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……絶句(下)

……絶句(下)

[著]新井 素子 [絵]吾妻 ひでお
早川書房
1987-04
 
上巻に比べてシリアス度上がってます。というわけで「……絶句」の完結編。

殆ど無敵になったのもつかの間、事件に関する記憶と話を作るための想像力を奪われてしまうもとちゃん。原稿を燃やされても平気だった絶句連も、もとちゃんの記憶と共に徐々に消えていく。この辺の展開が凄くシビアで、辛いです。

個人的にはあもーるがかなり好きだったので、消えてしまったときは本当に辛かった。

また、動物達の「革命」にも無理が出始めて、全員が焦燥しはじめている時に更に宇宙からはもとちゃんの存在を消そうとする、“異質なもの”まで現れて…。

この辺からの展開は本当に素子節っていうか、凄く新井さん独特な感じ。宇宙がどうのとか、どんどん話が大きくなっていってオロオロしてるうちに話がどんどん進んじゃうというか。「普通の女の子」なもとちゃんが宇宙の偉い人だのなんだのにどんどん喧嘩吹っかけちゃう辺りは見てて凄くスッキリするというか…やっぱこの人の作品好き、と再確認。
あと、ライオンさんが好きです。ええ凄く。
日本の古典が大好きなライオンってどうなんだー!!(爆笑)

しかし、最後…もとちゃんのインナースペースが切り離されたのに新人賞佳作の連絡が来るって皮肉だなあ。ぶっちゃけデビュー後に新人賞と同じだけの作品を書けるのかかなり疑問っぽいのですが。

ノリとしては主人公が「もとちゃん」なだけに、同人界でいうドリーム小説っぽい所もあると思うのですが。でもそういう俗っぽい見解抜きにして普通におもしろいですよ。オススメ。寧ろ、自分のインナースペースの流出ってめちゃくちゃ楽しそうなのですが(笑)
ドリーム小説とかじゃなくて、作者と創造物って関係のまま自分のキャラと喋るとか、凄いやってみたいですよね。

あと、タイトルの使い方が上手いなあ、と。「人間は、唯一自然に絶句しなかった種族」っていうところでこんな使い方もあるんだなあと感心。


しずるさんと偏屈な死者たち


[著]上遠野 浩平
[絵]椋本 夏夜

 
椋本さんの挿絵につられて買ったらブギーポップの人の本でした(笑)
なんかしずるさんの設定自体が「ブギーポップ」ホーリィ&ゴーストに出てくるスリムシェイプの設定に
檄似だったので「パクリ!?」とか思ってたらパクリもへったくれもなかったという…(著者名確認しろよ)

とある病気で病室から出られない「しずるさん」が、主人公が集めてきた週刊誌の資料や事件のあらましのみで
どんどん事件を推理して解決してしまう、というのが基本的な粗筋。
主人公は結構推理するよりもしずるさんの推理にふんふん頷いてるだけっぽいキャラなのですが、
しずるさんの為に色々と事件の情報収集の為に奔走していく姿がなんだか意地らしくて可愛らしいです。

しずるさんは前向きな主人公に対して非常に後ろ向きな人(不治の病?だから仕方ないんだけど)なんで
ちょっと個人的にはもうちょい明るくなってくれんか、とかおもいますけど。
でも彼女のおっとりした空気が作品自体が暗くなるのを中和している感じで、バランスは取れてますよね。
しずるさんの病気、不思議な病院の謎など色々と謎っぽいのは残っているので続刊が出るんだと思うんですが。
密かに楽しみでしょうがありませんv

間に挟まってる書き下ろしの小話もほのぼのしていて可愛かった。
ただ、ミステリーの内容としては結構グロい感じなので苦手な人は注意したほうが良いかもしれません。
最初の話とか想像しただけでかなり気持ち悪い感じだったので。


ルカ 楽園の囚われ人たち


[著]七飯 宏隆
[絵]巳島 ヒロシ

 
第11回電撃小説大賞・大賞受賞作。

一言でストーリーを紹介すると雰囲気が「ドームチルドレン(山崎風愛)」な「チグリスとユーフラテス(新井素子)」です(と言って両方判る人がいるんだろうか…居たら色々な意味で凄いぞ)
「地球最後の人間」ということで真っ先に思い浮かべたのはチグリスとユーフラテスなんですけどね。

まゆの設定なんかは見事に「チグリス?」のルナに酷似してるなあと。
作者さんがこの作品知っててこういうことになったというよりも偶然の一致なのでしょうけど。

まゆ以外の人間が全て幽霊であるという設定が斬新で、それでいてアナログな暖かみも感じさせられ
非常に楽しませて貰いました。最後の方はしっかり泣かせて貰いました。
最近の電撃では珍しく完結形で書かれた小説なので続編が無いであろう事が残念。
むしろこれに続編があっても困るけどねえ…(苦笑)

1つだけ気になった点を挙げればラストの方でアヤが撃たれるシーンがちょっと説明不足っぽいような。
もっと大きな山場にしても良かった筈だし、
あの書き方だと消滅したのか人間として生き返ったのか幽霊として生き返ったのかに関して
3通りの解釈が出来てしまうと思うのですが。
最後で何事も無かったかのように居るのも少々不自然に感じました(消滅したと思ってたので…)

あと、ルカの存在が住人達に知られて、家族の一人として暮らしていく姿がもっと見たかった。
その後速攻ルカの最期に話が飛んでしまうのがちょっと寂しい。
ルカって結構普通に良さそうなキャラなのになあ…殆ど「人間としての」ルカの描写は無いまま終わってしまってしょんぼり。

それ以外は本当に面白かったです。久しぶりに本を読むのに没頭してしまいました。


スクラップド・プリンセス サプリメント3 聖地に流れる円舞曲

オンライン書店ビーケーワン:聖地に流れる円舞曲(ポルカ)聖地に流れる円舞曲(ポルカ)

発売:2004.10
発行:富士見書房
榊 一郎著
posted with 簡単リンクくん at 2006. 5.26
今までの「サプリメント」シリーズとは違い、今回はシリーズ終了後が舞台。
相変わらず本編とはうってかわってのコミカルなノリが最高です。

サプリメントシリーズはラクウェル姉の出番が非常に増えている気がするんですが
彼女は非常にこういう軽いノリに合ってると思うのです。
(いや、別にラクウェルがギャグキャラだとかそういう意味じゃないですよ(汗))
カラー挿絵の最終ページのラクウェル可愛すぎ!!
あと、本編の方でスィン(むしろシーズ)が非常に好きだったので
今回の話はシーズスキーには美味しい展開だったような気がします(^▽^)

ところで、富士見の2大マスコットはスーピィ君(捨てプリ)ボン太君(フルメタ)でOKですか?(笑)