ページ 153 | 今日もだらだら、読書日記。

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 14

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

宣戦布告を受けて、ヨーロッパの各地で学園都市に対するローマ正教徒のデモ行動が活発化する。毎日のように報道されるデモのニュースに不安と憤りを感じる当麻達だが、ただの学生ではどうする事も出来ないという無力感も感じていた。そんな時、「C文書」と呼ばれる霊装が今回の事件の原因であると聞かされた当麻は、土御門と共にフランスへ向かう…。
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学園都市とローマ正教の対立が遂に本格化し、様々な意味でクライマックスへ向けて動き出したという感じのシリーズ14巻。友人に薦めようとしたら「長すぎて手に取る気がしないよ…」と返されて、気がつけば電撃の中でも屈指の長編シリーズになっていた事に驚きを隠せない今日この頃ですが(いや、なんか私の中だとまだ「新しいシリーズ」の印象だったんだ…ペースが速いからでしょうか)物語が大きく動き出した話ではあるんだけど、その所為なのか何なのかこのシリーズ特有の「熱さ」とか「お約束感」が薄く感じてしまったなあ…次の巻への期待は高まるばかりなんですが、14巻自体は「イマイチ」でした。

ええと、なんというか普段それなりにお気に入りだった時の感想の締めの枕言葉としての使用法ではなく、「14巻の感想=15巻が楽しみです。」なんですよ。なんというか、15巻に繋げるためにだけ14巻が存在するというか、そんな印象。当麻の持つ「幻想殺し」の秘密が少しだけ明かされたり、神の右席の目的がちょっとあかされたり、ローマ正教が●●●成教と手を組んだり(バレバレ)、当麻の記憶喪失が御坂美琴にバレちゃったり(←重大ネタバレ)、様々な美味しい展開はあるんだけど、それはすべて「15巻でどうなるのか…!」という予告的な展開バレに過ぎなくて。大部分がそういう展開で構成されているので14巻自体の感動が非常に薄い、とでもいうのか。

せいぜい14巻単体の感想として語ることといえば、五和と当麻のやりとりが面白かったって部分くらいでしょうか。うーん、敵も今までのような「絶対に叶わない!」感があるわけでもなく、ちょっと薄味。つか戦闘シーンがいつも以上に何やってるかわからなくて、ちょっとダルかったのは私だけですか?そしてついにメインヒロインなのに出番がまったく無かったインデックス哀れ…。

「幻想殺し」の隠された能力については今後の物語の鍵を握りそうで、本当に続きが気になる限り。ていうか1巻に結構ヒントが隠されていそうな気がするので1巻を再読してみようかな?とかちょっと思いました。ていうか記憶喪失の話とかこの巻読むまで普通に忘れてたよ。

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吸血鬼のひめごと The Secret of Vampires

[著]鈴木 鈴 [絵]片瀬 優

親しい仲間達との別れから2年後、半吸血鬼である事を隠しながら日本の高校に通い始めたレレナ。自らの正体を両親以外の誰にも打ち明ける事ができずに思い悩む毎日の中、彼女は“あの人”の面影を持つクラスメイトと、吸血鬼の“主人”だと名乗る少年に遭遇する。そして人の欲望を叶える代わりにその願望を喰らうという魔物を共に追う羽目になり、再び「非日常」に巻き込まれていく…
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ある時気がついたというか目覚めた。

「愛の反対は?」と聞かれたなら、私は「憎悪」ではなく「無関心」と答える人間。ということは憎悪もまた一つの愛の形なのではないかと思った次第でありまして…

(「いつも感想中」さん)

リンク先で論じられた通り、「憎悪」が一つの愛の形とするならば、私が決して少なくない(一般人の平均から比べて)、今まで読んだライトノベルの中でたった2回だけ、読んだ事に憎悪を抱いたシリーズが何を隠そう今作の前身となる「吸血鬼のおしごと」であります。(ちなみにもう1つは神坂一の「闇の運命を背負う者」だこんちくしょー!「スレイヤーズ」本編最終回も微妙だったけど、あれほど最終巻イラネと思った作品も他に無いと思う。)

シリーズ序盤のまったりした吸血鬼ラブコメからはうってかわった欝全開のダークでグロな展開は最終的にサブヒロインの無駄死に、ライバルキャラクターの精神崩壊を経て主人公の暴走による自滅に至り、挙句取り残されたメインヒロインを放置プレイしたまま終了、というあまりにも報われない展開になってしまい、当時こういう展開に耐性の薄かった私は初めて読み終わった文庫を泣きながら壁に投げつけたのでした。

そんなこんなで絶対に出ないと思っていた続編が登場という事で、著者のその後のシリーズも「おしごと」でのショックから立ち直れず、1巻で挫折してしまった私は買うかどうか散々に悩みました。ものすごく悩みました。それでも結局手に取ったのは結局今月購入予定の新刊が比較的に少なかったからというだけの理由に過ぎないわけですが、本を実際手にとって、読み始めて思ったのでした。ああ、私はこのシリーズが本当に好きだったんだなあ…、と。

さて、続編となる「ひめごと」は前作を読んでいない人でもギリギリ楽しめるくらいの内容になっています。「お・り・が・み」と「マスラヲ」よりもリンク度合いは低い(だって主要キャラほとんど残ってないもんな…)ので前シリーズを知らない人でも結構楽しめるのではないでしょうか。当然前作を読んでいた方が楽しめるのは事実だと思いますが。そして、最初はほのぼの気味だった「おしごと」と違って今回は初っ端から結構ダーク気味。なんかもう「おしごと」であれだけの事をやられた後なので、もう欝展開もグロもダークもどんと来いだ!!という気分ですね。ある意味安心して読めます。

前シリーズを読んだ時点で正直「足手まとい」「グロシーンと虐げられ担当」「舞に出番喰われすぎなメインヒロイン」という印象しかなかったレレナ(失礼)が、この2年間でものすごく成長していて、前シリーズの役立たずっぷりを知っている読者としては新鮮でした。でも、そんなレレナが成長した原因を考えると…って感じで切なくなったりはするのですが…。特に半吸血鬼としての能力を生かして戦闘までそれなりに出来るようになっている事には驚きました。そういえば前シリーズで秘められた戦闘能力が……みたいな伏線があって、回収されずに終わったけどその辺がクローズアップされたりするのかもしれません。

新キャラもポジション的には前作で喪われたキャラクターたちを思い起こさせる要素を持ちながらもちゃんと別のキャラクターとして独立していて、すごく良い感じ。ただの人間だけどいつのまにやら巻き込まれてしまった青磁がなかなか熱血少年として良い味出してます。というかそれ以上にその従者(?)のたまが良いですね。何気に青磁の家にも色々ヒミツがありそうで、今後の展開が楽しみ。

そんなこんなで、久しぶりに読むと非常に面白かったです。個人的には今後レレナが新しい仲間を得て、過去の傷から立ち直っていくような展開を期待します。今作になってからレレナの「いい子」っぷりが実に良い感じになってて、ただの虐められキャラのまま終わるのは本当にもったいなく感じてしまうので。





まあそんな明るい展望を期待しつつ、全滅エンドの可能性も忘れないようにして読みますけどねっ!?

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ツァラトゥストラへの階段

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

学校でふと意識を失い、目を覚ました福原を待ち受けていたのは暗い部屋の中で自分と同じように手錠と鎖で繋がれた男女。そして部屋の真ん中から吊り下げられている一人の人間。彼らに与えられたのはトランクの中に入った大金と1丁の拳銃…。部屋に残った人間のうち1人が最後に首を吊られてしまうという“ゲーム”に巻き込まれた11人はそれぞれの思惑の元、脱出の為動き出すが…
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「扉の外」で色々と物議をかもし出した土橋さんの新作。「扉の外」のような人間を使った悪趣味な頭脳ゲームに、ライトノベルらしい異能バトル要素を加えたような内容で、前作を楽しめた人は結構楽しめるんではないかという内容になってます。まあ個人的には異能バトル要素いらなくね?とかむしろ「扉の外」の続編希望とか人知れず思ったわけですがその辺はきっと作者さんにも諮りきれない大人の事情があるのでしょう。他の作品でも同じような印象を受けた事があるんだけど…尖がったマニア向け作家を無理に一般受けさせようとして作者の持ち味そのものが薄味になってしまったような印象というか、そういうのが拭えない新シリーズです。(…ちっともほめてない気がすすのは気のせい)

とはいえ相変わらず人間の暗部をさらけ出すような、悪趣味(こっちはほめ言葉)なゲームシステムは健在。さりげなく「扉の外」と共通したキーワードが登場する事からひょっとして尻切れトンボで終わった「扉の外」との世界観共有があるのかな??と期待してみたりしてます。

適当にキャラ設定変えればそのまんま「扉の外4」と言っても行けちゃいそうな「Split Game」に対して、後半の「Interest Game」はかなりサバゲーから頭脳ゲーに近いというか、異能要素も相俟って今までとは多少毛色の違うゲーム展開になってました。というかゲームでの敗北がそのまま「死」に繋がらないこの「囚人ゲーム」に於いて、「プリズナー落ち」という「死」と同等あるいはそれ以上の重い「ペナルティ」の存在を印象付けて今後の展開に緊迫感を与える為の話という印象?というか、「SplitGame」の方が作者さんの本領発揮という感じを受けたりしました。

あと今回は主人公固定で行くみたいだし、もうちょっとキャラクターにも重点を置いてほしいなあ…。主人公が「囚人ゲーム」に参加する事になった動機がちょっぴり無理やりすぎるような気がするし、性格上、様々な女の子の間でグラグラしてきやがるので感情移入しづらい。ヒロイン格も無難な方面に行ってしまって「あの」正樹愛美・蒼井青子を超えるには到底魅力が足りない感じ。まあ前作は正樹愛美のキャラが何気に突き抜けてたっていうのはあるんでしょうが…。

そのほかゲームの難易度が上がってて私の弱い頭では理解するのに時間がかかったりと気になる部分もありましたが、ゲームシステムは相変わらず凄く面白いし、続きが楽しみな1作です。



【追記】そういえば、後書きの話だけどある意味2巻の後書きが気になる展開に!!

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もし○○ができたらどんなサイトを作りますか?

長いことウェブをやっていると、自分に○○ができたら良いのに!って思うことが何度も何度も何度も何度もあるのですよ。きっとみなさんも一度は思ったことがあると思います。(略)
というわけで、トラックバック企画。
アナタの思う「もし/もっと○○だったらこんなサイトにしてみたい!」という話を聞かせてください!

「いつも感想中」さんで見かけて、面白そうだったので参加してみますー。

やはりネタ振りをされているサイトさんでも既に似たようなネタが言及されてますが、ここんとこ常々思うのはもう一歩進んでもっと絵が速く/そして的確に描けたらなあってことです。やはり絵があるのとないので華が違う…というのもあるのですが、実はこのブログは開設当初、ラノベの感想とイラストを同時に扱うサイトになる予定だったのです。

当初の予定では「1)本を読む」→「2)感想を書く」→「3)印象に残ったシーン・キャラクターをイラストとして掲載」といういいとこ取りをする予定だったのですが正直感想を書くだけでも時間的にいっぱいいっぱいなのと、実際に出来上がったイラストが物語の感動だの余韻を全てぶち壊すほどに面白くなかったので2記事程で無かったことにしてしまったのでした。

うちのブログの現在の更新頻度くらいで、最初に考えたような感想文と絵の掲載を同時にやっていたら(まあ全部には無理だとしても…2?3作品に1個くらいは?)、ある意味他との差別化が図れて面白かったのかなあーとかは思うんですが、現在の頻度でももう文書くだけでいっぱいいっぱいなのでやっぱり無しにして正解だったかなー。とも思うのでした。

とはいえ、絵が速く/上手く描ける様になりたいと言うのは未だに…というか、ブログの開設当時以上にあったりしますけどね。このブログの更新頻度に押されて更新停止状態の同人イラストサイトは完全にこっちのブログの更新が無い時じゃないと更新できない状態ですし。

というか、コミケに受かるたびに「ラノベ本を…orz」といって、本命ジャンルの原稿で手一杯になってしまうのが痛すぎます。本命の片手間で別ジャンルの原稿が出来る身体になりたいぜ…。

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ある日、爆弾がおちてきて

[著]古橋 秀之 [絵]緋賀 ゆかり

ある日、空から少女が落ちてきた。以前好きだった少女にそっくりな彼女は自分のことを「最新型の爆弾」だと主張し、爆発するためには胸のドキドキが必要だと僕をデートに誘う。どうやら胸に付いている時計が12時を指すと、爆発を起こしてしまうらしいのだが…
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ちょっと不思議な女の子とのボーイーミーツガールストーリーを7編収録した短編集。「古橋秀之・秋山瑞人講演会」に参加するために急遽手をつけたのですが、これが予想以上に面白かった。ちょっとSFの入った世界設定がかなりツボ。お気に入りは「おおきくなあれ」と「トトカミじゃ」、「恋する死者の夜」あたり。

「おおきくなあれ」はクシャミなど、刺激を受けるたびに記憶が退行してしまうカゼにかかった幼馴染を家まで送り届けることになった主人公のお話。噛み合わない会話にニヤニヤしながら読んでいったら、最後そう落としますか!この後何が起こったのかとか考えると、もう最高です。

「トトカミじゃ」はラストの微妙に微笑ましいオチもさることながら、トトカミ様の設定が素敵すぎます。トトカミ様の好物=●●小説という素晴らしい罠。しかも、主人公が普通に「トトカミ様はこのへんの作者が好みだよ」とか言っちゃってる件。個人的には、出来れば主人公が"おそなえモノ"に手を出した際の反応が見たかったです。ええものすごく。

「恋する死者の夜」は死者が生き返り、日常を繰り返すようになった世界の話。死者が生き返り、生者は着実に減り、生活も死者に掛かりきりになり始めて…と、基本は一応ラブコメなんですが、全体的にものすごくブラック。だがそのブラックぶりが好き。

全体的に、結構ほのぼのとした作風なんだけど、何気にそれだけじゃない終わり方が良かったです。「恋する?」なんかはもう、完全にラストで冷や水ぶっかけられますね。設定を良く見直すとかなり欝な展開が多いのに、悲壮感が殆ど無いというか、そういうものを感じさせない作風という感じで、ちょっと独特な味でしたが凄く面白かったです。雰囲気的には新井素子の短編「週に一度のお食事を」あたりに近いかな。

全体的にものすごく好みな作風でした。積読が落ち着いたら、他の古橋作品にも手をつけてみたいなあ。

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ぼくと魔女式アポカリプス 3 Nightmare Crimson Form

[著]水瀬 葉月 [絵]藤原 々々

ドゥオーフの代替魔術師・蘭乱爛崎寝々は死んだ。しかし、彼女の引き起こした事件はまだ終わっていなかった。寝々の死体を奪い、敵として目の前に現れた級友。寝々の復讐(?)の為、澪達を付けねらう狂気の中華姉妹。そして新たな代替魔術師……急転する事態は澪と冥子に新たな選択を迫る!
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1巻の読後感想で、草太について下記のような感想を書いた私ですが↓

…ショタな外見で昼行灯な腹黒ってどういうこと!!その外見で数々の女の子達の母性本能を掻き立て、次々と虜にしていくという設定は実にけしからんです。更にその魅力で男まで食い物にしようとは…(以下中略)
草太×澪をかなり濃厚に妄想したのは乙女のヒミツです☆

まさか公式で実現するとは思わなかったです、草太×澪。

せっかく両刀イけるという設定なのに、既に澪が顕化済だったのが実に残念です。
まあとりあえずその組み合わせでエロというだけでも無条件萌えでしたが。

「馬鹿、おま、何を、やめ……ろっ!?」
「へぇ……結構、大きいわりに感度がいいみたいだな。合格点だぞ。はは、ほら、もう乳首が立ってきた。どーだよ、俺のテクは……にしても相手がお前だってのがすげえ変な感じだ」

組み合わせだけでもすでに水瀬葉月グッジョブ!!と叫びたいくらいなのに、やりとりがもうまんまBLノリ。本物のBL小説だったらこのまま身体を重ねるうち、双方にいつのまにか何だか判らない愛情が芽生えて大変な事になっていたところです多分。本当に、澪がそのとき女体だったのが残念でたまらない(落ち着け)

そんなこんなで、たった2Pの未遂エロに心を惑わされたお陰で正直それ以外の内容をほとんど覚えていないのですが、ストーリー本編ではますます救いない展開が続き、主人公たちの追い詰められていく姿が描かれます。かつて傍に居た人間たちとの敵対、人間であるにも関わらず絶対的な力を持つ暗殺姉妹、そして冥子にも見過ごせない変化が……と、どこまでも容赦のない展開にハラハラしっぱなしでした。特に沁姉妹の凶悪さは群を抜いていて、今まで対峙したどんな敵よりも恐ろしく思えてしまいました。やはり最後に一番恐ろしいのは人間ということなのでしょうか。

物語は一応ひと段落という形になってはいるものの、まだ到底「完結」とはいいづらい状況で、あとがきを読む限り打ち切り?臭いのが本当に残念でなりません。現在始まった新シリーズが終了した後でもいいので、続きを書いてほしいなあ。

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ぼくと魔女式アポカリプス 2 Cradle Elves Type

[著]水瀬 葉月 [絵]藤原 々々

街を歩いていた澪は突然サンバイザーを掛けたチャイナドレス姿の少女から渾身のドロップキックを戴き、首の骨を折られて半ば「殺され」た。“正義の味方”を自称し、代替魔術師であるという自覚もない彼女・蘭乱爛崎寝々はレンテンシアと冥子を「悪」であると断じ、正義の名の元に正殺しようとするが…!?
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前作でもあれだけ鬱々とした展開になった本シリーズですが、2巻では更に痛々しく、欝な展開になってまいりました。前回の戦いの結果として殺してしまった少女の事を未だ受け入れられず、必死にそこから逃避しようとする澪の心の動きが痛々しくもあり、悲しくもあり…。

でもその「死」と向かい合った後の澪は凄く強かった。「普通を嫌う」という、中二病臭い設定が今回のラストであんな台詞として生かされるとは思わなかったです。大切な物の死を最終的に受け入れ、前へと進んだモノ。そしていつまでも進めず、何もかも判らないまま哀しい未来を迎えてしまったもの。一歩間違えたら自らが歩んでいたかもしれない未来を目の前にして、結局救う事が出来なかったラストの救いのなさは本当に秀逸だったと思います。そして志半ばで倒れたレンテンシアの想いがまた切ない…。

物語は3巻で一応の完結(打ち切り…?)という事らしいので、最後1冊、登場人物たちがどのような最後を迎えるのか。ハッピーエンドの可能性は限りなく低そうですが非常に楽しみです。

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秋山瑞人×古橋秀之講演会に行ってきました。

すでに各所でレポートがアップされているのであまり必要ないかもしれませんが
備忘録代わりに軽く感想をば?。
本当に私観入りまくりの「感想」かつ「日記」なので、まじめな
レポートを見たい方は他所の方の記事を参考にされてください。
こちらに講演会のレポートまとめがあるみたいです。

というわけで11/4に法政大学で行われた講演会に行って参りました。
出かけようとおもった最大の理由は自宅の近くから法政大学多摩キャンパス行きのバスが出ているので、簡単に行けそうだという理由だったのですが、出かける直前にサインしてもらう予定だった「イリヤ」1巻が行方不明になったり、日曜日でバスの間隔が1時間に1.5本というすばらしい状況になっていたり、時間調整だかなんだかで西八王子駅前で15分近く停車しやがったりと見事東京の癖に地方もビックリのすばらしさを見せ付けてくれやがりまして、その後も広大な法政のキャンパス内で迷ったりとたどり着くまでがすばらしい波乱万丈ぶり。というわけで講演も途中からしか聞けませんでした…

講演中に両先生も仰られてましたが本当に大学と広大な自然以外何も無いですね…。
いや、地元民だし知ってた。知ってたけど!!
学部棟と学部棟をつなぐ通路?からみえる景色が偉く広大で綺麗でした。
大自然を満喫するには良いキャンパスだと思います。

会場は大学の大教室で、序盤ちょっと内輪ネタっぽい話題が多かったのと、1つのマイクを2人の先生が使っているのが気になったりしましたが、それはそれで大学の学園祭の出し物という感じで味がありましたw
対談をしながらプロジェクターを使って秋山さんが部誌に投稿した「猫の地球儀」の雑誌投稿前のオリジナルバージョンとか、古橋さんが描いた漫画の挿絵(大学時代は漫研だったらしい)とか見れたのもなかなか面白かったです。

話の内容としてはライトノベルの話題も多かったですが、創作中のエピソードとか創作関連の話題が多かった気がします。執筆中の様子とか癖とか、あと新作についての話題もありましたね。後の質問コーナーでも現役文芸部在籍中の方、小説を投稿している方なんかが質問してました。「どうやったら長い話を規定の枚数にまとめられますか?」って質問の後、「長編小説を書けません。古橋先生、長編小説を書くコツを…」なんてのが来たのはひそかにツボでしたw

方向は違いますが創作活動をしている身としては色々創作意欲を喚起させるような内容で、これから年末に向けて頑張ろうという気分にさせてもらえたのが、個人的には一番の収穫だったかもしれません。お話を聞く限りお二人の執筆スタイルがほぼ正反対という感じなのでそういう意味でも両者の違いを楽しめて面白かったです。

ラノベ関係だと質問コーナーで真っ先に交わされた質問が「秋山先生、E.G.コンバットとミナミノミナミノの新刊は…」だったていうのがなんとも…せ、切実なものを感じました…。どちらも未読なのですが「E.G.コンバット」の方は巻数が変わった関係ですでに2回くらいラストまで書いてあるとかなんとか…も、勿体無い。


2時間みっちりお話を伺って、最後にサイン頂いて終了。結構和気藹々とした雰囲気で進んでいくので楽しかったです。学生時代から講演会というものが苦手だったので今まで敬遠してきた部分があるのですが、こういうイベントだったらまた参加しても良いな?と思いました。



余談。
サインを頂こうと秋山さんの方の列に並んでいた際、すぐ後ろでサイン待ちしてたのがどうもこの方とかこの方だったっぽいんですが…たぶん。うーん、ここは一つ「いつもブログ見てます!」とかなんとか一言ご挨拶させて貰おうかと思ったのですが、いまいち確証持ちきれなかったので結局声かけられませんでした。チラチラ後ろ見てる不審人物が居たらそれは私です。ほんとすいません…。

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面白検索キーワード&今月のオススメ[2007年10月分]

さてさて毎度微妙に趣旨が変わったり変わったりして微妙に迷走気味の「今月のまとめ」コーナーですが、
検索ワードが毎回同じような本ばかりになって面白くない」という理由から、
大幅に前半の方向性を変えてみました。

人気検索キーワードで取り上げた本のまとめっていうのが何気に難しく…。
だって何故か途中までしか読んでもいないのに人気検索ワードの2位が某香辛料とか!
検索キーワードTOP5の5位以外、全部今月読んだ本じゃないとか!
どうしろと!ある意味オモシロいけどさ!

というわけで

2007年10月のオススメ本。


されど月に光は届かず(⇒感想

鉄球姫エミリー(⇒感想

お狐サマの言うとおりッ!(⇒感想

「魍魎の都」がツボ過ぎでした!おかげで暫く脳内歴史モノ祭でしたよ!
鉄球姫エミリーはエミリーのお下品ぶりとそれとは裏腹なグロ展開に燃え。

2007年10月の人気(?)感想三選。


キノの旅XI(⇒感想

ドアーズ1(⇒感想

アビスゲート(1)(⇒感想

早い話が「アクセス数の高かった順」というやつで。
随時当サイトの検索ワードの4割を占めるキノたんと神坂新シリーズ作品が仲良くランクイン。
アビスゲートはとにかく、DOORSはマジオススメです。さすが大御所(違)


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彩雲国物語 隣の百合は白

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

年末に士気が下がる左右羽軍の面々を盛り上げるため、武術大会が催されることになった。優勝者は宮廷一の色男・櫂瑜様の恋愛指南が受けられると聞いて左右羽軍以外の部署の官吏達や御馴染みの面々までが飛び入り参加して…!?
他、邵可が黒狼を継ぐきっかけとなった話、そして百合姫から見た通称「悪夢の国試」の顛末のお話の計3本+αを収録。
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遂に黎深様の時代がやって参りました。

後半2篇がまさに黎深様スペシャル。ここんところ、全体的に出番も無く影が薄くなりがちな黎深様の登場を心待ちにしていた貴方は絶対買いの1冊となってますw

「恋愛指南争奪戦!」はあらすじやタイトルからも想像出来る通りの、典型的なコメディ話。必死に優勝を狙う武官達を容赦なく追い落としていく御馴染みの面々の容赦ない姿も素敵過ぎますが、オチもいい具合にいかしてます。しかし、終始笑いの止まらない作品だっただけに、ラストではしんみりしてしまいましたね。

次の「お伽噺のはじまりは」は、紅家三兄弟の兄弟想いな姿が伝わってくる良い話。弟たちの為に自らの手を血に染める事を決意した邵可の姿にも胸を打たれるのですが、それ以上にラストの黎深・玖狼のやりとりが素敵すぎでした。黎深かこいいよ黎深。

そして書下ろしとなる「地獄の沙汰も君次第」。天上天下唯我独尊まっただなかの黎深が、邵可の傍に居たいが為に国試を受けようとして…という話。邵可や秀麗にはあんなにストレートな愛情表現をする黎深様が百合姫や「悪夢の国試組」に対してみせる素晴らしいツンデレっぷりに、最後までニヤニヤが止まらない話でした。紅家の経済力をフル活用した挙句、最終的には「あの」前王まで巻き込んで……というくだりではもう爆笑しっぱなし。黎深様かこいいよ黎深様。

そして更に何げに良い味出しすぎなのが、コウくんこと幼少時代の絳攸。黎深を無邪気に慕うその姿は様々な意味で同情を禁じえませんでしたが、その後も黎深と百合の仲を誤解(でもあながち間違いではない)してみたり、百合と噛み合わない会話をしてみたり……と可愛さ炸裂でした。

今まで出た「彩雲国物語」の短編シリーズの中では文句なしに一番面白かったんじゃないでしょうか。特に紅家及び吏部ファンの人は必読の一冊です。


れいしん様かっこいいよれいしん様。

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