ページ 148 | 今日もだらだら、読書日記。

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リトルバスターズ!SSS Vol.1

[著]糸井 健一 他  [絵]ひづき 夜宵 他 [原作]VisualArt's/Key

“家庭科部の活動が忙しい”と言って草野球の練習もそこそこに姿を消してしまうクドリャフカ。そんな様子を見たリトルバスターズの面々はこっそり彼女のあとをつけることに。追跡がバレないよう、面々が考え出した必殺の作戦とは…!?
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「Alles ist im Wandel」さん方面からピンポイントに超強力な布教電波を受信しました。
「腐女子ネタ」「女装少年ネタ装備」と言われたらもうね……もうね!!

というわけで全年齢美少女ゲーム「リトルバスターズ!」のヒロイン3人にそれぞれスポットを当てた短編3つを収録。基本的にゲーム本編をやった人向けのつくりになっているのでキャラクターや設定に対する説明がまるでなく、少々戸惑った部分はありましたがその辺は無視しても全然楽しめる物語になっています。(きっとこれを読んで“結局、リトルバスターズって何さ!?”と思う人はゲームをやれということなのだ…このくらいの説明不足はある意味ゲーム本編に興味を向けさせるという点に於いて上手いと思うので、ゲームノベライズとしては上出来だと思う)

まああれです、内容はどうでもいいんです。そんなもんは飾りです。

第一幕、第二幕が素晴らしい女装ネタ小説。
これ以上に何と語る部分があろう。
いえ、勿論3幕も凄く良かったんだけどね?公式サイトで見たときから唯湖さんが気になるキャラだった私としては。

第一幕はもうちょっと女装した理樹へのセクハラとか、弄りネタがあってもいいかな?と思ったのですが、特に素晴らしいのが腐女子ヒロイン・西園美魚をメインとした第二幕。校内で開催される男子禁制のサバト…もとい同人誌即売会に女装した理樹が潜入するというストーリーなのですが、自分やその友人達を元にしたBL同人を見てオロオロワタワタする理樹の様子が非常に可愛い!その後の対決?で自分から自分達を使った同人誌を読み上げる羽目になってどんどん撃沈していく男子メンバーの姿にも大爆笑してしまいました。

正直、「腐女子ネタ」については幾つか違和感を感じる部分はあったのですが(確かに最終的にヤることは同じなんだけど、受攻逆になったら交わされるやり取りも会話も全然変わってくるんだよ!?リバカプで、セリフまで同じでキャラ名だけ違うとかって普通にありえないよ!!)、逆にステレオタイプな腐女子像を上手いことギャグにしていて、このくらい現実から乖離してるほうが個人的にはギャグとしては素直に楽しめた気がします。腐女子や同人ネタは現実にあんまり忠実だと心が痛い時があるのよね……うふふ。

とにかく、女装理樹タンで存分に女装萌え成分を補給させていただきました。本当にご馳走様でした。
しかし、リトバスってこんなに素晴らしい男子萌えゲームだったのか……
今度出るという「エクスタシー」で、女装理樹のCGがあるとかいう情報が出たら、買っちゃいそうだよ、マジで。


【以下、全く本の感想とは関係ないBL的余談。】

VisualArt's/KeyというとAIRクリア、Kanonは名雪ルート中盤で放置中の私ですが、
実は商業BLゲーで一番ツボにハマったゲームが、Visual Art'sブランドの作品だったりします。

二次創作専門の私にとっては、ホントこのジャンルでツボに来るって珍しいんですよ、一応。
基本的にショタゲーなのですが、選択次第でヤンデレ攻化する主人公の双子の弟が実にツボでした。
わざと弟がヤンデレ化するBADエンドルート行ってニヤニヤしたのも良い思い出だ…。

リトバスSSSを読んで、このゲームが無性にやりたくなったので、ついでにちょっとだけ布教してみました。
ビジュアルアーツさま、ここのブランドの次回作まだですかー!?とか思いつつ、
きっと私がツボにハマったということは世間的には……と思わなくもなかったり。

女装少年萌えは突き詰めるとショタ萌えにたどり着く予感がするので、
今こそこのゲームが再び脚光を浴びても良い筈だ!!たぶん。
そういえば主人公の琴耶も素晴らしい弄られキャラで、女装CGあったなあ…。

B000F1HWFKぼくらはみんな、恋をする

pekoe 2006-05-26
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吸血鬼のひめごと The Secret of the Past

[著]鈴木 鈴 [絵]片瀬 優

絵里香が姿を消して2ヶ月…レレナは絵里香の行方が気にしながらも新しい友人達とそれなりに平和な日々を送っていた。ところが夏祭りの日に神社で凄惨な殺人事件が起き、それに『貪』の末端が関わっていると感じた朧はレレナと青磁に事件の調査を命じる。調査の最中、レレナは友人から『絵里香を見つけた』という報告を受けるのだが…
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うわああああああ…orz

表紙&挿絵や他所の感想からなにやらイヤーな予感はあったのですが、想像を超える悪趣味っぷり全開でまたも全滅エンドすらいつ発生しても不思議ではない展開になってまいりました。前巻の感想で「全滅エンドの可能性すら視野に入れて読みますよ!」とはいったものの、2巻で早々にその覚悟が打ち砕かれそうです。というか後書きのセリフは信じていいの!?ねえ信じていいの!!?

『貪』の正体も十分に悪趣味なのですが、その後の展開はそれを上回る悪趣味さ。もうとにかくレレナのトラウマにひたすら塩を塗りたくるような、悪趣味な展開のオンパレード。特に貪の“模様替え”の真意を知ったときは、うすうす察していたながらもショックが大きかった…

前作「おしごと」では色んな意味で張り切りすぎな拷問シーンとかヒロイン失禁とかがいろいろな意味で話題になったシリーズでしたが、今回の「ひめごと」では精神的な悪趣味さが際立っている気がします。それでも面白いのがある意味困る。というか、もうこのシリーズそのものがレレナという一人のヒロインを苛める為だけに存在してるのではないかという疑問すら生まれてきました。なんて屈折した作者のキャラ愛なんだ…!

とりあえず、ラストで絵里香が一命を取り留めた(ネタバレ)のは一応ハッピーエンドへの伏線であると信じたいなあ…更なる不幸へのフラグっぽく思えてならないけど。
全滅エンドへの心の準備は出来ているがやっぱ出来ればハッピーエンドで終わっていただきたい!

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征服娘。

[著]神楽坂 淳 [絵]鈴羅木 かりん

名門貴族の娘として生まれ、商才に恵まれた少女・マリア。彼女は才能があっても血筋や性別の所為で損をしなければならない社会に我慢することが出来ず自らがこの世界を掌握せんと、侍女にして親友のアッシャと共に動き出す。ひとまず目先に迫った結婚から逃れる為、2年間修道院に入る事にしたのだが…
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才能はあるのに“女”であるがゆえに結婚して家庭に入るという将来が確定してしまっている貴族の令嬢が、自らの手で未来を切り開く為に国家の頂点に立つという野望を抱く…という物語。

自分の弱点や欠点を正確に把握して、自分に出来るところから少しずつでも堅実に野望に向かって邁進していくマリアの姿がとにかくかっこいい。将来、父や兄と事を構えることも視野に入れながらも彼らから間違いを正されればきちんと受け止めるし、自分が弱者である事も認めたうえでそれを出し抜く計画を練る。その大それた望みとは対照的に堅実な動き方が好印象でした。「世界征服の第一歩として、まずはカーニバルの露店から!」という小ささが凄く良い。

また、そんな彼女に惹かれて集まる協力者達が非常にかっこいいのです。侍女であり親友にして訳ありっぽくてクールな元王女・アッシャ、貴族だけどアウトローでマリアと同じく野望を持ったラウラの魅力は勿論の事、彼女の「信望者」とも言うべき庶民達がまたかっこいい。特に水夫のマルコの発言には痺れたなぁ。ある意味最大のライバルともいえる父親・ジャコモとマリアの駆け引きも物凄く面白かった。

マリアが手がける「ティー」や「チョコレート」をはじめとして現在ではデザートとして広く流通している嗜好品がまだ一般化しておらず、それをマリア達が女性ならではの感性で一般に流通させていこうとするという過程も興味深かったです。今後もこういった甘味流通ネタが出てきそうな気配なので、そちらも併せて楽しみ。

…しかし、個人的にはほぼ文句なしだったんですが、唯一挿絵が……鈴羅木さんは某社のゲームアンソロ時代からのファンなのでラノベの挿絵と聞いて楽しみにしていたのですが、キャラを重点に押し出した派手な画風や、線の太いしっかりとした描き方がイマイチこの作品には合っていないように感じました。良くも悪くも「1枚のイラスト」として完成してしまっていて文章の挟まる必要すら無い空気を感じるというか…なんなんだろうなぁ、この違和感…。

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ダブルブリッド9

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

虎司と安藤の前に現れたのは、童子斬りに取り付かれた“兇人”山崎太一朗だった。安藤への気持ちに迷いを抱えながらも太一朗に立ち向かう虎司だが、一方的な攻撃を受け続ける羽目になってしまう。何故か“童子斬り”での攻撃を行わない太一朗。そして、虎司の“アヤカシ”としての姿を目の当たりにした安藤は……
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こ、ここから約4年半寸止め喰らってたのか、俺達は…
本文といい挿絵といい、ラストページが酷い引き。7巻のアレから続いて、3巻連続酷い引きってどうなんですか!!というわけで遂にクライマックス直前!!のシリーズ第9巻。

物語はまんま8巻の続き。虎司と太一朗の闘い、そして虎司の安藤への気持ちに一応の決着が付きます。安藤さんと虎司の捜査六課でのやり取りは大好きなんだけど、こうやって改めて読み直すと物凄く色々不安なフラグを孕んでいるように思えてなりません。最後に虎司がいったように、安藤さんと喰うの喰われるかのギリギリのラインで本編終了後も適当にお付き合いしていければいいんでしょうけど…。というかですね、全くの気のせいかもしれないけど、これってものっそ安藤さんが「鬼斬り」に寄生されるフラグ立ってません……か……。虎司との会話が始まる直前のアレとか、凄い気になるんですけど…!!

一方、喪われていく自らの記憶に対する執着を徐々に失っていく優樹と“未知”ではない過去の自分を忘れ去りたい未知に対し、自分の考えをぶつける大田がまたもや良い味を出してました。なんていうか、改めて読み直すと大田の微妙な立ち位置とか、自らも迷いながら、それでも「傍観者」を貫いていこうとする様子が凄く良い。八牧を喪った後の大田はまた更に良いキャラになった気がしますね。彼が最終巻でどのような立ち位置を取ろうとするのか期待。

しかし、改めて読み直してみて自分がどれだけ前回8巻を読んだ際、それまでの内容を忘れたまま読んでいたかを実感しました。読み直してみると、他の巻と比べて明らかに読み落としている部分や理解できないまま読み進めたのであろう部分が多くて、びっくり。太一朗の様子についても、ちょっとだけ明るい展望が見えたように見せかけて、実はもっと酷い方向にフラグが立っちゃってる気がします。今の太一朗ヤバイマジヤバイ。特に最後の挿絵が気味悪くてめちゃやべえ…!!

もうなんていうか、全滅エンド以外のエンディングが思い浮かばないくらいの最悪な状況での幕引きで終わっている9巻。5月に発売される最終巻で、このヒトとアヤカシの物語にどのような決着が付くのか非常に楽しみです。片倉晃の過去とか“オメガサーキット”の秘密とか空木とか“主”とか浦木の思惑とか、未回収の伏線が大量にあって、本当に1巻で終わるのか激しくドキドキするというのも微妙にあったりするんですが。

願わくば、最期の一瞬だけでもいいから、優樹と太一朗が平和な時間を過ごせますよう……。

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ダブルブリッド8

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

兇人を殺す為、八牧の仇を討つため、動き出す捜査六課の面々。そんな中で相川虎司は自らの“人間を喰らいたい”という欲望を自覚してしまう。しかも喰いたいと思う相手はただ一人・クラスメイトの安藤希だけ。喰べたくてたまらない相手なのに、彼女を殺してしまうことにはどうしても抵抗を覚えて……
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安藤と虎司の関係に焦点が当たる、シリーズ第8巻。一気に9巻まで読んじゃったんですが、こうやって読み返すと8と9は1冊で出しても良かったくらいの内容ですね。そしてまた終わりの引き方が鬼だ……!!

八牧を殺された後の捜査六課の面々の姿が痛々しい。特に大田の独白はなんていうか、無性に寂しさを覚えました。元々「傍観者」を自称しながらもどこか傍観者になりきれない大田のキャラクターは大好きなのですが、6巻を境目にしてどんどん魅力が増している気がします。ほんと、大田はいいキャラだ…。

アヤカシとして安藤を喰べたくて仕方ない気持ちと、せっかく築いた安藤との関係を自分が安藤を“殺してしまう”事で終わらせてしまう事に対する恐れの間で揺れ動く虎司の始めての戸惑いと、自分への態度が変わってしまった虎司の様子を見て寂しく思う安藤さんの様子が……こんな作品では浮いて見える言葉ですが実に「青春」してて素敵です。いえ、安藤さんはとにかく虎司の考えていることは青春なんて甘酸っぱい言葉とはかけ離れてるわけですが!!

一方、どんどんボロボロになっていく優樹に、意外な所から救いの手が。…というかこれがまたどうみても「救い」ではないだろうなって感じの救いの「手」(文字通り)な訳ですが…。このシリーズ、最後は浦木の一人勝ちで終わってもなんら不思議はない気がしてきました。エピローグで全滅したみんなの姿を見ながら浦木が高笑いとか、正直ありそうで怖いですね。

それにしても、改めて読むと安藤さんのキャラは良いですね。
虎司のあの発言に、生返事で「うん」って言っちゃうそのセンスが素敵です。

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ダブルブリッド7

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

元捜査六課のアヤカシ・八牧厳は、自分と自分の仲間たちを脅かす“兇人”を殺そうと決意した。自らが返り討ちに遭う事まで想定して仕組まれた殺人計画を実行に移す為、彼は偶然懐かれてしまった一人の少女を捜査六課に押し付ける。一方、山崎太一朗は自らの狂気と戦いながらも“童子斬り”を切り離す為、大田の言い残した僅かな希望に縋るのだが…
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とにかく希望の無いこのシリーズの中でも格別に救いの無い、シリーズ第七巻。

空木を探すという一筋の希望に縋りながら少しずつ正気を喪って行く太一朗、意識を乗っ取っていた右目を切り離して以来身体の様子がおかしくなっている優樹と、主人公格2人がダブルで絶望的な展開。双方から少しずつでも確実にお互いに関する“記憶”が失われていく様子が悲しかった。太一朗が実家に電話をかけるシーンとか、赤川と太一朗の噛みあわない会話とかで今後の展開がなんとなく予想がついてしまうのがまた…。

もうとにかく、太一朗サイドは精神的に、優樹サイドは肉体的に痛い。特に優樹の傷に関する描写は、シリーズ屈指のグロさです(個人的に一番痛いのは1巻の描写だと思うんだけど、それに追随するレベル)

唯一、八牧と彼が拾った少女・未知のやりとりが地味に平和で面白かったりするのですがこの2人も既に“終わり”が見えてしまっているので痛々しくてしょうがない。特に八牧さんは冒頭から思いっきり死亡フラグ立ててますから…そんな彼がお風呂に入って浦木に会いに行くシーンは爆笑でしたが。

八牧さんと未知の関係は凄く好きでした。“利用するだけの関係”といいながらもいつのまにか未知に情が移ってしまっている八牧の姿がほほえましいんだけど、状況を考えると切なくてしょうがない。大田と八牧のやりとりも最高でした。八牧さんはあんな風貌してるのに実に良いツンデレですね(台無しだ!)

しかし、当時リアルタイムに読んでいてちょうどこの頃から刊行ペースが落ち始めたのだと記憶していますが、今読んでもこの引きはあんまりだ!!!

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緋色のルシフェラーゼ1

[著]伊藤 イツキ [絵]KeG

何の変哲も無い女子高生だった来栖いずもは、実は七つの大罪のひとつ・愛欲を司る魔王“アズモデウス”の生まれ変わり。彼女は幼馴染の少年・紺太が持つ《ソロモンの指輪》を巡る魔王同士の争いに巻き込まれる羽目に。4つ年下の紺太に対し、どうしても素直になれないいずもだが…
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年下だけどだ?い好き!
ちょっとモーソー・ショタ入りラブアクションの新シリーズ!!

最近の富士見Fは「ショタ寄せ」中ですか?
昨日読んだ「しゃっぷる」といいこれといい、煽り文句がどうみてもおかしいぞ!?

なんか色々な意味で、ちぐはぐした印象を受ける物語でした。本筋はかなりハードで欝で中二病的(何せ“前世”で“天使”ですから!!)世界観を持つ物語なのですが、あらすじ紹介や煽り文句は完全にモエモエショタ路線を貫いていて、この煽りを真に受けて読んだら痛い目見そう。

主人公格二人の喋り方がムリにツンデレさせようとしている印象を受けて仕方が無い。なんていうかツンデレしすぎてて色々と不自然。“愛欲”の魔王だけに妄想想いの力で強くなれるっていう設定は凄く良いと思うんだけどなー。それなら無理にツンデレキャラにしなくても良かったんじゃないかって思うんだけどな?…。

更に、イラストにもなんか違和感が……全体的にキャラは上手くても作品の雰囲気をイマイチ表現しきれてないというか。いずもはもっと変身前との雰囲気の変化があって欲しかったし、紺太の“年下”成分はもっと強調して欲しかった。ショタっ子との年の差ラブコメを強調してる割に紺太にはイマイチショタ成分が足りないと思うんだ!!他にもルキフェルの喋り方とイラストがてんで合ってない様子とか、ガブリエルのピザの食い方とかは是非絵での表現補強が欲しかったです。敵の“赦免天使”のおどろおどろしいデザインが全くスルーされてるのにも泣けた。どうせ萌え狙いでいくなら触手な赦免天使に追いかけられるシーンは絶対イラストにすべきだろ!!…というのは置いておいてもクライマックスでメインの敵となる「彼女」の赦免天使としてのグラフィックはどうしても欲しかったので、なくて残念。

色々な意味で“ギャップ”や“二面性”がキモになってくる物語なのに、その辺が本文を読むだけではちょっと強引というか、無理に付け足した印象が拭えず、グラフィック面での補強も無くて宙ぶらりんになっちゃってる。これなら二面性的な設定は全部排除して物語を作った方が自然で面白かったかも。最後の味付けで失敗しちゃった感じが拭えません。あと一味あれば物凄いツボに来たと思うのに、良くも悪くも「ありがちな欝展開系中二ファンタジー」で落ち着いちゃってる。

特にガブリエル様のキャラは、あと一味あれば最強だったと思うんで残念。クールな美形キャラなのにピザに目が無くて喰い方が汚いとか最強じゃないですか!!絵に描いたような卑怯キャラっぷりも最高。ピザを汚らしく喰ってるガブリエル様の挿絵があったらおそらくツボってたよ!!

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SH@PPLE?しゃっぷる? 1

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

ちょっと引っ込み思案な少年・淡路雪国が一目ぼれしたのは双子の姉・舞姫の通うお嬢様女子中学に通う生徒だった。その事を知った舞姫は自らのガス抜きを兼ねて、雪国と“学校交換”を行う事を持ちかける。女だらけの学校生活に最初は戸惑うばかりの雪国だったが…?!
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タイトル、あらすじからして完全な萌え系百合コメだとおもって周囲の評価待ちかな?と思っていたのですがこんなエントリ書いた後でスルーするのもなんだろうと思い購入。結果、大当たり。露骨な萌え要素は殆どなく、びっくりするほど正統派な入れ替わりラブコメでした。つか公式あらすじに「バラ色の生活を目指す」とか書いてあるのがいかんと思うですよ…。

一目ぼれした女の子・蜜に一目逢いたいという気持ちのままに姉の提案を受け入れ、女子高に潜り込んだら、姉・舞姫の意外な学校での姿が見えてきてそれに疑問を抱いたり、高嶺の花だと思っていた蜜の意外な一面が見えてきて動揺するわ驚くわ……それでも、今度は“等身大”の彼女を改めて好きになっていく、という過程が非常に素敵でした。天然な雪国がその邪気のない行動でライバルのお嬢様・典子の毒気を抜いてしまうシーンでは思わずニヤリ。勿論、男女入れ替わりならではの着替えシーンも忘れてはなりません。もうとにかくベタベタな展開が心地よかった。

一方、雪国の学校に潜り込んだ舞姫の方も負けてはいません。元々女の子なのにすっかり王子様扱いで、挙句の果てに“兄貴”呼ばわりされてしまうサッパリとした性格は……うん、確かに女の子にウケるわ、この子。可愛い弟の為に人肌脱いじゃう姿は物凄くかっこいい。そして彼女を兄貴と慕うオタク集団SECの面々がまたいいヤツらばっかりで…性別を感じさせない舞姫とのやりとりには思わず噴出してしまいました。

ラストのオチはちょっと強引に感じなくも無かったんですが(通り魔の正体あたり)萌え全開なあらすじとイラストからは想像もできないほど王道で可愛くてアツくて楽しい入れ替わりモノ。女装男子萌え的な展開は殆ど無いので、そっちの耐性無くて遠慮してる人も是非読みましょう。むしろ「女装男子モノ」だと期待して読むとちょっと物足りないかも?

ただ、こういう物語に萌え全開なイラストがついているのはある意味勿体無く感じたりします。
これはぜひとも女の子にも分け隔てなく読んでほしい作品。温泉ネタらしい次巻に期待です!


この作品読んでて、「何かににてるな?」と強烈なデジャヴを感じていたのですが、
昔なかよしでやってた高瀬綾の「せりなリニューアル」って作品に似てるんだなー。
こっちは女の子同士の入れ替わりモノで女装要素はないのですが、
「SH@PPLE」が気に入ったならおそらくツボに来るんじゃないかと。
併せてオススメしてみたり。
せりなリニューアル (講談社コミックスなかよし)

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アリアンロッド・リプレイ・ルージュ+1 ノエルと白馬の王子

[著]菊池 たけし / 久保田 悠羅 / F.E.A.R. [絵]佐々木 あかね

ライン王国の事件を解決して一息ついていたノエルは、何故か財政難のダイナストカバルを救うため、トランと一緒にお祭りでヤキソバのテキ屋をやることに。ヤキソバ屋は盛況でかなりの儲けを得たのだが、なにやらヘンな奴が現れて…!?
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アリアンロッドルージュ「+1」っていうのは「ルージュ+」の 1 巻という意味ではなく、「ルージュ」「+1」という意味だったという驚愕の真実。

みっしょん06直前の、ノエル達4人の最後の平和なひと時が描かれる「ノエルと白馬の王子」と雑誌に掲載された4コマに加えてランダムダンジョンで繰り広げられる超サバイバルなリプレイ「魔を貫く者」を収録。帯に書かれた矢野さんのセリフに、うっかりじんわりせずにいられない。

「白馬の王子」はトランとノエルの二人にゲストキャラ・ヴァルを加えて送る、思いっきりギャグなシナリオ。ヴァルの妹の仇で自称“ノエルの婚約者”の白馬の王子様とのトンデモ対決までしっかりダイスで行われて、こんな事までTRPGで出来るんだなあという懐の広さを魅せ付けられるシナリオでした。大食いだの幅跳びだのクイズだの…とオバカな競技が目白押しで大変面白かったのですが、何よりも噴いたのはやはりポージング対決でしょう。これはないwwwwしかも勝負の結果が……もう神すぎるwwww

金に困った「ノエルの父親」と資金繰りに苦労する「ダイナストカバル首領」とか、既に本編を読み終わっているとニヤリと来るネタも非常に多く、とにかく笑いまくりの短編だったのですが、やっぱり“あの悲劇の直前”であるという演出が際立っていて不意を付かれてジーンとさせられることが多かったです。特にエンディングの演出はあざとすぎて不覚にも泣いた。くそう、こんなところでトラン×ノエルを半公式にされたって嬉しいんだか哀しいんだか!!

そして何気に必見なのが佐々木さんの描く4コマです。ジュライ可愛いよジュライ。

そして残る「魔を貫く者」ですが…申し訳ないけどなんでこれに収録したのかが良くわかりません…ゲストキャラもあっちのリプレイの人だったし、「ハートフル」の方に収録すればよかったんじゃない?最初から最後までルージュキャラのネタかと思っていたので、GMもメンバーも殆ど変えての「プラス」に凄いびっくりしたというのもあるのですが、それ以上に、これまでとは打って変わって露骨に上級者向けのシナリオに戸惑いました。私の中で「ルージュ」というシリーズはとにかく初心者向けにTRPGの楽しさを知ってもらう為のコンセプトで作られてるシリーズっぽい印象があったのですが…。

上級ルールブックどころか初心者用のルールブックも読んだこと無い、単にノエルとその仲間達の行く末を楽しみに読んできた私のようなTRPGも殆どわからないズブの素人には、殆ど理解できないシナリオになっていて、読みながらモニョモニョしてしまった。せめてランダムダンジョンのルールくらいはもうちょっとしっかり説明して欲しかったなぁ…なんかこの本を読んでる人なら上級ルールブックや「ハートフル」読んでて当然だよね!?的な雰囲気が全体的にあって、物凄いキツかったです。キャラクターにもストーリーにもイマイチ感情移入できなくて、ゲーム性優先のシナリオという感じだったのでそちらも併せてつらかった。

そういえば、「白馬の王子」のラストに出てくる魔族の女性はこちらの短編に出てきたショコラって女性という事でいいんでしょうかね。いかにも今後本編に絡んできそうな出方をしていたので色々な意味で期待していたらそのまま正体すら明かされずに終了してしまって拍子抜けでした。

うーん、最初の「白馬の王子」が凄いツボだっただけに、後半で興をそがれてしまったカンジがして凄い残念でした…

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モンスターズ・イン・パラダイス3

[著]縞田 理理 [絵]山田 睦月

辞表を提出し、姿をくらませたカートを説得して連れ戻す為、ミリシャと共に彼の実家へやってきたジョエル。しかし、ジョエルの血を吸おうとしてしまったカートは再び同じ事が起こるのを恐れ、二人の説得を頑として聞き入れない。そこに、カートの父親を名乗る男性が現れて…
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シリーズ完結編。オチのつけ方が多少力技のように感じられなくも無いんだけど、それを相殺して余りあるほどにキャラクター達のやりとりが面白かったです。

何よりも、カートの父親・クラウス氏のキャラクターが最強。軽妙なノリでルーシーやジョエルの質問をかわしてみたかと思えばシリアスな表情で実の息子に迫ったり襲ったり(笑)、かと思うとエルモに対しては全く頭が上がらなくて、弱気になって必死になって息子にメッセージを伝えようとしたり……軽妙かと思えばヘタレ、シリアスと思えばギャグ…という具合にどんなキャラでも美味しくこなしてしまうスーパーお父さんに完敗。

彼がヘタレてしまったおかげでラストバトルは一気に軽くなってしまった気がしてなりませんが、あれはあれで面白かったので良し。圧倒的な力を持つ神二人にけちょんけちょんになるまで振り回されるクラウスパパンの姿に、シリアスな話のはずなのに大爆笑してしまいました。登場してからカートやルーシーと和解(?)するまではカッコイイキャラだったのになあ…

そして彼らの10年後が語られる短編「サークル・サウスの昼と夜」は、このシリーズのラストを〆るのにまさに相応しいカンジのほのぼの話。どこかシリーズ開始当初のジョエルを思わせる青年・ボブの姿が見ていてほほえましかったりするのですが、それ以上に各キャラクターのその後がしっかり描かれているのが好印象でした。特にミリシャの10年後は様々な意味で必見。いつかジョエルとミリシャが晴れて相思相愛になった暁には彼女が素晴らしい姑っぷりを発揮する予感がして、今から実に楽しみです。ところどころにさりげないBL臭男臭さを漂わせる本編ですが、ちゃんとミリシャとジョエルの関係も描いてくれていたのが凄く好印象でした。

個人的には申し分の無い終わり方で、3巻が一番ツボだったかも。すっかり「伝説のペア」として有名になってしまった10年後のジョエル&カートコンビの雰囲気が素敵すぎで、また何かの形で外伝が読めれば良いのにな?、と思ってしまいました。

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