すったもんだの末、無事に律花との初めての夜を迎えることができた狼士。張り切りすぎて年始早々「おあずけ」を食らってしまう微笑ましい一件(?)も交えつつ、初詣やバレンタインなどの楽しいイベントをこなしていく。周囲の人間関係も少しずつ変化していく中、ひょんなこと(義兄の策略?)からこれまでスルーしてきた狼士の会社の社員旅行に夫婦で参加することになり……!?
次巻ありきのイチャコラ中心回(今後の伏線っぽいのもあるよ!)
シリアス過去編から突然の◯道カ◯ーテルからの年明け合体祭り──急転直下激しすぎてジェットコースターも床が抜ける本編への繋ぎで相変わらずのキレ味を見せつけつつ、その後は3巻のあの大波乱・大団円を受けてシリアスも下ネタも控えめで平和ないちゃいちゃ展開のまま穏やかに終わる一冊でした。社員旅行回ということで、狼士を巡る女同士のバチバチがひたすら楽しかったです。最初は触らぬ神になんとやら状態だったふたりが幾多の衝突を通してなんだかんだでお互いに恋のライバルとして認め合っていく展開がすごく良かったし、狼士の前では出さない後輩ちゃんの「素」の姿がすごく印象的でした。後輩ちゃん正直1巻のころからあまり得意なキャラではなかったんだけど、今回の律花との本音を隠さないやりとりがめちゃくちゃ好みで一気に好きになりました。ぶりっ子というより図太いというか、良い意味でふてぶてしいキャラでいいじゃん、後輩ちゃん。
あと、何より鹿山と芳乃のふたりの関係性にも変化の兆しがあって、気になる……!!いつのまにやら素直になれない期を通り過ぎて両片思い状態になってたのびっくりなんですが、今後二人の関係がどうなっていくのか楽しみすぎる。いや、なんかもう鹿山って絶対にこの流れで踏んじゃいけない地雷踏んで死にかける(もしくは死ぬ)タイプのキャラだと思うんでそこは不安ではあるんですが……!!
個人的にはやはりシリアスとイチャイチャの温度差ありきの本作だと思っているのでシリアス比重の低さ(なかったわけではないが)に少し物足りない気持ちもあったのですが、それはまあいろいろな意味で3巻が激動すぎた所はあったよね。そして一見平和な社員旅行の裏で様々な新事実が明かされていたり、「機関」側の新キャラが続々と登場したり、今後への匂わせ展開があったり……前巻以上に伏線や匂わせを盛り込みまくった「次巻ありき」の展開をやってるのはめちゃくちゃアツかったです。いやほんとうに良くも悪くも5巻ありきの展開だったな今回。楽しみだなー。
ところで本編が割と普通にイチャイチャしてた反動なのかBook☆Walkerの特典SSがいろいろな意味でギャグ全開すぎてクソ笑った。好き。



















