平和さんのブログで行われている2006年ライトノベルサイト杯に参加しつつ、上半期に読んだ小説を振り返ってみます。
(参加などに関する詳細は上記サイトさんをご参照ください。
あと、こちらから外部ブログの投票が可能です。)
前回の2005年ラノリン杯は考えているうちに投票し損ねてしまったので、
外部ブログの投票OKになったところでさっさと投票してしまおうという魂胆です!
…前回はホント、気がついたら終わってたし_| ̄|○
※タイトルクリックで以前当サイトで取り上げた時に書いた感想、
書影クリックでBK1の該当作品ページへ飛びます。
ちなみに乗り遅れて寂しかったので勝手にやってみた前回分。
■燃えるワン・マン・フォース(賀東 招二著/富士見書房)
今まで雑魚扱いだった旧式メカで今まで自分達の使っていた最新鋭機に挑むという展開が激しく燃える。傭兵としての自分と現在の自分がせめぎあう中、無意識にかなめを求める宗介の姿に激しく燃える。
兎に角タイトル通り「燃える」一作です。もう大好き!
■倒凶十将伝 巻之13(庄司 卓著/朝日ソノラマ)
とりあえず、作品に関する内容には多々ツッコミたい所がありましたが(特にラスト)、長年待った身としては最終巻が出ただけで御の字です。本当にありがとうございます。最終巻の話を聞いたときは真面目に感動の涙で前が見えなかったので一票入れさせて貰います。
■機動戦士ガンダムSEED DESTINY 5 選ばれた未来
(矢立 肇原作 / 富野 由悠季原作 / 後藤 リウ著/角川書店)
ノベライズは多分ライトノベル判定として微妙だと思うし、そっち系は票入らないと思うのですが敢えて入れます。アニメ版に不満があった人は今すぐ全巻買って来るべし!特に49話EDでのスタッフロールの順番を見て凹んだシン好きの人は是非。
色々と穴だらけのメインストーリーや、各キャラクターの心理を綺麗に補完してくれてます。
■ムシウタ 07.夢遊ぶ魔王(岩井 恭平〔著〕/角川書店)
「ムシウタ」シリーズ、というか岩井さんの作品は殆ど無条件で推しなのですが、特にこの巻は“はじまりの3匹”でさえ手玉にとってしまう二人の「魔王」がかっこよすぎでした。ラストは電車の中なのにボロ泣き。今期一番泣かされたラノベでした。
■とある魔術の禁書目録8(鎌池 和馬〔著〕/メディアワークス)
「レジンキャストミルク4」にするか、「きるらぶ3」にするかで真面目に悩んだのですが、禁書目録は期間内に3冊出てるし票割れしそうだから黒子燃えとして1票いれとく。10巻のラストも激しく好きなのですが敢えて8で。
兎に角ポイントは黒子と御坂の女の友情(百合とか言ってはいけない)。お互いが依存しあう関係ではなく、お互いを支え合いたいと思う二人の関係に一票!
次点(書名クリックで感想)
燃え展開
■レジンキャストミルク4
■殺×愛(きるらぶ)3
■とある魔術の禁書目録(インデックス) 10
■制覇するフィロソフィア
愛すべき馬鹿小説(笑)
■9S<ないんえす?>SS
■アストロ!乙女塾! 僕は生徒会長に恋をする
とりあえずこんなかんじでしょうか。4作品選ぶのは割合サッと決まったのですがラスト1つで猛烈に悩んだ…。
フルメタは今月宗介の過去を描いた外伝が出るとのことなのでそちらにも物凄い期待。Wikiでネタバレ読んだ限り物凄い自分好みの展開っぽいし(笑)種死にいれるのはきっと自分だけなんだろうなあ…。あと倒凶十将伝が完結したのが真面目に嬉しかったです。
優勝は「学校の階段」あたりじゃないかと勝手に予想してみますがどうなることやら、結果発表が非常に楽しみです。
バイトでウィザード 双子の飼育も銀玉次第!
バイトでウィザード 発売:2006.7 発行:角川書店 [著]椎野 美由貴 [絵]原田たけひと |
なんか今回は全体的にしんみりとした話が多かったような…
「星降る夜のわすれもの」は一条兄弟の絆の強さというか、
豊花の女の子らしい一面が覗けて良かったと思います。
これといい花火の話といい今回美味しい所持ってきすぎです、豊花。
逆に家庭教師の話は個人的にはイマイチ破壊力が足りなかったです。
ギャグ話だと「クレイジーベビーでほふく前進!」がツボ。
最後の一行が色々な意味であの兄弟らしくて良いです(笑)
また、少年エースに掲載された「あの日をもう一度?」は、本編の内容を踏まえて考えるとほんと切ないというか、しんみりしてしまうストーリーでした。ほんと、あの二人には幸せになって欲しいよ…。
そういえば、先月でた本編「唱えよ安らぎの歌、と星は輝いた」を最終巻と勘違いしててコメント欄でご指摘を頂いて修正したのですが、冒頭に書いてしまったためbk1に送ったトラックバックにしっかりその文章が残ってる?…と頭を抱える毎日です。bk1に連絡したら消してくれるのかな、ああいうの…。
学校の階段
学校の階段 発売:2006.2 発行:エンターブレイン [著]櫂末 高彰 [絵]甘福 あまね |
タイトルを聞いてホラー(怪談)だと勘違いしてはいけません(笑)
学校の廊下を走る・階段を駆け降りる(昇る)という本当になんでもない行為を一つの「スポーツ」として描いてしまうところが着眼点として、本当に凄いと思う。
「人の流れ」を始めとして不測の事態まで計算に入れないといけないと言う辺りなど、物凄く奥深い。
特に人ごみを避けるって難しいんですよね?…毎日東京駅を寝ぼけ眼で通勤していると5回は前から来た人とぶつかります。
私も「階段部」で人ごみを避ける方法を教えてもらうべきですか?
イラストや基本設定(カラー口絵)などを見るとだいぶ萌え狙い小説っぽいのですが、ところがどっこい中身は激しく熱いスポ根です。
というかだいぶイラストで損してる気がするなあ…作風に対して明らかに萌え系な絵柄が浮き上がってる気がするし、何より全体的にもっと「カッコ良く」描ける絵師さんをつけてほしかった。特に男の子が些か可愛いすぎて個人的にかなり不満。
なんでもショタロリにすればいいってもんじゃないぞ!!
あと小夏のキャラが薄すぎて、後半でせっかく美味しい見せ場があるのにまず「え?こんなキャラ居たの?」っていうのが先にたってしまった。なんか最初から「3人の従姉と同居」にしておいた方がよかったんじゃないの?小夏と千秋はどちらか1人で十分事足りたかと…。
何はともあれ階段部の各キャラクターについても気になる過去がかなりあるっぽいので続編に期待です。
アストロ!乙女塾! 星のプリンキピア 上
アストロ!乙女塾! 発売:2006.6 発行:集英社 [著]本田 透 [絵]うろたん |
作風が変わりすぎて最早別物なんですが。
正統派の近未来学園SF化しちゃってますよ?!
いや、別に普通に楽しめたけど。
話自体つまらなくはないんですが。
むしろ個人的には結構好きな展開なんだけど2巻までの作風にすっかり慣れてしまって、
同じものを求めて読んでしまったため今回のあまりの「普通さ」に愕然とするというか…。
過去編がメインとなっている所為もあるだろうけど、2巻までの色々な意味での飛びぬけた莫迦さ加減が見られないのが残念。本当に色々な意味で「普通のライトノベル」。
1巻であれだけケチつけておいて、正統派な方向に方向転換されると納得がいかないって自分のことながらどうなのよと思うんですけど、2巻でせっかくこの作品の味みたいなモノを純粋に楽しめるようになってきたのに3巻で作品の方が方向転換されてしまうと、こう、拍子抜けっていうか…
ラブコメで破天荒な転校生のヒロインに振りまわされ、
迷惑しながらも少しずつ彼女に振り回されることに慣れていったのに
急にそんな彼女がまた転向しちゃって急にその大切さに気づいちゃった
主人公の気分って言うんでしょうか。
この作品にはもっと振り回されるくらいじゃないと、物足りないんです(笑)
ここから後半でいきなり2巻までのテンションに戻ったら意外性ありすぎで面白いんとおもうんで、そんな展開に期待(待て)
あと新キャラのいいんちょの活躍に人知れず期待。
いいんちょ可愛いよいいんちょ。
終わクロのMADがかっこよすぎなんですが
終わりのクロニクルのMAD(YOUTOBE)
ラノベ365日さんのところで発見。
終わりのクロニクルファンとして思わず魅入ってしまいました。
作品への思い入れも高いんだけど、MAD映像としても凄い好きなので、こういうタイプの映像。
全体的にとんでもなく画質が悪いので、元ネタはどこかと調べてみた所
とある映像関係の企画サイトで期間限定でアップされたものだったらしいです。
うわあ…祭に乗り遅れた…。
でもこの映像、「終わりのクロニクル、気になるんだけどあまりにも分厚くて手が出せないんだよね」とか言ってる友人とかに見せたら、きっと5割位は落ちてくれそうな気がするんですがその辺どうなんですか。
ほんと、期間限定アップだったのが心底惜しい…_| ̄|○
さよなら、いもうと。
さよなら、いもうと。 発売:2006.6 発行:富士見書房 [著]新井 輝 [絵]きゆづき さとこ |
しかし妹萌えなオカルトラブコメストーリーかと思わせておいて中身は実にリアルな青春の甘酸っぱさというかしょっぱさというかがでてて良い感じです。ほの暖かい作品の雰囲気に挿絵がしっかりマッチして、ちょっと切ないんだけど読み終わったあとちょっと暖かい気持ちになれます。
ベタベタな目に見える家族愛は無いんだけど、目に見えない家族の愛情が凄く良いです。主人公も母親もどれだけ妹の事を大切に思っていたか伝わってきます。
あとテツマルが激しく美味しいキャラです。
クラスメイト達の心遣いや、会話のかけあい(笑)も好き。
最後のちょっとほろ苦い終わり方も好みでした。
殺×愛 4—きるらぶ FOUR—
殺×愛(きるらぶ) 4 発売:2006.6 発行:富士見書房 [著]風見 周 [絵]G・むにょ |
今まで「オメガ」として、そして「あの人」にめぐり合う為にそのほかの全てを切り捨ててきたヒソカがこの巻で周囲に影響され少しずつ昔の心を取り戻していく姿が印象深かったです。結局のところヒソカは以前高天原に言われた言葉の通り「偽悪者」なのですよね。謎の学園祭テロリスト“α”の策略で窮地に陥った文化祭の出し物を立て直す為紛争する姿は色々な意味で(笑)必見です。(ヒソコちゃん…!!)
高天原Aの文化祭終了時の演説が良かった。平和っていうのは確かに失われてみないとそのありがたみがわからないものだよなあ…と。
しかしネーミングといいなんといい、「学園祭テロリスト」の正体、バレバレすぎ(笑)
このまま二人が少しずつ普通の高校生としての心を取り戻してめでたしめでたし、だったら良いのですがラストの急展開でまた一波乱も二波乱もありそう。次巻が非常に楽しみです。
しかし、ポジション上仕方ないとはいえ来夏って本当に報われないキャラだよね…
ラノリン杯に乗り遅れた件
2005年ラノリン杯(試験用)参加するの忘れてたorz
面白そうだな?と企画段階から見守ってきた企画だったのですが
時間のあるときにじっくりやろうと思ってそのまま忘れてた…
すっかり乗り遅れましたがとりあえず今更5作品紹介してみます。
一応インパクト強かった順。
いつでも時代と流行に乗り遅れる奴ですいません。
※なお、画像クリックでbk1の商品ページに、タイトルクリックで該当作品の感想に飛びます。
■終わりのクロニクル7(川上稔/電撃文庫)
1100ページという超ぶあつい内容にもかかわらず、
最初から最後まで中だるみせずに魅せてくれます。もう主人公達は勿論、敵キャラクター、名前のない脇役までとにかく、皆かっこよすぎ。
特に大城&Sf.コンビが最高です。あの二人の場面では涙が止まりませんでした。そして米国UCATの「俺達は世界を0.8秒も救える」は2005年最大の名台詞だとおもうよ!!
■消閑の挑戦者3 ロスト・エリュシオン (岩井恭平/角川スニーカー文庫)
ムシウタもそうですが、個性豊かなキャラクターが非常に好き。
今回は特にイズミのキャラが強烈。1巻がかなり綺麗にまとまっていたので1巻を読んだ時点では「続編なんて蛇足じゃないの?」って印象だったのですが3巻でうまい具合に話を大きくして、長編シリーズとしてもっていけたなあ、と感じます。
ムシウタと比べて圧倒的に刊行ペース遅いですが実はこちらの方が好きなのでじっくり続編を待ちたいです。
■夜魔(甲田学人/メディアワークス)
これは正直「ライトノベル」の範疇に入らない気もするのですが…
「痛い」「怖い」「読後感最悪」という、非常に読む人を選ぶ話です。
電撃“文庫”でないからこそこういう話が出せたという感じで
Missing本編より色々な方向で破壊力があります。
甲田さんの作風が好きな方には必読の一冊です。
なお独断と偏見で一番怖かった話を選ぶならやっぱり断然「薄刃奇憚」。
■ソウル・アンダーテイカー(中村恵里加/電撃文庫)
中村さん特有の語り口と独特なキャラクターにノックアウト。また、ダブルブリッドのときにも感じた破滅へと続いていきそうな一見平和な日常のアンバランス感が好きです。
とりあえず、作者さんが好きすぎで「読んで感じろ!」としかいえない(笑)
■レジンキャストミルク(藤原祐/電撃文庫)
上の4つは即決だったんだけど、最後の1つがあまり思いつかなくて…一番インパクト強かった作品を選んでみました。
とにかくほのぼの?であったかい日常パートと、ダークシリアス戦闘パートとの落差が激しくて良し。各キャラクターの壊れっぷりがまた良し。あえて言えば、この巻の時点では設定がわかりづらかったかな。
個人的に神作品が今年の1?2月に集中してたので7月頃に2006上半期でラノリン杯やってくれることを期待(笑)
あと、はてなのシステムは良くわからないので大きい事いえないけど、
誰がどの作品に投票したのかが判りやすいと良かったんじゃないかなと思います。
参加数が非常に多いので、お目当ての作品のコメントを書いてるのがどこのブログか判らないとつらい。(でもシステム的にやるのは難しいんだろうなあ…)
次回にも期待してます?。今度こそ参加するぞ!
主催者様お疲れ様でした!
自分メモ→主催さんの総評
奏(騒)楽都市OSAKA(下)
【ソウ】楽都市OSAKA 下 発売:2002.4 発行:メディアワークス [著]川上 稔 [絵]さとやす(TENKEY) |
色々なところでも書かれているけど、物凄く文章のテンポがよくて今まで読んだ都市シリーズでは一番読みやすかったかも。また、舞台が日本というのもあって「終わりのクロニクル」知ってる人にはニヤリな単語(出雲社とか十拳とか…)もいくつか出てきたので、終わりのクロニクルからハマった人はとりあえず都市シリーズ入門でこれを読むと良いかも。
キャラクター的にはラストの結城・夕樹の激しいツンデレっぷりに萌え(笑)全く対照的な「想い」と「言葉」が同時に発言されてくるってシチュエーションは激しくツボでした。その言葉が徐々に一つになっていく所でノックアウト。
不満点を上げれば、妙子の名護屋弁が少々判りづらかったことくらいでしょうか。なんとなくその場のノリで適当に解釈しちゃってたけど中盤までわからなかった単語もしばしば。微妙なニュアンスが判らなくて戸惑う部分が少しありました。妙子というキャラクター自体は非常に好きだし、夕樹と和解する部分なんかは非常に燃えたのですが。
ところで、エロスとか増量らしい旧版の内容が激しく気になりますw
撲殺天使ドクロちゃんです
撲殺天使ドクロちゃんです [著]おかゆ まさき、高橋 弥七郎、築地 俊彦、鎌池 和馬、ハセガワ ケイスケ、谷川 流、水島 努、成田 良悟、時雨沢 恵一 [絵]とりしも、CLAMP、いとう のいぢ、駒都 えーじ、渡辺 明夫、しゃあ、若月 神無、氷川 へきる |
絵柄が明らかに一人だけ浮いてて素敵ですCLAMP先生。
電撃の人気作家さんを中心に全員で「撲殺天使ドクロちゃん」を書いたトリビュートノベル。前後の文章を予め原作のおかゆさんが考えて、その間を埋めると言う形なんで、前後の文章を8回読むのは正直微妙だったのですが逆に何の縛りもなくドクロちゃんのアンソロ小説を書きました、というより全然良いですね。各作家さんの味が出ていて面白かったです。
しかし「ドクロちゃん」のあの畳み掛けるような主人公の地文は、原作を読んだ時から鎌池さんに似てるな?とおもってたけど、鎌池バージョンに関しては桜君の中に上条当麻が降霊してしまったようにしか見えない(しかも全く違和感がないw)
あと、ハセガワさんがこんな時でもいつものノリで素敵すぎです。
読んだ時暫くどうリアクションすればいいのか悩みましたから!!
原作を知っててあれ読むとある意味最大のギャグだと思います。
そして谷川さんと水島監督と時雨沢さんはギリギリの線走りすぎ(笑)
ブ△ーポップはとにかく小○館とディ■ニーは危険だからーーーっ!?
前者2人のところは電車の中で噴出しかけ
時雨沢さんの部分は電車の中では読めませんでした。
他の作者さんも各人のキャラが上手く出てる感じで普通に面白かった。
企画物としては評判の悪い富士見の「小説やろうぜ!」よりよかったのでは?
ハセガワさんの浮き上がりっぷりもあの中に入るとある意味新鮮です。
時雨沢さん、全くの別シリーズであのノリギャグ小説を書いて欲しい(笑)「学園キノ」楽しみです。