ページ 150 | 今日もだらだら、読書日記。

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イヴ・ザ・ロストワン

[著]山田 桜丸 [原作]C's Ware

内調の新人・桐野杏子は着任早々ワールドトレードビルセンターで爆発事故に巻き込まれる。その時、一緒に事故にあった女性が殺害され、彼女はその事件を追う事になるのだが…。一方、ワールドトレードセンターを爆破した男は“アドニス”となる人物から脅迫を受け、“SNAKE”として動くことを余儀なくされる…。
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桜庭一樹先生、直木賞受賞おめでとうございます!!

というわけで、急遽今月は「積んでいる桜庭作品を読もう月間」と決定してみたわけですが(といってもたった3冊しかつんでないんですけどね!)1冊目は桜庭さんがファミ通文庫からデビューする前、「山田桜丸」名義でゲームシナリオを担当された作品“イヴ・ザ・ロストワン”のノベライズ作品です。実は「EVEシリーズ」は一通りプレイ済、桜庭さんのノベライズ版もこの1冊以外すべて読んでいる私なのですが、「ロストワン」のノベライズだけは絶版になっていた関係で長らく手元になく、こうして漸く手に取ることが出来た、のです、が……これは正直ノベライズと呼んでいいのか……あまりにも出来が酷い。前半は特に「小説版」とは、とても呼べない。

まず、姿無き爆弾魔“SNAKE”の正体が明かされ、エルディアに舞台が移るまでの過程が、ダイジェストで必要最低限にしか語られていません。その為、この作品は絶対に原作ゲームをプレイした人以外にはオススメすることが出来ません。多分、前知識を全く持たずに読んだら何が何だかわからない上、“SNAKE”の正体だけ明かされてしまうという状態に陥るでしょう。この状態では原作ゲームをやってもちっとも楽しめやしない……本当にこれは、ゲームを既にクリアした人のための副読本扱いしてしまってよさそうです。

ただし、登場人物達がエルディアに舞台を移した後の展開は中々面白いです。ゲームをクリアしていればという前提条件が必要となりますが…。特に杏子とSNAKEの視点でのみ語られてきたストーリーに第三の人物である「プリシア編」を追加したのは上手かったと思います。というか、原作ゲームで「???」だった部分がかなりプリシア編で明かされたりするので、原作ゲームの展開が意味不明だったという人は読むと良いのではないかと。結構面白い事実が浮かび上がって来るし、<EVE>の眠りを護りながら、彼女の目覚めを待ち続けるプリシアの心理描写は流石という感じ。

また、SNAKEの行動の理由が明かされたのも良かったですね。結局原作のゲームだと正体が明かされるまでの杏子編ではあまりにも存在感がアレだし、最後の行動の理由も意味不明だし……とある意味謎に包まれていたSNAKEの心理描写が結構あったのは嬉しかったです。ただ、杏子がSNAKEの中の人に惚れてるっぽい描写は素で引いた。それはさすがに強引過ぎるよ!!!

ただ、残念だったのはなんでこれ、ゲーム内で補完してくれなかったんだ!ってことなんですが……プリシア編がED後でもいいので追加シナリオとして追加されたら、ここまでロストワンが糞ゲー扱いされることも無かったんじゃないかと言う予感が。

ロストワンというゲームは、「EVE burst error」という名作PCゲームの続編として作られ、大変に評判がよろしくなかったアドベンチャーゲームです。むしろ糞ゲーとして名前が知れ渡っているゲーム。実際改めてプレイするといろいろトンデモ設定があって、確かに「ミステリー」や「サスペンス」としては全く成立していないような気がします。ただ、その辺が気にならなければそれなりに面白いゲームだと思います。パソコンを通して語りかけてくる脅迫者「アドニス」の薄気味の悪さはかなり衝撃的ですし、プリシア&真弥子の一瞬の邂逅も好き。そしてエルディア編で訪れる終末的な描写はかなり圧巻のものがありました。その辺は凄くツッコミどころ満載な設定をさて置いても楽しんでプレイできたと思います。

実は私、EVEシリーズの中では一番この作品をやりこんでいたりするのですが。
今から考えると、新人賞をとった作家さんが書いてくる設定はめちゃくちゃだけど魅力はある、「B級ライトノベル的」なアドベンチャーだったかと。

…いや、なんていうか、凄く、「burst error」という名作の続編として作られたことで物凄く損した作品だと思うんですよね、これ。面白くないわけじゃないんだけど「burst error」と面白さのツボが全く違うので、前作ファンが怒り狂うのも理解は出来るんです。出来が悪いことを否定する気も毛頭無いし。

ただ、いっそ全くの別のシリーズとして作られてれば、あるいは…とか思ってしまう、今日この頃。



ところで、他に感想書いてる人がいないのかーと思って検索したら、「雲上四季」の秋山さんが感想書かれてるじゃないですか。

……と、とりあえず「ZERO」「TFA」「バーストエラープラス」のノベライズは面白いんですよっ!?3作品とも原作の前後を描いた番外編なので過度な原作知識は必要とされませんし、それぞれ女性キャラの心理描写に焦点を当てる事で「桜庭一樹」さんらしい作品になっていたかと思います。「ZERO」は1年ほど前に読み返してるんだけど、時間軸の関係で「主人公二人が直接出会わない」のを前提に、間接的に二人を協力させて1つの事件を解決させるっていう手法が絶妙で面白かった。

できればロストワンのノベライズは見なかったことに!



【2月27日 追記】
後天性無気力症候群さんの記事を見たらやらずにはいられなかった。
反省などしていない。(カバーのサイズがまるで合ってないけど)


最初期の傑作…間違っては居ない…よね?(黒歴史的な意味で)

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ムシウタbug 6th. 夢恋する咎人

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

花城摩理とモルフォチョウの謎を追う一之黒亜梨子は、寧子、愛理衣、霞王の3人を仲間に引き入れ、摩理を虫憑きにしたという“三匹目”を探す事に。殆ど情報の明かされていない三匹目の僅かなその手がかりを得るため、4人はハルキヨ達が情報の拠点としていると言われている図書館に赴くが…
   個人的お気に入り度数
「ムシウタ」外伝シリーズ最新巻。なんか最近本編よりも「bug」シリーズの方が面白(ゲフンゲフン!)

三匹目を巡って摩理の存在すら疑われ、様々な部分で迷いながらも力強く進んでいく亜梨子の話と、ハルキヨの過去にまつわる話。幾つかの謎が明かされたり、本編とのリンクも上がってきてますますクライマックスへ向かって加速してきた印象。そして、クライマックスに向かえば向かうほど、なぜか影が薄くなる主人公(……)

最初の「夢めくる司書」、流行だからってなんにでも腐女子出せばいいってもんじゃねえぞ!!と思ってしまった腐女子の私。いや、実にムシウタらしい壊れキャラで素敵でしたが、彼女も。まあしかしハルキヨと関わってる腐女子なら霞王を男体化する前に、ぜひともハルキヨと梅でカップリング妄想していただきたかったです。いや、もうそのカップリングネタは妄想しつくしたのか、そうなのか。女キャラの男体化は受の女体化以上にマニアックですよ!?(そこはツッコミどころ違う)

後は「夢進む蝸牛」が良かった。亜梨子と“管理人”、そして局長・一玖皇嵩との対決が熱かったし、自らの恐怖に打ち勝ってがんばった“まいまい”も可愛い。ムシウタシリーズらしい、素敵な話でした。

「夢望む訪客」では9巻でメインを張った少女・赤瀬川七那が登場。うーん、“魔法使い”が死んでひねくれる前はこんなことになってたのか…“魔法使い”や周囲の人たちの想いを考えると、なんとも複雑な気分。というかあのときの「大喰い」の目標は誰だったのかが地味に気になるのですが。まさか彼女が……ってことじゃないよね?

そして、何といっても今回の見せ場は表題作・「夢恋する咎人」。梅の視点からハルキヨの過去が明かされる訳ですが、予想以上に梅のキャラが良かった。ハルキヨは行動がぶっとんでるのでイカレキャラに見られやすいですが、この話を読む限りはどうみても精神的には梅のほうがぶっとんでるじゃないか。というかハルキヨは割りと普通の精神してるというか…Dクラの甲斐氷太タイプだよなあ…見事に。

壮絶な過去を持ち、その中で自らの気持ちをもどこか偽りながら、自らの境遇に対してもがき続けるハルキヨと、梅のコンビが素晴らしかったです。今後の彼らの活躍が俄かに楽しみになってきました。

もうなんていうか、梅×ハルキヨでいいんじゃね?

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2007年下半期ライトノベルサイト杯投票します。

今回も参加させてもらいます!
今からあわてて既存作品を読むのもあれだし、遅くなると忘れそうなので今のうちに投票で(笑)

■ 2007年下半期ライトノベルサイト杯 開催のお知らせ(平和の温故知新さん)
↑詳しいルールや投票の仕方等はこちらから↑

タイトルクリックで当サイト内の感想ページに、書影クリックでBK1の該当ページに飛びます。
また、基本的にオススメ度の高い順に並んでいます。

例によって、残り2枠を4作品で悩みまくった既存部門と、
残り1枠が決まらなくて頭を抱えた新作部門の差が素晴らしく激しいわけですが。
ていうか、後期は何気にちょっと前のシリーズに手を出したのと、Dクラの連続刊行があったせいか、
新しく読んだシリーズ自体が控えめだった感じがします。

★新規作品部門


【07下期ラノベ投票/新規/9784044146184】
■DOORS 1 まぜこぜ修繕屋 (⇒感想

狂ってしまった“普通”を取り戻す為、世界の修繕を手伝う事になった姉妹の話。第五次スーパー世界大戦とかもののふキャノンで黒船を追い払うとか、行き過ぎた妹文明とか、妹が触手になったりとか時間の停止に付き合ってる余裕がなかったりとか、もうとにかく何もかもが「ヘン」なライトノベル。バカテスの笑いが「バカ」ならこの作品の笑いは間違いなく「ヘン」。今期はほんと、笑える小説が豊作だった気がします。

 

【07下期ラノベ投票/新規/9784086303972】
■鉄球姫エミリー(⇒感想

下品で凶暴だけど心優しい王女・エミリーが既に手放したはずの王位継承権を巡って命を狙われ、多くのものを犠牲にしながらも生き延びていくという物語。コミカルな前半を読んだだけでは想像もつかない残酷で容赦ない展開は、グロ耐性ある人なら必見です。あと、これだけ1巻を綺麗に終わらせてるのに、周囲の人物を入れ替えることで見事に「ちゃんと続いてる」2巻も最高でした。

 

【07下期ラノベ投票/新規/9784434111594】
■恋姫・無双外伝 紫電一閃!華蝶仮面(⇒感想

18禁エロゲーの「外伝ノベライズ」だというのに必要最低限の商品知識さえ持っていれば無条件に楽しめるという特殊性をノベライズ好きとしては熱く評価したい。ヒロインの1人が扮する義賊「華蝶仮面」一味が悪を討つため大活躍するという特撮美少女モノです。原作やってなくてもそういうのが好きならオススメ。

 

【07下期ラノベ投票/新規/9784829119594】
■量産型はダテじゃない!(⇒感想

人間とロボットが争う世界で、天才科学者の少女とオンボロの量産型ロボットのコンビが殆ど気合と根性だけで色々乗り越えていくお話。燃えあり笑いあり熱血あり涙あり、一昔前の熱血系ロボットアニメが好きな人なら結構ツボにくるんじゃないかという作品でした。しかし、どこぞの勇者王なみになんでも気合で乗り切っちゃってましたよね。

 

【07下期ラノベ投票/新規/9784044731014】
■繰り世界のエトランジェ(⇒感想

イキモノを思うがままに操れる異能を持った少年が、高飛車なツンデレ少女と従順なメイド少女と出会い、異能同士の戦いに巻き込まれるお話。ツッコミ所満載度は次点にした2作品と比べてもズバ抜けて高かったのですが、どうしようもなく設定や世界観がが好みだったので続編への期待をこめて一票。とりあえず、次はどうみても空気ヒロインだったカタナさんの扱いをなんとかしてくださいと言いたい。

 

【以下次点】
RIGHT×LIGHT …学園異能モノというより、青春モノとして面白かった。
ツァラトゥストラへの階段 …面白かったんだけど「扉の外」の方がズバ抜けてたんだよなあ…。


★既存作品部門
【07下期ラノベ投票/既存/9784757736825】
■バカとテストと召喚獣(⇒感想

3巻になってもなお失速しない面白さと、女子風呂覗きに命を掛ける漢どもの情熱にほだされました。ギャグ分も最高ですが、徐々に泥沼の様相を呈してきた明久周辺の恋愛模様も…というか3巻の引きはどんだけ残虐な放置プレイなんだ!…あと、今期最大級の萌え燃料を本当にありがとうございました。よもや、ラノベで女性向本を出すことになろうとは夢にも思いませんでした、いやマジで。
明久可愛いよ明久。

 

【07下期ラノベ投票/既存/9784840241175】
■とらドラ!(⇒感想

先の読めない恋愛模様、魅力的すぎるキャラクターたち、そしてラブコメとは思えないほど熱い展開。他人の恋愛模様に興味なんかねえよという、ラブコメ苦手な人々にも是非読んで欲しいシリーズです…というか、異能要素なしの学園ラブコメが実はかなり苦手な私が全力でオススメさせていただきます。特に5巻のみのりvs竜児、6巻の大河vsすみれは熱すぎて泣く。

 

【07下期ラノベ投票/既存/TYPEMOON:UA04】
■Fate/Zero(⇒感想

人気ゲーム「Fate/stay night」の10年前を描いた、外伝ノベライズ。10年後に続く救いの無さすぎる展開と熱いバトルも勿論魅力の一つなのですが、この作品の魅力の70%はライダー&ウェイバーコンビにあるといっても過言ではないのではないかと。最終巻での二人の別れのシーンでは、もう号泣するしかありませんでした。あとギル様の萌えキャラ化が半端じゃありません。なにこの素晴らしい誘い受!
あ、ちなみにウェイバー&ライダーコンビに燃えた人はなんとかして「アーネンエルベの1日」をゲットすると良いと思うです。まあTYPE-MOON作品関係の知識がそれなりにないとつらいけど。
⇒公式サイトへ

【07下期ラノベ投票/既存/9784840240680】
■吸血鬼のひめごと(⇒感想

前シリーズで素晴らしいまでに残酷な全滅エンドをやってくれた「吸血鬼のおしごと」の続編シリーズ。物凄く久しぶりに読んだら、非常に面白かったです。脇役総入れ替え、前作の事件で唯一生き残ったレレナが不器用ながらも少しずつ新しい人間(?)関係を築きつつ、新たな事件に巻き込まれていくという物語。もう全滅エンド見ちゃったから、あれより酷くなる事は無いもんね!多分!という無駄な安心感とともに見れますね。今後への期待の意味もこめまして、一票。

 

【07下期ラノベ投票/既存/9784829145111】
■アリアンロッド・リプレイ・ルージュ(⇒感想

最後の1枠はやっぱり色々と悩んだのですが、和気藹々としたプレイヤーさんたちの雰囲気と、神がかりすぎなダイスの振りっぷりと、ラストバトルが素敵過ぎたこのシリーズに1票!どことなく物悲しさを感じさせるロールプレイにも、何度も泣かされました。やっぱり面白かった。

 

【以下次点】
魍魎の都 姫様、出番ですよ …時代設定も萌えなのですが、破天荒なヒロインが可愛い!
れじみる。Junk …「ありがと、ばいばい。」がやっぱり最高でした。
“文学少女”と月花を孕く水妖 …卒業編が神がかってそうな気がするんでその時に入れるんだ!
黄昏色の詠使い4 踊る世界、イヴの調律 …ジジーズに燃えすぎて1票入れるべきか悩んだ。

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モーフィアスの教室

[著]三上 延 [絵]椎名 優

岸杜直人は、悪夢に悩まされて寝不足の日々を送っていた。その日も保健室で睡眠を取っていたところ、赤い目をした怪物がクラスメイトを頭から食べてしまうと言う、グロテスクな夢を見てしまう。教室に戻った直人が見たのは、先ほどの夢に出てきたクラスメイトが目を覚まさずに病院に運ばれる姿で…
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ぶっちゃけ表紙と作者名に釣られた衝動買いだったのですが、予想を遥かに越えて面白かったです。というか、三上さんの作品は「=純珪一絵」というイメージが強すぎて、他の人が挿絵担当すると買い逃がしてしまう…。

言うなれば「Missing」から都市伝説的な薀蓄と申し訳程度のグロを抜いて代わりにたっぷり学園異能要素を詰め込んだような物語です。現実化するために人間の魂を喰らうという、人間の強い悪夢が生み出した「夢神」が主人公のクラスを襲い、それらを封印する力を持った主人公が否応無しに巻き込まれていく…という結構典型的な学園異能ストーリーなのですが、とにかく描写が容赦ない。夢の中だから現実の出来事ではないとはいえ、見も蓋も無く人がバリバリ喰われますし、最後のほうは夢の世界血みどろだし……。そんな風景が、思うように身体の動かない悪夢として展開されるわけで、かなり恐ろしかったです。ただその一方で、悪夢の元凶となったとある人物の複雑で屈折した心情が凄い良かった。単なるどうしようもない悪役だと思っていたら、最後の最後で出てきた本当の本音がどうにも悲しいわやるせないわで…。

キャラクター的には、ヒロインにして幼馴染の高飛車少女・綾乃と直人の掛け合いが面白くて、かなりニヤニヤでした。綾乃さんヘタレヘタレ言い過ぎだよ!!更に「普通の人は寝ると魂を喰らわれる」→「そういうわけだから、皆今晩徹夜して!!」という発想を、平然とクラスの皆に命令する姿が漢らしすぎました。メインとなる夢神との闘いも面白かったんだけど、ぜひともコミカルな会話シーンも忘れないでいて欲しいなあと思うほどの素敵さでした。

幼馴染ヒロインの綾乃に、しっかり者のクラスメイト・棗と幼馴染をライバル視する妹(…ブラコン?)も魅力的で、主人公周辺の恋の行方についても今後どうなっていくのか楽しみです。とりあえず2巻にかなり期待。

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 15

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

アビニョン侵攻作戦のために治安部隊が不在の学園都市の裏では、闇の組織がそれぞれの目的の為、暗躍していた。その中の一つ、『グループ』のメンバーとなった一方通行は学園都市統括理事・親船最中の暗殺を食い止める為に向かった現場で『スクール』と呼ばれる組織と接触するが…!?
   個人的お気に入り度数
一方通行や土御門が所属する『グループ』を中心に、『スクール』『アイテム』『ブロック』『メンバー』という4つのグループが登場し、お互いの利害関係の不一致からお互いを潰しあうという、ちょっぴりバトルロワイヤルな物語。御坂を除く「超能力者」のメンツもほぼ揃い踏みで、一部除いてほぼ90%科学で超能力なお話でした。14巻はちょっと…というかかなり不完全燃焼な印象だったのですが、その憂さを晴らすかのごとく面白かったです。しかし全体的に主人公が出ない巻の方が全体的に面白い気がするのはきのせいですk(強制終了)

凄い個人的な話なのですが、いつもこのシリーズを読むと新キャラを中心にしたゲストキャラクター達のグラフィックと名前・設定が中々一致せず、なかなか物語に集中できないという事が非常に多かったので、今回の章ごとに各組織のキャラクターをイラスト付きで載せていくという手法は凄くわかり易かったです。カラーページに掲載されているイラストはミニポスターサイズにされているせいでなかなか参照できないし、何よりページを戻す手間が無いのが凄く良い。キャラクターが膨大になってきたシリーズはぜひとも今後もこういう手法を検討して頂きたい。

そして『グループ』『アイテム』のメンバーの中心にして、彼らが学園都市の闇で戦う理由やその想いが見えてくるストーリーが素敵でした。グループの4人を始めとした能力者たちの物語は勿論ですが、元『スキルアウト』のリーダー・浜面が本当に輝いていた。当麻のような“幻想殺し”すら持たない、真の意味での“レベル0(無能力)”である浜面が大切な人のために命を掛けて“レベル5(超能力)”に立ち向かう様は本当に熱かったです。

この物語に「上条当麻」という本来の主人公は登場しないわけですが、物語に登場するキャラクターたちが当麻との出会いを経て、受けていった影響があらゆる場面で随所随所に見受けられるのが面白い。特に今回主役級の活躍をする事になる一方通行と浜面が上条から受けた影響はかなり顕著で、出番が無いにも関わらず「主人公」の存在を感じる事ができました。出番が無くてもちゃんと主人公してるっていうのは、ほんと凄いと思う。

そして忘れてはいけないのが一方通行と「打ち止め」の行方。ラストの「打ち止め」が本当に可愛いくて可愛くて…。今後どういう風な展開になるかはわからないけど、この2人には絶対に幸せになってほしいところです。

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鋼殻のレギオス

[著]雨木 シュウスケ [絵]深遊

大地は汚染され、そこで生きていけるのは“汚染獣”と呼ばれる怪物だけになってしまった世界。人類は意思を持って移動する「自律型移動都市」に暮らしていた。武芸の道を捨て、新たな生きる道を模索するために学園都市ツェルニへやってきたレイフォンは、生徒会長の陰謀により転校初日に武芸科に転科を強制され、自衛小隊に編入させられるのだが…
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作者さんの前作「マテリアル・ナイト」が肌に合わなかったので新シリーズも敬遠していたのですが、夏コミで買ったレギオス本とか、以前書いた生徒会長キャラまとめエントリでオススメ頂いた事もあり、1巻だけ買って長い事積んでました…のを、ようやく読了。

えーと、マテリアルナイトの感想でも散々書いたんだけど、この人の文章、すっげー読み辛い。自分以外にこういう感想を聞かないんで、肌に合わないのかもしれない。とにかく、読んでいてなかなか設定や描写が頭に入ってこない。テンポ悪い。特に前半の学内での模擬試験?の時の戦闘描写の判り辛さは格別で、何度読み返しても描写が浮かんでこなかった…自分でも酷いと思うんだけど、特に読み飛ばした訳でもないのに「あれ、ニーナいつ怪我したの!?」状態。ラストバトルは結構あっさりかたがついた所為か、まだマシだったけど…。キャラや物語もイマイチツボに来なかった前シリーズと違って、今回は物語も設定もキャラクター達もかなりツボに来ただけに、ただひたすら読み辛いのだけがネックでした。

キャラクター的には女の子勢も凄くいいんだけど、主人公・レイフォンの萌えキャラっぷりはかなりのもの。葛藤しまくりのヘタレくんなのに実は反則レベルの最強キャラで戦闘モード入ると冷静沈着キャラ(むしろ冷血キャラ?)になっちゃうそのギャップとか、悟っているように見せかけておいて後半で覗かせる精神的な幼さとか、もう最高でした。漫画版を先に読んでたので、はなからレイフォン萌え補正が働いてしまった事は否定しないけれども。ラストバトルの圧倒的な闘いっぷりは、「無茶苦茶だーーー!?」と思いつつもうっかり惚れてしまいそうw

噂に聞いてた生徒会長のカリアン氏も良い「悪役」で実に良かったし、「自立歩行する都市」という世界設定も面白かった。また、レイフォンとは対照的に自らの夢に向かって一生懸命な女の子達が凄く愛らしい。あと、リーリンからの手紙のシーンはマジで最高です。リーリンは本気で本編再登場希望で!ストーリーを引っ掻き回してくれそうだ!

そんなこんなで物語自体には凄く興味を持てたので、機会があれば2巻以降も読んでみようかと思ってるんだけど、本気で作者さんとの相性が最悪という予感がするので、どうしようかなあ…ほんと、あの読み辛さがなければ今すぐにでも2巻買って来る勢いなんですが。



余談ですが、深遊さんの描く漫画版はかなり最高でした。
私のようにシリーズを読もうか否か悩んでる人はとりあえず漫画版に手を出してみると良いかと。ある程度本編ネタバレもありますが、それに見合う面白さはあると思います。

レイフォンかっこいいよレイフォン。

 

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Dクラッカーズ+プラス 世界?after kingdom?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

“カプセル”を巡る一連の事件から数年後…平和を取り戻したかにみえた葛根市に『アロマ』と呼ばれるドラッグが蔓延し始める。親友の蘭子から、弟が『アロマ』のパーティに参加しているという相談を受けた歩美は、かつて学校を騒がせていたというトラブルシューティング「実践捜査研究会」のOGを頼ろうとするのだが…
   個人的お気に入り度数
梓と再開する前の景の姿を描いた短編と、一連の事件から数年後に起こった『アロマ』をめぐる事件を描いた短編を収録した「Dクラッカーズ」シリーズの新規書きおろし作品。

なんか普通にこの『アロマ』をめぐる事件で第二部とか作れそうで、なんだかこれで一応終了、というのがちょっと惜しくなっちゃう書きおろしでした。歩美と蘭子のコンビもなかなか魅力的で、彼女達を主役にして?…なんて展開も考えられちゃいますが、物語が終わってもどこかで景達は頑張ってますってな感じの終わり方で、これはこれでよかったかも。

お馴染みのキャラクターたちが主役2人を喰わない程度に上手いこと活躍していて、その度合いが絶妙でした。各キャラクターたちのその後の姿もしっかり描かれていて、それでも物語り自体はちゃんと歩美と蘭子の物語としても成立してるところが本当に絶妙なバランスという感じで…もうちょっと梓達が出張れば主役2人は喰われてしまっていただろうし、もうちょっと主役2人が活躍してしまうと「Dクラッカーズの後日談」としては物足りなかったでしょうから。このバランスは本当に凄い。

この番外編の甲斐氷太がまた実に“らしく”て素敵です。本編では最終的に共闘という形を取ったわけだけど、あくまでそれは“一時的な”共闘であり、本質的には強い奴と戦えればなんでも…みたいなフリーダムさに惚れてしまいそう。ぶっちゃけ景との対決がああなってしまったのはちょっぴり残念だったような…。そして、景達にしろ甲斐にしろ間に存在するはずの4年間の出来事がところどころ透けて見えるのがまたにくい演出ですよね。甲斐がお世話になってる悪党さん?の話とか、実践捜査研究会メンバーinロスの話はぜひとも読んでみたかった。あと茜と甲斐の追いかけっこが見れなかったのが残念で仕方が無い…!!本当に、これで終わってしまうのがもったいなくなってしまう。

個人的にドツボにハマる物語ではなかったんですが、読み始めると毎回どんどん物語りに引き込まれていって、とにかくレベルの高い物語だったなあというのが最終的な感想でした。6つ星を付けたのは6巻ラストだけなのですが、その分平均的な評価点が高かったと言うか…かなりの冊数が積読行きになりかけた中で、毎月刊行の作品をちゃんとリアルタイムでついて読んでいっただけでもなんだかんだ言って自分がこの物語に惹かれていたんだなあという証拠だったんじゃないかなあと思ってみたり。

本当に楽しい物語をありがとうございました。いつか時間があればBBBの方も読んでみたいなあ…。

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Fate/Zero Vol.4 -煉獄の炎-

[著]虚淵玄 [原作]TYPE-MOON [絵]武内 崇

アーチャーと共謀して遠坂時臣を排除した言峰綺礼。アイリスフィールを奪われたセイバーは、彼女を奪還するためにライダーと激突する一方、最愛の妻の奪還を諦めた切嗣は最後にして最大の敵となるであろう綺礼と対決の為に準備を開始して…。そして舞台は、運命の冬木市民会館へ……!
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Fate/Zero Vol.4 -煉獄の炎- (書籍)
作品全体のキモであろう綺礼と切嗣の対決も、まさに英霊同士での因縁の対決となったセイバーとバーサーカーの対決もすごく良かったのですが、なんといっても
最後の最期までイスカンダル&ウェイバーコンビが最高でした。

聖杯戦争を通して2回りも3回りも成長したウェイバーとイスカンダルが最後の闘いに向かう場面、そして二人の別れのシーンには、もうとにかく涙が出るばかり。聖杯戦争に参加したマスターの中でおそらく一番非力で、一番人間らしいマスターであったウェイバーが最後に見せた独りでの『闘い』には、ひたすら胸が熱くなるのを止められない。そしてエピローグでのウェイバーの素晴らしいツンデレぶりにニヤニヤが止まらない(あれ?なんか今一気にこの感想台無しになったよ!?)。……いや、まさか1巻で「ヘタレ」「ヘタレ」「ギャグ担当」としか思ってなかったウェイバーに、こんなに泣かされるとは思いもしなかった…あんた漢だよ……。

同時に、そんな二人を迎え撃つギル様が物凄くイイ。“王”としての威厳をどうしようもなく見せ付けてくれる、大きく“偉大な王”であるギル様超かっこいい。ていうかこの人はこんなにイイ男だったのか…。「stay night」をプレイした当初はただの傲慢ワガママヘタレ王だとおもってたギル様が、「hollow」と「Zero」でこんなに萌えキャラに進化するとは思いもしませんでした。

それにしても10年後の幸せな未来が約束されている所為か、「stay night」のヒロイン3人は本当にどうしようもなく不幸な結末を迎えちゃってますね…。セイバーの結末も予想以上に哀しいものでしたが、そして桜が不幸せなまま終わるのも予想の範疇内でしたが、雁夜の姿を見たときの桜の反応がどうしようもなく壊れきっちゃってて哀しかったです。同時に遠坂家、確かに母が居ないのはなんとなく不思議におもってましたがよもやああいう結末とは……そしてもうなんというか、知ってたけど綺礼が酷い人すぎます。凛逃げてーーー!!

そして、エピローグはゲーム本編でも士郎の視点から語られていた切嗣の最期。士郎だけには自分と同じような結末を歩んで欲しくないと思う切嗣が、最期の最期で得た“安心”の理由に、にこの報われなさ過ぎる物語の中でウェイバーの生存と共にたった2つの光明を見出したような気分になりました。

本当に、最後の最後まで素晴らしい二次創作作品でした。というか、男性陣が魅力的過ぎてほんと困ります!!!Fateは確かにちょっと士郎萌えではあるけど割りと普通な萌え方してたのに、このシリーズで一気にギル様萌えになってしまいました。どうしよう、また供給なさそうなジャンルな萌えが…orz

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戦闘城塞マスラヲ Vol.3 奇跡の対価

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人

死なない程度ならどんな妨害でもあり…のカーレース「聖魔グランプリ」が始まった。様々な妨害工作により、大多数のペアが脱落していく中、徐々に戦いはヒデオ&ウィル子、リリー&伊織、翔希&エリーゼ、リョータ×エルシアの4組の戦いに絞られていくのだが、ヒデオの体調に異変が起きて…!?
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聖魔グランプリを描いた「奇跡の代価」でのヒデオの活躍が半端じゃなくかっこよかったです。引きこもりが故のネガティブ思考が上手いこと働いてしまって結果オーライ的な部分もあったけど、めちゃくちゃ熱いバトルを楽しめたのでこちらとしても結果オーライ。ウィル子の力を使うことに対する「代価」を、理由はどうあれあっさり軽いと言ってのける姿も無駄にかっこいい。ラストのオチが、ウィル子の事をさりげなく気遣ってるヒデオのさりげない優しさを象徴するようでとても好き。この話は、ほんとお気に入りです。

そして熱い展開が満載の聖魔グランプリ編「奇跡の代価」から、どうみても某アイド●マスターネタな「私を地中海に@連れてって」、■MRネタな「既知との遭遇」の2編のギャップが激しすぎる。しかし、久しぶりに引きこもり全開のヒデオの姿は見ていて落ち着くと言うか…思わずニヤニヤしてしまいました。あと、2巻?聖魔グランプリにかけて、前作シリーズキャラが出張りすぎな印象を持っていたので、ここで一旦魔殺商会の面々と手を切ってくれたのは嬉しかったかも。

ただ、巻を重ねるにつれて「お・り・が・み」を読んでいないとつらいネタが少しずつ増えてきてるような気がするのが、「マスラヲ」からこの人の作品に手を出した人間の立場としては凄く気になる。物語が進むに連れて、マスラヲのキャラクターはほぼ人数固定のままなのに対して、前作キャラがどんどん揃い踏みしてきてるからかなあ。引きこもりと言う設定から、なかなか自分では動き出さないヒデオに対して、リリー(鈴蘭)が今にも主人公オーラ出しはじめそうで、なんだかあぶなっかしく思えてしまうのです。

特にリュータが主役を貼る「ANOTHER ROUND」でのリリーのかっこよさは異常で、そんなかっこいい鈴蘭の姿を拝めたのが嬉しいというのもあるのですが、一方で『前作主人公』なんだからあまり出張らないで欲しいなあと思うところもあり、なんだか複雑な心境でした。確かに、彼女が出張ったのは物語で言えば中盤までで、ちゃんとラストはリュータとエルシアが締めてくれるんだけど。

というかですね、最近の彼女の立ち居地がすごく、続編時のどっかのスーパーコーディ様に見えるのよ……ね……

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2007年に読んだ本まとめ その2【腐女子向】


輝け!801的ライトノベルベストアワード2007!
?「超」個人的腐女子向け萌えシーンベスト5!!?

↑タイトルが長くなるので本文1行目に書いてみた(…)

2007年上半期には2007年上半期ライトノベルさいと杯・エロ部門(非公認)なんて企画もありましたが、せっかくの新年姫始めとして、去年読んだ中で腐女子的に萌えたライトノベルを発表してみたいと思います。

これを機会に腐女子のお嬢さんたちもライトノベルに手を出してみればいいと思うという希望をこめつつ、でも自分の萌えは世間の萌えとは大きくかけ離れている場合が多いのできっと布教にはならないんだろうなあとも諦めつつ……orz

【選考基準】
 ・2007年中に当ブログで感想の書かれた作品
 ・腐女子向布教エントリでもあるため、女性向けレーベル・少女文庫モノは一切除外
 (マとか彩雲国とかキスDOは普通に腐女子ファンが居るじゃないですか!)
 ・出来るだけ女性向需要高そうな作品も除外(具体的に言うとハルヒとFate)

それでは、覚悟の出来た人のみどうぞー。
っていうか、引かないで下さいねっ!?(多分今更です)


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