ページ 150 | 今日もだらだら、読書日記。

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千の剣の舞う空に

[著]岡本 タクヤ [絵]柏餅 よもぎ

交通事故に遭い、空手で最強を目指すという夢を閉ざされてしまった速見真一。諦めざるを得なかった“世界最強”の文字に魅せられるようにして“サウザンドソード”と呼ばれる対戦格闘ネットワークRPGを始め、その世界での最強を目指し始めるが、そこで出会った少女がクラスメイトであると気づいて…
   個人的お気に入り度数
とあるネットワークRPGで“世界最強”を目指している少年がネットゲーム上でクラスメイトの少女と出会って少しずつ彼女の知られざる内面を知っていく……という物語。設定はそれなりに風変わりなものの物語自体は王道すぎるほど王道な爽やか青春ストーリーでした。他所の感想サイトさんでも言われていましたが、一途にゲームにのめり込む少年がその世界での“最強”を目指しながら、自らの“リアル”での生活との両立を見出していくという方向性は、他所でも言われてましたがあの『連射王』に通じるものがありますね。

自分の世界にのめり込むあまりに友人を作る事も出来ず、同時に自らも友人を作らない事を良しとして生きてきたタカヒロ(真一)と、自分とは正反対の明るくて社交的な性格なアスミ(明日美)がリアルの世界では文化祭、「サウザンドソード」の世界では最強のプレイヤー“闇”を倒すため…とお互いの正体に気づかない(真一はその“フリ”をした)まま行動を共にする事になり、2つの世界を通してお互いの抱える違った一面を垣間見ながらも歪みを克服し、成長していく過程が非常に素敵でした。更に、二人を取り巻くクラスメイト達や「サウザンドソード」で合間見える強敵たちも非常に暖かい人たちばかりで、読んでいて心地いい。「悪者」も「嫌なヤツ」も居る世界だけど、それでもこの世界に登場するキャラクターたちはどこか優しい。エピローグの赤シャツのエピソードがあまりにもこの物語の本質を物語っているように思えて、思わずニヤニヤしてしまいました。とにかく、非常に爽やかな気持ちで本を読み終える事が出来ました。

“世界最強”を目指す物語ながら、誰にでもどこにでもありえる親近感もたまらない。続編になるのか新シリーズになるのかはわかりませんが、作者さんの新作に期待!!

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サージャント・グリズリー

[著]彩峰 優 [絵]bomi

上級生から虐められ、クラスの中では空気な少年・玖流玖準のクラスにやってきた転校生“グリズリー・軍曹”。なぜか頭にクマの被りものを着け、軍服姿の軍曹をクラスメイトたちは“クールでかっこいい美少女”などと言う。厄介ごとに関わるのはゴメンだと思っていた準だが、何故か軍曹と友達になることになってしまって…?!
   個人的お気に入り度数
えーと……なんていうか……久しぶりに地雷を踏んでしまった……。
えーとですね、序盤でグリズリー軍曹が主人公とドタバタな学園生活をおくりはじめた位の頃は、フルメタ短編の男女逆転したようなノリで結構面白くて、結構期待してたんですよ。

しかしこの後、なんで途中から学園はなれてハードなシリアスになるの?!
いらないよ!!後半のシリアスまとめていらないよ!!!
なんか読んでいても全く情景が頭に浮かばない、面白くないバトルシーンの連続に辟易していたら、その場で思いついて付け加えたようないらない設定がバンバン現れて、読者置いてきぼりのまま終了。それまでただのネクラで内気な少年かとおもわれていた主人公が突如としてギャルゲーオタであるらしいことが発覚したり、主人公が突然大財閥の御曹司であることが明らかになったり、伏線らしい設定に心を躍らせるとなんらフォローがないまま話が終わってしまったり……。

これが序盤の「不条理系ギャグ小説」のまま進んでくれたらある程度設定に穴があったり、突然知らない設定が当たり前のように出てきてもその手のギャグなんだとおもって納得がいくのですが、後半は完全にシリアス。しかもなぜか結構欝展開。

後半みたいな裏社会で活躍する荒くれ者たちのバトルを描きたいならヒロインを着ぐるみにする必要はどこにもなかった。後半で軍曹が主人公をヒロイン的な意味で恋する乙女的に心配する描写があるのですが、所詮、グラフィックがハイイログマであることだよとか考えるとなんかイマイチ、グっときません。主人公にも全く見せ場が無く、とりあえず駄目人間であるというところばかりが目に付きます。ラストではちょっとだけかっこいいところを見せてくれますがそれ以前が駄目人間過ぎて相殺しきれてません。というか、未だにあのラストの行動はそれまでの主人公の行動からするとありえなさすぎて、主人公が英霊か何かに精神を乗っ取られて起こした行動かなにかなのではないかと疑ってしまう自分が居ます。

あと、なんで主人公はエピローグで両親に勘当されるんだ?
なんとなく想像つかなくもないけど、一応助けてあげたのに随分冷たい両親だよね?母親の方は結構まともな親っぽい描写があるのに……いや、もういい……何もかもがどうでもいい……。

前半のパートがそれなりに面白かっただけに、ガッカリも大きかったです。前半のノリのままバトル分なしのドタバタラブコメにしてしまえばまだそれなりに面白かっただろうに。(それでも1?2月にまとめて発売となったギャグコメ系ラノベのレベルが全面的に高すぎたので評価されるかどうかは微妙だと思いますが…)

なんか物語の構成自体、狙ってこういうシュールな作風にしたというよりは、作者がその場の勢いのまま、思うが侭に自分の書きたいものを書きたいまま後のことなど何も考えずに書いて、駆け抜けていったという印象を受けます。きっと作者は一瞬の風になって、天高く吹き上がっていったのではないでしょうか。

……ごめん、もうむり。

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今月のオススメと面白検索キーワード[2008年2月分]

2月のまとめ。読了冊数は18冊でした。平均よりは多めってとこ。
「ネクラ少女」シリーズの一気読みがいい具合に効いた模様です。

2008年2月のオススメ本。


生徒会の一存(⇒感想

MAMA(⇒感想

黄昏色の詠使い5
⇒感想

人類は衰退しました
⇒感想

なんか2月の新刊は全体的に、「あと一歩キメ手はないけど文句なしに面白かった」くらいのレベルの傑作が乱立していて、5作品くらいが甲乙つけがたい状態で並んでました。「MAMA」と「黄昏色」と「ベン・トー」と「衰退しました」と「らっきょ」が未だに脳内でガチンコバトルを繰り広げて居るのですが…キリがないので枠を増やして、一応この4つで決定。アクセス数の関係が無ければここにフルメタ新刊も並んだことでしょう。

2月の新刊の中で頭一つ飛び出て面白かったのは「生徒会の一存」。ハイテンションでまったりでメタメタなハーレムギャグコメもの……と思わせておいて、予想以上に懐が広くて魅力的な大バカモノ・杉崎鍵のキャラクターにやられました。「ミミズクと夜の王」の紅玉さんの新作「MAMA」はミミズクがライトノベルに近づいたような、それでいて特有の御伽噺のような雰囲気は消えていない名作。そして遂にエピソード1完結の「黄昏色の詠使い5」ははぅ?ネイトかぁいぃよぉお持ち帰りィィ! 

最後の1枠、「ベン・トー」と「人類は衰退しました」で敗者決定戦を行ったのですが僅差で人類?が勝ちました。あの超癒し系の雰囲気がクセになる…!!

2008年2月の人気(?)感想…諸事情により「4選」です。

 波乱万丈……今月ほどこの言葉を実感した月もなかったでしょう。

フルメタル・パニック!せまるニック・オブ・タイム(⇒感想

バカとテストと召喚獣3.5
⇒感想

バカとテストと召喚獣
⇒感想

バカとテストと召喚獣3
⇒感想


 ど ん だ け バ カ テ ス 。

12月にバカテス同人を出して以来、着実に「バカテスと女装萌えな腐の人」というイメージが定着しつつあるような気がしてならない今日この頃。ちなみにこれだけバカテスぶっちぎり状態が続いているのにもかかわらずなぜか2巻の感想のみ全くといっていいほどアクセスが伸びておりません。うーん、確かに1?2巻は一気読みしたので2巻の感想がかなり適当であることは否めないのですが……読み返しを経て、現在最萌え巻と化した2巻の評価が世間的にもあまりよろしくないのが非常に不満な今日この頃。

このままではバカテス2巻感想だけ全面改稿を行いそうな勢いです。
…それはそれでありか?開き直って思いっきり腐れた感想をアップしてみるか?……うーん。

そして1位の「フルメタルパニック!」ですが、衝撃の展開があまりにも話題になってしまったのか感想をアップした18日から素晴らしい勢いでPVを伸ばし、発売日前後でPV爆発がおきました。……えーと、21日のユニークアクセスとPVが、感想を上げる直前(2月17日)のPVの3倍近くあるんですけど……。

良くも悪くも「衝撃的」で「センセーショナル」だった最新刊だったと言えましょう。
クルツ……orz

これに関して月間アクセス数の推移がかなり面白い動きをしていたので、参考までに掲載しておきます。いや、最初はどんだけバカテスがぶっちぎりだったのかをレポートしようと思ってスクショしたんだよね…。…バカテス3.5の感想、一応うちのサイト的にはぶっちぎりで過去最大のアクセス数だったんです。いや、普段多くても1ヶ月で500行けばいい方なんで。

ちなみに、くどいようですがフルメタ感想をアップしたのは2月18日昼過ぎです。

2月14日夕方時点 → 2月22日 日付変更直後時点 → オマケで3月1日現在

1月&2月の面白検索キーワード


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ゴッデス!2  美少年のお世話って大変なの!!

[著]ひかわ 玲子 [絵]近衛 乙嗣

イグドラシルの力を借り、元の世界に戻ったアキラと桜羅子。しかし、二人を待ち受けていたのは誰も居ない、瓦礫ばかりの廃墟と化し滅亡した街の姿だった…。仕方なく神々の世界へと舞い戻った二人は未だ“神”の力を持たず、戦力的に役立たずの宙良のパワーアップを図る——!?
   個人的お気に入り度数
神々の世界で神殺しによって“神”になった少年少女達が百合百合したり血なまぐさいドロドロを繰り広げるシリーズ第二段。少しずつ世界の謎が見えてきた一方で謎が深まったり新たな謎が生まれたり………むしろそれは総合的には余計謎が増えたというようなっ!?

今回は、1巻では割合空気だった美少年従兄弟・宙良が大活躍(?)します。大活躍……というよりはむしろ完全に2巻でヒロインのポジションを確立した感がありますが。ヘタレで駄目な子に目が無い私としては大変喜ばしい事です。絽貴くんと張り合うのに、今更明らかに無関係な得意科目の話を出す辺りが最高にヘタレwしかし、カラー挿絵で月を背にする宙良くんが非常にかっこよかったので、密かに彼の成長と大活躍と虐げられっぷりを楽しみにしている私なのでした。というか、目次のところを見た限り、「キャラの!」本誌掲載時にはひょっとして、囚われのお姫様モードで鎖に繋がれてる宙良のカラー挿絵とかあったんじゃまいか……本当にあったんだとしたらすげえ見たかった。

そんなヘタレもといいらない子もとい宙良くんですが、予想通り重大な秘密が…。後半で宙良が謎の狼と遭遇して以降の展開はとにかく重くて、欝で、ドロドロ。宙良がヴァーリー神に取り込まれた恋人の璃李と再会するシーンは素晴らしい悪趣味っぷり(←褒め言葉です。)。

さてさて、今回この“神々の世界”が北欧神話を下敷きにした世界であることが明らかとなるわけですが、そうなると名前的に明らかに何かの関係ありそうなキャラクターがいらっしゃるわけで…ぶっちゃけお名前を聞いたときから「ひょっとして北欧神話とかラグナロクとか関係あるのかな?…?」と思っていたので思わずニヤリとしてしまいました。また、更に悪趣味な方向になりそうだ…。このシリーズの悪趣味さはかの「バイトでウィザード」や「Missing」、「ダブルブリッド」にも通じる程のものがあるので、是非ともこのまま悪趣味全開で頑張って行ってほしいです

……しかし、連載ペースでこれだけかかるってことは、次の新刊は来年か…?あと、やはりこの悪趣味な本編に、超ハイテンションなあの後書きはあんまりだよ…悪くも悪くも雰囲気壊しまくりだよ…!!この後書きは、ある意味本編以上に悪趣味だ……。

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ネクラ少女は黒魔法で恋をする5

[著]熊谷 雅人 [絵]えれっと

ネクラだった自分を克服し、演劇部にもクラスにも自らの居場所を少しずつ作っていた真帆。ところが、憧れの先輩・一之瀬とは犬猿の仲と言う生徒会長に黒魔法少女である事を指摘され、彼の『死んだ人を生き返らせる』という願いに協力するよう持ちかけられる。それを拒否したところ、翌日から心なしか周囲とギクシャクしはじめて…
   個人的お気に入り度数
「ネクラ少女?」シリーズ完結編。生徒会長の策略により再びネガティブ思考の罠にハマってしまった真帆が、上手くいかない周囲との自らの後ろ向き思考との齟齬に苦しみながらも奮闘します。ラブコメとしても青春物語としても綺麗にソツなく終わった印象。

とにかく疑心暗疑に陥りながらも必死に自分の思考に負けないように頑張る真帆の姿が印象的。一度こういうのに陥ると自分から立ち直る事ってなかなか難しいし、1巻の頃の“ネクラ少女”の姿から考えると信じられないほど精神的成長を果たした真帆の姿をみて、こちらまでとっても暖かい気持ちになりました。「ネクラ少女」としての彼女の姿が見られなくなったのは残念だったけど、その不満を打ち消して余りあるほどの成長振りに嬉しくなりながら、エピローグで●●の記憶が無い事を一之瀬先輩に確認しちゃうチャッカリした姿に思わずにんまりしてしまったり。

でも何より、そんな彼女を時には厳しく、時には暖かく迎え入れてくれる演劇部の面々や、裏表なく元気いっぱいに受け止めてくれる大河内、普段は情けないけどやる時はやる永音先生、ツンデレだけど実は姉想いな妹の夏樹、そして今回遂に正体を明らかにしたオジ様・伊丹氏などの周囲の暖かさが胸にしみます。とにかく最初から最後まで、仲間や友人の暖かさを教えてくれる素敵なシリーズでした。本当に真帆は良い仲間を持ったなあ…。

個人的には一つだけ、やはりシリーズ通して神門との三角関係が全く描けてないのが残念だったけども。4巻では一之瀬先輩が空気だっていったけど、5巻は一之瀬と真帆が接近した所為で神門が完全に空気に……やはり神門は2巻でのゲストキャラ止まりにしておくべきだったと思うんですよ。おそらく神門が出張ってくる3?4巻をすっとばして1、2、5巻を読むだけでも十分物語としては成立してしまう気がして、まるで3・4巻だけまるで別シリーズを挟み込んだかのように浮き上がっているように感じるんだよなあ。単純に誤解させるだけじゃなくて、神門が“恋敵”として一之瀬先輩につっかかっていくような展開があるだけでもここまでの違和感は生じなかったと思うので、そういう描写が全く無かったのは本当に残念でした。

でも無理に二人をくっつけず、彼氏彼女以前の関係のまま含みを持たせたエピローグには大満足。
面白い物語を本当にありがとうございました。

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黄昏色の詠使い5 全ての歌を夢見る子供たち

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

意識を取り戻さないクルーエルの容態は日増しに悪化していった。ティンカは少しでも彼女を救う可能性を求め、サリナルヴァが副局長を務めるケルベルク研究所へ彼女を移す事を決める。治療のためなら仕方ないと周囲が思っていた中、唯一クルーエルを移す事に反対したネイトは一人で研究所を目指そうと学園を飛び出すが…?
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灰色名詠を使うミシュダルとの対決やクルーエルとアマリリスのに決着がつく、第一部(というかEpisode1)の完結編となるシリーズ第5巻。

クルーエルを心配するネイトやミオ、そしてクラスメイト達の姿に思わず心が暖かくなりました。1巻を読んだときに感じた独特の「綺麗さ」や「暖かさ」が全開のお話になってて、大満足でした。特にクルーエルとネイトが二人で詠を唄い合うシーンは本っ当に最高。

ちょっと中盤辺りで詰め込みすぎというか少々わかりづらい印象を受けたのですが、エピソード2への波乱をちょっと含みながらも最終的には誰もが哀しい想いをしていない、素敵な決着のつけ方はなんともこのシリーズらしいというカンジで大好きでした。

……なんて感想もあるにはあるんですが、もうその辺は正直建前で。今回はとにかくネイトとクルーエルの二人に悶えた…ッ!!クルーエルを心配するネイトの姿がもうとにかく可愛いのなんの。本文でも挿絵でも、散々悶えさせてもらいました。もうとにかく今回はかなりオープンにラブラブな二人を見られます。

?——おやすみのキス、して?

「だめですクルーエルさん。僕、おやすみのキスなんて絶対しません」
「ねえ、クルーエルさん」
「もし僕が……おやすみなさいじゃなくて、おはようございますってキスしたら……クルーエルさんは目を覚ましてくれますか?」

ぶっちゃけこのやりとりを見たときは電車の中なのにも関わらず転げまわりたい衝動にかられました。
お、おおおおおおおお持ち帰りィィィィッ…!!!(落ち着け)

今後は4月に短編集、そして完結編となるエピソード2へ続いていくとのことで、個人的にはもうひとりの美少年キャラ(と勝手に脳内で認定しました)シャオ君とネイトの対決がとっても楽しみです。

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ベン・トー サバの味噌煮290円

[著]アサウラ [絵]柴乃 櫂人

烏田高等学校の学生寮では『自立した生徒を育てる』という教育方針の下、昼食・夕食が出ない。少ない仕送りを少しでも有効に利用しようと閉店間際のスーパーの半額弁当を手に取ろうとした佐藤洋は、嵐のような『何か』に巻き込まれ吹き飛ばされてしまう。数日連続で弁当争奪戦に敗北した洋は、『氷結の魔女』と呼ばれ怖れられる少女・槍水仙に教えを請うのだが…
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いや?ネットでの評判は聞いていたけど、予想以上に面白かった!閉店間際のスーパーの半額弁当を狙って繰り広げられる命知らずのバトルロワイヤルに、何も知らないオバカな主人公が巻き込まれて少しずつ成長していくという物語。面白そうだとかネットでの評判とか「ある種バカテスに通じる」なんて自分的後押し発言もあったわけですが、購入を決意した元凶がこの発言であったことは紛れも無い現実です。責任とってくだs(強制終了)

内容を一言で言うとやってることは半額弁当版『学校の階段』、ただしキャラクターは『バカテス』風味、みたいな。バカテス風味というか、洋のキャラがどこかバカテスの明久っぽいのか…性格はとにかく、貧乏でヘタレでバカで趣味最優先の金の使いっぷりら辺。個人的にはやはりメイン4人のキャラクターが凄くツボでした。ヘタレでバカな洋と孤高の強者なのに寂しがり屋な槍水先輩のほのかなラブ描写にニヤニヤしつつ、最初はクールなクラス委員というイメージだった白梅梅が後半に行くにつれガンガン壊れていく姿に爆笑しつつ、やはり一人の腐女子として一人何か間違った方向に暴走する白粉花を応援せずに居られません。ていうかとりあえず『筋肉刑事』シリーズ読ませろ。話はそれからだ。なんかもう素晴らしく阿呆らしそうで実に気になる。彼女にはスーパーダッシュに咲く一輪の腐った花として頑張っていただきたいです。

キャラクターも魅力的ですが、『半額弁当』に賭ける漢達の(無駄に)熱い生き様には思わず胸を震わされる。ブツはただの半額弁当だが、幾つかの暗黙の了解と共に在る闘いは妙に気高い。半額弁当を手に入れることが出来なくても、認め合った宿敵同士でお互いを恨んだりせずに声を掛け合う様子は恐ろしく清清しい。個人的には顎鬚の「ワン公」って呼び方が、まるで鍛え概ある後輩に対する態度のようなカンジで凄い好きだったりします。そしてそんな強敵たちを乗り越えて半額弁当を漸く手にしたときの喜び、弁当の美味しさの描写といったらもう……最高です。本当にありがとうございました。

考えると金の無い学生時代、中学時代から人一倍食べるようになった私はどれだけ安いお金で腹を満たせるか色々手を巡らせたものです。なんとなく、そんな学生時代の自分を思い出して懐かしくなりました。いつから自分は食を“浪費”するようになってしまったんだろう…。いや、今コンビニ弁当派なのは単純に職場の近くにスーパーがないからなんですけど、ね…orz
ともかく、明日から腹が減ったからと調子に乗って暴食するのはやめようと思いました。

「なんで半額弁当?」とか言っちゃ駄目。考えるな、感じるんだ!!!

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ネクラ少女は黒魔法で恋をする4

[著]熊谷 雅人 [絵]えれっと

高校受験を目の前に控えた空口夏樹は、彼氏と上手くいかずに悩んでいた。それなのに姉の真帆ときたら、残しておいた冷蔵庫のプリンは勝手に食べるし、挙句人の枕元でブツブツと黒魔法の呪文を唱え始めるし…。思わず夏樹は一方的に姉を無視することにしてしまうのだが…
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「ネクラ少女?」シリーズ、4作目は各キャラクターに焦点を当てた短編集。空口姉妹の仲違い、大河内&雛浦が暴漢を退治するため奔走する話、湊山先輩のちょっぴり甘酸っぱい勘違い話(笑)と、演劇部の夏合宿の話の4本を収録。

真帆のネクラ成分は順調に薄くなり気味で、それが少女の成長を描く青春ラブコメとしてひとつの魅力ではあるんだけど、それが逆にこのシリーズ最大の個性であろう「ネクラ少女」という部分を徐々に殺しつつあるのが難しいところだなあ。なんていうか、ただの青春ラブコメになってしまって、安定した面白さはあるんだけどラブコメが元々あんまり好きじゃない身としてはいまいちピンとこない作品になりつつある…。

それでも各キャラクターの個性が立っているので、それぞれの短編は非常に面白かったです。一見仲悪そうに見えるんだけどお互いがお互いを気にせずには居られない空口姉妹の関係にニヤニヤしつつ、雛浦さんのまるでマンガみたいな(…小説だけど)家庭環境と、そんな彼女を引きずり回す大河内との凸凹コンビっぷりが微笑ましくなったりとかなり楽しめました。湊山先輩は……その……ご愁傷様、です。

ただ、真帆の毒気が抜けつつある現状では、演劇部の夏合宿を描く「空口真帆と仲間たちの夏」は正直微妙だった。一之瀬先輩との仲も進展するかと思いきや一之瀬は気絶しっぱなしで肩透かし食らわされたカンジだし……ここは一つ一之瀬先輩と色々なぶっちゃけ話をするみたいな嬉し恥ずかしイベントを挿入すべきだったよ!というか、一之瀬先輩の影が薄すぎて、「本当にコイツとくっつくの???」ってカンジが否めない。今のままだとこの二人の関係は真帆の空回りにしか見えなくて、次で余程上手い事やってくれないと、くっついても「え、なんで?」って思っちゃいそうだ。

そもそも、1巻以外での一之瀬先輩の存在が物凄く空気なので、何故真帆がそこまで一之瀬に固執するのかが見えてこないのが致命的です。キャラも他の演劇部の面々が上手い事キャラを立てているのに対し、あんまりキャラが立っていないように見える。読んでいるほうとしては、真帆も神門とくっついてしまえば?という気持ちにならなくもなく……

神門は2巻で登場した時には結構好きなキャラだったんだけど、本当に一之瀬と真帆をくっつける予定になっているのなら、神門は2巻のみのゲストキャラにしておいて3巻以降は真帆と一之瀬の恋愛模様に話を絞って欲しかったかなあ。

さてさて、物語は次で最終巻ということですが、殆ど全く進展が見られない一之瀬先輩との関係や3巻で意味ありげに出てきた割に4巻では存在ごとスルーされた生徒会長、真帆の傍に潜んでいるらしい黒幕悪魔……などなど、大量にあるような気がする伏線をどうやって回収してくれるのでしょうか。大きく物語が動くであろう最終巻に期待。

個人的にはラスボスっぽい雰囲気を纏った生徒会長の活躍がとても楽しみ(あれ?)

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文庫版「空の境界(上)」+映画版1〜3章感想

 

2年間の昏睡から目覚めた少女・両儀式(りょうぎしき)が記憶喪失と引き換えに手に入れた、あらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”。浮遊する幽霊の群れ。人の死を蒐集する螺旋建築……。この世の存在のすべてを“殺す”、式のナイフに映る数々の怪異。非日常の世界は、日常の世界と溶け合って存在している。 あの伝説の同人小説の講談社ノベルス化が満を持して成就。“新伝綺”ムーブメントの到来を告げる傑作中の傑作がいま新生する!!

映画と同時進行で1ヶ月1章ペースで再読を進めていた「空の境界」、漸く文庫版の上巻分まで読み終わったので映画版とあわせての感想を。どちらかというと映画版感想の比重が高いかも。

1/俯瞰風景
実は私、映画化決定直後に再読を決意して、1章読みきるのに1週間を要して力尽きたという素晴らしい体験をしました。映画のパンフレットに掲載された解説に「わざと難解な作りにした」との言がありますがぶっちゃけそれから判断すると私は一応最後まで読んだものの、確実に“奮い落とされた”側でしょう。空の境界という物語は元々判り辛い物語に7章の時間軸がバラバラに配置されていることで更に読みづらさを上げている作品ですが、この「俯瞰風景」という物語は物語の中ですら時間軸が錯綜します。そこに良い具合で橙子さんや幹也の薀蓄が入り込み……で、一言で言えばとにかく読み辛い。

…で、この時間軸の錯綜が映画版では発生しないのでかなりシンプルな物語として描かれます。映画版のビジュアルで補完しながら読むと、あれだけ解読に時間のかかった1章があっさり数十分で読めました。1章で投げてしまっている人は、とりあえず映画版を観てから本編を読むのもアリかと思います。この文章ならではの「読みづらさ」が解消されると物凄く面白いんですよね、実際のところ。

それで映画版の方ですが、個人的にはテーマソングもストーリーも、今までに見た3章の中では一番好きだったり。「銀幕で観る」事を意識した効果音にはとにかく惹きこまれるし、ビルの上を浮遊する少女達というどこか現実離れした風景は美しい。屋上で繰り広げられるバトルシーンもどこか現実離れしたかっこよさが…。そして田中理恵さん演じる巫条霧絵の最期の独白シーンには泣かされました。この回だけ2回見に行ってしまったのですが、とにかくあっという間の1時間でした。

あとハーゲンダッツの殺傷能力が高すぎます。式可愛いよ式。

2/殺人考察(前)
高校生時代の幹也が式と出会い、式が昏睡状態になるまでの話。最初に本編を読んだときも一番内容を覚えていた話なんだけど、やはり1章&3章と比較すると全然読みやすかった印象。実はというか予想通りというか、この話に登場する式のもう1つの人格“織”が凄い好きなので、織と幹也のデートシーンではニヤニヤが止まりませんでした。ちなみに映画版のデートシーンではもうひとつ、「月姫」シリーズ好きには思わずニヤリな仕掛けが。

映画版は幹也と式(織)の日常がメインになる分、他の2章よりも冗長な印象を少しだけ受けました。というか、内容を全く理解できてなかった1章・3章と比べて内容をそれなりに覚えていたのが逆に冗長さにつながってしまったのか…でもまだ初々しい二人のやりとりにニヤニヤ出来る、良い話です。式の笑顔が結構良い確率で見れるのも個人的には美味しい。後半殺伐だけど気にしたら負け。

余談ですが、織と幹也のカップリングはやはり腐カップリング扱いなのでしょうか。うーむ。1章・2章終わったあとに「コクトーはヒロイン!!コクトーはヒロイン!!と騒いでいたのは何を隠そう私です。

3/痛覚残留
式が目覚めて2ヵ月後に起こった、式が左腕を失うきっかけとなる話。出番が空気でお姫様状態な1章、なんとなく妙に悟った感じの高校生時代な2章と比べ、不思議と3章の幹也が凄く人間臭く感じてました。それまで解説担当というか薀蓄担当みたいな印象があった彼がアクティブに動く姿が見れるからかな。しかし、1度読んでる筈なのにカケラも内容を覚えていなかったのはなんでだ…orz

映画版を観た後に原作を読んだら、かなり様々な部分が削られてシェイプアップされてますね。藤乃と幹也のやりとりは相当短縮されてますし。ただ、だからこそ「映画を見た後に原作を読んだら、映画では判らなかった部分が理解できた」というのが結構多かったように感じます。かといって、映画がつまらなかったと言うことは全く無く、細かい描写を省いた分バトル面が引き立っていたような。バトルシーンは3章が一番気合はいってます。式と藤乃の超能力者対決は特に必見。

ちなみに映画版は始まった途端にいきなり「ギッコンバッタン」です。
擬音が何を示すかは推して知るべし。
てっきりグロ方面やファン層の関係でレイトショー公開だと思っていたのでこっちの方面で攻めてくるとは予想外でした。いや、確かに原作でもそういう類の表現あったけどよ!!!

映画版。ラストの式の笑顔は反則です。可愛すぎます。

総括
「空の境界」本編はとにかく難解で判り辛く、読みづらい小説です(少なくても私にとっては)。ただ、そのとんでもない読みづらさを無理に押してでも、ラストまで読んでしまうような魅力を持つ作品であると思います。解説の綾辻行人さんが評されているとおり、キャラクターにしろストーリーにしろとにかく「かっこいい」という言葉が似合う作品。

とりあえず映画を見て、ビジュアル面での補完を行ってから本編を読むと非常に読みやすくなるので、その辺で詰ってしまっている人にはとりあえず映画見るのを超オススメします。映画は本当にクォリティ高いので、原作を全く知らない人でも十分楽しめるかと。そして、該当する章を読んだ後で再度映画館行くと、文庫版で更に補完が出来ているので新しい発見があったりするかも。

とにかく、文庫版は単独で読もうとすると難解なんだよなあ……私の読解力が無いといわれればそこまでですが、特に「俯瞰風景」で投げてしまう人は凄い多そう。Web小説として掲載する際は確かにある程度読者の振り落としを必要としたのかもしれないけど、それが現在まで残ってしまっているのはなんだかもったいない。

あと、今回映画版を見てつくづく思ったのですが、やはり奈須氏の文章はビジュアル面での補強がそろって初めて真価を発揮するんじゃなかろうかと思うのですよ。「DDD」ではその読みづらさは多少なりを潜めた印象がありますが、やはりどこか読みづらい印象は拭えない。その読みづらさが、「月姫」や「Fate stay/night」では全く感じられないんですよね。別に文章力が無いとかそういうことを言いたいわけではなく、ただ「そういう」文章なんじゃないかと。だからこそ、やはり小説版で満足している人も映画版を一緒に見て欲しいなあと思う。「小説版」「映画版」の相互補完によって空の境界という作品は初めて完成するのではないかと、そういう印象を受けました。

そして映画版。とにかく効果音とかが映画の大迫力で観ることを前提に作られているというカンジなので、観れる環境があるなら是非映画館に見に行くべき!!と主張したい作品です。…とはいうものの、常時満員御礼&Web予約は日付変更後数分で完売という状態が3ヶ月続いているので相当の気合とか根性が必要となりますが…上映映画館少ないし、地方じゃやってないし。あと男性比重が極端に多いので、個人的に女性一人では入り辛い雰囲気が結構ありますね。女性一人で行って立見とかになると相当きついかも。でもそんな障害を乗り越えてでも、見に行く価値のある映画だと思います。

最後に、映画が始まる前のクレイアニメーションは型月厨的に超必見。猫アルクとかやさぐれ凛とかが何気なく出てきて、ファン心をくすぐりまくりやがります。
DVD化の際は当然映像特典として収録していただきたいところ。

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天元突破グレンラガン3

[著]中島 かずき [絵]品川 宏樹 [原作]GAINAX

ロージェノムを倒し、地上に人間と獣人の共存する国を作り上げた大グレン団。総司令になったシモン、その補佐になったロシウを筆頭に殆どの大グレン団メンバーは樹立された政府の要職になり、そして7年間の平和を謳歌していた。ロージェノムが遺した言葉に不安を感じたロシウを除いて。そして7年後、月から謎の新たなる敵が襲来して…!?
   個人的お気に入り度数
アニメ版の「第三部」を描いたノベライズ第三弾。いきなりシモンが大人になってるよ!?いや、以前から第三部でいきなり大人になるって話は聞いてたんですが…実際目の当たりにするとビックリでしたw

7年間の平和な生活によりすっかり平和ボケした大グレン団の前に、更に強大で絶望的な敵が襲い掛かる!という展開で、今までになく絶望的な敵と立場が大きくなりすぎてしまった所為で1つにまとまれない味方……と、後半までもどかしい展開が続きます。かつての大グレン団の面々と、ロシウ率いる“第二世代”の戦後派の対立は本当に見ていてもどかしいというか、「そんなことしてる場合じゃないでしょー!!」と叫びたくなってしまいました。正直「あの」行き当たりばったりな大グレン団に政治なんてものが勤まるとは思えなかったのですが、もろにその予想とおりだったというか…彼らを疎ましく思うロシウの気持ちも正直判る。

それでも、彼らもただのうのうと7年間を貪っただけではないんだなあと思うような描写が多く、その辺は非常に楽しめました。父親になった二人の葛藤とかも興味深かったし、それ以上にキタンの葛藤する様子は凄く感慨深かったです。自分よりもずっと若い筈のロシウが、どんな思いで感情を殺してあの判断をしたのかなんて、以前のキタンだったら気付かなかったんじゃないかなあと思いますし。2巻まではただのキレやすいバカ男としか思えなかった(酷)のがすっかりいい男になって…(正直、そのいい男っぷりが死亡フラグに思えてしょうがないのはきっと気のせい。…なんかそんな噂を聞いた気がするのもきっと気のせい。)

そしてなんといっても一番成長したのは総司令になったシモンでしょう。特に2巻でのうじうじしっぱなしのシモンの姿が印象に残っているので、ニアがああいうことになってしまっても、自分の処刑を叫ぶ市民達の姿を見ても、自分の殻に篭らず毅然として対応している姿は物凄くかっこよく感じた。ほんと大人になったんだねシモン…。ヴィラルとの凸凹関係も非常に良かったです。こういう元宿命のライバル同士がなんだかんだいいながら共闘する姿って言うのは燃えますね!!

というかあれはどうみてもシモン×ヴィラr(強制終了)

後半の、大グレン団の活躍はやはりこうでなくちゃというか、この人たちは前線で戦ってるのが似合うよなあといわざるを得ない爽快な展開。ていうか、もろに「俺達の戦いはこれからだ!!」な終わり方なんですが、まだ4巻があるんだよね!?(笑)

最終巻が楽しみです。

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