ページ 156 | 今日もだらだら、読書日記。

あなたにここにいて欲しい

[著]新井 素子

真美と祥子はどんなことでもツーカーでわかってしまう、特別な仲。しかし、ある日一人の女性・藤原綾子とであった祥子は何かに怯えるようになり、ついに真美の前から姿を消してしまう。真美は綾子の主治医であるという男性・宇野と共に祥子を追いかけるが…
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この本を読んでると、本当にこの方の本は私の好みが集約されてるというか、なんというかな気分になります(笑)「テレパス」に「もう一人のわたし」、ついでに微鬱なストーリー展開とか。

超能力モノなんですが、女の子たちが超能力を持って華麗に戦う、的ストーリーでは勿論ありません。主人公・真美の親友の祥子は念動力で自分の家を燃やしてしまった過去を持つ、恐ろしいほどの人見知りで世間知らず。相対する綾子は人が30人も居るところに出れば気絶してしまうテレパシスト。「ブラックキャット」もそうでしたが、新井さん独特の弾けたキャラ設定がなんとも素敵。

中学時代に初めてこの本を読んだ時、印象に残ったのは何よりもこの本でのテレパスの描写です。今までSF漫画とか読んで「便利だな」とか「私もテレパシストになりたい」なんて思う人、結構居るんじゃないでしょうか。

この本を読むと「テレパシストってなんて可哀想なんだろう、怖いんだろう」って思えると思います。同じ空間に人が30人も居れば30人の思考が勝手に頭に入ってきて、気絶してしまう。口に出せないような汚い気持ちも、全て読めてしまう。考えてみればこんなに怖いことってないですよね。

私のSF小説とか超能力漫画を読むときの考え方を根本から変えてしまった本と言ってもいい。

そして現在読み返してみると印象に残るのは、こっちよりも真美と祥子の親友としての関係でした。今まで喧嘩もせず、ピッタリ息があってる関係って、仲の良いときはそれでいいんだけど一歩歯車が狂うと同属嫌悪陥って修復不可能になる事が多いんでうよね。
それを乗り越えたらきっと最高の親友になれるはず。二人の詳しい関係を話すと完全なEDネタバレになるので伏せますがラストで二人がまた親友として会話するシーンには目頭が熱くなりました。

ストーリーの軸になる言葉、「あなたにここにいて欲しい」。
これが一度だけ「あなたにここにいて欲しかった」になる場面があって
凄く心に響いたシーンでした。痛いというかなんというか…。
中学時代に読んだっきりの話なのに、この一行が一番心に残ってた。

愛って、憎しみって、友情ってなんだろう?って考えさせる作品。
でもちゃんとエンディングではハッピーエンドで、嬉しかったなあ。多少ご都合主義なところあるけども。


最後に。巧さんがかなり好み(笑)


ハッピー・バースディ


[著]新井 素子 
チグリスとユーフラテスが最新作だと思ってたんですが、アマゾンで検索したらこんなん発見して速攻取り寄せ。ライトノベル新刊も貯めてるけど、こっちを読むほうが先決だわ!!と読んでしまいました(笑)

ところで、新井さんの「夫に依存している妻」の描写って、何か昔に嫌な思いででもあるのかってくらい嫌な書かれ方してると思うんですが…。夫が帰ってこなくてデンパってく妻(おしまいの日)とか、夫が恋しい余りシチューにしちゃう妻(ひとめあなたに…)とか。

今回の話では夫に依存している奥さんである、あきらが主人公。
ストーカー寸前ともいえる「悪戯電話」攻撃が原因で少しずつ精神バランスをおかしくしていきます。小説家として大成して、幸せの絶頂期に居たあきらの元に時々やってくる、「いい気になるなよ」という趣旨の電話。実はそれは近所に住む、彼女を良く思わない浪人生・裕人の仕業なんですが、当然そんなこと気づかない。

…と、ここまではありがちな「ストーカー」の物語なのですが。

とある不幸により精神崩壊を起こしたあきらが、その不幸の原因を裕人に責任転嫁して逆ストーカーを開始。そんな昔のちょっとしたウサ晴らしのことなんぞすっかり忘れて大学にも合格して幸せの絶頂に居た裕人。

ある日彼が受けた一本の電話から「いい気になるなよ」という、昔の自分の声が聞こえてくる…。

とにかく、この辺が非常に怖いです。あきらの執念深さ、女の粘着質な姿がありありと描かれます。彼女は裕人の20歳の誕生日にとっておきの仕返しをしようと計画を練るのですが、その復讐計画もまさに女の怨念どろどろ。

個人的に一番怖かったのはエンディング。
新井さんの小説って時々ぞっとする恐怖が最後に来るんですけどこう「あ、ハッピーエンドで、全部収まってよかったな?」と思ってるとアンパーンチ喰らうという(古)読後感はぞっとしたまま終わってしまうのであんまりよくないです。新井さんはこの手のタイプのキャラクターには最後まで手厳しい…。

とりあえず、ハッピーエンドが好きな人にはオススメ出来ません。
一応精神崩壊からあきらは戻ってきますが…戻ってきたと言っていいんだろうか?これは。女の執念が怖いという事がありありと描写されてて、非常に怖い一作に仕上がってます。男の人はこれを読んで女の子に対する認識を改めてみてもいいかもしれませんよ?



…ふふふっ。


ムシウタ01. 夢みる蛍


[著]岩井 恭平
[絵]るろお
 
消閑の挑戦者シリーズの作者さんの本。世間的には代表作はこちらかと思われます。
割とシリアスしつつもコミカル要素強い「消閑の?」と違ってかなり重くてシリアス。
結構ありがちなボーイミーツガールストーリーなのかな?と思っていたのですが
後半はどんどんシリアスで暗い展開に。良い意味で予想裏切られました。

すいません、「このライトノベルが凄い!」で殆ど大助の正体なんかはネタバレしちゃってたんですが
実際ストーリー後半まで全く気づいてませんでした。
幸せな性格なのか単に馬鹿なのか、自分…。
裏表あるキャラ大好きなので、大助の正体には非常に萌えましたけどね。

詩歌も可愛いですが、個人的には利菜が好きです。
彼女の最後はなんとも切なくて、泣けました。
詩歌は「可愛い」というより「儚い」とかなイメージで…こういう子も好きです(笑)
「ふゆほたる」の戦闘シーンは、文字表現なのにめちゃくちゃ幻想的で綺麗で、非常にツボかったです。


蒼穹のファフナー


[著]冲方 丁
[絵]平井 久司

 
某深夜アニメのノベライズ。
何度見ても主人公が黒髪のシン・アスカにしか見えない、あの番組ですよ(待て)…すいません、私の第一印象はそんなもんでした。

自分の読むものが偏ってる可能性は否定しませんが、「平和な学園生活が急に戦場に」ってネタ、バトロワ以来増えたのかなあ…。というか全体的な展開が、どうにも同じ電撃文庫の「シックス・ボルト」を彷彿しちゃって(汗)

「かなりの鬱アニメ」というのは見ている方の感想などである程度聞いていたのですがいきなり級友が容赦なく死んでいったり、今まで共に戦っていた仲間が敵として襲ってきたり…ある意味オーソドックスな鬱展開の連続という感じが否めないですが(というかこの辺もろに「シックスボルト」と同じ展開…/笑)

普通こういう作品の主人公って言うのは「愛と勇気と根性」でその場を乗り越えるもんですが(古い?)
この作品では怒りなど負の感情が力になるという設定。個人的にはこの辺がかなり新鮮に感じました。
ファフナー搭乗時の主人公のブチキレっぷりがかなり怖い。

んまた、ストーリーの大部分が、大分先の主人公の回想によって進んでいくので改装前の部分で微妙にネタバレしちゃってる部分があり、
それを「○○はどうしてこうなったんだろう?」と興味を持って読み進むような形で、こんなストーリーの展開の仕方もあるんだなあとか思いつつ読んでました。

(2006/04/05追記)
その後DVDでアニメ版全部見てしまいました(笑)
今読み返すと、アニメ版に興味を持たせる持たせる程度の情報露出で、アニメ版に興味を惹かせようとする、「ノベライズ」本来の目的としては成功ではないかと。


消閑の挑戦者2 永遠と変化の小箱


[著]岩井 恭平
[絵]四季 童子

 
1巻は相当必死に探し回ったのに、2巻は気まぐれで途中下車した駅前の本屋で発見だなんて本気でこのシリーズに運命感じちゃいました(笑)

個人的に1巻の「ゲーム・オブ・ザ・ルール」のシステムがかなり好きだったので全然ゲーム関係ない展開でしょんぼり…したのもつかの間でした。
ストーリー自体は単なるSFパニックアクションになりそうで、それでいて前巻の魅力だった頭脳戦主体な部分は全く変わらず。
「ウルトラジャンプ」の能力がメインに出てくるようになったおかげでSF要素が増してある意味正等派なラノベらしい面白さって感じになってきました。

あと、このシリーズって主役2人が最後まですれ違い続けるところがまたいいと思うんです。
二人で力をあわせて敵を倒す!!っていうんじゃなくてお互い離れた場所からあるときは互いを支援し、叱咤激励し、信じあって力を合わせる姿がかなり好きです。それと同時に、離れていると言う事以外展開自体はそんなに珍しくないと思うのに全体的に凄く新鮮に感じました。

ていうか、殆ど最強無敵キャラな小槙が、祥には頭が上がらないって展開がまた好み(笑)この人のもう1つのシリーズの方もいつか読んでみたいです。


消閑の挑戦者 パーフェクト・キング


[著]岩井 恭平
[絵]四季 童子

 
読む前に白状するとめっちゃ挿絵につられて購入した一冊。フルメタ!最新刊読んでフルメタ熱上昇してる時に四季さんが挿絵書いてる小説のレビューをレビューサイトでたまたま発見してしまったんですよ。もう運命としか(笑)

全体的な感想から先に言うと面白かったです。
ゲームのルールを追加していくという、バトルものでありながら物凄い知能戦なところがかなり好み。ルールで縛られた逆境からキャラクター達がちょっと不思議な能力使いつつ切り抜けていくところもかなり好み。
一歩間違えると電波さんに勘違いされそうな小槙のキャラも好み!です。

ところでこの作品、最初の方ちょっとバトロワの影響を色濃く受けてるような気がします。ルールの発表の仕方とかもBRの禁止区域を設定するやり方に似てるような気がするし、章のタイトルがキャラクター名で、そのキャラクターの視点でストーリーが展開するところとかルールの説明中に見せしめ目的で人が殺されるところとか、本当に細かいところなんですけどね。
ただ、最近同人サイトでよく見られる「バトロワパロディ」ではなくて、バトロワの要素を上手く取り込んで自分の作品にしていると思うので、別に批判したい訳じゃないです。
逆に意図的にBR要素を取り入れているんだったら凄く評価しちゃっていいんじゃないかと。

余談ですが、最後の小槙がかっこよくてめちゃ好みでした(*´▽`)


マテリアルナイト 少女は巨人と踊る


[著]雨木 シュウスケ
[絵]椋本 夏夜

 
前半は面白いと思うのですが、後半どうしてこの作品、こんなに展開のテンポが悪いんだろ…?
前半は一気に電車やバスの中で読み進めたんですが
中だるみしてるのか、中盤や後半は読んでる最中に眠くなったり、
「あれ?これってこんな展開だっけ?」っていって前に戻ったり…とにかく、テンポが悪い。
集中してストーリーを先に読み進めようって感じになっていかない。

ぶっちゃけ、真実を明かすタイミングが悪いような気がする。
「ひょっとしてこうだったんじゃ…」とか展開をある程度予想したところで
衝撃の展開がやってくるので、「あ?やっぱりね?」って感想しかもてないのです。
特に「ステューピッド」の意味と「テリードが生き返る部分」がね。
つうか、元々何も考えずに原作読むタイプの私に先の展開予想されちゃ駄目でしょ…(笑)
中盤のレアナが自分のマキナをシィナに見せる部分やテリードの正体は新鮮に驚けましたが。

後半の微鬱な展開よりも、前半のコミカルな展開の方が面白い気がした。
特に、どこかの批評サイトでこういう批評を先に読んでしまった所為もあるんだけど
主人公たちが罪を背負っていて、それを償いに宛てるだけの権力があって、鬱になるほど気にしてる割には
こいつら、何も償ってないよなあ…っと(笑)
たとえば自分たちが破壊してしまった街の復興資金をこっそり回すくらいは、出来たんじゃないかとか。
(ひょっとしたらその程度は当然やってて、原作中では描かれないだけかもしれませんが)


AHEADシリーズ 終わりのクロニクル3(中)


[著]川上 稔
[絵]さとやす(TENKEY)

 
ストーリーに関しては「中巻」だけにあまりいう事ないかなぁ…
なんだかんだ言いつつ重要な謎は全て下巻に持ち越しですし。

凄いこの小説、バトルも多いんですがラブコメ要素も強い気が。
風間と出雲の入れ替わりシーンとか、個人的には非常にツボいです。
あと、中身佐山な新庄がメラ可愛い(笑)

今回は個人的には京と自動人形のふれあいが非常に良かった。
人に服従するしか出来ない自動人形と、京がお互いを感化しあっていく場面は結構見ものだと思います。
モイラ2ndがまた健気で良いです…!!

2巻よりもノロケっぷりパワーアップした鹿島氏が最高。
つか既にM属性入ってないか?
月読部長も元々かなり好きなキャラなのですが、この2人の漫才(違)が溜まりません。

全体的に謎は下巻に持ち越しで続きが気になる一方。
佐山がどんな解決を見せてくれるのか楽しみです!


フォルマント・ブルー カラっぽの僕に、君はうたう。


[著]木ノ歌 詠
[絵]ミヤス リサ

 
もうすぐ死んでしまう主人公と、「シンセサイザーの」女の子が、音楽を通して心を触れ合うといった話?オーソドックスなギャルゲ…もといラブコメ展開にSFやファンタジー要素が加わった感じです。

「インフィニティ・ゼロ」じゃないですが全体的に泣かせ系のギャルゲーっぽい印象がどうにも残ってしまうのが難点といえば難点かなあ。死ぬのはヒロインじゃないけど。良くも悪くも鍵系好きな方はきっと感動できる小説だと思う(笑)

それとは別に、凄く音楽に関するマニアックなネタが多数登場します。
ヒロインがシンセサイザーであるというのもあるんですが…クラシックや現代の音楽にいたるまで。
ただ、読んでいて気になるようなうっとおしい解説とかはなかったので。
二人で音楽を作るシーンなんかは「ああ、こうやって最近の曲って作ってるんだ?」と単純に感心。

全体的に感動系のお話で履歴も無い「からっぽ」の主人公が
電気仕掛けの歌姫であるヒロインと行動を共にする事によって感化しあい、
お互い少しずつよいほうに変わっていくという辺りは結構みもの。
最後のコンサートのシーンではかなり涙がこぼれてきました。
ガルバとかゲネラルパウゼとか、機械達の動きが凄く切なくて、凄くよかった。
しかし、最後で主人公生き返っちゃったのはちょっとご都合主義っぽい感じがしました。

惜しむらくは、正直悪役の扱いがすこぶるよろしくない事。
せっかく「別に悪い人じゃないんだよ」というような描写が幾つも出てきて
後半では結構ヒロインを助けるような役回りを演じるというのに
最後は「逮捕されたよ」で終わりかよ!!ってのが…。
彼の行った悪事が許されざる事は明らかなのですが、
こういうオチをつけるなら最後まで「悪い奴」で押し通しちゃって欲しかったなと思います。
ってか吾郷はとにかくゲネラルパウゼどうなったのー!?(叫)

前半でちょっと中だるみっぽい部分がありますが(専門的な話題が続く為)
後半はテンポもよく一気に読み進む事が出来ました。全体的には面白かった。


シャドウテイカー4 リグル・リグル


[著]三上 延
[絵]純 珪一

 
そろそろストーリーも佳境に入ってきた感じ。
というか次回でクライマックスということでちょっと寂しい…。

人間を操る虫のカゲヌシ、ということである意味王道と言えなくもないですが
凄くどろどろしたカゲヌシとのバトルの合間に入ってくる恋愛要素が凄い生きてると言うか浩雄の記憶を失いたくない葉の気持ちとか、みちるの複雑な心境とかが凄い印象に残ってます。

特に今回、全体的にみちるが可愛い…もといかわいそうで。
病院で泣いちゃうシーンは思わずもらい泣きしちゃうところでした。
年頃の女の子の「好き」って言葉の重さっていうか。凄くわかる気がする。

それとは別に、兄貴が偉いいい味だしてましたね、好きですあの兄貴。
っていうか挿絵が…1Pだけジョジョみたいになってるよ?!?(爆笑)

最後の「くろのかなた」の続きが…浩雄の葉への気持ちがダイレクトに伝わってきて、泣けた。

葉の父親が登場したり、レインメイカーの正体が明らかになったりでいろいろ衝撃も多い巻でしたが
何よりびっくりだったのは最後の「アレ」ですかね。
生きてたのかあいつ…個人的にはあの巻はものすごい衝撃でかい話だったので
今から楽しみと言うか恐ろしいと言うか。
とりあえずどんなラストになるのか今から楽しみです。