[著]七飯 宏隆 [絵]巳島 ヒロシ |
一言でストーリーを紹介すると雰囲気が「ドームチルドレン(山崎風愛)」な「チグリスとユーフラテス(新井素子)」です(と言って両方判る人がいるんだろうか…居たら色々な意味で凄いぞ)
「地球最後の人間」ということで真っ先に思い浮かべたのはチグリスとユーフラテスなんですけどね。
まゆの設定なんかは見事に「チグリス?」のルナに酷似してるなあと。
作者さんがこの作品知っててこういうことになったというよりも偶然の一致なのでしょうけど。
まゆ以外の人間が全て幽霊であるという設定が斬新で、それでいてアナログな暖かみも感じさせられ
非常に楽しませて貰いました。最後の方はしっかり泣かせて貰いました。
最近の電撃では珍しく完結形で書かれた小説なので続編が無いであろう事が残念。
むしろこれに続編があっても困るけどねえ…(苦笑)
1つだけ気になった点を挙げればラストの方でアヤが撃たれるシーンがちょっと説明不足っぽいような。
もっと大きな山場にしても良かった筈だし、
あの書き方だと消滅したのか人間として生き返ったのか幽霊として生き返ったのかに関して
3通りの解釈が出来てしまうと思うのですが。
最後で何事も無かったかのように居るのも少々不自然に感じました(消滅したと思ってたので…)
あと、ルカの存在が住人達に知られて、家族の一人として暮らしていく姿がもっと見たかった。
その後速攻ルカの最期に話が飛んでしまうのがちょっと寂しい。
ルカって結構普通に良さそうなキャラなのになあ…殆ど「人間としての」ルカの描写は無いまま終わってしまってしょんぼり。
それ以外は本当に面白かったです。久しぶりに本を読むのに没頭してしまいました。