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とある魔術の禁書目録(インデックス) 10

オンライン書店ビーケーワン:とある魔術の禁書目録(インデックス) 10とある魔術の禁書目録(インデックス) 10

発売:2006.5
発行:メディアワークス
[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ
間髪居れずに後編読了。

いや?今回、兎に角男三人が熱すぎる
9巻のやりとりでもかなり熱かったですが今回は更にヒートアップしてますね。路地裏でステイルが当麻を叱り付けるシーンなんかまさに熱すぎ。基本的に女の子が出張っているこのシリーズでは珍しい漢率の高さだったと思います(笑)

逆にラストは展開が展開だったのでイマイチ盛り上がりや熱さにかけると感じたのですが、あの終わり方は終わり方でよかったかと。逆に、静かな熱さというか、ジーンとくるものを感じました。そしてエピローグで黒幕達の思惑が少しだけ明かされるのもそれまでのじんわりほの暖かい展開からの対比を感じて引き立ってる気がします。とにかく個人的には全く文句なしです。
つか、いつも当麻が相手をぶん殴ってイイこといって終わりというのでは流石にマンネリ感ありますしね。

残念だった点を挙げればやはり吹寄が最後までゲストキャラのままで終わってしまった点でしょうか。事件を何かの拍子にかぎつけて一番いいところで乱入してくるとかそんな展開を期待してたんだけども。今までは各巻必ず中心核となるヒロインが居てそのキャラを守るために当麻が奮闘するというパターンだったけど、今回はインデックス・姫神・吹寄と当麻の「原動力」たるキャラが3人も居た為か、なんだかその辺が薄いというかなんというか…うーん。当麻は正直「みんなのため」に動き回るキャラではなくて、毎回対象が違うにしろ「一人の誰かの為」に動くキャラだと思うのですよ。全体的に、7巻までのシリーズ展開と8巻、9巻10巻は毛色が違う感じがするので、色々模索中なのかもしれませんが。

ただ、今まで存在の薄くなりがちだった姫神や小萌先生に焦点が当たったのは高評価です。いや、特に姫神は一度ヒロインを張ったにもかかわらず、明らかに性格的にも「薄い」なあと感じていたので…。
そして今回の隠れた裏主役はやはり小萌先生かと(笑)前巻の棒引きの顛末といい、今回の奮闘といい、美味しい所もっていきすぎです。もっと美味い事ステイルさんと絡ませて出してあげて欲しい!

そして今回もローマ正教の人は素敵壊れっぷり。
リドヴィアはうまいこと生き延びててまたどこかで立ち塞がってきそうで怖いです…。

あとはやはり運動会のエピソードが前巻の最初だけであっさり終了してしまったのがちょっと残念。設定からしたら、この運動会だけで1冊ラブコメちっくな短編集(ないんえす?みたいな感じの)が書けそうだと思うんですがどうですか!?


断章のグリム1 灰かぶり

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発売:2006.4
発行:メディアワークス
[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける
「Missing」の甲田学人さんの新シリーズ。
“神の悪夢”と呼ばれる超常現象に遭遇し、そのトラウマを思い起こすことによって特殊な能力を身につけた人間達が“神の悪夢”が引き起こす超常現象と戦う…といったストーリー。登場人物達の行動がアクティブになったMissingという印象?(間違っても“ポジティヴ”ではない)

相変わらず民俗学に関する学術的…というかコアな話題と過剰すぎるだろってまでのグロ描写が秀逸です。しかも今回はヒロインがリスカで攻撃という事で、先端恐怖症の私にはキツイ話になりそうです。

色々な意味でMissingの題材を童話に変えてその他色々な細かい部分を電撃文庫でありがちな学園SFモノに焼きなおしたという印象が否めませんが、なんかもうこの方の作品のポイントは大まかなストーリーよりも薀蓄とグロ描写にあるように思えてきたのであまりきにならないという説も。主人公の日和見な印象がどうしても近藤を髣髴するとか(能力的にはむしろ稜子ですが)、ヒロインが亜紀ちゃんに見えるなんてオモッテナイヨー。むしろ葬送屋が神野・叶野コンビに見えたのは私だけじゃないはずだ(というか、あの描写は絶対狙ってると思う)。

他の方の作品でたとえれば、大筋的には「シャドウテイカー」に似てるかもと思ったり。学園が舞台だったりグロかったり暗かったりするあたりが。

描写は相変わらずいらんまでに上手いです。Missingから伝統のグロ・スプラッタな描写は途中でもうちょっと描写力下手でいいのにとまでうっかり思ってしまいました。表現が上手くて脳内でリアルに表現されてしまうので、そっち系の描写が苦手な人には全くお奨めできません。


アストロ!乙女塾!

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発売:2005.10
発行:集英社
[著]本田 透 [絵]うろたん
「まいじゃー推進委員会」さんで取り上げられていて面白そうだったので購入。
スーパーダッシュ文庫とか買うの久しぶりかも…。

えー。本書のイメージを一言で表現するならあかほりさとると「処女はお姉さまに恋してる」を混ぜちゃった感じ。ある意味混ぜてはいけない2つを混ぜてしまったような小説。とりあえず、こういう方向の小説を書けそうな人材をだとあかほりしか思いつきません。(でも2巻のカバーではあかほりさとるが敗北宣言してるそうですが…(笑))

とあるオタク少年が押しの強いの幼馴染(腐女子属性)の強引な手引きにより何故か超絶美少女に変身し、「アストロ乙女塾」という異名を取る超お嬢様高校に女の子としてもぐりこんでいつのまにかモテモテ君になってしまうお話。一体どこからその「アストロ乙女塾」という異名が付いたのか説明不足でよく解りませんがその辺はもう勢いとかそういう感じでつけたんじゃないかとおもわれるので気にしてはいけない気がする。

主人公のヒカルは生徒会長とお近づきになりたいと思っているうちに何故か生徒会と対立し、彼女たちと戦っていく羽目になるんですが、相手が皆勝手に勘違いして勝手に自滅、何故か主人公の上手いとはいえない舌先三寸に丸め込まれて気がつけばメロメロになってしまうという展開の繰り返し。あまりにもありえない展開で「ちょw何その超展開www」みたいな部分だらけなのですが、同じ女として「あんたら、もうちょっとしっかりしてよ…orz」という気分になってしまい、なんというか心から楽しめませんでした。

主人公も最初はヘタレで女顔の美少年という印象で結構個人的にはタイプなのですが途中からひたすら調子に乗っていきます。女の子だからといってセクハラ発言していいなんて男の妄想の中だけの世界だぞ!!たぶん。しかも誰も止めないし。

総評すると、まさに登場人物が全員ボケで、ツッコミがいない小説。

もう、どこに突っ込んだらいいのかわからないというかむしろ登場人物全員というか本全体にツッコミを入れてやりたい!!!くらいの勢いな訳ですが、序盤ツッコミ役だった人達までどんどんボケになってしまうのがなんというか切ない…。ああ、晶さんか生徒会長だけでもツッコミキャラのままで居て欲しかった…orz

ツッコミ体質の人と女性には正直オススメできません。
ツッコミ体質の人はあまりのツッコミ不在ぶりにストレスが溜まります(つか私は本気で本の中の世界に突入して全員にツッコミ入れてやろうかと本気で思った。)また、女性の人はなんというか心から楽しめないような気がします。ちょっと「この作者、女のことなんだとおもってるんだ」とおもったのは私だけですか。

ストーリー展開以外は非常に個人的には面白かったですが。パロディだらけの展開とか、各所に入るヲタク用語解説とかはツボでした。

…ツッコミ体質な女としてもう読むのをやめようと思ったのですがうっかり2巻まで同時購入というオチだったのでそのうち読んでレビューしようと思います…。


9S<ないんえす?>SS

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発売:2006.1
発行:メディアワークス
[著]葉山 透 [絵]山本 ヤマト
「9S<ナインエス>」シリーズの外伝的な短編集。本編とは打って変わったコミカルストーリーになってます。富士見ファンタジア文庫でいう、「スレイヤーズすぺしゃる」やフルメタの「??」シリーズ、オーフェンの「はぐれ旅」シリーズ的位置づけとみなして良いかと思うのですが、考えてみると電撃の長編でこういう外伝短編はあまり見かけませんね。イラスト無しラノベやハードカバーシリーズとは別の方向での目新しい試みなのかも?

ナインエス本編は現在かなりシリアスな展開になってきているし、こういう作品でギャグネタだけ別に一冊でというのはうまい出し方だと思います。富士見の人気作品のようにだらだらといつまでも出しまくるのはどうかと思うけど…。
作者さん、シリアス一辺倒かとおもってたらギャグ上手いよ(笑)

由宇が料理苦手というのがまず意外。女らしい事は確かに苦手そうだけど、料理とかそういうものはむしろ完璧すぎるくらいに完璧に出来てしまいそうなイメージがありました。(それこそ、例の「心臓クッション」みたいな方向の料理が出来るのかな?と(どんなんだ))本編では技術的な面においては「完璧な女」ぶりを毎回披露してくれるだけに、あまりにもベタベタすぎる欠点が逆に良いですね。カラー口絵に使われた言い訳にも噴いたw

サブキャラ達の外伝も非常に良いです。
由宇の外伝ほどのベタベタさではありませんが、本編に通じるような複線有り、男の友情女の友情ありでなかなか美味しいです。

萌え(由宇のコスプレ)あり、腐女子がニヤニヤな展開までアリ(笑)
ナインエスファンには絶対にオススメの一冊です!


パンツァーポリス1935

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[著]川上 稔 [絵]しろー大野
メディアワークス(1997.1)

「都市シリーズ」や「AHEADシリーズ」の川上稔のデビュー作にして、「都市シリーズ」第一作。

舞台は第一次世界大戦後の独逸。人々が夢見た宇宙への進出は打ち上げられた宇宙船が帰還不能になるという悪夢のような事故をきっかけに諦められていた。そしてその事故から15年…再び宇宙に上がるため開発された「成長する」飛行戦闘艦を巡って闘いが繰り広げられる。

友のため、父親の為、そして自分の進むべき道の為に軍に逆らい宇宙を目指す…という設定からして非常に熱い。一昔前のジャンプ漫画三大原則(「友情」「努力」「勝利」)を忠実に守っている小説です。各キャラクターも生き生きとして非常に魅力的。特にヒロインのエルザが非常にカッコいいです。

川上さんの小説は全体的に設定が非常に細かく、導入部分で激しくだれるのが個人的にはネックなのですが、この話はデビュー作という事もあり、全体的に判りやすい世界設定になっています。個人的にはこのくらいスッキリしてる方が読みやすくてよいかも。結構色々と無茶や強引な部分があるというレビューが多かったですがテンションと話を読ませる力が強いので私はあまり気にならなかったです。また、敵も味方も悪い奴はいないというかそれぞれの信念を持って闘っているという所が非常に清清しい。どこかスポーツの試合でも見たような独特の読後感の良さはやっぱり癖になります(笑)

なんか自分の感想とよそのレビューを読んで総合評価すると「よくも悪くも古きよき時代のジャンプ漫画な小説」ってイメージでしょうか。ジャンプ読者じゃないのでなんともいえませんが三大原則は踏襲してるとおもう。


消閑の挑戦者3 ロスト・エリュシオン

[著]岩井 恭平 [絵]四季 童子

従姉妹である鈴藤いるるにつれられ、日本から遠く離れた国を訪れた小槙と祥。
そこで二人は、1日しか記憶を保持できない少年・イオと出会う。
“友達”のいない小槙と、「超人」としての孤独を抱える少年少女たちはインターネットを通して交流を深めていくが…
 

今までの「天才同士の対決」の枠を外れた感のある第三段。
第一巻のころからだいぶ雰囲気変わりましたが、
それは決して受け入れがたい変化ではなくて、むしろ好感触。
実際ラノベ系サイトでも評価が高いようですねv

今回は小槙の非人間的な部分がクローズアップされていますね。
小槙や他の超人たちからみれば「普通」の範疇に入る
彼女の周囲の人たちのそこはかとない不安が、
逆に小槙のことをどれだけ思っているかと感じられます。

というか話が大きくなってきたな(笑)

イズミちゃんの喋り方が好きです。
密かに私の中でブームです。ってアホかー!使わなければ意味がありません!(笑)


電車男漫画版3本斬り!

バイト帰り、もって行った本を読みきって暇だったので
「電車男」漫画版を3冊ぶっとおしで読んできました。
更に電車男を読みきった後某元首相のお孫さんの駅員漫画を買ってきました。
どっちも電車の中で読むなって感じですが、その辺はご愛嬌です。

というわけで、第一ラウンド。


電車男 1 (1)
電車男 1 (1)
原 秀則
何気に私でも知ってるそれなり大御所の漫画家さんが書いてる奴。
さすがベテラン漫画家というべきか、普通に面白かったです。
電車男もアキバ系の雰囲気がいい具合にでてるというか、
っていうかエルメス可愛いよー!仕草とか表情がメラ可愛い。
電車もわかってない具合がなんだか微笑ましい。

ところで2ch用語に一々注釈がはいってるのになんとなく凹。
うう、注釈無しにわかってしまう自分が悲しい_| ̄|○

そのまま第二ラウンドー。

なにこのショタな電車男。

全作品中「一番の萌え漫画です」との触れ込みとおり、
まあたしかに電車男はアキバ系なんですが、全体的にショタい。
そしてエルメスはロリ。いやお前絶対成人女性じゃなかろう。
中学生くらいにしか見えません、どっちも(苦笑)

掲示板内の発言がギコだのモナー猫だのの会話っぽく書かれてるのは新鮮。
あとスレ住人と電車男が知らず知らず接触してるとかね。

ついでに突っ込むとイメチェン後の電車男が変わりばえしなさすぎて辛い。
むしろイメチェン後の髪型の方がダs(強制終了)


んで、最終ラウンド。

電車男がんばれ毒男! 1 (1)
電車男がんばれ毒男! 1 (1)
中野 独人, 道家 大輔
正直これリアリティありすぎっていうか。
電車にリアリティがありすぎる。もうちょっと夢見せてください漫画なんだから(爆)
その割りにイメチェン後の電車無理ありすぎだろうと思うのは私だけか。

あとエルメスが一般人に見えません、むしろなんかヲタくさいぞこれ。
最初のエルメスの髪型は一体何人のセンスなのかと問い詰めたい。
デート中のエルメスの格好は…ギャルとかならアリなのかな。
でもなんかおめかししすぎというかむしろゴスロリ系に見えてしまった私は逝ってよしですか。

電車とエルメスよりもスレ住人達が個性ありすぎで面白かったですが。
そういえば「おまいには2chがついてる」って発言使ったのこの漫画だけでしたね。


…とまあせっかくなのでまとめてレビューしてみましたが
全部買ってみたもののまあ良くぞここまで漫画が出たもんだって言うか
世の中は映画だのなんだのたいへんなことになってるようですが

ついでに話自体が作り話だなんて話もありますが
普通にストーリーとして読んでも面白いと思うので別に私は嘘でもホントでも。
ただ世の中騒ぎすぎじゃないかって気もしますけど。

まさか同時に漫画が3つ出るとは…。
てか全部買っちゃった私も私だけどな_| ̄|○


ブラック・キャットIII キャスリング

ブラック・キャットIII キャスリング
[著]新井 素子 [表紙]四位 広猫 [絵]山崎 博海
 
表紙だけ挿絵交代。確かに2巻までの表紙じゃ今のコバルトの方向性にそぐわないんだろうなあ。

遂にストーリーの核心部分に入ってきて、登場人物の役割も変わってきました。そして個人的にはどんどんヘタレになっていく明拓ちゃんが最高(笑)このままだと千秋はむしろ山崎ひろふみとくっついちゃいそうで怖いですね。しかし、この2人が一緒になったら色々と大変なような気がするよ。

キャットの過去とか、暗い部分がどんどん見えてくるのに作品全体にはやたら暢気な空気が漂ってると言うか、なんというか・・・むしろ山崎ひろふみが一人でシリアスな雰囲気をぶち壊していくというか(待て)
千秋も結構そういうタイプなんですが、山崎ひろふみのキャラはやっぱ最高だと思います。あのキャラは本気で主役を食ってしまっている気がする。

一番好きなのはひろふみと千秋が意気投合して呑みに行っちゃうところです。緊張感なさすぎな二人が最高!(笑)

ちなみに後編のレビューは間があきすぎて書けなかったorz


……絶句(下)

……絶句(下)

[著]新井 素子 [絵]吾妻 ひでお
早川書房
1987-04
 
上巻に比べてシリアス度上がってます。というわけで「……絶句」の完結編。

殆ど無敵になったのもつかの間、事件に関する記憶と話を作るための想像力を奪われてしまうもとちゃん。原稿を燃やされても平気だった絶句連も、もとちゃんの記憶と共に徐々に消えていく。この辺の展開が凄くシビアで、辛いです。

個人的にはあもーるがかなり好きだったので、消えてしまったときは本当に辛かった。

また、動物達の「革命」にも無理が出始めて、全員が焦燥しはじめている時に更に宇宙からはもとちゃんの存在を消そうとする、“異質なもの”まで現れて…。

この辺からの展開は本当に素子節っていうか、凄く新井さん独特な感じ。宇宙がどうのとか、どんどん話が大きくなっていってオロオロしてるうちに話がどんどん進んじゃうというか。「普通の女の子」なもとちゃんが宇宙の偉い人だのなんだのにどんどん喧嘩吹っかけちゃう辺りは見てて凄くスッキリするというか…やっぱこの人の作品好き、と再確認。
あと、ライオンさんが好きです。ええ凄く。
日本の古典が大好きなライオンってどうなんだー!!(爆笑)

しかし、最後…もとちゃんのインナースペースが切り離されたのに新人賞佳作の連絡が来るって皮肉だなあ。ぶっちゃけデビュー後に新人賞と同じだけの作品を書けるのかかなり疑問っぽいのですが。

ノリとしては主人公が「もとちゃん」なだけに、同人界でいうドリーム小説っぽい所もあると思うのですが。でもそういう俗っぽい見解抜きにして普通におもしろいですよ。オススメ。寧ろ、自分のインナースペースの流出ってめちゃくちゃ楽しそうなのですが(笑)
ドリーム小説とかじゃなくて、作者と創造物って関係のまま自分のキャラと喋るとか、凄いやってみたいですよね。

あと、タイトルの使い方が上手いなあ、と。「人間は、唯一自然に絶句しなかった種族」っていうところでこんな使い方もあるんだなあと感心。


しずるさんと偏屈な死者たち


[著]上遠野 浩平
[絵]椋本 夏夜

 
椋本さんの挿絵につられて買ったらブギーポップの人の本でした(笑)
なんかしずるさんの設定自体が「ブギーポップ」ホーリィ&ゴーストに出てくるスリムシェイプの設定に
檄似だったので「パクリ!?」とか思ってたらパクリもへったくれもなかったという…(著者名確認しろよ)

とある病気で病室から出られない「しずるさん」が、主人公が集めてきた週刊誌の資料や事件のあらましのみで
どんどん事件を推理して解決してしまう、というのが基本的な粗筋。
主人公は結構推理するよりもしずるさんの推理にふんふん頷いてるだけっぽいキャラなのですが、
しずるさんの為に色々と事件の情報収集の為に奔走していく姿がなんだか意地らしくて可愛らしいです。

しずるさんは前向きな主人公に対して非常に後ろ向きな人(不治の病?だから仕方ないんだけど)なんで
ちょっと個人的にはもうちょい明るくなってくれんか、とかおもいますけど。
でも彼女のおっとりした空気が作品自体が暗くなるのを中和している感じで、バランスは取れてますよね。
しずるさんの病気、不思議な病院の謎など色々と謎っぽいのは残っているので続刊が出るんだと思うんですが。
密かに楽しみでしょうがありませんv

間に挟まってる書き下ろしの小話もほのぼのしていて可愛かった。
ただ、ミステリーの内容としては結構グロい感じなので苦手な人は注意したほうが良いかもしれません。
最初の話とか想像しただけでかなり気持ち悪い感じだったので。