“しろ” の検索結果 | ページ 26 | 今日もだらだら、読書日記。

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SH@PPLE?しゃっぷる? 1

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

ちょっと引っ込み思案な少年・淡路雪国が一目ぼれしたのは双子の姉・舞姫の通うお嬢様女子中学に通う生徒だった。その事を知った舞姫は自らのガス抜きを兼ねて、雪国と“学校交換”を行う事を持ちかける。女だらけの学校生活に最初は戸惑うばかりの雪国だったが…?!
   個人的お気に入り度数
タイトル、あらすじからして完全な萌え系百合コメだとおもって周囲の評価待ちかな?と思っていたのですがこんなエントリ書いた後でスルーするのもなんだろうと思い購入。結果、大当たり。露骨な萌え要素は殆どなく、びっくりするほど正統派な入れ替わりラブコメでした。つか公式あらすじに「バラ色の生活を目指す」とか書いてあるのがいかんと思うですよ…。

一目ぼれした女の子・蜜に一目逢いたいという気持ちのままに姉の提案を受け入れ、女子高に潜り込んだら、姉・舞姫の意外な学校での姿が見えてきてそれに疑問を抱いたり、高嶺の花だと思っていた蜜の意外な一面が見えてきて動揺するわ驚くわ……それでも、今度は“等身大”の彼女を改めて好きになっていく、という過程が非常に素敵でした。天然な雪国がその邪気のない行動でライバルのお嬢様・典子の毒気を抜いてしまうシーンでは思わずニヤリ。勿論、男女入れ替わりならではの着替えシーンも忘れてはなりません。もうとにかくベタベタな展開が心地よかった。

一方、雪国の学校に潜り込んだ舞姫の方も負けてはいません。元々女の子なのにすっかり王子様扱いで、挙句の果てに“兄貴”呼ばわりされてしまうサッパリとした性格は……うん、確かに女の子にウケるわ、この子。可愛い弟の為に人肌脱いじゃう姿は物凄くかっこいい。そして彼女を兄貴と慕うオタク集団SECの面々がまたいいヤツらばっかりで…性別を感じさせない舞姫とのやりとりには思わず噴出してしまいました。

ラストのオチはちょっと強引に感じなくも無かったんですが(通り魔の正体あたり)萌え全開なあらすじとイラストからは想像もできないほど王道で可愛くてアツくて楽しい入れ替わりモノ。女装男子萌え的な展開は殆ど無いので、そっちの耐性無くて遠慮してる人も是非読みましょう。むしろ「女装男子モノ」だと期待して読むとちょっと物足りないかも?

ただ、こういう物語に萌え全開なイラストがついているのはある意味勿体無く感じたりします。
これはぜひとも女の子にも分け隔てなく読んでほしい作品。温泉ネタらしい次巻に期待です!


この作品読んでて、「何かににてるな?」と強烈なデジャヴを感じていたのですが、
昔なかよしでやってた高瀬綾の「せりなリニューアル」って作品に似てるんだなー。
こっちは女の子同士の入れ替わりモノで女装要素はないのですが、
「SH@PPLE」が気に入ったならおそらくツボに来るんじゃないかと。
併せてオススメしてみたり。
せりなリニューアル (講談社コミックスなかよし)


おと×まほ4

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

「ちょっ!?のぞきはまずいと思いますの!」
漸く戻ってきた母親・此方の提案で、魔法少女達全員で慰安旅行と称し温泉に行くことになった。温泉に入ってゆっくり疲れを癒す彼方だったが、実は女湯の方ではとんでもない計画が進行していた!?
   個人的お気に入り度数
もうこのシリーズって、「女装」モノっつーより「百合」モノだよね。
彼方が男の子である意義や必要性が感じられない時点で、「女装」モノとしてはちょっと駄目だよなー。一発ネタとして読むには面白かったと思うのですがシリーズとして長期化するとシリーズが進むごとにそういう部分が薄れていってるように感じます。どちらかというと、彼方を男にすることで魔法少女たちとの百合な絡みシーンを不自然にさせない意図を感じるというか……。

明日野丈や古伊万里みさらの彼方と出会うきっかけ話が語られる「甘いお菓子が食べたいわ♪」がすごく良かったです。単なる変態セクハラ男だと思っていた明日野丈のさりげない心遣いに惚れました。普段のどつき合いの裏で隠された、二人の深い信頼関係がすごく良かったです。同時に、彼と出会う前の“笑わない”彼方に興味が湧きましたね。自分の容姿について今ほど割り切っていない彼方が丈やいいんちょと出会うことにより少しずつ自分自身と折り合いをつけていく様子が描かれたら面白いんじゃないかと思いました。勿論、丈の告白という大きな節目はあったんでしょうが、それをきっかけに「少しずつ変わっていく」彼方の姿が見たいです。

あと、アニメイト限定版と通常版表紙と、本編とのリンクに噴いた!!!w
いっそアニメイト限定ではなくて普通に両方の表紙で2バージョン出して、どっちの売り上げが良いか調べればよかったと思うw
ちなみに私は明日野丈派です。タキシードこなたんモエー。

しかし、残りの2編は悪い意味で「いつも通り」でうーん…悪い方向で中途半端。温泉ネタは他のラノベ作品であったようなな、もっと激しい応酬を期待してしまったこっちが悪かったんですが…。百合ギャグに走りたいのかシリアスに走りたいのか中途半端な印象を受けました。

そして彼方が女の子になってしまった一週間の話「少女な彼方の一週間」は、元々あまり好きではない性転換ネタであるということを置いておいても微妙。どうせ少女になった彼方の話を描くならもっと盛大にはっちゃけるべきだった!!体育の時間の話といいグレ子にバレそうになる話といいどちらも全く「バレてしまうかも!」という緊張感がなさ過ぎる。もっとドッキリハプニングが欲しかったです。特に後者は押しの弱いグレ子だけじゃなく依お姉さんもその場に居て、胸の真偽を確かめるという名目で追い掛け回されるくらいの勢いが欲しかった。

3巻ラストで彼方が男に戻ったのは既に確定している事項なので、戻れるか戻れないかの緊張感も足りないのも致命的でした。こういうのを入れるのならば彼方の性別が戻ったかどうかはこの短編の最後まで伏せておいたほうが良かったと思うんですよね。なんかあらゆる意味で「ぬるい」短編でした。

後書きで3巻の際に賛否両論で色々悩んだみたいな記述がありますが、ここいらで女装少年モノとしての当初の路線を貫くのか、女装もアリのセクハラTS物として本格的に百合方向に進んでしまうのかをはっきりとさせたほうが良いと思う。「色々な方向をやっていきたい」とのことですが、今回の短編集はあまりにもどっちつかずで、中途半端です。女装派とTS派どちらも手放すまいとしてすっ転んでしまった印象が拭えません。

ぶっちゃけ、気に入らなかったらファンは切るだけなんですから、一部のファンの意見なんか気にしないで自分の好きな方向に行けばいいと思うんですよ。彼方にはそれだけの魅力があるんだし。ある程度、方向が合わないファンを切り捨てる覚悟も必要だと思うのですが。(まあ私は今後もTS展開が頻発するようなら切ると思います)

【オマケ】なんとなく脳内に浮かんだ、「おと×まほ」派閥表。

かなたん可愛いよ派
  │
  ├─ かなたんは男だからこそいいんだよ派(女装派)
  ├─ 今後TS変身ヒロインとして活躍すればいいよ派(TS上等派)
  ├─ むしろ3巻最後で女の子になっちゃえば良かったんだよ派(女の子派)
  ├─ こなたんや魔法少女の誰かとくっつけばいいよ派(百合派)
  └─ かなたんの性別は「かなたん」だよ派(性別:かなたん派)


女装萌えなライトノベル作品をその場の勢いでまとめてみた(修正版)

まいじゃー推進委員会さんの「落ち着け、その中の人は男なんだぜ?……なTS(性転換)ライトノベル」というエントリ(※サイト消滅のためリンク削除済)が何故かTSモノまとめエントリになってしまったことに血涙したその場の勢いで女装モノまとめエントリをやらかしてしまいました。基本的に「“女装”が該当キャラクターの特色の一つとして認識されており、それがシリーズの中である程度特色となっていること」というのを基準にして選んでいます。あと自分が読んだことのあるラノベ縛り。一応各キャラの作中での女装滞空時間率も載せているので御参考ください。

紹介形式上一部作品の紹介文に重要ネタバレが含まれる場合があります。
(※2022年7月18日:リンク切れを修正&紹介部分の文章などを調整しました)

2008年のラノベ界が誇る、二大人気(?)女装キャラ

誰が呼んだか「第三の性別」・木下秀吉(バカとテストと召喚獣)
滞空女装時間 : 30%以下 | 嫌がり度 : 20%(演技派)
傾向 : やや男性向 / むしろ性別「秀吉」向
一見美少女にしか見えない美少年にして、名実共に第三のヒロイン。文月学園「女装が似合う男子生徒」ランキングで「アンフェアである」という理由で候補から除外され、修学旅行に行けば一人だけ風呂を別にされ、水着のポロリでプールが血に染まる。ヒロイン二人を遥かに上回るサービスシーンの連続に、撃沈した男性の数は数知れず。ほぼ毎回女装シーンがあるのも一種のお約束です。
女装でスパッツはギリギリアウトでは!?白姫彼方(おと×まほ)
滞空女装時間 : 70%程度 | 嫌がり度 : 98%(最近下がってる?)
傾向 : ほぼ男性向 / 男だと思っているのは本人だけの予感
「かなたん」の愛称で親しまれる、男の魔女っ子。男なのに変身後の衣装がスパッツというのは冷静に考えるとセクハラでは……?それなりに男らしい性格をしているものの、わりと総受気質。クラスメイトの男女双方や魔女っ子仲間は勿論、母親や猫にもセクハラされつつ愛されちゃってます。最近はぼちぼちTS展開が混ざってきたので女装好きとしてはハラハラして見守っています。

元の姿とギャップがあるからこその「女装萌え」である。派閥のあなたに

“お嬢様”の正体は…跡見忍・鳴海千尋・藤間陽向・涼橋萌流(みずたまぱにっく。)
滞空女装時間 : 90% | 嫌がり度 : 不明(忍さんはおそらくノリノリ)
傾向 : どちらかというと少女向け?
表紙右側、他。お洒落に無頓着で男の子みたいに見える女の子が、名門女子校の「お嬢様」4人のお手伝いさんに……でも実は4人は男の子で……というお話。独特のテンポのある性別逆転系ほっこりラブコメ。女子校でのお嬢様としての姿と、寮での「素」に近い彼らの姿のギャップが良い感じでした。
真の姿はイケメン王子様。カーリーガード・アリソン(カーリー)
滞空女装時間 : 90% | 嫌がり度 : 50%(本意ではない)
傾向 : 格調高き百合のかほり。実態はベタベタな少女漫画。
表紙左側。主人公に色々と良くしてくれる同性の親友にして美しい黒い髪を持つ少女。しかしてその実態は……異国の王子。ヒロインの事が好きなあまり「残念なイケメン」になってしまう2巻が個人的には超ポイント高いですよろしくお願いします。
ファミ通文庫で一度打ち切りになって講談社文庫で新装版と続巻が出ているのですが、椋本夏夜さんの描くカーリーが完璧すぎるので挿絵も収録してほしかったんですって未だに暴れる。
性別を偽り生きる若武者・碓井貞通(魍魎の都シリーズ)
滞空女装時間 : 99% | 嫌がり度 : 0%(ノリノリ)
傾向 : 少女向/ギャップに萌えましょう
表紙左側。様々な苦難に遭い、自らの保身の為に性別を偽って生きる事を余儀なくされた、源頼光四天王の一人。本編ストーリーを見ると割りと現状をエンジョイしているように見えますが、外伝「花に嵐の喩えもあれど」では貞通の知られざる過去が明かされます。「男性として」の貞通とのギャップ萌えもしっかり完備。「女装はギャップだ!」という貴女にオススメしたい作品。

人の好みは人それぞれ。……女装の理由も人それぞ…れ…?

ただし記憶は残らない。葉山辰吉(えむえむっ!)
滞空女装時間 : 不明 | 嫌がり度 : -100%(ノリノリである)
傾向 : これをBLを言って良いのか悩む。
表紙になってなかった。ドM体質な主人公を見てもヒかずに優しくしてくれる貴重な親友。しかしてその実態は1巻時点での恋のお相手…!?というわけで、賑やかで不良のような元の外見と、おしとやかな和風美人な女装挿絵のギャップでの破壊力はバツグン。主人公との関係はBLといえなくもないような、人格もスイッチしてしまうのでBLではないような……と悩むやつ。
F組に降臨した裏アイドル(?)・アキちゃん(バカとテストと召喚獣)
滞空女装時間 : 10%未満 | 嫌がり度 : 100%(ただし終盤では慣れた)
傾向 : 良くも悪くも秀吉と方向性逆だった。
「女装の似合う男子生徒」「同性愛の似合う男子生徒」「こいつにだけはバカといわれたくない」ランキングで三冠を達成し、気がついたら数冊に1回くらいのペースで女装をさせられており、親友とは常時同性愛疑惑をかけられる可哀想なバカ。女装時の姿は“アキちゃん”としてブロマイドまで販売されているようである。序盤の恥じらいぶりがめちゃくちゃ好みだったんですが、原作終盤では完全に慣れちゃってましたね……。

男女の双子は女装のサイン!?入れ替わり系女装ラノベ

双子の姉と入れ替わって女子校へ…淡路雪国(SH@PPLE)
滞空女装時間 : 70% | 嫌がり度 : 90%
萌え傾向 : 割りと王道の双子入れ替わり系ラブコメ
クールでかっこよくて同性からモテる姉と平凡でちょっと弱気な弟。見た目はそっくりな双子が入れ替わってお互いの学校に通う入れ替わり系学園ラブコメ。基本的に2人の入れ替わりをきっかけにして入り組んでいく関係性を楽しむ正統派なラブコメなんですが、4巻のカラー挿絵が最高に「女装萌え」だったのでヨシ!!!
死んだ姉のために自ら女装して……桂高志(ふたかた)
滞空女装時間 : 60% | 嫌がり度 : 120%→30%
傾向 : ちょっとエロい
表紙左。交通事故で死んだ双子の姉・瑞希の霊に取り憑かれ、気がついたら女装させられていたという実にかわいそうな弟くん……と思いきや、とある事情で姉の為に自ら女装の腕を磨くハメに。こちらも結構正統派な青春ラブコメですが、割りと生々しい描写が多くて萌えというよりはエロに近いかも。

なんなら男子の姿とか出て来ない

女装したらモテまくり!?藍原ヒカル(アストロ!乙女塾!)
滞空女装時間 : 99% | 嫌がり度 : 30%(最初は嫌がってたけど…)
傾向 : 対読者よりも作中ヒロインがなぎ倒されてる
表紙右。なんの取り得もないオタク少年が何故か女装したら「完璧な美少女」になってしまい、その可愛さで並居る美少女達を陥落させていく。女装姿で女性のハーレムを築いていくという異色作。終盤はなぜか異能バトルでした。なお最初に女装させられてから基本的に戻らないという徹底ぶり。
見た目は美女だが心は漢・すめらぎ(ゼランディーヌ 〜性悪ないばら姫〜)
滞空女装時間 : 100% | 嫌がり度 : -30%(おそらくノリノリである)
萌え傾向 : 見た目はどうみても百合。
表紙右。田舎から出てきた純粋無垢なヒロインを振り回す、ワガママサドデレゴスロリ女装少年。ちょっとイった笑顔で日本刀を振りかざす姿は、性癖に刺さる人はめっちゃ刺さりそう。見てくれは百合ですが「百合」として萌えるには無理があるくらい中身が男性なんだよなあ……ちなみに男姿は出てこなかったです。

番外編:1回キリの女装イベント系で好きなやつ。
■ いーちゃん (クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子
 赤い人の依頼で女子高に潜入することになり、そこの制服を着ることになるネタが。
 ちなみにセーラー服です。まぶしいゼ!!!
 挿絵は……手元にないので確認できません。ありましたっけ?
 コメント欄で御指摘いただきましたが挿絵あったそうです。
 当初はもうちょっと女装ネタを挟む予定もあったとか……な、なんて残念な!

■ 渋谷有利 (息子はマのつく自由業!?
 少女レーベルは除外しようかと思ったんですが、せっかくなので一応。
 小さい頃の有利が母親に女装させられる話があります。挿絵もあり。正直、超萌えた…。

■ 椎堂密 (殺×愛 4?きるらぶ FOUR?
 文化祭で女子生徒の制服を着て女装するネタがあります。通称“密子”ちゃん。
 挿絵もありますが…個人的にはもっと気合入れて描いてほしかったぜ…。

■ 城島晶 (れじみる。Junk
 同じく、こちらも文化祭の出し物で女装するハメに。こちらはメイドさんです。
 挿絵がミニキャラしかなかったことに、本気で絶望した……orz

■ 二階堂勇樹 (疾走する思春期のパラベラム 灰色領域の少女
 ライバルグループの頭の少女との取引で、なぜか1日メイド体験をすることになる映研部長。
 しかしこのシリーズのキモはやはり勇樹の女装ネタよりも副部長・尾褄とのBL疑惑でしょう。
 条件を聞いてまるで勇樹の彼氏のようにワタワタする尾褄の姿は必見です。

■ ネイト・イェレミーアス (黄昏色の詠使い6 そしてシャオの福音来たり
 男子禁制の女の園に飛び込んだボールを回収する為、同級生達の手により女装を余儀なくされるネイト。
 なんだこの破壊力。素養あるとは思っていたけどここまで可愛いとは思わなかった…必見!!


えむえむっ!

[著]松野 秋鳴 [絵]QP:flapper

佐渡太郎は先祖代々にその血が流れる由緒正しき(!?)ドM体質。自らの初恋成就のため、ドM体質の克服しようという決意をして『願いを叶えてくれる』という噂を持つ第二ボランティア部に足を踏み入れるが、部員の一人が太郎のドM体質を開花させるきっかけを作った少女で…
   ( 評価不能 )
いやあの、なんていうか、なんとコメントしたら良いのやら……

「主人公がドン引きするくらいのドM体質」というのは読む前から聞いていたんですが、噂に聞くのと実際に読むのでは天と地ほどにも差があるというのはこのことかと生まれて初めて実感した気がします。……体質だと、それがどうにもならない遺伝体質だとわかっていてもやっぱり主人公がキモイ。正直この「ドM体質」はこのラブコメにおけるコメディ部分を受け持つ重要な要素であることは理解できるのですが、人間には、理屈では判っていても我慢できない「生理的嫌悪感」というものがあるのだということを思い知った気分です………コメディで済ませるレベルじゃねえぞ!!!

えーと内容としては、正太郎まで変態になっちゃった「ボンボン坂高校演劇部」という印象でしょうか。あの漫画は正太郎が唯一の常識人だからこそ成り立っていたのに(後半ちょっと壊れてたような記憶があるけど…)、この物語では最初から唯一の良心のはずのポジションがどうしようもなく陥落してしまっています。

なんか全体的に、キャラクターが肌に合わなくてきつかった。主人公のドM体質にもドン引きだったし、ベッドに潜り込んで近親相●を求めてくる母親&姉にもドン引きだったのですが、それ以上に辰吉の女装が……うわああああん!!!ぶっちゃけ「女装少年」という言葉を期待して買ったという裏話があるだけに本気で泣いた。あれはないわ…前半の“シホリ姫”のくだりあたりまでは結構良かったのですが、その後辰吉の才能が開花してしまったところで漢泣きした。……先生、ムリです……アレに萌えるには、女装少年萌えスキルよりもオカマ属性萌えスキルが必要な気がしてしょうがありません……イタイケなオトコノコに女装させて、頬を染めながら嫌がる姿をみて萌える私にはもう……もう……(えぐっえぐっ)

……ただ、もうとにかくキャラクターは駄目だったのですが、主人公の家族以外の女の子キャラがかなり魅力的なのと本筋は結構…いや、文句なしに面白かったのは本当にどうしたらいいのでしょう。ツンデレっつーかむしろサドデレ?な石動先輩が時々見せる、後輩思いの優しさには思わずグっとくるものがありますし、嵐子と太郎が不器用ながら少しずつ二人の距離を詰めていく(文字通りの意味で)姿は素敵でした。過去のトラウマに怯える嵐子の所に太郎が駆けつけるシーンは、ドM体質をそんなところで利用するのか!!!と噴き出してしまいました。そしてラストの殴り合いのシーンが熱過ぎる。それまで駄目人間すぎだった部分を散々見せられてきたからこそ、最後のシーンでは胸が熱くなった。ほんと、あの体質がもうちょっとアレなら、結構好きなタイプのキャラなのに、もったいないなあ…!!

いやもうなんていうか、本当に新しすぎるというか私には完全に評価不能。
どうしても一部キャラへの生理的嫌悪感が……物語の本筋は面白かったんで、あと1?2冊くらいなら読んでもいいかなーと思うんだけど、正直キャラが受け入れられないのが致命的すぎる気がするのでサクっと切ってしまった方が良さそうな気が……ラブコメ強化方向に行ってくれるなら読みたいのですが、これ以上ドM体質とか女装趣味とかに磨きがかかると、挫折しそうな予感でいっぱいです。

4巻に入るという噂のBL展開が気になって手を出したシリーズなのですが、太郎と女装モード辰吉でBLっていう話だったら、正直いらないかなー……


ゴッデス!2  美少年のお世話って大変なの!!

[著]ひかわ 玲子 [絵]近衛 乙嗣

イグドラシルの力を借り、元の世界に戻ったアキラと桜羅子。しかし、二人を待ち受けていたのは誰も居ない、瓦礫ばかりの廃墟と化し滅亡した街の姿だった…。仕方なく神々の世界へと舞い戻った二人は未だ“神”の力を持たず、戦力的に役立たずの宙良のパワーアップを図る——!?
   個人的お気に入り度数
神々の世界で神殺しによって“神”になった少年少女達が百合百合したり血なまぐさいドロドロを繰り広げるシリーズ第二段。少しずつ世界の謎が見えてきた一方で謎が深まったり新たな謎が生まれたり………むしろそれは総合的には余計謎が増えたというようなっ!?

今回は、1巻では割合空気だった美少年従兄弟・宙良が大活躍(?)します。大活躍……というよりはむしろ完全に2巻でヒロインのポジションを確立した感がありますが。ヘタレで駄目な子に目が無い私としては大変喜ばしい事です。絽貴くんと張り合うのに、今更明らかに無関係な得意科目の話を出す辺りが最高にヘタレwしかし、カラー挿絵で月を背にする宙良くんが非常にかっこよかったので、密かに彼の成長と大活躍と虐げられっぷりを楽しみにしている私なのでした。というか、目次のところを見た限り、「キャラの!」本誌掲載時にはひょっとして、囚われのお姫様モードで鎖に繋がれてる宙良のカラー挿絵とかあったんじゃまいか……本当にあったんだとしたらすげえ見たかった。

そんなヘタレもといいらない子もとい宙良くんですが、予想通り重大な秘密が…。後半で宙良が謎の狼と遭遇して以降の展開はとにかく重くて、欝で、ドロドロ。宙良がヴァーリー神に取り込まれた恋人の璃李と再会するシーンは素晴らしい悪趣味っぷり(←褒め言葉です。)。

さてさて、今回この“神々の世界”が北欧神話を下敷きにした世界であることが明らかとなるわけですが、そうなると名前的に明らかに何かの関係ありそうなキャラクターがいらっしゃるわけで…ぶっちゃけお名前を聞いたときから「ひょっとして北欧神話とかラグナロクとか関係あるのかな?…?」と思っていたので思わずニヤリとしてしまいました。また、更に悪趣味な方向になりそうだ…。このシリーズの悪趣味さはかの「バイトでウィザード」や「Missing」、「ダブルブリッド」にも通じる程のものがあるので、是非ともこのまま悪趣味全開で頑張って行ってほしいです

……しかし、連載ペースでこれだけかかるってことは、次の新刊は来年か…?あと、やはりこの悪趣味な本編に、超ハイテンションなあの後書きはあんまりだよ…悪くも悪くも雰囲気壊しまくりだよ…!!この後書きは、ある意味本編以上に悪趣味だ……。


文庫版「空の境界(上)」+映画版1〜3章感想

 

2年間の昏睡から目覚めた少女・両儀式(りょうぎしき)が記憶喪失と引き換えに手に入れた、あらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”。浮遊する幽霊の群れ。人の死を蒐集する螺旋建築……。この世の存在のすべてを“殺す”、式のナイフに映る数々の怪異。非日常の世界は、日常の世界と溶け合って存在している。 あの伝説の同人小説の講談社ノベルス化が満を持して成就。“新伝綺”ムーブメントの到来を告げる傑作中の傑作がいま新生する!!

映画と同時進行で1ヶ月1章ペースで再読を進めていた「空の境界」、漸く文庫版の上巻分まで読み終わったので映画版とあわせての感想を。どちらかというと映画版感想の比重が高いかも。

1/俯瞰風景
実は私、映画化決定直後に再読を決意して、1章読みきるのに1週間を要して力尽きたという素晴らしい体験をしました。映画のパンフレットに掲載された解説に「わざと難解な作りにした」との言がありますがぶっちゃけそれから判断すると私は一応最後まで読んだものの、確実に“奮い落とされた”側でしょう。空の境界という物語は元々判り辛い物語に7章の時間軸がバラバラに配置されていることで更に読みづらさを上げている作品ですが、この「俯瞰風景」という物語は物語の中ですら時間軸が錯綜します。そこに良い具合で橙子さんや幹也の薀蓄が入り込み……で、一言で言えばとにかく読み辛い。

…で、この時間軸の錯綜が映画版では発生しないのでかなりシンプルな物語として描かれます。映画版のビジュアルで補完しながら読むと、あれだけ解読に時間のかかった1章があっさり数十分で読めました。1章で投げてしまっている人は、とりあえず映画版を観てから本編を読むのもアリかと思います。この文章ならではの「読みづらさ」が解消されると物凄く面白いんですよね、実際のところ。

それで映画版の方ですが、個人的にはテーマソングもストーリーも、今までに見た3章の中では一番好きだったり。「銀幕で観る」事を意識した効果音にはとにかく惹きこまれるし、ビルの上を浮遊する少女達というどこか現実離れした風景は美しい。屋上で繰り広げられるバトルシーンもどこか現実離れしたかっこよさが…。そして田中理恵さん演じる巫条霧絵の最期の独白シーンには泣かされました。この回だけ2回見に行ってしまったのですが、とにかくあっという間の1時間でした。

あとハーゲンダッツの殺傷能力が高すぎます。式可愛いよ式。

2/殺人考察(前)
高校生時代の幹也が式と出会い、式が昏睡状態になるまでの話。最初に本編を読んだときも一番内容を覚えていた話なんだけど、やはり1章&3章と比較すると全然読みやすかった印象。実はというか予想通りというか、この話に登場する式のもう1つの人格“織”が凄い好きなので、織と幹也のデートシーンではニヤニヤが止まりませんでした。ちなみに映画版のデートシーンではもうひとつ、「月姫」シリーズ好きには思わずニヤリな仕掛けが。

映画版は幹也と式(織)の日常がメインになる分、他の2章よりも冗長な印象を少しだけ受けました。というか、内容を全く理解できてなかった1章・3章と比べて内容をそれなりに覚えていたのが逆に冗長さにつながってしまったのか…でもまだ初々しい二人のやりとりにニヤニヤ出来る、良い話です。式の笑顔が結構良い確率で見れるのも個人的には美味しい。後半殺伐だけど気にしたら負け。

余談ですが、織と幹也のカップリングはやはり腐カップリング扱いなのでしょうか。うーむ。1章・2章終わったあとに「コクトーはヒロイン!!コクトーはヒロイン!!と騒いでいたのは何を隠そう私です。

3/痛覚残留
式が目覚めて2ヵ月後に起こった、式が左腕を失うきっかけとなる話。出番が空気でお姫様状態な1章、なんとなく妙に悟った感じの高校生時代な2章と比べ、不思議と3章の幹也が凄く人間臭く感じてました。それまで解説担当というか薀蓄担当みたいな印象があった彼がアクティブに動く姿が見れるからかな。しかし、1度読んでる筈なのにカケラも内容を覚えていなかったのはなんでだ…orz

映画版を観た後に原作を読んだら、かなり様々な部分が削られてシェイプアップされてますね。藤乃と幹也のやりとりは相当短縮されてますし。ただ、だからこそ「映画を見た後に原作を読んだら、映画では判らなかった部分が理解できた」というのが結構多かったように感じます。かといって、映画がつまらなかったと言うことは全く無く、細かい描写を省いた分バトル面が引き立っていたような。バトルシーンは3章が一番気合はいってます。式と藤乃の超能力者対決は特に必見。

ちなみに映画版は始まった途端にいきなり「ギッコンバッタン」です。
擬音が何を示すかは推して知るべし。
てっきりグロ方面やファン層の関係でレイトショー公開だと思っていたのでこっちの方面で攻めてくるとは予想外でした。いや、確かに原作でもそういう類の表現あったけどよ!!!

映画版。ラストの式の笑顔は反則です。可愛すぎます。

総括
「空の境界」本編はとにかく難解で判り辛く、読みづらい小説です(少なくても私にとっては)。ただ、そのとんでもない読みづらさを無理に押してでも、ラストまで読んでしまうような魅力を持つ作品であると思います。解説の綾辻行人さんが評されているとおり、キャラクターにしろストーリーにしろとにかく「かっこいい」という言葉が似合う作品。

とりあえず映画を見て、ビジュアル面での補完を行ってから本編を読むと非常に読みやすくなるので、その辺で詰ってしまっている人にはとりあえず映画見るのを超オススメします。映画は本当にクォリティ高いので、原作を全く知らない人でも十分楽しめるかと。そして、該当する章を読んだ後で再度映画館行くと、文庫版で更に補完が出来ているので新しい発見があったりするかも。

とにかく、文庫版は単独で読もうとすると難解なんだよなあ……私の読解力が無いといわれればそこまでですが、特に「俯瞰風景」で投げてしまう人は凄い多そう。Web小説として掲載する際は確かにある程度読者の振り落としを必要としたのかもしれないけど、それが現在まで残ってしまっているのはなんだかもったいない。

あと、今回映画版を見てつくづく思ったのですが、やはり奈須氏の文章はビジュアル面での補強がそろって初めて真価を発揮するんじゃなかろうかと思うのですよ。「DDD」ではその読みづらさは多少なりを潜めた印象がありますが、やはりどこか読みづらい印象は拭えない。その読みづらさが、「月姫」や「Fate stay/night」では全く感じられないんですよね。別に文章力が無いとかそういうことを言いたいわけではなく、ただ「そういう」文章なんじゃないかと。だからこそ、やはり小説版で満足している人も映画版を一緒に見て欲しいなあと思う。「小説版」「映画版」の相互補完によって空の境界という作品は初めて完成するのではないかと、そういう印象を受けました。

そして映画版。とにかく効果音とかが映画の大迫力で観ることを前提に作られているというカンジなので、観れる環境があるなら是非映画館に見に行くべき!!と主張したい作品です。…とはいうものの、常時満員御礼&Web予約は日付変更後数分で完売という状態が3ヶ月続いているので相当の気合とか根性が必要となりますが…上映映画館少ないし、地方じゃやってないし。あと男性比重が極端に多いので、個人的に女性一人では入り辛い雰囲気が結構ありますね。女性一人で行って立見とかになると相当きついかも。でもそんな障害を乗り越えてでも、見に行く価値のある映画だと思います。

最後に、映画が始まる前のクレイアニメーションは型月厨的に超必見。猫アルクとかやさぐれ凛とかが何気なく出てきて、ファン心をくすぐりまくりやがります。
DVD化の際は当然映像特典として収録していただきたいところ。


ネクラ少女は黒魔法で恋をする

[著]熊谷 雅人 [絵]えれっと

空口真帆は自分に自信がもてない、内気でネクラな少女。『黒魔法』というあだ名の通り、黒魔法を趣味として内心周囲の人々に毒づく日々を送っていたがある日本当に悪魔召喚に成功してしまう。「なんでも望みを叶えてやる」と言う悪魔に、クラスメイトを見返してやろうと「美少女にしてください」と願う真帆は、代償として“恋をすること”を禁じられるけど…
   個人的お気に入り度数
内気……というよりは根暗で脳内だけ毒舌な少女が黒魔法で美少女に変身(?)し、少しずつ人間関係を築いていくというラブコメ。

最初の方の、周囲に壁を作って勝手に被害妄想を繰り広げ、自分の努力を棚に上げて毒づくばかりの真帆の姿は、ヒロインとしては新しいというか面白いと思う反面、それ以上に「痛々しい」と思えてしまったんだけど、最初があまりにも痛いだけに、そんな彼女が悪魔との契約を経て“変身”したのをきっかけに自ら変わっていこうとする姿はかなり好印象でした。

物語の本筋自体はありがちと言うかかなりベタベタで、悪魔契約の当たりで結構後半のオチ付近までなんとなく内容が予想できるようなものではあるのだけど、それ以上に真帆のキャラクターと、そんな彼女が変わっていく姿が印象的で、面白かったです。特に影で自分の悪口を言っている(…と真帆が信じ込んでいる)少女から“空口さん、可愛くなったね”と褒められて、内心こっそりデレてしまう描写とかもう、最高。

というか、ここまで酷くはないにせよ自分にも結構こういう一面(被害妄想、内心で毒吐きまくり)があるので、真帆が毒付くシーンにしても被害妄想にかられるシーンにしても「いてえなオイw」と思う反面で、「あるあるww」と共感できてしまったのが運のツキでした。恋なんてしない、と悪魔の条件を呑んだのに目の前に素敵な先輩が現れて…どんどん変化していく主人公の姿が印象的。前半の内向的な姿とはうってかわった積極的な姿に、人はこんなに変わる事ができるんだとなんだか胸が暖かくなりました。主人公をとりまく周囲の人々も良い人たちばかりで和まされました。

個人的に1つだけ気になったのは、大河内さんの扱いくらいか。かませ犬状態なんだから、もうちょっとないがしろにされたことを怒ってもいいと思う…というか、もう少し物語の本線に絡ませても良かったような。あと、本文の印象だと「外見はゴツくて可愛くないけど性格のよさで人を惹きつける子」というイメージだったのに、イラストは思いっきりちっさい美少女だったのが違和感感じましたね。イラストはそれ以外の部分は大成功だと思うんですけど。個人的にもえれっとさん好きだし。

ラストは賛否両論あるみたいだけど、個人的には悪魔との契約の力ではなく自力で変わっていく「ネクラ少女」の姿が見たいので、続編があると判って大喜び。近いうちに続きも読んでしまいたいです。


ツァラトゥストラへの階段2

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

“パルス”に感染して異常な能力を得たもののそれが日常生活に生かせる訳でもなく、むしろ能力の影響で何をやっても失敗ばかり。自らの能力をもてあます福原の元にパーティへの招待状が届いた。情報収集も兼ねて舞には内緒でそのパーティに参加するが、彼を待ち受けていたのは新たな“囚人ゲーム”で…
   個人的お気に入り度数
例によって悪趣味なゲームルールだのドロドロな信頼関係は絶好調で、良い意味で“いつも通り”のクォリティを安心して楽しめる印象になってきた気がする土橋さんの新シリーズ第二段。

今回は「キング」「クィーン」の役割を持つ男女が20組のペアとなり、周囲を探索しながらチェスゲームにも似た陣取りゲームを繰り広げるというお話。福原とペアを組んだ女性・カレンはどうみても腹にイチモツもってそうな感じでしょっぱなからギスギスフィーリング全開だし、前回で福原の手で痛い目に合わされた人物が敵「キング」として登場したり、「クィーン」にもまさかの彼女が参戦したり…と相変わらずの容赦ない展開が素敵です。精神的だけでなく、今回はプレイヤーである福原達にも直接的な暴力的な危険が迫り、また能力の使いすぎによる肉体的に痛々しい展開も目白押し。

今回のラストで必ずしも主人公側が勝利するわけではないというのが立証された訳だし、ますます続きがどうなるのかわからない展開に。続きが非常に楽しみです。あと今後のあとがきの動向も非常に楽しみです。なにこのカオスな後書き!

ただ“囚人ゲーム”を中心としたストーリー展開は非常に面白くて、物語の中に引き込む力も強いんだけど、前シリーズと比べるとどうも丸くなってしまったというか、キャラクターが薄いのはライトノベルとしては結構痛い気がするのですが。由紀・舞・飛鳥の3人がヒロイン格ということになるんだろうけど、3人が3人で存在感を食い合ってどれもインパクトに欠ける。

やはり「扉の外」好きとしては正樹愛美級の強烈なキャラが出てこないのがちょっぴり物足りなかったりするわけです。どれか一人適当に淘汰しても構わないので3巻以降でもっと強烈なキャラ付けを!マジお願いします!

あと、これ言っちゃおしまいかもしれないけどやっぱ異能バトル設定いらないとおも(ゲフンゲフンゲフン)なんか全体的に、行き詰ったらトンデモ能力が開花してなんだか僕らがよくわからないうちに片付けちゃいました!!みたいな展開が多くて、ちょっとその辺が不満だったり。


「バカとテストと召喚獣」派閥表を改変してみた

元ネタ:「バカとテストと召喚獣」派閥表を作ってみた(平和の温故知新さん)

「適当に持ち帰って改変していただいても構いません。」とのことなので、光速で改変してみました。バカテス話題に食いつき良すぎですいません。秀吉は「性別超越派」がイコール王道派であるという認識なのですが、駄目ですかこれ。あいにくはてスタはありませんがコメント欄あたりで適当に主張とかしていって戴くのは大歓迎です。最後の派閥は自分の趣味です。

ちなみに私は……明久派の派閥全部に所属したいって言うのは駄目ですか!?



バカテス面白いよ派
  │
  ├─ 明久派
  │   │
  │   ├─ バカさ加減が素敵だよ派(明久王道派)
  │   ├─ 女装してこその明久だよ派(明久女装派)
  │   ├─ 雄二×明久だよ派(BL派)
  │   └─ ドジッ子な明久可愛いよ派(「僕とバイトと危険な週末」新派)
  │
  ├─ 秀吉派
  │   │
  │   ├─ 秀吉の性別は「秀吉」だよ派(秀吉王道派)
  │   ├─ 秀吉は男だからこそ素敵なんだよ派(秀吉「女装」派)
  │   └─ 女としか思えないよ派(過激派)
  │
  ├─ ムッツリーニ派
  │   │
  │   ├─ ムッツリーニを師匠と崇めたいよ派(ムッツリ馬鹿一代派)
  │   ├─ 盗撮したヒロイン達の写真をよこせよ派(デバガメ派)
  │   └─ ムッツリーニを抱きしめてあげたいよ派(ムッツリーニは俺の嫁派)
  │
  ├─ 美波派
  │ │ │
  │ │ ├─ ツンデレが素敵だよ派(美波王道派)
  │ │ ├─ ペッタンコな美波が可愛いよ派(貧乳原理主義派)
  │ │ └─ いっそ美春とスールの誓いを結べばいいよ派(百合姉妹派)
  │ │ 
  │ └─── そんなことより妹可愛いよ妹派(葉月派)
  │
  ├─ 翔子派
  │   │
  │   ├─ クーデレが素敵だよ派(翔子王道派)
  │   └─ 雄二の代わりにお仕置きされたいよ派(翔子過激派)
  │
  └─ 瑞希派
      │
      ├─ 真のヒロインは彼女だよ派(瑞希王道派)
      ├─ 姫路さんは巨乳だよ派(巨乳原理主義派)
      └─ 姫路さんは実は黒いんだよ派(黒ヒロイン推奨派)


試召システムいらないよ派
  │
  ├─ 3.5巻が一番面白かったよ派
  └─ むしろ1巻で切ったよ派


4巻以降の泥沼展開に期待しちゃうよ派
  │
  └─ 姫路さんが言葉様、美波が世界に見えるよ派(誠死ね原理主義派)

ついでなのでオマケに考えてみました、「バカテス」カップリング派閥表

明久が誰とくっつくのか気になるよ派
  │
  ├─ ヒロインの誰かとくっつけばいいよ派
  │   │
  │   ├─ 幼馴染巨乳ヒロイン最高だよ派(姫路瑞希派)
  │   ├─ ツンデレ同級生も捨てがたいよ派(島田美波派)
  │   ├─ 秀吉は明久の嫁だよ派(木下秀吉派)
  │   └─ 妹を忘れてはいけないよ派(島田葉月派)
  │
  ├─ 普通にヒロインとくっつくんじゃつまんないよ派
  │   │
  │   ├─ 坂本雄二とくっつけばいいよ派(友情凸凹カップリング萌え派)
  │   ├─ 久保利光の恋が成就して欲しいよ派(ボーイズラブ推奨派)
  │   ├─ ムッツリーニ×女装明久とかありかもしれないよ派(明久のパンチラ萌え派)
  │   └─ 実は意表をついて秀吉が攻かもしれないよ派(秀吉×明久派)
  │
  ├─ 玲の存在に期待だよ派
  │   │
  │   ├─ 玲がブラコンの姉か妹でラブコメ戦線に加わってくればいいよ派
  │   ├─ 玲がブラコンの兄か弟で明久同性愛者説に拍車をかければいいよ派
  │   └─ 『同い年の従姉妹を忘れてはいけませんよ?』派
  │
  └─ むしろそんな簡単にくっついちゃ駄目だよ派
      │
      ├─ ヒロインを増やしてハーレムラブコメ化を希望するよ派
      └─ 三角関係からヤンデレ・流血沙汰を希望するよ派


明久の恋愛模様なんてどうでもいいよ派
  │
  ├─ 明久よりも雄二と翔子がゴールインできるかどうかが気になるよ派
  ├─ 美春の恋が成就するかどうかのほうが気になるよ派
  └─ ムッツリーニと工藤愛子さんって怪しくない?派

※ついったーにて「ムッツリーニが入ってません!」という指摘を戴いたので加えてみました。
 つまりこういうことですか!?よくわかりません!><
 ついでに自分の欲望にも忠実になってみました。


イヴ・ザ・ロストワン

[著]山田 桜丸 [原作]C's Ware

内調の新人・桐野杏子は着任早々ワールドトレードビルセンターで爆発事故に巻き込まれる。その時、一緒に事故にあった女性が殺害され、彼女はその事件を追う事になるのだが…。一方、ワールドトレードセンターを爆破した男は“アドニス”となる人物から脅迫を受け、“SNAKE”として動くことを余儀なくされる…。
  個人的お気に入り度数
桜庭一樹先生、直木賞受賞おめでとうございます!!

というわけで、急遽今月は「積んでいる桜庭作品を読もう月間」と決定してみたわけですが(といってもたった3冊しかつんでないんですけどね!)1冊目は桜庭さんがファミ通文庫からデビューする前、「山田桜丸」名義でゲームシナリオを担当された作品“イヴ・ザ・ロストワン”のノベライズ作品です。実は「EVEシリーズ」は一通りプレイ済、桜庭さんのノベライズ版もこの1冊以外すべて読んでいる私なのですが、「ロストワン」のノベライズだけは絶版になっていた関係で長らく手元になく、こうして漸く手に取ることが出来た、のです、が……これは正直ノベライズと呼んでいいのか……あまりにも出来が酷い。前半は特に「小説版」とは、とても呼べない。

まず、姿無き爆弾魔“SNAKE”の正体が明かされ、エルディアに舞台が移るまでの過程が、ダイジェストで必要最低限にしか語られていません。その為、この作品は絶対に原作ゲームをプレイした人以外にはオススメすることが出来ません。多分、前知識を全く持たずに読んだら何が何だかわからない上、“SNAKE”の正体だけ明かされてしまうという状態に陥るでしょう。この状態では原作ゲームをやってもちっとも楽しめやしない……本当にこれは、ゲームを既にクリアした人のための副読本扱いしてしまってよさそうです。

ただし、登場人物達がエルディアに舞台を移した後の展開は中々面白いです。ゲームをクリアしていればという前提条件が必要となりますが…。特に杏子とSNAKEの視点でのみ語られてきたストーリーに第三の人物である「プリシア編」を追加したのは上手かったと思います。というか、原作ゲームで「???」だった部分がかなりプリシア編で明かされたりするので、原作ゲームの展開が意味不明だったという人は読むと良いのではないかと。結構面白い事実が浮かび上がって来るし、<EVE>の眠りを護りながら、彼女の目覚めを待ち続けるプリシアの心理描写は流石という感じ。

また、SNAKEの行動の理由が明かされたのも良かったですね。結局原作のゲームだと正体が明かされるまでの杏子編ではあまりにも存在感がアレだし、最後の行動の理由も意味不明だし……とある意味謎に包まれていたSNAKEの心理描写が結構あったのは嬉しかったです。ただ、杏子がSNAKEの中の人に惚れてるっぽい描写は素で引いた。それはさすがに強引過ぎるよ!!!

ただ、残念だったのはなんでこれ、ゲーム内で補完してくれなかったんだ!ってことなんですが……プリシア編がED後でもいいので追加シナリオとして追加されたら、ここまでロストワンが糞ゲー扱いされることも無かったんじゃないかと言う予感が。

ロストワンというゲームは、「EVE burst error」という名作PCゲームの続編として作られ、大変に評判がよろしくなかったアドベンチャーゲームです。むしろ糞ゲーとして名前が知れ渡っているゲーム。実際改めてプレイするといろいろトンデモ設定があって、確かに「ミステリー」や「サスペンス」としては全く成立していないような気がします。ただ、その辺が気にならなければそれなりに面白いゲームだと思います。パソコンを通して語りかけてくる脅迫者「アドニス」の薄気味の悪さはかなり衝撃的ですし、プリシア&真弥子の一瞬の邂逅も好き。そしてエルディア編で訪れる終末的な描写はかなり圧巻のものがありました。その辺は凄くツッコミどころ満載な設定をさて置いても楽しんでプレイできたと思います。

実は私、EVEシリーズの中では一番この作品をやりこんでいたりするのですが。
今から考えると、新人賞をとった作家さんが書いてくる設定はめちゃくちゃだけど魅力はある、「B級ライトノベル的」なアドベンチャーだったかと。

…いや、なんていうか、凄く、「burst error」という名作の続編として作られたことで物凄く損した作品だと思うんですよね、これ。面白くないわけじゃないんだけど「burst error」と面白さのツボが全く違うので、前作ファンが怒り狂うのも理解は出来るんです。出来が悪いことを否定する気も毛頭無いし。

ただ、いっそ全くの別のシリーズとして作られてれば、あるいは…とか思ってしまう、今日この頃。



ところで、他に感想書いてる人がいないのかーと思って検索したら、「雲上四季」の秋山さんが感想書かれてるじゃないですか。

……と、とりあえず「ZERO」「TFA」「バーストエラープラス」のノベライズは面白いんですよっ!?3作品とも原作の前後を描いた番外編なので過度な原作知識は必要とされませんし、それぞれ女性キャラの心理描写に焦点を当てる事で「桜庭一樹」さんらしい作品になっていたかと思います。「ZERO」は1年ほど前に読み返してるんだけど、時間軸の関係で「主人公二人が直接出会わない」のを前提に、間接的に二人を協力させて1つの事件を解決させるっていう手法が絶妙で面白かった。

できればロストワンのノベライズは見なかったことに!



【2月27日 追記】
後天性無気力症候群さんの記事を見たらやらずにはいられなかった。
反省などしていない。(カバーのサイズがまるで合ってないけど)


最初期の傑作…間違っては居ない…よね?(黒歴史的な意味で)