“しろ” の検索結果 | ページ 29 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:しろ (312 件 / 32 ページ)

とある魔術の禁書目録(インデックス) 13

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

「前方のヴェント」侵入により人々は倒れ、学園都市の機能の殆どは麻痺してしまった。事態を打開する為学園都市統括理事長のアレイスターは“虚数学区・五行機関”の使用を決定。一方通行は五行機関機動の鍵として狙われた“打ち止め”を助ける為、一人奮闘する。一方、“打ち止め”を助けた上条当麻はローマ正教の“敵”として、前方のヴェントに命を狙われるが…!?
 

当麻というよりは一方通行が主人公の話で普段の熱さとはまた種類が違うんだけど、お約束の熱さは健在…というか寧ろ絶好調。取り戻しつつあった平和な時間をはじめとして、自分を含め何もかもを投げ打ってでもラストオーダーを助けようと決意する一方通行の姿が非常にかっこいい。“ダークヒーロー”って言葉がこれほど似合うキャラも珍しいのではないでしょうか。ただ、一方通行とラストオーダーの漫才のようなやりとりも凄くツボだったんで、それまでも捨ててしまったのは少し残念かも。

今まで重なり合う事の無かった科学・魔術サイドが交錯し、ストーリーも段々核心に向けて動き始めます。特にカエル医者の正体にはただただ驚くばかり。いや、ほんとエピローグ専用の脇役だとばかり思ってましたから(笑)そして当麻と一方通行のニアミスなやりとりも凄く燃えますが、個人的にはインデックスと御坂の凸凹コンビが非常にツボでした。色々な意味で名コンビ過ぎます。

今後のストーリー展開もさることながら、今まであまりかかわりの無かった科学・魔術側のキャラ同士の絡みが個人的には非常に楽しみです。しかし、ちょっとキャラが多すぎな感もあるのでここらで一度整理したいなあ。


しかし、当麻(というか魔術側)がメインの話と一方通行(というか科学側)がメインの話の時は方向性から全く違いますね。ロボットアニメで例えると前者がスーパー系(マジンガーとか?)で後者がリアル系(ガンダムとか?)っていうくらいの差はある気がする(むしろガンダム内で言うとGガンと種くらい差がありそうな…)。理由は割合そっちのけでとりあえずキメ台詞吐いて事態が解決すればOKっぽい魔術サイドと、戦う理由に焦点が当たって心理的な動きに重きの置かれた一方通行サイドみたいな。

魔術メインの話が評価低くなりやすいのはこの辺に違いがあるんじゃないかなあ…とかぼんやり思ってみたりします。一方通行サイドの方がライトノベルうけしそうな展開という気がするので。


扉の外

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

2年4組の生徒たちが目を醒ますと、おかしな場所に閉じ込められていた。“ソフィア”を名乗る人物は、地球は核戦争により滅亡して彼らは優秀な人類なので宇宙船に保護されている…と説明する。上から物を言っているソフィアの言葉に反感を覚えた紀之は彼女の庇護を拒絶し、逃げるように一度出たら戻れない“扉の外”へと飛び出すが…
  

※この感想には、作品に対する否定的な表現・攻撃的な文章が多数含まれております。
 申し訳ありませんが、苦手な方は御注意ください。

2008/05/19 … コメント欄よりご指摘を受けて、注意書きを追加しました。









えーっと……これ、なんて劣化バトロワですか?

修学旅行に行く筈がクラスごと拉致され、おかしなルールを押し付けられて生活をしていくうちに最終的にはクラス対抗の生存競争をする羽目になる…という、粗筋だけを取ればまさにSF仕立てのバトロワ。考えればまさに“生存競争”と思しき事をしているのだけど、そのルールがまんまテレビゲームの領域で、お互いが生きた生徒であることを知らされないままゲームが進行する為まるで現実感が無い。しかし、同時に過酷な生存競争があるわけでもないのに、異常な状況に置かれて少しずつおかしくなっていく生徒たちの描写は空恐ろしいものがありました。

ただ正直な所、下手をすれば自らの生存問題にも関わるだろうに、反抗期の子供のように「見下されている」という言葉を免罪符に、自らの周囲に起こった全ての事象を拒絶しようとした主人公にまるで共感がもてません。

きっと作者さんの中では存在したであろう紀之がソフィアの言葉を衝動的に拒否させるような「何か」が、それっぽい伏線は見て取れるものの読者にはちっとも伝わってきません。作中の話を総合すると「きっと過保護で痛い親に育てられた、反抗期真っ只中のお子様なんだなあ」という程度。(蒼井さんの話から総合すると、正直反抗期の少年少女達に良くある悩みみたいな感じで、そんなに深刻な家庭環境の不和があるとは思えません)。

特に紀之が4組を出奔するまでが本気でキツイです。自分の無思慮な行動をまるで棚に上げてクラスメイトにばかり責任をおしつけ、ソフィアの保護に入らない自分は偉いんだと言わんばかりの紀之の甘さと傲慢さにまず嫌悪感。(自分で拒絶したのに、食べ物は結局殆どクラスメイトの配給を分けてもらってて、それを当たり前の事だと考えているとか、甘すぎ)そしてそれ以上に幼馴染の亜美の行動に生理的嫌悪感を感じてしまうのが、どうしても抑えられなかった。

そしてこの作品で一番(私的に)駄目だったのが、結局特に事態が良い方向に向かうわけでもなく、結局ぐだぐだのまま終了する所。読み終わった直後

「落ちてない、ちっとも落ちてないヨー!!」

と呟いたのは言うまでもありません。まるでジャンプの10週打ち切り漫画のようなラストに呆然としたまま、作者の電波な後書きを読む羽目になって非常に鬱でした。

クラスメイト達が少しずつ狂気に感染していく過程は非常に良かったと思うのですが、やはりこういう作品だったらきちんと全てを解明して黒幕を倒すなりなんな利して欲しい。甘ちゃんだった主人公が段々成長して…という展開だったら大絶賛だったんですが。あと和泉と蒼井のキャラは凄く良かったですね。この2人以外共感できるキャラがてんでいないのもどうかと思うですけど…。

事態が何も解決しないまま主人公とその周囲の一部のみが幸せになって、それでも私達はこの世界にいるんだ!!と、どっかのネットゲーオチRPGのエンディングみたいなまとめかたされても正直困ります。ソフィアの設定にしろ、黒幕の話にしろ、平凡な高校生を学年ごと誘拐して(?)ゲームを行わせた目的にしろ、作者の脳内で完結している設定が多すぎます。正直何も明らかにしないまま終るので、猛烈に後味が悪い。

こういうのを好む方もいらっしゃるのだとは思いますが…とりあえず私には合わない作品でした。私はもっと色々な謎とかが解き明かされたり、成長した主人公が前向きになって皆を救うために頑張る話とかが読みたかったんだ!!!鬱エンドにするにしてももっとやり方ってもんがあるだろう!!!

粗筋を読んだ限り、今回の新人作品の中では一番期待してただけに、物凄く残念です。

もうツッコミはじめると永遠に文句をつけまくってしまいそうなのでこの辺で終了しますが、とりあえず1・4・6組以外のクラスのみんなの安否がとても、気になり、ます。



追記。

ライトノベル名言図書館さんの感想を読んで知ったのですが、この作品の応募時のタイトルは「もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1」というのですね。

なんかこのタイトルだったらこういう終わり方でも酷く納得がいったような気がします。あくまで「シミュレーションケース」であり、現実ではないわけだから、人工知能の正体はなんだとか、黒幕を打倒して元の世界に戻るなんていうのはそもそも些細な事なわけで…このタイトル1つで最も腑に落ちなかった「なぜ最後が謎が謎のままで、色々な方向でオチてないのか」という理由がいともあっさりと解決してしまいます。

なんていうか、タイトルって大事だなあと思った今日この頃でした。
なんで表題変えちゃったんでしょうね。副題にするだけでも大分印象は違ったと思うのですが…


やがてマのつく歌になる!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

聖砂国に向かう船の中で、亡命して送り返されそうとしている難民達を発見したユーリ。なんとかして彼らを助けようとするユーリは、一世一代の大芝居を演じることに。一方、ひょんなことから4つの“禁忌の箱”のうちの1つが聖砂国にあることが発覚して…。聖砂国でコンラッドが、羽田空港で勝利が出会った意外な人物とは!?
 

近頃なんだか物凄くストーリーの進み具合が遅くてヤキモキさせられる「まるマ」シリーズ。前巻の感想でぼやいたとおり、「これがマのつく第一歩!」と1冊にまとめて出した方がテンポ良く読めたんじゃないでしょうか?やっぱりどうにも分冊した意味がわからない…

ユーリの王としての成長や眞魔国の人々の変化が見て取れる一冊。ダカスコスが船の中で交わした会話が非常にツボです。ユーリは自分が王様になってやったことなんて殆ど無いと思っているけど、やはりユーリの存在によって眞魔国の人々にもたらされた変化は大きかったんだなあと、ちょっと嬉しい気分になれました。同時に貨物船の中の難民を助ける為にユーリたちが一芝居打つシーンが非常にツボ。花形船長の台詞がいちいちまた熱い。

ダカスコスにしろ花形船長にしろ、生まれついた国の価値観というものは私達が考えていたより大きなものなんだな、と実感させられます。ダカスコスは「人間は魔族の敵」だと思ってて、花形船長は「奴隷は自分達とは違う、虐げられて当然の存在」と思っていたわけですがその二人の価値観をユーリが変えたのだとしたらそれってかなりすごいことだなあ、と思うと思わず胸がジーンとなってしまうシーンでした。

そして遂に外伝「お嬢様とは仮の姿!」のキャラクターが本編に密接に絡んで来ます。勘違いゲイシャガール・アビゲイルが非常に良いです。そしてなんだかすっかり“振り回され属性”な渋谷兄(笑)

サラレギーの正体には少々驚いたものの、その目論見に関しては色々と予想通りな展開でした。それにしてもまた嫌な所で切ってくれるなあ…。


ところで170ページの挿絵はコンラッドがユーリを襲ってるようにしか見えません。
なんですかこのファンサービスはテマリ先生!!


これがマのつく第一歩!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

出航直前に起こったテロのお陰で、ヴォルフラムやギュンター達と離れ離れになってしまったユーリ。貨物船でシマロンの若き王・サラレギー、大シマロンからの使者・コンラッド、そしてヨザックという微妙なメンツで神族の住まう国、聖砂国を目指すことになるが…。一方、いつまでたっても戻ってこないユーリを心配した村田は、とある人物とつなぎを取ることに…!?
 

完全に次作への「つなぎ」の一冊。後半にグレタメインの番外編が入るため、本編はたった100P程度しかありません。簡単に読めるけど、物凄くコメントしづらい一冊だ…。

電撃文庫の400Pだの500Pだのの本に慣れていると、「原稿が300P越えたから分冊!!」という思考が全く理解できません。多分ビーンズが活字の苦手な学生をターゲットに絞っているとかそういう関係も多少はあるんだろうけど…そこで敢えて「300Pがなんだ!」といいたい。内容的には、分冊なぞせずに1冊にしてまとめて読みたかった。外伝を含めても400P。電撃なら全然余裕のページ数なのに!!!

ていうかもう1000ページ越えなければ全然許容範囲内だよ!?
(それどこの終わりのク●ニクル)

せいぜい見所といえば、村田という日本側で立ち回るキャラクターを得たお陰で、「お嬢様とは?」「息子はマのつく?」に出てきたキャラクターが少しずつ出張ってきていることでしょうか。外伝を読むのを後回しにするならこの本の前に読んでおくのがオススメ。

というかもう、日本側で渋谷兄に、魔族側でヴォルフラムに、そして外伝でグレタに萌えれればもうそれでいいとおもうよ!個人的には予想以上に弟バカだった渋谷勝利兄がお気に入り。村田やボブとの掛け合いがなんとも可愛い。ヴォルフラムは聖砂国に行く為の救助隊を指揮することになり、ますます漢前が上がりました……救助に行く為、ギュンターの“秘術”で魔力を封じてまで……………


………………

ってこれなんてホモゲ!!??

どちらかというとノリはどこぞの「これが私の御主●様」っぽかったですが…なんというか、シリアスだらけのストーリーに一服の清涼剤をありがとう。いやー、ギュンターはやっぱりこうでなくっちゃね☆

むしろ本編よりも見所はグレタがメインで活躍する「マ王陛下の優雅な一日」でしょう。眞魔国王宮を舞台に、久しぶりにほのぼのとしたドタバタ劇が見られます。うわぁぁぁぁぁ、グレタ可愛いよグレタ(*´д`)


お嬢様とは仮の姿!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

エイプリル・グレイブス?アメリカの大富豪のお嬢様?とは仮の姿。その正体は美術品をあるべき場所に返したり、悪人に利用されないよう葬る、誇り高きトレジャーハンター!彼女はある時、亡き祖母が護り続けた禁忌の箱の1つ“鏡の水底”をナチス・ドイツから奪還してほしいという依頼を受けるのだが…!?
 

まるマシリーズ外伝第二段。

本編から50年ほど遡り、第二次世界大戦前の人間界を舞台にしたストーリーです。一応本編とは独立した話なので本編を読まなくても読めますが、逆に言うとさりげなーくあんなキャラやあんな設定が出てきたりするので本編を深く読めば読むほど美味しい外伝かと思われます(笑)

ハチャメチャなアメリカ上流階級のお嬢様でトレジャーハンターなエイプリルと、ナチスの将校で禁忌の箱“風の終わり”の鍵を持っている男・リヒャルドが、“鏡の水底”を奪還する為に共同戦線を張る…というお話。

良くも悪くも、本編から比べるとパンチが足りなくてフツーな話だったなあ(フツーに面白くはありますが)。割合キャラクター魅力が主導でぐいぐい引きずっていくシリーズだと思うので、やはりユーリたちが居ないと弱い…というか物足りない印象があります。エイプリルもリヒャルドも悪いキャラじゃないのですが。(でも正直、メイン2人よりもDT夫妻の方がインパクト強かったw)

むしろ、色々と本編に絡んできそうなキャラクターや設定、まだ明かされていない謎(ボブの正体とか)もありますので、今後のストーリーを読んでから読み直すと中々味のある話なのではないかと思います。少なくても今後のストーリーに絡んでくるのは確定っぽいですし。


半分の月がのぼる空 2 Waiting for the half‐moon

[著]橋本 紡 [絵]山本 ケイジ

里香とは蜜月とも思えるような幸せな日々を送っていた。多田さんが遺した大量のエロ本の山—通称“戎崎コレクション”が里香にみつかるまでは…!!それ以来、怒り狂った里香との仲直りは上手く行かず、努力は空回りするばかり。更には里香の主治医でいけすかないイケメン医師・夏目が現れて…!?
 

1巻と同じノリでかなりほっとしました(笑)

すれ違いまくりの裕一と里香のやりとりが凄く微笑ましいです。もどかしいけど、見ていて可愛い(笑)ただ、里香といい夏目といい…一応病人の裕一に対して容赦なさすぎ。「ツンデレだから!」で済ましちゃいけない領域というか、何度か命の危険を感じる部分があったのですが!!いくらなんでも里香、わがまますぎだろう…。

更に夏目先生が個人的にはかなり好かないです。後半で彼の複雑な気持ちはちょっぴり明かされますがそれにしても先生としてやっちゃいけない領域を踏み越えすぎだとおもうのです。仕事に私情を持ち込むなっちゅーか、大人気なさ過ぎる…それまで病気なんかとは無縁だった裕一が理解できる筈もないのに、それを誰にも言われないで理解しろというのはそもそも無理な話だと思うし。

個人的にあまりにも二人の仕打ちが酷すぎて、メインのストーリーはあまりツボに来なかったのですが、多田さんを悼む裕一の姿が印象的。遺産がエロ本というのがまたなんというか…アレですが。エロ本を燃やすシーンとか、思わずしみじみしてしまいました(笑)

キャラクター的にちょっとどうよと思うところも多かったものの、面白かったです。続きもまた気が向いたら読んでみたいと思います。


みずたまぱにっく。 This is MIZUTAMASHIRO!!

[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草

超お嬢様学校である聖アンジェリーナ女学院に奨学金で通っている水田マシロは先生の紹介で学生寮のお手伝いのバイトを始めた。馬鹿みたいに立派な豪邸…にしか見えない超広い学生寮にはなんと4人しか寮生がおらず、しかもその4人は学園内でも『薔薇の団』と噂される美少女達で…!?
 

ショタっ子メイドが美少女達にかこまれてどたばたする話だと勘違いした私の心のときめきを返せーッ(つд`)

まほろばやラブひなもどきのギャグ風ラブコメを想像していましたが、むしろ学校でのトラブルなんかはハセガワ版「ルナティック雑技団という印象。「ドクロちゃんです」ですらご自分の作風を貫かれてしまったハセガワさんなので“コメディ”という響きが全く想像できなかったのですが、予想外に面白かったです。「しにがみ?」世界にも流れる時間が遅くなったような独特の雰囲気を生かしたまま、各所でちょっと笑ってしまうような作品に仕上がっています。何事にも一生懸命なマシロをはじめ、天真爛漫な忍、ツンデレな「エア・メガネ」こと千尋等キャラクターも凄く魅力的で、見ているとなんともほのぼのと癒される気持ちになります。

個人的には学園の方で、予想外にあっさりと殆どの生徒がマシロを受け入れてしまったのが表紙抜けというか、現実感があまりにも無かったかな。3バカ(失礼)がいい具合に噂を流してしまったというのはあったとしても、本当の女子高だったらこんな状況はありえないと思うのです。まあ、ここでドロドロした女の争いに発展しないのがハセガワ作品のいい所なのかもしれないけど。

しかし「エア・メガネ」は2006年度ライトノベル迷台詞ベスト3に入れそうな予感。


戦闘城塞マスラヲ Vol.1 負け犬にウイルス

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人

あまりの目付きの悪さと対人恐怖症のせいで就職活動をすれば書類段階で34社全てに断られ、すっかり引きこもりになってしまったヒデオ。親からの仕送りも無くなっていよいよ首を釣るしかない…という時、道端で拾ったノートパソコンから自称“電子の精霊”ウィルスのウィル子が現れ、なしくずしに「聖魔杯」という人と人ならざる者が戦う大会に参加するハメに…
 

ぶっちゃけ本当の就職氷河期は34社全部に断られるなんて普通でしたが何か!?

えー自分はあまり真面目に就職活動しなかったので知らないけど、私達が卒業した年が一番の氷河期で、そこまでレベルの低い大学出もないのになんでも50社受けて全部断られたとかそんな話がゴロゴロ転がってました。同級生達の生み出すダースベーダーも真っ青なドス黒いオーラが忘れられません。まあそれなりの企業を50社受けて全部蹴られるのと、バイトの面接34個受けて全部断られるとかそういう比較だったら、明らかに後者の方がありえないけど。

というわけで、変なツッコミから始まりましたが(笑)以前から気になっていた「お・り・が・み」の作者さんの新作シリーズです。
体力ゼロのひきこもり君がいきなりはては暗黒武術会か、バトロワか!?と思わせるような展開に「消閑の●戦者」的頭脳バトルを想像していたら、むしろイメージとしては「ア×トロ!乙女塾」(初期)だった罠でした。真面目なバトルどころか、バリバリのコメディ。

何でもありな1500人以上でのバトルロワイヤルながら、絶妙に上手いルール制限が敷いてあって、あまり殺伐とはしない仕組み。「消閑の?」と同じくらいこのルール設定が上手いなあと思います。下手をすればいきなり1500人で殺し合いとなってもおかしくない状況で「殺してはいけない」「拒否したかったら拒否できる」「ルールは基本的にバトル、しかしバトルじゃなくてもいい」っていう制限を加えただけでここまでまったりモードになってしまうとは。解説2人組の方が余程殺伐としてるよ、これ…(笑)

主人公がハッタリや運やその場のノリで強敵を倒していったり、強い相手に強敵と認定されてしまう展開はまさにミモノ。しかし時々突然熱い展開に突入したりするのがたまりません。特にレッドフィールドとのバトルには激しく燃えた。

あと時々さりげなーく織り交ぜられるパロディネタに笑いをこらえるのが大変。特に酒に酔ったヒデオが「新世界の神に(略)」と言い出すシーンには大爆笑でした。ここまでコミカルな作品は久しぶりに読んだので(乙女塾も最近はシリアスになっちゃったしね…)今後に期待です!!

「お・り・が・み」の続編に当たる作品で、前作キャラや設定もそれとなく受け継いでいるようなのでこれは是非「お・り・が・み」の方も読んでみたい。積読本消化したら…(笑)


ウィッチマズルカ 2 つながる思い

[著]水口 敬文 [絵]すまき 俊悟

生徒会長達を操っていたバックを調査している夏咲と未玖、ひなた。3人が調査している最中の堂本家に“約束の書を回収せよ”という新たな指令書が届けられる。かつて神末の家に補完されていたというその文書は、60年前に焼失しているはずなのだが…
 

中位の魔女という肩書きの所為で中々友達の作れないひなた、未玖を護る事でしか“姉”として存在できないと思い込む夏咲、そして夏咲に迷惑をかけたくなくて強くなろうと思う未玖…とすれちがっていたそれぞれの想いがタイトルの通り「繋がる」様子が凄く良かったです。ある意味定番だけどその青臭さに惚れる。自らの考えにすっかり固執してしまっている夏咲の心を解きほぐす母親の言葉にじーんとなりました。

メインのはずの未玖に秘められた力の謎とか正直どうでもよくて、姉妹愛とか友情とか親子愛にじーんと出来ちゃうストーリーで、凄く面白かったです。いえ、メインの話も普通に面白いんですけどね!?

個人的には未玖と打ち解けた後の、段々おかしくなってきたひなたのキャラにニヤニヤ。1巻では結構クールな優等生的イメージだったのに、今回はゴスロリ娘…というよりもコスプレマニア、というかラストにいたってはむしろ腐女子臭がプンプンします。いいぞひなた、もっとやれ!愛読書は「百合姉妹」に違いない。(笑)

青臭い女の子同士の青春ノリと、未玖に隠された謎と、ひなたたんのキャラで暫くは楽しめそう。続編が楽しみです(笑)


彩雲国物語 想いは遥かなる茶都へ

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

新しい茶州州牧として任ぜられ、茶州へと向かう秀麗と影月達。しかし秀麗のような新州牧の存在を良く思わない茶氏の追っ手が彼女達を襲う。秀麗は仲間と離され、たった一人で旅を続ける羽目になるが…!?

 

静蘭と燕青の過去話に萌え死にそう。

穏やかキャラの血なまぐさい過去話は萌える。
しかも忘れたはずの過去が再び目の前に立ちふさがる…とか、そういう展開大好きですええ。予想以上に血なまぐさい静蘭の過去に乾杯。

っていうか何されたの静蘭!!(*`д´)=3

明らかに腐女子に妄想しろと言わぬばかりの静蘭の態度は何事ですか?ベーコンレタスなんですか!?なんか物凄い勢いで私の中の静蘭萌え度数が上がっていきますよ!?きっと世間では燕青との三角関係が主流だな!?とか強引に考えてみる。

はてさて今回は茶州編の前編ということで、今までのようにスッキリ終わって気分爽快といかなかったのが残念です。しかし2巻で密かに期待したとおりの変人ぶりを見せ付けてくれた龍連や新キャラのたらしッ子・千夜様が加わり秀麗の周りの男性模様はますます混乱の一途を辿るばかり。今まで色恋沙汰とはあまり縁のなかった秀麗にも色恋沙汰が舞い込み、その挙句今まで余裕ぶっこいてた静蘭まで本気になる様相をみせ…

…こう、ここまでキャラ増えると、あれだよね。
ゲーム化すればいいよ。勿論ルビーパーティ制作で。


そろそろマジメに感想言うと影月&香鈴の低年齢カップルが非常にいじらしいです。特に香鈴が秀麗の身代わりになるシーンはシビレました。また、逆境においてもめげずにすばやく最善の策を導き出す秀麗がかっこよかったですね。

ところで、「隠れヲタク的日々日常」さんの記事によりますと千夜様はあの子安武人氏だそうですが、今後彩雲国を読むとき、千夜様の部分はアンジェのオリヴィエ様声で読めばいいですか?

それとも某レザード・ヴァ○ス氏的ナルシス変態ヴォイスで読めばいいですか?