ツインシグナル〈Vol.8〉電子の陽炎(下)小説 まもって守護月天!〈11〉いつまでも君のそばに

その稀有な2作品。「小説ツインシグナル」が全10巻完結、「小説まもって守護月天!」が全11巻完結の長編シリーズ。後者に至っては途中連載中止になった本編より刊行巻数が多くなってしまったという伝説持ち。

「小説ツインシグナル」は自分の中では正直かなりノベライズ作品のバイブルだったりします。同人作家出身らしい一部キャラ及び組み合わせへの過剰表現は多少(…いや結構)ありましたが、原作とはまた違った形で面白い作品でした。特に後半で本編の舞台になっていったシンガポールに関する描写が秀逸で、読んでる途中で何度も「行ってみたいなあ?…」と思ったものでした。一部キャラへのひいきはめだったものの、さりげなくちゃんと本編で影が薄くなりがちのキャラクターが出てくるのも嬉しい限りでしたね。あと2巻「仮想の未来」はAIツンデレ娘が好きなら是非読んで欲しいかも。

なお、ノベライズ版の作者さんであるお二人はその後、別レーベルからも何冊か本を出されてます。「まもって守護月天!」の藤咲さんは他作品のノベライズでも活躍されている模様。北条さんは……どこいっちゃったんでしょうね。ビーンズで1冊出されたっきり、消息が判りません。EXノベルズあたりで出した「奇跡の知性」が神だったので、SFジャンルで本だしてくれたら今でも作者買いする気満々なんですけども。某同人誌ショップで小説版コンビそのまんまの18禁小説本を発見して驚愕したのは私の胸のうちに秘めておきます…(秘められてない)

その宿命は星に訊け—岐伯春秋紫の末裔 学園王子の秘密 (ビーズログ文庫 ふ 1-2)


その他、巻数の少ない作品でも覚えてるだけで「東京アンダーグラウンド」「浪漫倶楽部」「刻の大地」「最遊記」……と、ある程度人気のあった作品はかなりの確率でノベライズされていたと思います。

そういえば巻数の少ないノベライズ系では「原作者当人によるノベライズ」なんてものもありました。

小説スパイラル 推理の絆〈2〉鋼鉄番長の密室 (COMIC NOVELS)コメント欄等で話題に上ってたので追加。ミステリ作家であり「推理マンガのはずがいつのまにやら頭脳バトル漫画になって最終的に話がSFで世界規模な話に!」「吸血鬼バトルモノだったはずなのにいつのまにか宇宙に飛び出しちゃった!?」を初めとする読者の斜め45度上を突き抜けていく奇抜なストーリー展開で(ガンガン読者的には)お馴染みの原作者・城平京先生本人による「スパイラル?推理の絆?」の小説版で、4巻まで刊行されてます。推理マンガの原作者が担当する小説版といえば「金田一少年の事件簿」の小説版が頭に浮かびますが、スパイラルの方は連載初期から少年ガンガンWebサイト上で、現在の「スパイラル・アライヴ」に登場するキャラクター・小日向くるみが登場する「小日向くるみの挑戦」という外伝的ノベライズを連載していて、小説版と漫画版の同時進行が結構新鮮だった記憶があります。特に2巻「鋼鉄番長の密室」はミステリ的にも評価が高いらしいです。
ところで城平先生といえば「ヴァンパイア十字界」のノベライズは出ないのでしょうか。


こちらはソノラマ文庫の「倒凶十将伝」や「ペリペティアの福音」、最近の作品では富士見ファンタジアの「サイレント・ラヴァーズ」の挿絵を手がけられ、ライトノベル挿絵作家としても人気の高いの結賀さとるさん原作の「E’s」小説版。たぶん全2巻。なんと漫画原作者本人によるノベライズ。普通に手元にあったのですが1巻の後書きを漫画で描いてる所にいっぱいいっぱいさが伺えて実になんというか……いえ、別に出来が悪いというわけではないのですが。特に原作者本人の強い要望によるものではないようなので、エニックス側の実験的な試みだったのかもしれません。

1巻がアシュラムキャラ中心の過去話・2巻が本編の物語を繋ぐ外伝…という位置づけになっていますが、後書きを読む限り話を作りやすくするために一部原作との設定に差異がある模様。色々な意味で野心的な一作であったことに間違いはないと思います。



小説・鋼の錬金術師—砂礫の大地 (Comic novels)実はこの「コミックノベルズ」、細々とながら最近まで刊行されていて、鋼の錬金術師のノベライズが出てたりします。第1巻の「砂礫の大地」は小説からドラマCDに、そしてアニメ化の際にもエピソードの1つとして収録されました。こっちも現時点で6巻まで出ている、結構な長寿シリーズになってます。

オマケ。独自色の強い小説大賞について
実はEXノベルズのオリジナル作品は榊一郎の作品と「夢見が丘」しか読んだ事ないのですが、当時少年ガンガンWING(→合併後はガンガン本誌)で募集された小説大賞では予めデザインの決まっているキャラクターを出題し、そのキャラクターを使って小説を書くという独特の方法を取ってました。

1回目は箱田真紀さんの描いたキャラクターのみで、第二回以降は複数のキャラクタービジュアルより選択。最近の大賞募集はキャラクター縛りがなくなってしまったそうで、ちょっと残念。母体が漫画雑誌らしい試みと言うカンジで結構好きだったのですが…。

スクエニ発新人の1作目となる「夢見が丘」はスクエニお家騒動に巻き込まれて結構かわいそうな感じになってしまっていたようですが。割と好きな作風だったので、ちょっともったいなく感じます。

くさる前に抱きしめて (スクウェア・エニックス・ノベルズ)スタンプ・デッド (Square Enix novels)

「スタンプ・デッド」は今月5巻が出るみたい。
あと、「戦鬼」の川口士さんが同時受賞でスクエニでも作品を発表してたりしますね。

そんなこんなで
スクエニも地味に色々良い作品があったりするので、皆さん忘れないであげてください。特にノベライズ。
久美好き・ドラクエ好きならDQのノベライズは一読の価値あると思うし、全盛期に刊行されたノベライズは全体的に当たりが多かったように感じます。ほんと、「外れた!」と思った記憶が殆どない……。オリジナル要素が強い作品が多いので、面白いと感じるかはひとそれぞれだと思いますが。全盛期の作品で思い入れのある作品があるなら是非小説版も探してみてください。

個人的にはノベライズ全盛期のライトノベルレーベルとしてのエニックスは大好きだったのですが、最近はノベライズを買いたいと思うほど魅力的な作品が少ないのが切ない感じだなあ……。

※12/14 一部誤字脱字があったのを修正、ついでにコメント欄を元にある程度文章を追加してみましたー。色々反響ありがとうございます!「奇跡の知性」はマジで神作品。

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とらドラ6!

[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス

文化祭の一件以来、大河が竜児を捨てて北村と付き合いだしたという噂が流れ、噂の張本人である大河は有頂天、竜児は溜息の耐えない日々を送っていた。ところが、残りの一人である北村は、文化祭以来燃え尽き症候群にでもなったかのように何をやっても上の空。挙句、生徒会長選挙の話題が出たとたんに教室を飛び出してしまって…!?
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5巻がすごく良かったのでこれ以上の展開はなかなか望めないかも……と思っていたらやってくれました。もうなんていうか……ラストは涙なしに読めなかった…。

「スピンオフ!」の頃から見え隠れしていた北村の、すみれ会長への密かな恋心に遂に決着が。選挙演説中に告白、というのはなんとな?く想像ついてましたが、その後のすみれの言動や各キャラクターの行動はまったく予想付かなかったです。大切な友人の為に奮闘する竜児と大河のまっすぐな気持ちがひたすら熱い。本当にこれは「ラブコメ」なのかと、何度も考えてしまうほどの熱さでした。

でも、だからこそ、すみれ会長みたいに賢いが為に、真っ直ぐなだけではいられないような人には心を抉る言葉だったんだろうなあ…普段は男勝りで冷静で狡猾な生徒会長が、真っ直ぐな二人と向き合ってポロリと漏らした本音は、その本音を押し隠していたであろう心情を考えただけでも、あまりにも胸に痛くて。竜児や大河とは相容れない人物だったかもしれないけど、自分の感情に流されずに北村の事を人知れず思いやったすみれ会長の行動は、正直今回の各キャラクターの行動の中で一番胸に沁みました。大河たちと同じ直情型の自分には死んでも真似出来ないと思うし、たとえ卑怯だといわれてもそういう形で自分の想いを貫くことにした彼女を尊敬して、応援したい。あと、遂に固有名詞が「独身」になってしまったゆり先生(独身・30歳)も応援したい。

今回はもちろん、前半もすごく良かったのですが、やはり各主要キャラクターの想い・本音が交錯したラストが壮絶すぎて、何もかもが一気に吹っ飛んじゃった感じでした。今回全部を吐き出してしまった(笑)北村はともかく、今回思わせぶりな行動を取ってくれたみのりんや亜美・大河の思惑はなかなか底が見れないし、それを受けて竜児の気持ちが今後どう動くのかも見もの。もう今から次巻が待ち遠しくてしょうがありません!

しかし、本当にこの物語は最後何処に行き着くんだろう。ぶっちゃけ、亜美とくっつくセンはないかなーとは思うものの、竜児が大河に転ぶかみのりんに転ぶかは五分五分という印象なんだよなあ…。

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「バカとテストと召喚獣」本告知。


今年の冬コミで「バカとテストと召喚獣」女性向布教本出します。

腐女子向けのネタが基本ですが、一応男性の方でもそれなりに女性向けに耐性のある人ならばいけるくらいの内容…?秀吉の性別は「秀吉」ですが生物学上は男なので801に入るんでしょう。多分。1日目「その他ゲーム」スペースでの頒布でになりますが、本が余れば2日目のジャンプ系のスペースにて委託をお願いする予定です。

詳細は「続きを読む」からどうぞ?。


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Dクラッカーズ 7 王国?a boy & a girl?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

たったひと時の少女との邂逅に、“魔法使い”は動揺した。そんな最中についに“騎士”が女王を取り返すために塔に侵入し、彼は迷いを持ったまま戦いに臨んでいく。一方、梓達もまた「王国」が具現しているというテレビ塔に足を踏み入れるのだが…?!
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正直なところ最終巻では前巻ほどの楽しさを感じなかったかも…勢いのまま盛り上がった6巻に対し、7巻は終わらせるためのある程度の予定調和的な部分を感じてしまったからか。梓と景の邂逅はとにかく、水原の悪魔召喚は7巻まで引きずっても良かったんじゃないかと思ってみたり。

というか、6巻と7巻はあらゆる意味で一気読みしなければいけなかったと思うのです。7巻を読むのに間を空けてしまったのが一番痛かったんだろうなあ…。

特に、梓と景の記憶が6巻のうちにある程度戻ってしまっていたのが展開的に盛り下がった最大の原因のように感じました。こういう展開になるならいっそのこと、6巻で二人が遭遇した際に記憶も感情もすべて取り戻させてしまっても良かったんじゃないかと。7巻ではまだ記憶は戻っても感情は戻っていないみたいな梓と女王のやりとりがありましたが、どうみても完全に梓の感情、戻ってるんだもん。その後「完全に記憶が戻りました」的な描写もないしなあ…。特に梓は、景に対する感情が戻っていなければ、あんな無謀な行動には出られないと思うんだけど、どうなんでしょうねこれ。

そんなこんなで一部にちょっぴり不満が残るのですが、それ以外はまさに「最終回」にふさわしい、見事なエンディング。最後まで梓に主導権を握られっぱなしだった景の「君が、目を閉じろ」っていうセリフには思わずニヤついてしまいましたし、あまりにも彼ららしくて笑いが止まらない甲斐と茜のやりとりも素敵過ぎる。悪魔3人の最後のやりとりもなんだかすがすがしいものがありました。というか最後の最後でバールの発言にときめいた。かっこよすぎ!!

何より、水原兄弟のやりとりが特にかっこよかったなあ。千絵との言論闘争も凄く良いんだけど、この兄弟のねじくれた言葉の押収が実に良い感じ。
特に、↓このやりとりはキュンキュンしましたね。個人的名台詞認定。

「で、いま俺って美人の味方やってんだ。悪魔なんかより気が利いてると思わねえ?」
ベルゼブブはしばらくの間、じっと弟の顔を見つめていた。
その、短いような長いような時間の間に、彼の優秀な頭脳が、何を考え、何を思っていたのか、第三者には計り知れない。
ベルゼブブはその瞬間、紛れもない水原信司の表情を見せて、
「そうか——」
と、ささやいた。
「いやいや。悪魔のほうが断然格好いい。絶対普遍の支配者に対する、誇り高きレジスタンスだぞ。真の自由の体現者だ。エロイムエッサイム」


さて、今月で遂に連続刊行もおしまい。最後に物語の直前・その後を描いた短編集が出るという事なのでそちらに期待です。ていうか甲斐と茜のその後が読みたかったり!

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