[著]三上 延 [絵]椎名 優 教頭から注意を受けた綾乃が保健室に入り浸れなくなり、彼女が傍にいないと熟睡できない直人は困ってしまった。一方、綾乃は保健室に居られないならば…と直人の家に居候し始める。当然、彼女をよく思っていない妹の水穂が良い顔をする筈はないのだが、そこに新たな<夢神>が現れて… | ![]() ![]() |
なんかなんだかんだ言いながらもあっさりと綾乃が周囲に<夢神>の事をばらしちゃったのはちょっぴり意外でした。個人的にはもうちょっと引っ張ってもよかったし、棗に対して綾乃の正体を偽ったのはその後の話で真実が発覚したときへの伏線だと勘違いしていたので拍子抜け。しかし、1巻であれだけ強気な一面を見せた綾乃の脆い一面を垣間見た気がして新鮮でした。
<夢神>の正体は序盤でなんとなく予想がついたように思わせておいて、最後でどんでん返されました。なんでもないあのエピソードが、ラストのそこに繋がるとは思わなかったなぁ…。何気にこのシリーズ、<夢神>の潜有者を推理するのが面白いです。上手い事裏切られて斜め横45度上を行かれる展開に、ニヤリとしてしまいます。
しかし、1巻がこれまでになく派手な印象だっただけに、2巻はその辺が安定しちゃったというかいつも通りよく言えば堅実・悪く言えば地味なイメージが……。いえ、安定して面白いのは良いことなのですが。今回は綾乃・水穂・棗の3人の関係に主眼が置かれていたから仕方ないのかな?とは思うものの謎解きの後はバトルもあっさり目だったのはほんと残念。個人的には が最後で本性出して抵抗するみたいな展開になってもよかったと思うんだけどなあ?…。
キャラクター的にも綾乃の弱い一面が見れたのはよかったのですが、同時に1巻で強烈なインパクトを残したあの個性が緩和されちゃった気がしてなりません。その辺は今回露骨にヤンデレ化フラグ立てまくられてた棗さんが今後どうなっていくのかで相殺というカンジがしなくもないですが。
ここはひとつ、ラスボスが棗くらいの勢いで頑張っていただきたいです(何をだ)