“しろ” の検索結果 | ページ 25 | 今日もだらだら、読書日記。

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない

[著]伏見 つかさ [絵]かんざきひろ

高坂京介は「普通」であることが自らの矜持である、ごく普通の高校生。美少女な妹・桐乃とは折り合いが悪く、殆どまともに話もしないような関係だったのだが、ある日彼女が落としていった「あるもの」をきっかけに、自分の妹の知られざる一面を目の当たりにしてしまう。それ以来、桐乃に人生相談を持ちかけられるようになって…!?
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有名ニュースサイトの名指しネタで今月の電撃新刊では間違いなく一番話題になったであろう噂の1冊。8月は買う予定の新刊が多すぎるのと妹属性1ミリもないので爽やかにスルーしていたのですが、世間の流行にびっくりして一足遅れで探したら、どこの書店も電撃新刊これだけ売り切れてるの!!オタクのみんなの行動力の速さに絶望した!!!…余談だけど、「かーずSP」と「アキバBlog」を取り上げた事ばかりが話題になってるけど、その後何気に「朝目新聞」も出てきてたのは皆スルーなのでしょうか。

スポーツ万能成績優秀な美少女というどこをとっても隙が無い妹は、自分が妹の癖に「妹萌え」のアニオタ・エロゲーオタ。そんな妹に嫌々付き合わされ、振り回される兄のお話。話題になったニュースサイト名指しネタのお陰でメタネタ頻発のギャグコメかと思ったら、予想以上に正統派なオタク物語でした。そういえば、「腐女子」の女の子がメインや脇役に来る物語は結構見たけど、「女エロゲオタ」を主題に扱うのって物凄く希少なのではないですか。BLゲーではなくエロゲを好んでプレイする女性というの自体、世間ではあまり認知されてないですしね…(型月や鍵に代表される、一部エロゲは結構プレイしてる腐女子いるけど)

同志が居なくてついつい「自分の趣味に対して少なくても否定的な意見は持たない人」をムリヤリそちらの道に引きずり込もうとしてしまったりする場面とか、オフ会での場面では同じオタクとしては「あるあるwww」の連続。「二次元と三次元を一緒にしないでよ」発言とかあまりにもそのテのオタクとしてリアルな発言過ぎる。女オタは二次元と三次元を混同なんかしちゃったら恐ろしくて男性向エロゲーなんか出来ませんよ!!!

オフ会の場面でも、桐乃がハブにされる様子とかが物凄いデジャブを……気配り上手の沙織さんが最高に良いキャラで、リアルでお友達になりたい。こういう気配りできる人材って貴重だと思うんだ…。騒がしい場所だと、全員で同じ話題に興じるってやりづらいですしね。桐乃・沙織・黒猫の3人の凸凹した人間関係が見ていて凄く楽しくて、次の巻があるなら是非ともこの3人のやりとりがもっと見たいなぁとか思いました。

京介の助力を得て、少しずつ「オタク」としての顔を外に作り始めた桐乃の前に立ちふさがるのが、典型的なオタクへの前時代的な偏見に満ち満ちた父親。そんな父親に対して、妹に代わって立ち向かう京介がとてもかっこいい。なんか他人事に思えないだけに、自分がオタクではないのに一生懸命擁護してくれる京介の姿に胸が熱くなりました(私も未だに18禁系同人とエロゲー所持してることだけは未だ親にカミングアウトできない!)(しかも男性向女性向どっちもあるんだぜ!)(気付かれてて見なかったことにされてるだけかもしれないけど!)ううむ、しかしそれにしてもなんというツンデレファミリーだ……妹といい、父親といい、兄貴といい……。

オタクモノとしても、正統派の青春物語としても文句なしにおもしろい作品でした。ネタ的な方向で話題になっちゃってる作品だけど、普通にオススメ!

…ところで、京介と幼馴染の麻奈美のやりとりがツボ過ぎて、あまりの天然カップルぶりに何度か砂糖吐きました。おまえらとっとと結婚しちゃえばいいよ!!!続編も予定されているようなので是非ともその際はこいつらの仲の進展もお願いします!


別冊図書館戦争2

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

「過去に戻れるとしたらいつがいい?」 そんなたわいも無い会話で盛り上がる堂上班。副隊長・緒形は大学時代に始まったかつての恋を思い出す。公務員を志していた彼がかつて配属されたのはメディア良化委員会だった。当時は「嫌われ者の職場についてしまった」程度にしか思っていなかったが…「あの二人」のその後もわかる、スピンオフシリーズ第二弾。
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かつてメディア良化委員会に所属していた緒形の恋の思い出と図書隊での出来事を描く短編と、郁達が配属される前の堂上達の過去を描いた短編、そして手塚&柴崎のその後を描く短編三本だての中編。ちょっとしんみりしっとりと暖かくなる緒形の過去話も、間に挿入される堂上夫妻のイチャつきっぷりにニヤニヤせざるをえない堂上・小牧コンビの過去話も勿論おもしろかったのですが、やはりキモは手塚&柴崎のその後でしょう!!

柴崎がストーカーに遭遇したのをきっかけに、3年前(「図書館革命」時)ちょっと接近があったものの未だ付かず離れずの関係を維持していた手塚との関係が一気に進展するというお話なのですが、今まで割りと女性としての優秀さ・強さが強調されてきた柴崎の脆さ・弱さが全面に押し出された展開で、読んでいてハラハラしっぱなしでした。特に3編構成うち後半2編は本当に読んでいて恐怖感や生理的嫌悪感を始終感じるような展開で……とにかく重たい。つかどっちのストーカーも痛い人すぎて……。

ていうか主犯についてはしょっぱなでなんとなく予想できてしまったんですが……ああ、まちがいなくこいつの地雷踏みまくってるよ!余計な恨み買ってるよ!みたいなの。いや、決して柴崎が悪いんじゃなくて、彼女は通常とは真逆な意味で「空気読めない」部分があるんじゃないかなーと思うのです…「デキるオンナ」であるがゆえにどうしてもそれ以外の人間に自分と同じ事を求めてしまい、それが故にどうしたって「見えない」部分があるというか。まあ、かといって今回の犯人に同情しようとは1ミリも思いませんけどね!

何はともあれ、本編ではずっと付かず離れずを保っていた二人が遂に結ばれたのは本当に嬉しかったです。手塚かっこよすぎだろ…!!!その後、柴崎が漸く自分の弱いところを見せられる相手をみつけて、泣きながら大切にしてほしいと叫ぶ場面では胸が熱くなりました。そしてエピローグでの、堂上夫妻にも負けず劣らずなイチャつきっぷりに萌えた…!!特にウェディングドレスのくだりとか、可愛すぎる…!!

あと、地味にニヤリとしてしまったのが「教官モード」の郁。フルメタルジャケットばりの鬼教官っぷりが漢らしすぎる…というより、もろに旦那の影響受けたのが丸判りで。一瞬篤さん(笑)のセリフかとおもいましたよ、マジで。

大団円なラストでとても満足でした。御馳走様でした。


アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃

 

人間ではない『一族』がいた。ある山の奥深く、人の手の届かない場所で里を作り、ひっそりと暮らす―女しか生まれず、それ故に滅びかけていた『あやかし』。今までも、これからも、彼女たちは人の世から隠れ、人の世の狭間に生きていく、そのはずだった。しかし、その日。『一族』が起こしたある諍いは、小さな波紋となって町へと広がっていく。その結果として霧沢景介と灰原吉乃の前に現れたのは、枯葉と名乗る少女だった。彼女がふたりにもたらしたのは、運命か、或いは―。藤原祐×椋本夏夜のコンビが送る現代伝奇ファンタジー、ここに開幕。 (「BOOK」データベースより)

姉が失踪してから8年…高校生となった霧沢景介は、中学時代に親友が失踪して以来塞ぎ込む少女・灰原吉乃に親近感を抱いていた。クラスの中でも孤立する彼女をなんとかしてやりたいと思った景介は友人達と遊びに出かける計画を立て、吉乃を誘うことにしたのだが……

「電撃の黒い太陽」が全開すぎる件について。
序盤読んでレジンキャストミルク的な「ほのぼの×ダーク」な学園異能再びかと思ったらむしろ「ルナティックムーン」もかくやな暗黒展開だったよ!!ごく普通の高校生達が日本の片田舎にひっそりと隠れ住んでいた「あやかし」の一族の諍いに巻き込まれてしまうという、和風伝奇ファンタジーです。

第一巻だというのに、カラーページで紹介されるメインキャラクターの半分近くが死んだり敵に回ったりするという状態で、まさに血みどろ青みどろ。そういえば藤原作品だと「レジンキャストミルク」は割合控えめだったけど、「ルナティックムーン」は結構盛大に人が死にまくったよなあ…と懐かしく思い出しました。まず初っ端で身も蓋もなくヒロインが死亡して、しかも結構グロテスクな展開が待ってたりするあたり、とってもとっても全開です。ていうか、もう1巻でいきなり日常殆ど崩落してるような気がするんだけど、今回は完全に「ほのぼの」分は無しなの…か…?

とにかく序盤で一族の本家跡取り娘である枯葉が“喪着”を執り行う場面が物凄い衝撃で。残酷で、恐ろしくグロテスクな場面の筈なのに、どこか凄絶な美しさがあるというか、なんというか。その他作品全体にも、醜いのに美しいというか、古き日本の様式美みたいなのが漂ってるといいますか…なんかそんな雰囲気がとてもツボでした。あぁ、語彙の無さが悔やまれる…。

キャラクター的には吉乃も枯葉も良いけど、やはりオトコマエな棗さんが良いです。殊子先輩といい、藤原作品のオトコマエ女子キャラはとてもツボだ…そして毎度の如く、ツンデレ全開な主人公がとても良いですね。枯葉の気高く美しく矜持も高く直球な物言いと、どこか世間知らずを漂わせる発言に翻弄されてツンツンしちゃう主人公にニヤニヤします。重苦しい雰囲気の本編の中、中盤移行は枯葉と景介のやりとりだけが唯一の息抜きポイントだったように思えます。

とにかく、「レジンキャストミルク」のダーク分や「ルナティックムーン」が好きだった人なら文句なしに楽しめるかと。かなり容赦ない展開が続くので、ほのぼの分お目当ての人にはちょい厳しいかも…?色々な意味で大変なところで次巻に続いちゃってるので、続きが楽しみでなりません。


吉永さん家のガーゴイル6

[著]田口 仙年堂 [絵]日向 悠二

クラスメイトに巻き込まれ、なぜか演劇部が新入生歓迎会で披露する劇に主演することになってしまった和巳。最初は及び腰だったものの、ヘトヘトになりながらも少しずつ演劇の練習に楽しみを見出すようになる。ところが、演劇部当てに、劇を中止するよう脅迫状が送られてきた。その台本はかつて学園で起こったとある事故をモチーフにしているらしく…?!
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妹・双葉の影に隠れて影が薄かった兄・和巳が大活躍のシリーズ第6弾。和巳が拾った台本に隠された8年前の事件の真相とは、そして台本の作者と脅迫者の正体は…!?という感じの学園ミステリー風仕立ての物語です。

演劇の台本が8年前に起きた事件をモチーフにしていて、作中劇と実際の事件での配役を見立てながら事件を解決する様子はなんとなく同じレーベルの「文学少女」シリーズを髣髴しましたが、ドロドロはしてなくてむしろそのあたりは「ガーゴイル」らしくサッパリ綺麗に終わらせてくれます。台本の作者はなんとなく想像が付いていたんだけど序盤のひっかけにはまんまと騙されてました。

謎の脅迫者から演劇部を護る為にガーゴイルに護衛を依頼するのですが、気がつけば和巳達の良い相談役になっているガーゴイルの、精神的な成長に思わずニヤリとしてしまいます。序盤のとにかく空気読めないガーゴイルを知っているとこの短期間でどれだけ成長したかを思って胸が熱くなる。そして何気にカラーページの漫画がいいんだよなあ…作品を読みながら、ガーゴイルが和巳の学校に行ってる間の御色町を想像するだけでニヤニヤが止まりません。

なよなよしてるけど優しくて生真面目でまっすぐな和巳のキャラクターがよく出ているお話。これは単純な双葉ではこういう展開に出来ないだろうし、主人公が和巳だからこそのお話という感じが素敵です。ただ、個人的にはますます和巳が何故「女と見まごう美少年」設定なのかわからなくなってきたなぁと。これまでは彼自身の影が薄いから死に設定化しててもそこまで気にならなかったけど。彼がメインを張ったお話でここまで完全に死に設定になってるのを見ると、せいぜい普通の美少年くらいにとどめておけばよかったのでは…という気がしてしょうがありません。この作品で「和巳モエー」な展開をやられても多分かなり困りますが、性別不詳キャラスキーとしてはやっぱり設定生かせてない部分が気になるんだよなあ…。

それにしても後書き読んで噴いた。この冊数を1年で出したのかよ!!速筆すぎ。


タザリア王国物語 影の皇子

[著]スズキ ヒサシ [絵]あずみ 冬留

貧民層が住むスラム街で仲間の子供達と共に盗みで生計を立てていた少年・ジグリット。仕事に失敗した仲間を庇って立ちふさがった彼の顔を見た騎士の一人は彼をタザリア王国の皇子・ジューヌと瓜二つである事に目をつけ、彼を皇子の影武者として育てる事を決意する。我儘で残酷な皇女・リネアから嫌がらせを受けながらも少しずつ才能を開花させていくジグリットだったが…
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皇子の影武者として王宮に連れて来られた元貧民の少年が皇女様から苛められたり帰る家を失ったり造反者に命を狙われたり皇女様から苛められたり皇女様から苛められたりしながら命からがら(色々な意味で)生き抜いていくという戦記ファンタジー。

噂の「リネア様」が気になっていたところに「作者はあの“ダビデの心臓”の人だよ!」と言われてうっかり買っちゃいました。「ダビデの心臓」というと、私のラノベ読書暦の中でも屈指の後味の悪さを味わった欝グロシリーズということで(いやまあ、オトナの事情らしいんですけど…)、いやがおうにもそういう方向の展開を期待して本を手に取ったのですが、予想以上に猛烈でした。

とりあえずリネア様のサドデレっぷりが予想以上に凄い。

前作を知ってる分、姉姫様の容赦ない仕打ちはある意味想定の範囲内なのですが、恐ろしいのはこれだけ残虐な仕打ちをしながらも、僅かにしかしきちんと「デレ」要素が見受けられる所。本人の自覚すらない、0.1%にも満たないデレですが間違いなくちゃんと「デレ」があります。特にクライマックスでジグリットが……という報告を聞いたときのリネア様の反応は必見。99.9%以上のサド分と0.1%以下のデレ分で成り立つ、最凶のサドデレ・リネア様。ただし素人にはオススメできない。この絶妙なバランスに感動した!

物語は本当にリネア様のサドデレっぷりとジグリットの綱渡りっぷりが絶妙すぎて、常に神経をすり減らせてハラハラしてしまいます。確かにジグリットは年齢の割には聡明な子供なんだけど、どうしてもその場の勢いで自らを窮地に陥れてるみたいな部分が拭えず、彼の行動を見てるだけでハラハラ。そしてその彼の背後で悪巧み(違)をするリネア様の姿に「ジグリット!うしろうしろーー!」とハラハラ。

もうこの本、読むだけでエナジードレイン効果があるに違いない。
なんか色々吸い取られた気がする。主にリネア様に。

とても面白かったし最後で自分の掘った最大の落とし穴にハマった感が拭えないジグリットの行方がとても気になるけど、間違っても既刊の一気読みとかはできねーなー、とおもったシリーズ第一作なのでした。


ムシウタbug 7th. 夢高まる鳴動

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

亡き親友・花城摩理の真意を探る為やっとの思いで彼の元にたどり着いた亜梨子に向かって、ハルキヨはある日時と場所を指定した。その時間、大助も連れずに約束の場所を訪れた亜梨子を待っていたのは、なぜかハルキヨとの“デート”で…!?
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亜梨子の使える蟲の力の増大と身体の変調と共に、だんだん終着地点が見え始めたbugシリーズ第七弾。

亜梨子を橋渡しにして虫憑きの中でも最強と謳われる一号指定の3人である“かっこう”・ハルキヨ・リナに加え、後の本編シリーズでも重要な役割を果たす事になる少女・赤瀬川七那を加えた最強タッグが結成。本文でも触れられるとおり、この4人ならどんな不可能な状況でもひっくり返せそうな気分がしてとてもワクワクしました。何しろ全く毛色の違う3人がそれぞれ亜梨子に惹かれて集い集まるという構図がもう凄い。亜梨子の代わりに現れた花城摩理との四つ巴には更に胸が熱くなるものを感じました。

ただ、それと同時に亜梨子自身に残された時間はあと僅か。本編で示唆される様子から照らし合わせても彼女が無事のまま物語が終われるとは到底思えないので、その辺がとても不安。後は摩理との“答え合わせ”が納得のいくようなかたちで終わるよう、祈るばかり。bugシリーズもいよいよクライマックスという感じですが、二人の行く末がどのようなものになるのか、とても楽しみです。

そして後半は摩理を虫憑きにした“三匹目”アリア・ヴァレイの宿主になった“先生”の物語。波乱だらけの悲しい物語ではあったけど、アリア・ヴァレイと“先生”のやりとりがとても味があって好きでした。そして久しぶりに出てきたけど初季可愛いよ初季。

亜梨子というキャラの魅力がふんだんに詰まった1冊で、凄く面白かったです!ただ、一方で「ムシウタ00」、bugシリーズと3冊程番外編が連続で出てきて、既に本編シリーズの内容がうっすらとしか頭に残っていないのがちょっと不安だったり。出来れば次の本編は早めに出して欲しい……


バカとテストと召喚獣4

[著]井上 堅二 [絵]葉賀 ユイ

美波から、突然のキスの意味を考える間も無いまま嫉妬にかられたFクラスの面々に連行され、臨時査問委員会に掛けられる明久(と雄二)。なんとか場が落ち着いた後、良くわからないうちに美波といい感じになってしまうのだが、美波の事が大好きな少女・美春が自分のクラスを炊きつけて試召戦争の準備を始め…!?
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修羅場・泥沼・崖っぷちと三拍子揃った今巻。いつも通りのおばかなギャグもありますが、三角関係が表面化してしまった関係でかなりギャグ度は下がってます。バカテストも、このシリアスモードで入ると微妙に雰囲気壊してる部分があって、そこだけはちょっと残念だったかなあ。

ただ、それでもあえて言おう、最っっ高に、面白かった。と。

まあ言いたいこととしては今回最大の勝ち組は美波派でも瑞希派でも秀吉派でもなく明久派であるってことなんですけどね!?「萌え」的にも「燃え」的にもな!!!


ペッタンコのキスから半年以上引っ張られた所為で色々4巻予想とか考えちゃって、正直4巻の発売が楽しみなような、不安なような気持ちで一杯でした。明久×姫路派としては、明久がペッタンコとくっついてしまう事自体も非常に不安だったんだけど、それ以上に明久がなし崩しに美波と付き合う…みたいな展開になったら最悪だなあ、と。そんなことになったら美波も姫路さんも最後には傷つくだけだと思うので…。

だけど明久は誤解だと気付いたらそれを(美波に半殺しにされるの覚悟で)すぐに解いて、美春に指摘されたらちゃんと回転の悪い頭をフル稼働させて考えて、ちゃんと自分の頭で考えた今の自分の精一杯の気持ちを言葉にしてくれて……どうしようもないおバカで鈍感な男の子だけど、ちゃんと美波に対して誠実であろうとしたというその行動がめちゃくちゃ素敵でした。

「僕みたいなバカにだって、言っていい嘘と悪い嘘くらいわかる!」

特にラストのDクラス戦前後の一連の流れはもうホント大好きです!!ただのレズ娘だと思っていた美春がまた、良い味出していて。明久の一言一言に、胸が熱くなった。この作品に出会えてよかった。このキャラクターに出会えてよかったと真面目に思いました。今回の明久、いい男過ぎる。惚れなおした!!

「お姉ちゃんね……もう、どうしようもないくらい人を好きになっちゃったかも……」

今回は殆ど明久と美波が主役みたいな話だったけど、明久・美波・瑞希の三角関係については、振り出しに戻った…というか、ここからが本当の三人の関係の始まりかなあ…と感じました。明久は悩んで悩んでちゃんと答えを出してくれたけど、ある意味3巻までの明久と美波の関係はやはり“友達”以上には進みようのない関係だったと思うのです。明久が美波の事をきちんと“ひとりの女の子”なんだと自覚した事で、漸く二人とも「恋愛」関係を始められるスタートラインに立てたのかなあと。美波にしろ、明久にしろ。ラストでの美波の一言が、それを一番シンプルに表現しているように思えました。

私、基本的に姫路派だけど、今回の美波は本当にかわいかった…。

「……やっぱり、不安になっちゃいます。こうやって、簡単に近づけちゃうんですから」

一方で、姫路さんも今回の件で明久に対してどこか吹っ切れた感じがあって、どこか大人っぽい彼女の姿が本当に魅力的でした。いやあ、一時黒ヒロイン化の一途をたどり始めた頃はどうすればいいのか真面目に困ったけど!ていうか122Pの挿絵周りのやりとりと、ラストの雄二と姫路さんのやりとりが物凄い好きだ!!元から天然ボケカップル好きとして、明久は姫路さんとくっついてほしいと思っていたのですが…今回の件で姫路さん単体萌えがどーんときたよ!!物凄く惚れ直した!!!!!姫路さんかわいいよ姫路さん!!

今後のこの三人の関係にはものすごく期待。今まではどちらかというと「腐女子要素」と「熱血バトル系ギャグ」な部分ばかりに魅力を感じていた作品なのですが、本格的に「ラブコメ」としてのバカテスの、先が楽しみになってきました。まあ、4巻はポニテのターンだったから5巻はピンクヒロインのターンですよね井上先生!?誰が何と言おうとそこは譲らない!!!


【以下、恒例の腐女子のターン!!!】

今回は主人公周辺の三角関係に完全に焦点が当たったターンだったので、ギャグと同時に腐ネタも抑え目な話でしたが、おいしいところはしっかり残しておいてくれるのがバカテスの良いところ。秀吉×明久にしか見えないアレとか、明久の言葉に頬を染める雄二(笑)とか、相変わらず何か誤解しているヒロイン2人とかとか……改めて読み返すと密かにニヤニヤなシーンが大量に!!

ムッツリーニが盗撮写真を裏で流してるネタは、自分とこの同人誌のネタとしてひそかに考えてました。やっぱりあの女装写真はムッツリ活動の資金源にしてたのかムッツリーニ…そして買ってった相手がどうみても……どうみても!!!

それにしても、「第三の性:秀吉」に近いレベルで「女装少年アキちゃん」が文月学園の2年生の間で人気がうなぎのぼりっぽいのがとても気になります。少なくても明久が現在文月2年生の腐女子達の間でアイドル化しているのは間違いないと思う。

つか女子はまあいいけど
一部F組男子まで何人か陥落してただろ「アキちゃん」に!

そのうち明久が、作中で第四の性別扱いされはじめても、私なにも驚かないと思う…


ふたかた

[著]わかつき ひかる [絵]巻田 佳春

トラックに跳ねられて死んだ少女・桂瑞希は成仏できずに幽霊となり、双子の弟である高志に取り憑いてしまう。高志の身体を乗っ取った瑞希はいつも通りに女子制服を身に纏い、学校に登校しはじめてしまう。高志は彼女の無念を晴らし、なんとか成仏してもらおうと試みるが瑞希は学園内で催される「美少女コンテスト」に出場したいと言い出して!?
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男の身体の中に女の子の幽霊が?…という設定から、女装というよりはTSモノに近いのかと思いきや、序盤で多少TSモノ的な要素があるものの結構ガッツリ“女装モノ”でした。ただ、これはちょっと読む人を選びそうかなー…。女装少年がファンタジー世界の産物だと思っている人にはあまりオススメできません。「アイドルはトイレいかない!」的なそういうノリの人。

なんていうか、女装回りの描写が完全に「萌え」ではなくて「エロい」だと感じました。これは作者さんの本業がジュブナイルポルノ方面であるからこその特性なんだと思うんだけど…女装シーンや女の子達の行動に関して恐ろしく現実的な描写が多く、文字の向こうに「リアル」が透けて見えてしまう。その透けて見えるリアルが私の中で「萌え」の発現に対してブレーキをかけてしまっている気がします。特に、高志の裸を見たときの瑞希の、アレに対する反応が壮絶でしたよね。いろんな意味で。

なんていうか、この本を読んで、自分の女装萌えに対するスタンスが完全に「偶像崇拝」的なんだなあと思い知らされた。良くも悪くもこの作品に出てくる女装少年は「現実」なんですよね。トイレ行くところまでしっかり描かれるアイドルというか。

そんなこんなで「女装少年モノ」としての部分にはイマイチ萌えられなかったのですが、むしろ本線のストーリーが凄く面白かったです。勝気でワガママだった姉の幽霊に最初は振り回されるばかりだった高志が彼女の知られざる一面を目の当たりにし、自ら嫌がっていた女装をして姉のために奔走する姿には思わず胸が熱くなりました。ストーリー展開やキャラクターは、全体的にベタではあるんだけどそのベタさがとても良かったです。キャラクター的には華道家元の娘・すみれのキャラクターがとてもとても素敵でした。後半で本性を露にした後の言(?)動とかほんとに素敵過ぎる。

続編があるなら、本性丸出しにしたすみれさんには、是非大暴れしていただきたいです(笑)

なお、余談ですがこのエントリを書いてる中の人は腐女子でありますよ。
確かに読んでるものが男性向レーベルに偏ってることは否定しないけどねっ。
いや、なんか「ラノベ読みの一般的な男性の意見」と受け取られそうな形で、この感想が取り上げられていたようなのでとりあえずそこだけははっきりさせておきますね…多分一般的な「男性の」意見と私の感想はまた違うものだと思うので。(うん、個人的に、瑞希の取った「あの行動」は同じ女としてちょっと信じられなかったんだ?……最近の若者は進んでいるわねー的な。)

それにしても最近、「女装萌え」ってすっかり男性の持つ萌え属性になっちゃったよね?…(´・ω・)


生徒会の二心 碧陽学園生徒会議事録2

[著]葵 せきな [絵]狗神 煌

いつもの通りだらだらとまったりした時間を満喫する碧陽学園生徒会。しかし、そんな堕落した(?)生活に甘んじる桜野くりむではなかった。
「生徒会も、既存の生徒会と同じ活動ばかりしていちゃ駄目だと思うの!」
そんな生徒会長の言葉を全力で受け流しつつも、生徒会の面々は“新たな活動”とやらについて話し合う事になったのだが…
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放課後の生徒会室を舞台に繰り広げられる、ただひたすら登場人物達が駄弁るだけのライトノベル第二段。この物語には剣も魔法も超能力も、明確なストーリーすら存在しない。だがそれがいい。ほのぼのまったりとした空間の中で繰り広げられる、ハイテンションな会話の数々が面白くて、やってることは同じなのに不思議と飽きさせないシリーズです。というか全開よりもギャグのレベル上がってない?

今回は引っ込み思案な少女・真冬が姉の洗脳によりキリングマシーンと化したり、謎の新任美女教師が忽然と登場し、生徒会を最大のピンチに陥れたりします。まあでも次の章には何事も無かったかのように今まで通り(?)の生徒会が展開しているので、いろいろな意味で安心。ほんといろいろな意味でこのシリーズは最後までこのまったりのんびりした空気を保ち続けて欲しいものです。

ストーリーに関しても、キャラに関してもいつも通りなので特に語ることは無いのですが、個人的には毎回最後に挿入される舞台裏的「えくすとら」がツボ。生徒会役員面々の赤裸々な妄想が形となって読めるのが最高です。そして何気に純情少年な鍵の発言にニヤニヤ。エロゲーの濡れ場でクリック連打するなんて真似を自称「目標:ハーレム」な少年がやらかしていると考えると可愛すぎます。やっぱり鍵は総受で。

ちなみに、女性キャラ的にはある意味鍵の最大のライバルと化してきた真冬さんがやはり最高。男性キャラ率が著しく低いこのシリーズで暑苦しい面々を増やすべく、今回も一人奮闘してくれる姿に好感沸きまくりです。今回も彼女の手によって中目黒先輩という新男キャラが登場しますのでご期待ください。

個人的にはエコー・オブ・デス兄さんも忘れないで欲しいです。

「当然です。真冬は、濡れ場より、過程を重視するのです!そこに至る過程が希薄なボーイズラブなど、真のボーイズラブにあらず!」
「真冬ちゃん……。正直、キャラが確定しないのは君の方だよ……」

むしろ真冬さんと1日、熱く語り合いたい。


機動戦士ガンダム00(1) ソレスタルビーイング

   
原作
矢立 肇、富野 由悠季

西暦2307年―人類は枯渇した化石燃料に代わる新たなエネルギー・太陽光発電システムを手に入れたものの、その恩恵をめぐって各国は未だ終わりなき争いを続けていた。そんな世界に「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れた!あらゆる現行モビルスーツを凌駕する4機の“ガンダム”を所有する彼らの名はソレスタルビーイング―いま、ガンダムによる全戦争行為への武力介入が始まる!!大人気アニメを完全小説化。 (「BOOK」データベースより)

アニメ「機動戦士ガンダム00」のノベライズ。アニメ本編は5話くらいで視聴をやめちゃったのですが、アニメではなかなか見えてこない各キャラクターの心の動きや、わかりづらい部分がちゃんと基本に忠実に補完していってくれる内容なので、普通に楽しんで読むことが出来ました。というかガンダムのノベライズを見ると、既に見たはずのアニメの内容を半分も理解できていなかったことが非常に多いんだけど…それだけ適当にしかアニメ見てないって事なのかしら。

ガンダムアニメ共通の特徴なのか、とにかくアニメ版では伝わって来ない各キャラの心情がストレートに読めるのがやっぱり面白いですね。刹那の迷セリフ「俺がガンダムだ」もこうやって心象描写が入るとそれなりに不自然ではなくなってしまうのが不思議です。

あと、私はマリナ皇女が出てくる前で視聴をやめてしまったので、彼女が刹那達とは無関係な所で彼らに無意識のうちに影響を受け、自国を良くする為に一生懸命奔走し始める姿が印象的でした。刹那との微妙な関係も良かった。

しかし、ある種不自然なまでにガンダムマイスター4人同士が絡んでこなくて、その辺がちょっと不思議だったりします。プライベートで話してる姿とかが全然無いからかな。別に腐狙った展開にしろとは全く思わないし、話の作り自体は非常に硬くてこれはこれで面白いと思うんだけど、よくも悪くもパンチが足りないと言うか、地味。まあでも、仲間同士が馴れ合って友情だのなんだの言い出して熱血展開とかになったら、それこそ世間的には「ガンダムじゃない」になるのかもしれないなぁ…

まあそれはとにかく、そんな弾け飛び展開を所望する私としましては、
キモは出番は少ないですがコーラサワーグラハムに決定。
この小説の地味で堅実な雰囲気を一生懸命ぶち壊そうとする二人は間違いなく輝いています。

イナクトの性能証明もあるが、ちょっと見かっこいい目の前のモビルスーツがムカつく。だから倒す。スペシャルな感じで。

グラハム機はその“ありえないこと”をあっさりとやってのけた。
それこそが、グラハムを若くしてトップファイターに押し上げた理由。
フラッグファイター唯一の空中変形の使い手。空戦の貴公子。
その技、人呼んで“グラハム・スペシャル”!


あーもう、お前ら光り輝きすぎだ!!

おそらくシリアスのやり方しか知らないキャラクターたちに囲まれて、二人で息を巻く姿が素敵すぎ。特にコーラサワーの「スペシャルな感じ」は電車の中で噴出しました。
嗚呼、後光が見えるよ…次はもっと活躍してください特にコーラサワー。

あとグラハム氏は、アニメ見たときはグラ刹でガチホモ!とか思ったのですが小説版を読むとホモというよりはどうみてもガンオタです本当にありがとうございました。