ページ 155 | 今日もだらだら、読書日記。

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おと×まほ3

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

彼方の通う学園で文化祭が行われた。いつも通りヘンタイだらけのクラスメイト達に悩まされつつ、いつの間にか依と留真まで巻き込んで、彼方のクラスの喫茶店は大盛況に終わる。しかし彼方はそんな楽しい雰囲気の中、どうしても思い出せないクラスメイトが一人居る事に気が付いて…
   個人的お気に入り度数
アニメイトで初回限定版買って来ましたよ?。ミニポスターは「どないせいっちゅーねん!」ってかんじでしたが、この価格でこのお値段ならむしろ良心的と言えるんじゃないでしょうか。個人的にはポスターいらんから小冊子の内容を充実させてくれと言いたくてしょうがなかったけど。

相変わらず彼方を振り回し続ける変態クラスメイト達のやりとりが最高。自分たちを「ヘンタイ」の集団だと言い切る潔さといい、隣のクラスの彼方親衛隊隊長・古伊万里とのバトルもミモノ。しかし、いい年した男にウェディングドレスを着せて校内を歩き回らせるとは、本当に腐ってるなこのクラス(褒め言葉)。まあ個人的には、ウェディングは依お姉さんに着せてあげて、かなたんには和服を着ていただきたかったんだけど。

そしてほのぼのムードの前半とは打って変わって、「いいんちょ」の正体が明らかになる中盤以降はシリアスな魔女っ子バトル全開。いいんちょとその後ろにいる敵の正体が明らかになった所で最強キャラの此方かーさん帰国、今まで敵だったキャラがいつのまにやら味方ポジションに、と美味しい展開が目白押し。かなたんもパワーアップして、大団円で満足でした!!……と言いたいところなのです、が。

とりあえずラストが納得いかない!!トランスセクシャル萌えと女装っ子萌えは、似ているようで全くベツモノなんだと主張する!!
「のべるのぶろぐ」さんに至っては遂に「TS魔法少女モノ」とか書いちゃってるし!ち、違うんだー。TSと女装はあくまでベツモノ…だとおもうんだー!(自信なし)

本当に、ラストバトルでこんなにハラハラした(別の意味で)は本当に久しぶりでした。違うんだ…そこでそう来るのはなんか違う……そこでかなたんが本当に女になってしまったら正直このシリーズ買うの止めてただろうとまじめに考えたくらいにはハラハラしてた。……いや、あの、……女装は凄い萌えるんだけど、「女体化」には全く来ない……あれの違いといったら、それこそ「パンツ脱いで股を開いてる女の子」に萌えるか「風でめくれそうなスカートを、顔を赤く染めながら必死に抑えてる女の子」に萌えるかくらいの段差があるんだよう……。

オチでなんとか元に戻れたからよかったとはいえ、今回の話でトランスセクシャルをする事による魔女っ子としての上位モードがあるという話になってしまったという今回のオチ自体が、今後はTS展開も視野に入れて物語を進めていくためのフラグ立てのように思えてしょうがない。女体化属性全くない私にとっては不安でしょうがない。

…確かに魔女っ娘のかなたんはかわいかったけど!
く、くやしい!ヤスさんの描く、魔女っ娘かなたんがめちゃくちゃかわいいのがなんだか悔しい…!!

1・2巻でも全体的に「魔法少女モノとしては面白い、でも女装少年モノとしては駄目」って評価だったんだけど、今回のオチはマジで酷かった気がする…。百歩譲って、こういうネタはシリーズ完結までとっておいて欲しかった。いやマジで。こんな序盤で、安易にやっていいネタじゃないよこれは…。

物語自体が面白いので今のところ切る予定はないのですが、女装少年好きとしては時々耐え難い展開が多くなってきたので、今後の展開によっては切る事もありえるかな…まあとりあえず4巻待ちって感じで。

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「エニックス」のノベライズ作品を忘れないであげてください

GAMECITY文庫の陰で忘れられつつあるスクエニとコナミ (StarChartLogさん)
こんなエントリを見てしまうと、1990年代後半は少年ガンガンと共にあった私としては熱く昔のエニックスについて語らなくてはいけないような衝動にかられてしまうのですが!いつぞやの「ライトノベル読もうぜ!」さん発のレーベルレビューみたいな感じで語ろうかと思ったのですが、知識が足りない上に長文になってしまうので、自分の心に残ったスクエニ小説作品を熱く語ってみます。

現在のEXノベルズの全身となる「エニックス文庫」の創刊が1989年。DQ4コママンガ劇場の刊行が1990年、少年ガンガンの創刊が1991年だそうなので、実は出版事業的にはマンガよりも小説への参入の方が早かったようですよ。これは個人的にはちょっと驚きでした。

ちなみに当時は「ゲーム・アニメ作品のノベライズ」「ゲーム作品(後期は一部のガンガン作品)のゲームブック」「オリジナル作品」の3本柱での刊行が行われてました。特にゲームブックは他の出版社では見られないメディアミックスだったので新鮮だった記憶が。

小説版・ドラゴンクエスト
小説 ドラゴンクエスト4—導かれし者たち〈1〉 (ドラゴンクエストノベルズ)小説ドラゴンクエスト5—天空の花嫁〈1〉 (ドラゴンクエストノベルズ)

(※リンク先は復刊版のものです。)

ドラクエ未体験者の私が偶然読んだ、久美沙織さんのノベライズ。元々、小学生時代に廃品回収に出されていたものをコッソリ拾って帰ってきて読んだという懐かしい思い出があったり。
久美さんというと「丘の上のミッキー」「ここは魔法少年育成センター」あたりがあるので、ライトノベル作家として現在もお馴染みの作家さんですが、その一方でオリジナル設定付け加えまくりの大暴走なノベライズをする人として一部では有名な作家さん。

ノベライズを手がけた小説版MOTHER2が、何故かネスとポーキーの友情物語になり、
後書きで「MOTHERがBROTHERになっちゃいました。」という
歴史的な名言を残した作家さんとしても(私の中で)有名です。

そんなこんなでこの作品、ドラクエのノベライズなのですが原作ゲームと同じ話をやっているのに違う展開になったり、ストーリーによっては結末そのものが変わったり……とかなり面白いことになっている……らしいです。すいません、ドラクエは久美版ノベライズしか知らないのでどう違うのか判りません。ただ、Wikipediaを参照した限り小説版独自のオリジナル設定はDQ1?3を担当された高屋敷さんの時代から存在するので、エニックス的にもそういう原作改編に積極的だった可能性は高いのではないかという気もしますが。

とりあえず、ゲームを知らない人間でもまったく無理なく楽しめる良作でだったと記憶しております。
大学に入ってからサークルでこの話をすると外伝→正史扱いになった「精霊ルビス伝説」を好きだったという人が結構多く久美さんのノベライズ話題で盛り上がったりも。

ゲーム作品各種のノベライズ
小説スターオーシャンセカンドストーリー〈下巻〉エナジーネーデ解体ゲーム作品ノベライズの全盛期、殆どゲームをやらない学生だったのでこちらは殆ど記憶にないのですが、忘れられないのがやはり梅村崇版「スターオーシャンセカンドストーリー」です。

基本的に原作に沿った内容ながら、さりげなくオリジナル設定入れてくるドラクエノベライズから続く伝統は変わらず。下巻のフィーナルでの十賢者との戦いではどこぞのアニメ版無印セーラー●ーンよろしく仲間が次々に十賢者と相打っていくという展開に。当時人気のあった某キャラクターが干からびて骨と皮だけの死体(←思い出したら状況勘違いしてたので修正)になる姿が生々しく描写され、うっかり読んでしまったファンの間で阿鼻叫喚の叫びが木霊したのも懐かしい思い出です。今思うと、キャラクターありきのノベライズ作品で物語を盛り上げるためにここまでガンガンメインキャラクターを惨殺してしまうノベライズというのも稀有なのではないかと。

最愛のキャラクターがエクスペルごと死亡した設定になっていて良かったなあと、ここまでしみじみ思った事もありませんでしたが。

少年ガンガン作品のノベライズ
当時「グルグル」「ハーメルン」「ツインシグナル」「守護月天」などの数々の有力作品を抱え、全盛期にあった少年ガンガンはEXノベルズとは別に「コミックノベルズ」という、自社コミック作品のノベライズを専門とするレーベルを作っていました。
基本的には外伝作品という位置づけの作品で、こういったノベライズ作品にしては珍しく2桁以上の巻数を記録したシリーズも僅かながらありました。

小説 ツインシグナル〈Vol.8〉電子の陽炎(下)小説 まもって守護月天!〈11〉いつまでも君のそばに

その稀有な2作品。「小説ツインシグナル」が全10巻完結、「小説まもって守護月天!」が全11巻完結の長編シリーズ。後者に至っては途中連載中止になった本編より刊行巻数が多くなってしまったという伝説持ち。

「小説ツインシグナル」は自分の中では正直かなりノベライズ作品のバイブルだったりします。同人作家出身らしい一部キャラ及び組み合わせへの過剰表現は多少(…いや結構)ありましたが、原作とはまた違った形で面白い作品でした。特に後半で本編の舞台になっていったシンガポールに関する描写が秀逸で、読んでる途中で何度も「行ってみたいなあ?…」と思ったものでした。一部キャラへのひいきはめだったものの、さりげなくちゃんと本編で影が薄くなりがちのキャラクターが出てくるのも嬉しい限りでしたね。あと2巻「仮想の未来」はAIツンデレ娘が好きなら是非読んで欲しいかも。

なお、ノベライズ版の作者さんであるお二人はその後、別レーベルからも何冊か本を出されてます。「まもって守護月天!」の藤咲さんは他作品のノベライズでも活躍されている模様。北条さんは……どこいっちゃったんでしょうね。ビーンズで1冊出されたっきり、消息が判りません。EXノベルズあたりで出した「奇跡の知性」が神だったので、SFジャンルで本だしてくれたら今でも作者買いする気満々なんですけども。某同人誌ショップで小説版コンビそのまんまの18禁小説本を発見して驚愕したのは私の胸のうちに秘めておきます…(秘められてない)

その宿命は星に訊け—岐伯春秋紫の末裔 学園王子の秘密 (ビーズログ文庫 ふ 1-2)


その他、巻数の少ない作品でも覚えてるだけで「東京アンダーグラウンド」「浪漫倶楽部」「刻の大地」「最遊記」……と、ある程度人気のあった作品はかなりの確率でノベライズされていたと思います。

そういえば巻数の少ないノベライズ系では「原作者当人によるノベライズ」なんてものもありました。

小説スパイラル 推理の絆〈2〉鋼鉄番長の密室 (COMIC NOVELS)コメント欄等で話題に上ってたので追加。ミステリ作家であり「推理マンガのはずがいつのまにやら頭脳バトル漫画になって最終的に話がSFで世界規模な話に!」「吸血鬼バトルモノだったはずなのにいつのまにか宇宙に飛び出しちゃった!?」を初めとする読者の斜め45度上を突き抜けていく奇抜なストーリー展開で(ガンガン読者的には)お馴染みの原作者・城平京先生本人による「スパイラル?推理の絆?」の小説版で、4巻まで刊行されてます。推理マンガの原作者が担当する小説版といえば「金田一少年の事件簿」の小説版が頭に浮かびますが、スパイラルの方は連載初期から少年ガンガンWebサイト上で、現在の「スパイラル・アライヴ」に登場するキャラクター・小日向くるみが登場する「小日向くるみの挑戦」という外伝的ノベライズを連載していて、小説版と漫画版の同時進行が結構新鮮だった記憶があります。特に2巻「鋼鉄番長の密室」はミステリ的にも評価が高いらしいです。
ところで城平先生といえば「ヴァンパイア十字界」のノベライズは出ないのでしょうか。


こちらはソノラマ文庫の「倒凶十将伝」や「ペリペティアの福音」、最近の作品では富士見ファンタジアの「サイレント・ラヴァーズ」の挿絵を手がけられ、ライトノベル挿絵作家としても人気の高いの結賀さとるさん原作の「E’s」小説版。たぶん全2巻。なんと漫画原作者本人によるノベライズ。普通に手元にあったのですが1巻の後書きを漫画で描いてる所にいっぱいいっぱいさが伺えて実になんというか……いえ、別に出来が悪いというわけではないのですが。特に原作者本人の強い要望によるものではないようなので、エニックス側の実験的な試みだったのかもしれません。

1巻がアシュラムキャラ中心の過去話・2巻が本編の物語を繋ぐ外伝…という位置づけになっていますが、後書きを読む限り話を作りやすくするために一部原作との設定に差異がある模様。色々な意味で野心的な一作であったことに間違いはないと思います。



小説・鋼の錬金術師—砂礫の大地 (Comic novels)実はこの「コミックノベルズ」、細々とながら最近まで刊行されていて、鋼の錬金術師のノベライズが出てたりします。第1巻の「砂礫の大地」は小説からドラマCDに、そしてアニメ化の際にもエピソードの1つとして収録されました。こっちも現時点で6巻まで出ている、結構な長寿シリーズになってます。

オマケ。独自色の強い小説大賞について
実はEXノベルズのオリジナル作品は榊一郎の作品と「夢見が丘」しか読んだ事ないのですが、当時少年ガンガンWING(→合併後はガンガン本誌)で募集された小説大賞では予めデザインの決まっているキャラクターを出題し、そのキャラクターを使って小説を書くという独特の方法を取ってました。

1回目は箱田真紀さんの描いたキャラクターのみで、第二回以降は複数のキャラクタービジュアルより選択。最近の大賞募集はキャラクター縛りがなくなってしまったそうで、ちょっと残念。母体が漫画雑誌らしい試みと言うカンジで結構好きだったのですが…。

スクエニ発新人の1作目となる「夢見が丘」はスクエニお家騒動に巻き込まれて結構かわいそうな感じになってしまっていたようですが。割と好きな作風だったので、ちょっともったいなく感じます。

くさる前に抱きしめて (スクウェア・エニックス・ノベルズ)スタンプ・デッド (Square Enix novels)

「スタンプ・デッド」は今月5巻が出るみたい。
あと、「戦鬼」の川口士さんが同時受賞でスクエニでも作品を発表してたりしますね。

そんなこんなで
スクエニも地味に色々良い作品があったりするので、皆さん忘れないであげてください。特にノベライズ。
久美好き・ドラクエ好きならDQのノベライズは一読の価値あると思うし、全盛期に刊行されたノベライズは全体的に当たりが多かったように感じます。ほんと、「外れた!」と思った記憶が殆どない……。オリジナル要素が強い作品が多いので、面白いと感じるかはひとそれぞれだと思いますが。全盛期の作品で思い入れのある作品があるなら是非小説版も探してみてください。

個人的にはノベライズ全盛期のライトノベルレーベルとしてのエニックスは大好きだったのですが、最近はノベライズを買いたいと思うほど魅力的な作品が少ないのが切ない感じだなあ……。

※12/14 一部誤字脱字があったのを修正、ついでにコメント欄を元にある程度文章を追加してみましたー。色々反響ありがとうございます!「奇跡の知性」はマジで神作品。

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とらドラ6!

[著]竹宮 ゆゆこ [絵]ヤス

文化祭の一件以来、大河が竜児を捨てて北村と付き合いだしたという噂が流れ、噂の張本人である大河は有頂天、竜児は溜息の耐えない日々を送っていた。ところが、残りの一人である北村は、文化祭以来燃え尽き症候群にでもなったかのように何をやっても上の空。挙句、生徒会長選挙の話題が出たとたんに教室を飛び出してしまって…!?
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5巻がすごく良かったのでこれ以上の展開はなかなか望めないかも……と思っていたらやってくれました。もうなんていうか……ラストは涙なしに読めなかった…。

「スピンオフ!」の頃から見え隠れしていた北村の、すみれ会長への密かな恋心に遂に決着が。選挙演説中に告白、というのはなんとな?く想像ついてましたが、その後のすみれの言動や各キャラクターの行動はまったく予想付かなかったです。大切な友人の為に奮闘する竜児と大河のまっすぐな気持ちがひたすら熱い。本当にこれは「ラブコメ」なのかと、何度も考えてしまうほどの熱さでした。

でも、だからこそ、すみれ会長みたいに賢いが為に、真っ直ぐなだけではいられないような人には心を抉る言葉だったんだろうなあ…普段は男勝りで冷静で狡猾な生徒会長が、真っ直ぐな二人と向き合ってポロリと漏らした本音は、その本音を押し隠していたであろう心情を考えただけでも、あまりにも胸に痛くて。竜児や大河とは相容れない人物だったかもしれないけど、自分の感情に流されずに北村の事を人知れず思いやったすみれ会長の行動は、正直今回の各キャラクターの行動の中で一番胸に沁みました。大河たちと同じ直情型の自分には死んでも真似出来ないと思うし、たとえ卑怯だといわれてもそういう形で自分の想いを貫くことにした彼女を尊敬して、応援したい。あと、遂に固有名詞が「独身」になってしまったゆり先生(独身・30歳)も応援したい。

今回はもちろん、前半もすごく良かったのですが、やはり各主要キャラクターの想い・本音が交錯したラストが壮絶すぎて、何もかもが一気に吹っ飛んじゃった感じでした。今回全部を吐き出してしまった(笑)北村はともかく、今回思わせぶりな行動を取ってくれたみのりんや亜美・大河の思惑はなかなか底が見れないし、それを受けて竜児の気持ちが今後どう動くのかも見もの。もう今から次巻が待ち遠しくてしょうがありません!

しかし、本当にこの物語は最後何処に行き着くんだろう。ぶっちゃけ、亜美とくっつくセンはないかなーとは思うものの、竜児が大河に転ぶかみのりんに転ぶかは五分五分という印象なんだよなあ…。

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「バカとテストと召喚獣」本告知。


今年の冬コミで「バカとテストと召喚獣」女性向布教本出します。

腐女子向けのネタが基本ですが、一応男性の方でもそれなりに女性向けに耐性のある人ならばいけるくらいの内容…?秀吉の性別は「秀吉」ですが生物学上は男なので801に入るんでしょう。多分。1日目「その他ゲーム」スペースでの頒布でになりますが、本が余れば2日目のジャンプ系のスペースにて委託をお願いする予定です。

詳細は「続きを読む」からどうぞ?。


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Dクラッカーズ 7 王国?a boy & a girl?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

たったひと時の少女との邂逅に、“魔法使い”は動揺した。そんな最中についに“騎士”が女王を取り返すために塔に侵入し、彼は迷いを持ったまま戦いに臨んでいく。一方、梓達もまた「王国」が具現しているというテレビ塔に足を踏み入れるのだが…?!
   個人的お気に入り度数
正直なところ最終巻では前巻ほどの楽しさを感じなかったかも…勢いのまま盛り上がった6巻に対し、7巻は終わらせるためのある程度の予定調和的な部分を感じてしまったからか。梓と景の邂逅はとにかく、水原の悪魔召喚は7巻まで引きずっても良かったんじゃないかと思ってみたり。

というか、6巻と7巻はあらゆる意味で一気読みしなければいけなかったと思うのです。7巻を読むのに間を空けてしまったのが一番痛かったんだろうなあ…。

特に、梓と景の記憶が6巻のうちにある程度戻ってしまっていたのが展開的に盛り下がった最大の原因のように感じました。こういう展開になるならいっそのこと、6巻で二人が遭遇した際に記憶も感情もすべて取り戻させてしまっても良かったんじゃないかと。7巻ではまだ記憶は戻っても感情は戻っていないみたいな梓と女王のやりとりがありましたが、どうみても完全に梓の感情、戻ってるんだもん。その後「完全に記憶が戻りました」的な描写もないしなあ…。特に梓は、景に対する感情が戻っていなければ、あんな無謀な行動には出られないと思うんだけど、どうなんでしょうねこれ。

そんなこんなで一部にちょっぴり不満が残るのですが、それ以外はまさに「最終回」にふさわしい、見事なエンディング。最後まで梓に主導権を握られっぱなしだった景の「君が、目を閉じろ」っていうセリフには思わずニヤついてしまいましたし、あまりにも彼ららしくて笑いが止まらない甲斐と茜のやりとりも素敵過ぎる。悪魔3人の最後のやりとりもなんだかすがすがしいものがありました。というか最後の最後でバールの発言にときめいた。かっこよすぎ!!

何より、水原兄弟のやりとりが特にかっこよかったなあ。千絵との言論闘争も凄く良いんだけど、この兄弟のねじくれた言葉の押収が実に良い感じ。
特に、↓このやりとりはキュンキュンしましたね。個人的名台詞認定。

「で、いま俺って美人の味方やってんだ。悪魔なんかより気が利いてると思わねえ?」
ベルゼブブはしばらくの間、じっと弟の顔を見つめていた。
その、短いような長いような時間の間に、彼の優秀な頭脳が、何を考え、何を思っていたのか、第三者には計り知れない。
ベルゼブブはその瞬間、紛れもない水原信司の表情を見せて、
「そうか——」
と、ささやいた。
「いやいや。悪魔のほうが断然格好いい。絶対普遍の支配者に対する、誇り高きレジスタンスだぞ。真の自由の体現者だ。エロイムエッサイム」


さて、今月で遂に連続刊行もおしまい。最後に物語の直前・その後を描いた短編集が出るという事なのでそちらに期待です。ていうか甲斐と茜のその後が読みたかったり!

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れじみる。Junk

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

あの戦いから数ヶ月が経ち、狭間学園に文化祭の季節がやってきた。硝子達はいつもの仲良し5人で文化祭を見て回るのだが、硝子は虚軸が消失して以来、すっかり引っ込み思案でおとなしい性格になってしまった舞鶴蜜の事が気になっていた。そんな中、佐伯ネアが硝子と蜜の二人を呼び出して…?
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絶望した!晶のメイドさん姿がミニキャラだけだった「れじみる。」に絶望した!!

あんまりにも悔しいから満点評価から☆1つ引いてやった!!やってやった!!だってだって、「TS喫茶」と聴いた瞬間から椋本さんの描く女装少年(?)が見られるー!と期待してたのに!2Pぶち抜きまでは出来なくても、1P全部メイド晶の挿絵で使うくらいしてくれてもいいと思う!!
……え?需要が無いですか、そうですか……

そんなわけで、一連の事件が終わったあとの文化祭中に「思い出話」という形で語られるほのぼの短編集。殊子にからかわれる晶のクラスメイトの話、里緒がナースの格好で皆の看病(?)をする話、温泉にやってきた殊子が女子風呂を覗こうとして姉妹バトルを繰り広げる話…と、振り返ってみると本編途中退場キャラの追悼スペシャルといえなくも無いような。殊子先輩はやはり良い姉キャラだ。

ほのぼの100%な本編の中、本編の結末を知っているからこそ時折やってくる寂しさというか切なさというかが秀逸。特に「ナンパ×休日×ショッピング」での芹菜のモノローグには不覚にも涙が滲んだ。戦いの果てに消えていった二人については言うまでも無く。とにかく随所随所で涙腺を刺激されます。

そして元の性格に戻ってしまった蜜が様々な過去を振り切って前に進みだす4話「ありがと、ばいばい。」はもう、冒頭の漫画から溢れそうになる涙を堪えるのに必死でした。あのメンバーの中では唯一の「大人」である佐伯ネアが子供達の為に最後の力を使って見せた奇跡と、それに応えようとする蜜の最後のセリフ。本編の余韻を残したまま、綺麗に後日談でちょっと心残りだった部分を片付けてくれたという感じで、本当に素敵でした。

そしてギャグ分100%のオマケ2編は色々な意味でどちらも最高だったのですけど、やはり電撃BUNKOYOMIに収録された「病棟」が最高。ギャグあり百合っぽい展開ありかつパロディ全開という、とんだはっちゃけっぷりを見せてくれました。

「……『キラの旅 ?the coordinated world?』?」
「うん、衝撃文庫でいまいちばん人気の作品なんだよー」
「こんな感じー。『できそこないの人間どもの乗るグフが溢れかえる宇宙を、一台のフリーダム(注・モビルスーツ。胸を貫かれてもパイロットが死なないものだけを指す)が、ゆっくりと飛んでいた。……』」

満員電車の中で思いっきり噴出した私に非はない……と思う。
「胸を貫かれてもパイロットが死なない」が色々と突き刺さった。なんていうか、これだけ色々な作品でネタにされる某ガンダムと某スーパーコーディの人は、実は結構偉大なんじゃないかとうっかり思ったり。

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断章のグリム 6 赤ずきん(下)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

同じ<騎士>である勇路からの攻撃を受け、意識不明の重体に陥った雪乃。彼女の居ない間、単独で泡禍の調査を続ける蒼衣は事件に関係のある人物達から話を聞く機会を得るが、「赤ずきん」の泡禍は彼らの予想を遥かに越える深さで、街に巣食っており…
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「赤ずきん」編、完結編。だんだん前作とは違った方向で面白さが出てきたなあという印象になってきた「グリム」ですが「Missing」シリーズから通して見ても、こういう衝撃的なラストはなかなかなかったように思えます。今回の事件を完全に解決するにはこういったラストが“必要”ではあったと思うのですがインパクトの強さと後味の悪さはシリーズ髄一の出来だったかと。特に今回のシリーズは結構正当派な現代異能モノというか、解決の仕方に至っては様式美的なものすら生まれつつあった事もあってそれを裏切っての解決法自体にも衝撃が強かったですね。

早い話が、蒼衣たちの所属する組織は正義の味方であると思わせておいて、実際のところは「Missing」で言う『機関』と同じような位置にある組織だったという事がこの巻のラストで明らかになります。いつもの通り後味の悪いながらも一応の解決を見せた事件の直後に蒼衣の能力の限界、雪乃・風乃姉妹と笑美の見せる圧倒的な殺戮……と畳み掛けるような絶望的な展開が繰り広げられます。本当にラストが容赦ない。泡禍に関わった人間が次々に死んでいくのはいつもと同じ展開ですが、今回の容赦なさは今までの比じゃなかったです。

それにしてもやっぱりこの人のウリともいえる残酷描写があんまり(略)。今回読んでてちょっと思ったんだけど、なんか下手に現代異能バトルモノになった所為なのか以前に比べて文章を読んでスッと状況が脳内に思い浮かべられなくなったんですよね。何回か文章を読んでようやく状況を把握してる部分も多々。「Missing」の残酷描写は未だに思い出して背中がゾクゾクするシーンが大量にあっただけに、その辺がやはり物足りないのですが。あれ以来風呂でシャワー浴びてるときに長時間目を閉じられなくなった私…。

とはいえ、そろそろMissingとグリムは違うシリーズなんだと割り切ってグリムはグリムの良いところを見ていった方がいいんじゃないかという気もするのですが。

少しずつ不穏な様相を呈してきた物語。
行方を晦ませた<最後の赤ずきん>の件も含め、続編が楽しみです。

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面白検索キーワード&今月のオススメ[2007年11月分]

いつのまにやら今年もあと1ヶ月で終わりという事になってしまいました。
つい先日夏コミ原稿オワラナイ!とか思っていた気がするのに時の流れは無情にも残酷でした。もう冬コミの準備してるだなんて本当に信じられません。

そんな戯言は置いておいて、恒例の月初めのまとめです。

2007年11月のオススメ本。


吸血鬼のひめごと(⇒感想

恋姫・無双外伝(⇒感想

ぼくと魔女式アポカリプス3(⇒感想

散々悩んだのですが、★の数よりも「他人にオススメしたい作品」という基準。

「おしごと」での知識はほとんど必要なく、新シリーズ読んだらやっぱり面白かった「ひめごと」
エロゲーノベライズなのにノリは日曜朝の熱血美少女特撮アニメ系、という稀有すぎる一作「恋姫無双外伝」
一応完全打ち切り宣言ではないようなので、続きが出てくれたら嬉しいなあ?な「魔女式」最終巻。
しかし「魔女式」最終巻は色々な意味で萌えた。草太×r(強制終了)

2007年11月の人気(?)感想三選。


彩雲国物語 隣の百合は白(⇒感想

とある魔術の禁書目録SS(⇒感想

彩雲国物語 白虹は天をめざす(感想)


彩雲国頑張りすぎ。

高年齢の女性に近頃大ブームらしい彩雲国ですが、2位の「禁書目録SS」へのアクセス数が月間103アクセスだったのに対し、「隣の百合は白」の感想ページへの月間アクセス数は810。完全にぶっちぎり状態でした。ちなみに、具体的なぶっちぎりぶりはこちらを参照。

2位の「禁書目録SS」は、やはりコミックス版が評判良かったタマモノ?その割りに最新刊へのアクセスは少なめだったんですけど。

ちなみに本来の2位は「このライトノベルがすごい!2008」でした。ただ、あちらは自分の中では感想記事扱いではないので、除外の方向で。先日作ったシリーズ一覧にもそれなりにアクセスがあってありがたい限り。


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バッカーノ! The Rolling Bootlegs

[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ

あるとき、錬金術師達が悪魔を召喚し、それに与えられた「不死の酒」を飲んで不老不死となった。それから200年…不老不死となった錬金術師のうちの一人が禁酒法時代のアメリカで「不死の酒」を蘇らせる。それが様々な人を巻き込み、螺旋のような運命を作り出すとも知らずに…。
   個人的お気に入り度数
禁酒法時代のアメリカの裏社会を舞台にカモッラだのマフィアだの泥棒コンビのバカップルだの錬金術師だのが繰り広げる、タイトルとおり「バッカーノ(バカ騒ぎ)」という言葉が非常に良く似合う群像劇。アニメ化…が決定した直後に購入し、そのまま長いこと積んでましたが「電撃文庫と堕落生活」さんの所で公開されていたバッカーノのMADがかっこよすぎて、思わず新刊消化の合間に無理やりねじ込んで積み崩しました。そういえば「魔女式アポカリプス」に手を出したのもこちらのMADが原因だったような……。

シリーズ1作目だというのに登場人物が猛烈に多くて、序盤は正直相当きついものがあったのですが、物語が動き出す中盤以降は一気に物語に引き込まれていきました。基本的に横文字のキャラは見慣れない所為でなかなか覚えられないし、見分けがつくまでに時間がかかるのよね…。メインキャラはとにかく、フィーロ&マイザー以外のマルティージョファミリーとガンドールファミリーの構成員については最後までいっぱいいっぱい。

とにかくバカップルな泥棒コンビ・アイザックとミリアが素敵過ぎました。陽気でおバカな会話や、突拍子もないコスチュームや行動の数々に始終ニヤニヤしっぱなし。初登場の時はクールビューティさんだったエニスが二人に振り回されるくだりなんか最高でした。

物語自体は本当に後半に来るまでピンとこないものがあったのですが、ラストに凄い勢いで今までの伏線がハマっていく姿は爽快。語り部の「彼」の正体は完全にだまされてましたし、後日談でのもう1組のバカップル(笑)の奥手っぷりにはうっかり緑茶噴出すところでした。そして、この巻だけで綺麗に終わっているのに「もっと彼らの物語を読みたい!」と思わせられてしまう何かがありました。

積読本がもう少し落ち着いたら、続きにも手を出してみようっと。(なんか最近こればっかりだ…)

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砂はマのつく途の先!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

ひと悶着あったもののなんとかコンラッドやヴォルフラムと合流した有利は聖砂国を移動する途中、水を求めてとあるオアシスに立ち寄る。そこでは「水」を巡って諍いが起こっており…
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祝・1年半ぶりの本編新刊!!……なのは嬉しいけど、悲しいくらいに「次回への繋ぎ」でした。刊行時期を更に延期してでもいいから、もうちょっと内容が欲しかったなあ…。

早い話がヴォルフラムの漢前な姿に有利がドキマギする話(勘違い)。冒頭からオトコマエな発言かましてくれたり、砂漠のオアシスの戦いでは有利を守ってかっこいい所見せてくれたり…と聖砂国編で今まで扱いが不遇だった憂さを晴らすような大活躍です。

いやあしかし、話が進まないのが本当にもどかしい。コンラッド達と合流して話が核心に……と思ったらオアシスでひと悶着始まるし、で漸く急展開に!と思ったらここで「次回に続く」かよ!!!みたいな。テンポ悪いというか物語が進んだ気がしないというか、ラストダンジョン眼前にして、取り残してたサブイベントを片っ端から起こしたりとか、適当なダンジョンでレベル上げしてるRPGのプレイを見ているような、そんな気分でした。個人的にはとっととラストダンジョン行って欲しかったDEATH。

あと、今回も残され組の出番がなかったのが痛いのかも。毒女様は有利の想像の中でのみ登場、ギュンターは妙なところで存在感をきっちりアピールしておりますが、ご本人の登場は無し。やはりシリアス展開ばかりが続くとこのシリーズはかなり息が詰まる。渋谷兄弟の勘違いなやりとり(?)が唯一の心の清涼剤でした。あと刈りポニで和んだ。

とにかく聖砂国編に入ってから、続きモノなのに1回の話数が(私が今まで読んできたシリーズと比較すると)極端に少ないので、本当にもどかしい。電撃文庫のシリーズモノは短いと思ったシリーズでもほとんど皆300ページ前後はありますし、1巻あたり200ページ強って相当少ないと思うのですが、更にそこに無駄に短編が入るので毎回本編のページ数は150ページ前後。電撃の平均的なシリーズ作品の1巻辺りのページ数の半分とか考えるともう…。

ハマったのは「今日からマ王!」が出た後だったので私はそんなに待ってたわけじゃないんだけど、前回の引きが凶悪すぎたからその分毒にも薬にもならない展開にガッカリというのが本音だったりします。というか前回のラストで起こったアレはもうちょっとページ数割いて引きずっても良かったんじゃあ……とか。

次巻では今度こそ物語に大きな動きがありそうなので、そちらに期待。
…次は早めに出てくれるといいんだけど。

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