今日もだらだら、読書日記。

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ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編3

 

「ごちゃごちゃと説明はあったが、要はクラス対抗のサバゲーで勝てってことだろ?」 3年生、最後の夏、今年の無人島試験はペイント銃を用いたクラス対抗のサバイバルゲーム。15×15マスに分けられたエリアを移動、出現する食料や銃弾を取得しながら、他クラスの生徒を倒し競い合う。最初に全滅したクラスは退学者選定のぺナルティが発生するため、攻守の戦略が重要となる。司令官の役職の生徒は5分毎にクラス別の色で表示された全生徒のGPSが確認できるため集団での行動が必須。 「頭はこっちが押さえてるが……どう動く、綾小路」「そうね……一歩リードしたはずなのに、それでもやっぱり怖いわね」「綾小路くんは負けない。ううん、私が負けさせない」 3泊4日の無人島特別試験、その決着は――!?

今年の無人島での特別試験はクラス対抗のサバイバルゲーム。3泊4日の期限内に定期的に追加される物資を確保しながらペイント銃を使って他クラスの「役職付き」を倒していくというもの。綾小路率いる3年Cクラスは初っ端から予想外の襲撃を受け、クラスの人数が少ない中で不利な戦いを強いられることに。各クラスの思惑が交錯する中、生き残ることは出来るのか……!?

よう実の夏、無人島サバイバル特別試験の夏。

昭和生まれのオタク私はルール説明聞いたときからずっと令和のオタクの私と「バトロワだ」「いやスプラだよ」「進入禁止エリアはバトロワだろ……!?」と戦争していたわけですが、最下位クラスは退学者を選ばないといけないルールやこれ以上負けるとそろそろ下位クラスに逆転の目がなくなるという状況や綾小路のクラス移動問題も相まって今までになく殺伐とした気配が漂っていました。表面上は直接対決なしだった1年次、個人のミッションクリアが重要で頭脳戦としての比重が強かった2年次と比較して今年の無人島は生徒同士を合法的にころしあわせようという学校側の殺意がエグい。

ライバルとなる堀北・龍園が綾小路の動きをめちゃくちゃ警戒していて、その結果大胆な動きを取れなくなっている姿が印象的でした。堀北は特に終始綾小路の掌の上で転がされちゃってた感。龍園も一見派手な動きをしているようで、追撃が甘いんだよなあ。それに対して元クラスメイトどころか現クラスメイトにすら手心を加える気が全くない綾小路と、彼を勝たせるために動くと決めた協力者・一之瀬のガンギマリぶりが凄い。良くも悪くも各クラスの「覚悟」の差が浮き彫りになった試験だった気がします。

いやでも、高円寺や綾小路がひとりで7人とか8人とかをアウトにしてくの見ると改めてやっぱおかしいわこいつらと思うしそりゃ堀北と龍園も警戒せざるをえないんだよ。綾小路も大概におかしいけど、綾小路よりも多くの人数を鼻歌交じりにアウトにしてそれでもなお余裕のある高円寺どういうことなの……物語の最終盤でこの二人がいつかぶつかったらどうなってしまうのか、今から楽しみすぎる。

「無人島サバイバル特別試験が終わるとどうなる?」「知らんのか?」

そんなこんなで不利な展開すらも利用して自分の都合の良い方向に導いていった綾小路の無双プレイが大変楽しい1冊でありました。余裕で目標達成した上で最後に龍園と「お楽しみ」の時間まで作ってうきうきで対決に臨みにいく綾小路マジで龍園のこと大好きすぎて笑ってしまう。いやでもあれは本当に良いリベンジマッチになりましたね……1年生編の7巻を昨日のことのように思い出す。

山村を盾にしようとして失敗して脱落する森下、対象的に石崎を盾にしてまんまと生き残る伊吹、Cクラスに対しやたらと殺意の高い平田(でもあれは橋本の煽りっぷりが……なんだこの元彼今彼対決は……)などなど過酷なサバゲーの中で細々と見えるいつもの面々の様子も楽しかった(?)のですが、何よりも最後の最後の衝撃発言に椅子から崩れ落ちた。そんなことってある!?(脳内に浮かぶコ○ラのネットミーム)

いやたしかにプロローグのシーンが全然繋がってないなとか船の中まで一緒だった2年生以下どうすんのとはおもったけど……いやあ……。

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「このラノ2026」に協力者として参加しました+自分の投票の話

『このライトノベルがすごい!』編集部(編集) 「このライトノベルがすごい! 2026」
『このライトノベルがすごい!』編集部(編集) (著)
宝島社

多分10年以上ぶりに「このラノ」に協力者として参加させていただきました。ブログやってますとか書いてあるのにURLもブログ名も載せてないうっかり者が私です(いやだって前に参加したときは別枠でブログURLの回答欄あったから今回も別枠で回答したような気持ちになってしまい……)

紙面の感想

今年から編集が変わって結構紙面も変わるよ!と聞いてたので軽く紙面の感想を。協力者票の新作率高くてすごい(こなみかん)。協力者増えましたね〜〜って思ってたけど前回と人数的にはほぼ変わってなかったので私の目が節穴でした。協力者推しの新作+Web票推しの人気作+殿堂入り作品は専用枠で紹介(今年原作展開が盛り上がった作品の紹介大きめであり)+新作を中心にランク外の作品も色んな角度から拾ってくる……という感じでランキングに絡めつつも色々な作品を紹介していくスタイル、作品紹介本としての需要高めな紙面で個人的には好みだった気が。

一つだけ不満点を挙げると「キャラクター部門」への投票がなくなった代わりに作品コメントの中で特にキャラクターへの熱量の高かったコメントの抜粋コーナーが出来てたんですが、なぜかヒロイン=女性キャラの紹介しかなかったのが個人的に不満です。そこは男女平等に魅力的な男性キャラも紹介してくれ〜!!!キャラクター投票の枠、ごく一部の超人気作品の主人公ヒロインしか入れない狭き枠だった上に殿堂入り作品でもキャラは投票可能で更に狭くなってたのでなくなったこと自体には賛成なのですが、ヒロインだけピックアップするならかっこいい主人公とか魅力的なライバルキャラのピックアップもしてほしい。

自分の投票

コメント採用されてなかったから安心して私の投票全部載せるぜ!!!!後ろの方に私の含め協力者さんたちの投票の1〜5位までが掲載されているので良かったら探してみてください。他の協力者さんたちの投票内容も見てみると結構面白いよ。ちなみにイラストレーター部門はとよた瑣織先生(伝勇伝)、福きつね先生(お嬢様バズ&配信に致命的に向いていない女の子)、三嶋くろね先生(ロクアカ、これが魔法使いの切り札)で投票しました。

順位は正直面白かった順というより「話題になってほしい順」ですね。魔王2099の6巻……!!!学園頭脳バトルの演出家の3巻……!!!!!頼む…………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

紫大悟「魔王2099」
舞台となる都市が変わるたびに大きく色を変える物語と、その中で少しずつ500年間の真実が見えてくる展開が楽しい。特に絶望の未来を変えるため、ベルトールがその謎を解き明かそうと奔走する第4巻がとても良かったです。あと魔王と勇者の仇敵でありながら最大の理解者という関係性が最高。
片沼 ほとり「俺は学園頭脳バトルの演出家!」→感想
人を楽しませるために演出家になりたいという主人公から時折垣間見える歪み、楽しませるという目的とは正反対の「目的のためなら他者がどうなっても構わない」というちぐはぐさが気になる物語で、その素顔の一端が明かされる2巻ラストが凄く良かった。学園頭脳バトルとしても最高に面白かったです!
佐藤悪糖「配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信」→感想
配信者とリスナーの会話によって成立するはずの「配信もの」というジャンルで、言葉を介さずに繋がる関係性を描いた物語が秀逸でした。勝手知ったる我が家のような空気感が心地よく、クール美少女かと思いきや人見知りでキョドってるだけという主人公の生々しい口下手具合があまりにも可愛い。
古宮 九時「成り代わり令嬢のループライン」→感想
絶望的な状況でも大切な友人達のために前を向き続ける主人公の姿がアツかった。また、世界がループする原因やどうして成り代わりが起きるのか……といった部分までしっかりと作り込まれているのが印象的で、終盤に至るにつれて世界の真実がひとつ残らず解き明かされていく感覚が気持ちよかったです。
鏡 貴也「大伝説の勇者の伝説」→感想
過酷な物語の中でようやく前を向いたライナが、かけがえのない仲間たちと共に最後の最後まで諦めず、生きるために手を取り合おうとする姿が印象的でした。とにかく終盤まで絶望しかなくて、そこから死ぬ気で一筋の光を掴み取っていく展開が凄い。このラストにリアルタイムで立ち会えて幸せでした。
神宮寺文鷹「孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い」
セカイ系と異能バトルの気配を漂わせつつ、「現代」を感じる物語。理解できずとも否定もしない主人公のスタンスが心地よく、彼のまっすぐな言葉で孤高の電波美少女だと思われていたヒロインの素顔が見えてくるのが印象的で、ふたりがすれ違いながらも現実と妄想に立ち向かっていく展開がアツかった。
葵せきな「あそびのかんけい」→感想
オタクくんとギャルがボドゲで遊ぶだけのラブコメ……と思いきや、物語が進むにつれて複雑怪奇にこんがらがっていく三角関係が良かった!全員がお互いに秘密を抱えた状態で繰り広げられる文字とおりの「あそびのかんけい」にドキドキ。これからどうなってしまうのか気になって仕方ありません。
服部 大河「はじめよう、ヒーロー不在の戦線を。」→感想
主人公らしい行動を取る事で能力を開花させる兵器を中心に、本当の主人公に必要な資質は何なのかと問いかけていく物語が良かった。それと同時に、ひとりの絶対的な主人公を失った後の世界で「二代目」主人公となった少年と周囲の少年少女達が繰り広げる青春群像劇としても最高に面白かったです。
酉柄レイム「稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる」→感想
オカルトやSFといった非日常すらも「芸風」として受け入れ、日常会話劇の中に取り込んでいってしまうVtuberものの懐の広さをこの作品で改めて垣間見た気がしました。普段は情けない弄られキャラだけど自身の中に譲れないものを持っている、中二病だけどまっすぐな主人公がまた良かった。
夕鷺 かのう「かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!」→感想
状況を「推し」や「薄い本」といった現代の同人誌に例えてコミカルに描いて主人公の苦悩やジレンマに共感させつつ、中世ファンタジーの世界観を逆手に取り自分が題材の創作されてもなんら動じないヒーロー…という対比が良かった。文字通り「同人誌が世界を救う」展開が奇想天外で面白かったです!

ちなみに最後まで入れるか悩んだシリーズは「お嬢様バズ」「組織の宿敵と結婚したらメチャ甘い」「僕らは彼女を王にする!」「サンバカ!!!」の4本です。

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フルメタル・パニック! Family3

 

テレサ・テスタロッサが『Family』シリーズに登場!
宗介とテッサ、まさかの夫婦(役)に!? 衝撃づくしの「フルメタ」新シリーズ、待望の第三弾!! 「今日は皆さんに頼みたいことがあって来ました」 家族そろってドタバタな生活を続ける宗介たちの前に現れたのは……宗介の元上官にして、かなめの恋の好敵手でもあったテレサ・テスタロッサ。そんな彼女(テッサ)が持ち込んだ依頼とは―― 「あら。ずいぶん他人行儀ですね。わたしたち夫婦ですよ?」 ――テッサが“宗介の妻”を演じ、偽物の四人家族としてギャングたちのパーティに潜入すること!? ※かなめは蚊帳の外! 宗介とテッサ、約20年ぶりの急接近。さらに、偽装家族として二人に同行する夏美と安斗にもトラブルが襲い掛かり……? エーゲ海のリゾート島を舞台に、仮初の相良家が暴れ回る!!

かなめを狙う組織が起こした事件を解決して、牛丼屋で一息ついていた相良一家の前に現れたのは、かつての宗介の上官である女性テレサ・テスタロッサであった。とある情報を奪取するためにかなめではなくテッサと偽装夫婦となり、子供達を連れてギャングのパーティに乗り込むことになった宗介の運命やいかに……!?そしてギリシャから帰国した宗介達は思わぬ人物と再会する羽目になり……!?

フルメタル・パニック!Girl's Line

結構初期から出るのでないの言ってたテッサがいよいよ登場する「ギリシャ エーゲ海 ドデカネス諸島の超高級ヴィラ」。かなめと百合っぽい絡みがあったり、安斗とのおねショタっぽい展開があったり……と色んな意味で魔性すぎるアラフォーテッサおばさん大暴れ展開に震えてしまった。蓋を開ければ少女時代の運動神経ポンコツテッサたんだったり恋する少女の残滓も感じて安心する部分も多かったのですが。

宗介・かなめ・テッサがあの距離感のまま大人になり、いつ火遊びが始まってもおかしくないようなところで最後の一歩は踏み出さずにいるみたいな雰囲気が感じられる、少年少女時代の成れの果てを感じるとにかく凄い話だった。宗介は本編でテッサのことちゃんとフってるしその後は距離をおいてる感なんだけど、それはそれとしてかなめとテッサがウィスパードであるという特異性もあって完全な他人にはなれないし、妻への一途さとは別に男としてテッサの「女」の部分を見せられるとドギマギしてしまう。宗介と同じくらいにかなめにもクソデカ感情を覗かせるテッサ、可愛く嫉妬を見せながらも突然「テッサとならいいよ」と3Pをほのめかすかなめ……なんていうか、生々しい、というのも違うかもしれないんだけど変な意味で3人の変わってしまった部分と変われなかった部分を見せつけられた感というか……話そのものは面白かったし3人の関係性は印象的だったんだけど、すげーなんか見ちゃいけないものを見てしまった感じあったな……キャラクターの「綺麗じゃないところ」まで余すことなく描いていくのはまさしく賀東招ニ先生の作風であるなと思うんですけど、それはそれとして……うん。面白かったんだけどこうねっとりとなにかのよくない後味が残ったな……。

それはそれとしてさすがに安斗相手は犯罪だしかなめと宗介の子供だと理解した上でそこに魅力を感じてるの大分アレなのでやめていただきたいです。これ以上アレしなくていいから!!

大貫さんがでてくるとなんでも面白いのでズルい

テッサの話からうってかわってどうみてもKADOKAWAみたいな住所の所に相良一家が間借りする「東京都千代田区富士見町のオフィスビル15階」、タイトルからして完全にふざけているわけですけど「あの」用務員の大貫さんが登場する回ということで完全に在りし日の短編のノリで笑ってしまった。在りし日のノリというか完全にかつての名作短編「善意のトレスパス」のセルフオマージュなんだけど、Familyシリーズに共通して流れる登場キャラクター達の「老い」を見事に描きながら、最後の最後でみんなの見たかった「在りし日の大貫さん」を完璧なタイミングでお出ししてくれるの本当にズルいんですよ。腹抱えて笑った。タイトルも作者もふざけてるけど挿絵が全力で悪ノリに便乗していくスタイルなのずるいとおもいます!!夏美の挿絵が犯罪すぎる。テッサ×安斗といい大貫さん×夏美といいどうなってんだよ今回。

そんな夏美が父と訪れた山奥でヒグマと対峙する外伝「アラスカ州ユーコン川流域の丸太小屋」、殺し含めて「なんでもあり」だったフルメタ本編から不殺を貫く「Family」へ移り変わっていく象徴みたいな物語でしみじみと良かったです。父である宗介がフルメタ本編を経て取り戻した人間性・殺人行為への懺悔・本編でも時折覗かせていた戦士としての心の弱さが人間ではなく獣相手にすら生命を奪うことを躊躇い、苦しませてしまったことを後悔して涙を流すような娘の姿に繋がっていくのかな、などと。

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稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる 2

 
夕子

【祝】幽霊少女、実体化!!! 初案件、オフコラボと配信業も大忙し! オカルト×VTuberコメディ、第二幕!
大手事務所『project:eden』所属のVTuberとして活動を始め、登録者数10万人を突破したミッドナイト・サイコナイトこと佐藤たけし。 そんな佐藤が所長を務める稼ぎの少ないオカルト事務所にある日、とある遊園地に幽霊が出るという噂が舞い込む。 胡散臭さ極まる陰陽師の安倍聖麗、佐藤に激重感情を抱く巫女の朝凪真理、そして相棒の幽霊である満と共にその遊園地へ調査に向かうと――なんと初めてのコラボ案件に話が発展! 他にも『project:eden』の企画や満のモデリングのお披露目など、ライバーとしても忙しくする中で、佐藤は真理が作ったホラーゲーム『奇紀怪解』のプレイ配信を再開する。 パラレルワールドを観測できる真理が作ったそのゲームのプレイを進めるうちに、佐藤は新たなオカルト現象に巻き込まれ、あわや卒業の危機……!? WEBで人気のオカルト×VTuberコメディ、第2幕!

オカルト探偵事務所の資金を稼ぐため始めた企業所属Vtuberとしての仕事が予想以上に好評となったニコこと佐藤たけし。企業内のオカルト系V達と新たなユニットを結成したり、箱内で行われたコンペを勝ち抜いて公式番組を企画することになったり、自分に憑いている幽霊・満を2D化したり……大忙しな毎日を送ることに!そんな中、先輩Vtuberである真理が並行世界の自分達をモデルに作ったというホラーゲーム『奇紀怪解』を実況配信していたところ、おかしな事が起こり始め……?

ゲーム実況を通して現実と虚構が交錯しながら進んでいく展開が凄かった

配信シーンも挟みつつ、前よりもオカルト比重高めになった印象のシリーズ第2巻。オカルト系の設定はあるかどうかわからないあくまで刺し身のツマくらいの感じでいくのかとおもってたけど、マジで「非日常」が日常の裏側に存在する世界の話になってきたな。というか真理の並行世界の観測者設定や邪神の存在がガチだとすると今回チラッと出てきたアザミさん回りの話とかも割と虚構だけの話じゃない気がするんですが、どのくらいまで本当なんです……?

並行世界の自分達がモデルのホラーゲームを配信で読み聞かせながらプレイしている状況を逆手に取って、読み進めるごとに徐々に現実と虚構(?)の境界が曖昧になっていく──という展開が絶妙に気味悪くて面白かったです。配信シーンで感じた微妙な読みづらさがだんだん意味を持って惑わせてくるの面白かったし、物語の登場人物だけじゃなくて読み手にまでアハ体験(死語)させてくるの凄かった。あとなんでもない描写のように見えて本人無自覚のまま存在しない記憶が無から生えててそれをベラベラ喋りだすの、普通にホラーなんだよ……。

全体的にホラーとオカルトが混ざってきて少し気味悪い展開をものともせず現実世界でも並行世界でもメチャクチャな1期生の皆様(オシャレ/クール/シゲキ)のキャラが濃すぎて良い清涼剤になってましたね。やたらと勢いのある挿絵で笑ってしまった。

個人的にはもう少し配信中のエピソードもみたい

ホラーゲーム配信を通して現実と並行世界の記憶が溶け合っていく展開はお見事なんですけど、割とそっちの話が増えすぎて1巻の時に一番面白いなと思っていた配信モノとしての比重が相対的に減ってしまった印象だったのは少し残念でした。いや確かにゲーム実況や配信が物語を紐解く大きな鍵となっていくのは確かなんだけど、あの非日常が存在しながらも日常ではない世界で「Vtuber」という存在を通して日常の住人達が違和感なく非日常を受け入れてるという世界観が凄く好きなので……満実体化の流れで信じてなかったところから満のしょんぼりボイスで手のひらクルーするリスナーたちのノリの良さ、好き。

特に今回はニコがコンペを勝ち抜いた公式番組『EDEN's School』の話がメインだと思いこんでたのでそのへんの話が思ったよりあっさり終わってしまって残念に思ったのもある。あの企画普通に面白そうなんですよね。まだちょっと今回新たに登場して存在感が薄めの人とかいるから掘り下げてほしいし。今回の時点ではレギュラー化前の段階だったから、次巻で結果がでてガッツリ取り上げてくれるの期待したいです。

あと、『奇紀怪解』プレイ中のエピソードが秀逸なだけに、そこでひとしきり盛り上がったあと視点も展開もバラバラな話が続いてよくわからないまま終わったのはなんか勿体なかったな……Web小説の書籍化だと変な所で次巻に続くって割とよくある奴なんですけど、書籍として出すからには上手く書き下ろしを足すなり順番を調整するなり次巻回しにするなりしていい感じに引いてほしい……まぁ作品や作者のせいというよりも編集仕事してほしいやつ……。

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アラサーがVTuberになった話。7

 

祝、シリーズ累計20万部突破!
私が神坂怜としてデビューして早10ヶ月。年越し配信にて多少のトラブルはあったものの、振り返れば先月はデビュー以来初めて一切炎上することなく平穏無事に過ごすことができたのだった。この調子で皆様にご迷惑をおかけしないよう配信者生活を送れれば……と思っていた矢先。以前「裏遊び騒動」にて朝比奈先輩と共に炎上していた他箱の御霊カリン氏が、私と先輩を巻き込む形で再び燃え上がってしまった! 私は慌てて鎮火のための策を講じようとしたのだが、それよりも先に今度は朝比奈先輩がとある作戦を実行していて──!?

神坂怜がVtuberとしてデビューして初めて迎える年末年始。デビューしたばかりの頃は炎上続きだったし年末配信ではトラブルもあったものの比較的穏やかな新年を迎えることが出来た。ほっとしているのもつかの間、以前あんらいメンバーを巻き込んで炎上した『ぴくせるぱるす』のVtuber御霊カリンのニ度目の炎上に巻き込まれてしまい!?

葵陽葵さんの暴れっぷり良かった

前巻に引き続き割と平穏が続く前半、まさかのVtuberデビューを果たした葵陽葵さんが色んな意味で台風の目になってるの面白かったです。遅れてきた神坂怜ガチ勢という感じの彼女、リアルの関係が絡んでくるせいかこれまで色々な意味で作中で浮いてる印象が否めなかったんですが元後輩の季凛ちゃんと似て非ざる方向で神坂からの扱いがやや雑になってきたというか、この距離の縮まり方は好みだったな。いやこの人、季凛とのやりとりもこんな感じだしこっちが「素」なんだろうね多分ね……。

特に中盤で発生した月太陽コンビとのコラボはマジで彼女が後ろに入らなければ永遠に実現しなかっただろうな……と思うし、彼女が間に入ることで良い意味でこれまで動きのなかった女性陣回りとの関係性に変化が出てきたのは良かった。ところで「先輩との二次創作が増えた!」って喜んでるミカァはどこまで行ってしまうつもりなんだ。

ペロッこれは……新しいカップリングの予感!

そんなわけで久しぶりの炎上から始まる後半は、5巻くらいからずっと不穏だった御霊カリンさんまわりの解決回。いやあの、ふっきれたあとの御霊カリンさんあらためタマちゃんめちゃくちゃ好きなんですが!?火消し目的で開催された朝比奈先輩・狂衣ちゃん・タマちゃんとの3人コラボの遠慮のない掛け合いが良すぎたしそこはかとなく新機軸のカップリングの匂いを感じる。これは──薄い本が厚くなるな!!いやほんとタマちゃんには今後ともこのくらいの立ち位置でちょくちょく絡んできてほしい。

しかし、ここで問題が解決したと思いきや大半の部分は今後に持ち越しになってしまったな……一番ヤバそうな部分が未解決なんですが!?そして久しぶりに引きがヤバい。割と毎回じんわりと存在感出してくるアラサーの元カノそろそろVtuberデビューするんじゃないかと思ってるんですけどどうなんだろう……あれは絶対にVtuberデビューする流れだと思うんだが……。

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【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 5

 

ジェノサイドお嬢様、爆誕!?
深層ソロ攻略を果たし、ついに“深淵”に足を踏み入れたカリン。 ザコモンスターのように沸いて出る深層ボスたちを蹴散らしながら奧へと進む。 一方、お祈りモードだったブラックタイガー黒井もついに決断をくだす。 「今ここで、山田カリンを全力で潰すぞ!」  かくして、日本最強級クランの精鋭十八人が奥多摩ダンジョンに潜り込む。 モンスターと人間、それぞれの脅威にさらされるカリンは、気づいてもいなかった。 騒動の先、思いもよらぬ出会いと新たな“バズ”が待ち受けていることに――。 大人気ダンジョン無双バズ、第5弾!

深層ソロ配信を達成し、自作自演の疑惑も晴らして一件落着と思いきや、疑惑を完全に晴らしたいと思ったカリンはそのままもう一つ下の“深淵”攻略に挑むと言いはじめる。止めるまもなく踏み入った深淵で襲い来るのは、これまでの階層でボスとして君臨してきたモンスター達。そして1階のボスとして待ち構えていたのは思いもよらぬ「撮れ高」の相手で……!?

【悲報】前巻から引っ張った深淵ソロ配信、前座だった

深淵配信、前座というかお茶うけというか……あくまでそこは導入にすぎなくて今回のメインはブラックタイガーの最期とその後の狂騒でしたよね。戦闘力も配信者としての数値も再現なくインフレしていくの本当に笑うんだけど、ここまで突き抜けていくと数字の現実感のなさすらも面白くなってしまって凄かった。トンチキレベルの実力を遺憾無く見せつけた結果、一周回って世界が平和になるのもう笑うしかないだろ。

この国の裏で蠢く闇のギルドが総力を結集して一人のいたいけな少女の生命を全力で狙ってるの普通にヤバすぎるんですけど、闇討ちシーンが彼女の圧倒的な技量と盲目的な善意によってただのギャグになってるの面白すぎる。ホラー画角で懲らしめ生中継(※お嬢様は100%善意の行動)されてしまうブラックタイガーの皆さんは本当にご愁傷さまでした。いや、深淵配信もブラックタイガー退治もお嬢様なら問題なくやってくれるだろと思ってはいましたが!もうひとり無双がすぎてともすればマンネリになりそうまであるところ、実況しているリスナーの悲鳴で違いを出してくるの笑ってしまう。いつものように持ち帰れないレア素材をポイしようとするカリンお嬢様を必死に止めようとして膝から崩れ落ちるお偉いさんの姿で飯がうまい!!(上手いことなんかやって早いとこカリンがダンジョンの素材の換金出来るようにしてあげてください!)

お嬢様もヤバいけど周囲もヤバいしまたヤバい人が集まってきそうな次巻

深淵ソロ配信の後日談的なアレコレがヤバすぎて全部笑えるのがまたバグなんだよな〜……特に内閣コラボもとい勲章授与まわりの話のスケールがあらゆる方向でヤバすぎるんですが、それでさえアニメと現実の区別がついてない女児に「それ」は駄目でしょうが……もうこれ一生アニメと現実の区別がつかない女児のまま生きていくしかないんじゃないかカリンお嬢様。そして作者であるもちもちたまご先生のコメントが、あまりにもクリエイターとして正しく狂ってて好きです。結果はわかっていても譲れない解釈、あるよね!!!

そんなこんなで最初からずっと続いていたブラックタイガーとの対決がついに決着して、次巻からは新展開──なんでしょうか。お嬢様いよいよ海外に飛び出すのか!?日本では敵なしだったカリンお嬢様に世界レベルの強敵が出現しそうな感じの引きで、いよいよひとり無双状態が終了してしまうのか!?どうなっていくのかとても楽しみです。

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稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる 1

 
夕子

コミュ難・無職・厨二病の成人男性(26)、血迷う。
「VTuberになれば稼げるんじゃないか!?」 怪奇現象や霊能事件を専門にするオカルト事務所『オフィス失楽園』は常に閑古鳥が鳴く。 そんな事務所の所長、佐藤たけしは絞り尽くした浅知恵のもとVTuberデビュー。 相棒の幽霊少女、赤羽満と共に、大手VTuber事務所『project:eden』のライバー、ミッドナイト・サイコナイトとして配信活動に励み始めるのだが。……幽霊の存在など 信じてもらえるはずもなく、更には初配信で身内にも配信バレして早々にポンコツが露呈。 《【朗報】芸人枠の新人獲得》 《いいおもちゃにはなりそう》 それでも、2人の同期ライバーには何かと助けられ、常軌を逸した一期生たちにはなぜか気に入られ。佐藤は七転八倒し、周りの人に手を引かれながらも登録者数を増やしていき……!? コミュ障を拗らせた厨二病の成人男性(26)が、みんなのおもちゃにされながら奮闘する新感覚Vコメディ開幕!

オカルト専門探偵事務所の所長・佐藤たけしは傾きまくっている事務所の運営資金を稼ぐため、相棒の幽霊少女・赤羽満を連れて大手VTuber事務所『project:eden』のVtuberミッドナイト・サイコナイト(愛称:ニコ)として鮮烈(?)デビューを果たす!ところが本人の思惑とは裏腹に初回からリスナー達に弄られまくった上に身内に配信者デビューを見抜かれてしまい……でもそのポンコツ厨二病ぶりが逆にウケて、少しずつ人気ライバーへの道を歩んでいくことに!!

「面白ければ何でもあり」だからこその懐の深さ、あったけえ

厨二病だけどコミュ障、しかも自分に憑依している幽霊の少女と会話出来るといういろいろな意味で現代社会で「普通に」生きていくのにハードルがありすぎる主人公が同期やリスナー達や先輩たちから受け入れられてVtuberやりながら楽しい毎日を過ごしていくという展開がすごく楽しかったです!いや、この設定で存在してても面白ければ「個性」として受け入れられちゃうVtuber業界の土壌、懐が深くて面白いな。おそらくこれまで親友ふたり以外から殆ど受け入れられずに引きこもりになっていた主人公がこういう形で「幽霊が見える」という特徴を隠さずに世間に「そういうVtuber」として受け入れられていく展開、あったけえ……。

彼の存在がこのように自然と受け入れられたのは面白ければ何でもアリな界隈の土壌もあるだろうけどそれ以上に同期のふたりがフラットに接してくれたというのも大きく……そして時には主人公をからかいながらも暖かく見守ってくれるリアル親友組の存在がまたいい味を出している。全体的に優しい世界というか周囲の人々のあったかさが身にしみる物語でした。それはそれとして主人公の親友(男)が主人公のこと好きすぎるので100点加点したい。いやお前マジでニコのこと好きすぎんか!?

楽しい日常会話劇の中に垣間見える「非日常」の気配が気になる

男性Vtuberモノとしては割と珍しい気がする女性Vtuberとガッツリ絡んでかつカプ売りでもなく大きな炎上もないという優しい世界のお話だったんだけど、主人公のニコがあまりにもポンコツすぎて恋愛的なアレコレに結びつけづらい感じなの上手いと思った。良い意味で女性同士の会話で「良い人だけど……」と言われて恋愛対象にならない感じの人物像なんだよな。主人公も親友組も幽霊少女も同期もリスナー達も「イイ奴」なので安心できるし、主人公はただポンコツなだけじゃなくていざというときはちゃんとかっこいいところを見せられるタイプのキャラクターなのがまたポイント高い。

幽霊が見えるという「異能」をかたわらにおきながらも剣呑とした雰囲気は一切ない日常会話劇がとにかく楽しいその裏で、「非日常」がそれとなくチラ見せされる終盤が印象的で、この辺の要素が今後どう絡んでいくのか気になります。並行世界を観測できるというマリーを中心に先輩組はみんななんかしら一物持ってそうなんだけど、同期のアザミの方もちょっと普通じゃない雰囲気感じるんだよね……。

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バズれアリス 4 【追放聖女】応援(いいね)や祈り(スパチャ)が力になるので動画配信やってみます!【異世界⇒日本】

 

「聖女アリスの生配信」迷惑系邪神をバズって倒せ!
追放先の迷宮で現代日本に繋がる鏡を発見し、レストランを営む青年・誠の協力で配信者となってバズった聖女アリス。彼女は魔王の体を奪った邪神と対峙する最中、ランダに権能を奪われてしまう。それはランダが自ら邪神と決着をつけるための策だったが、彼女の決死の覚悟も虚しく邪神は地球へと渡って暗躍を開始する。アリス達が地球へ行くために幽神霊廟の攻略を急ぐ中、一足先に地球へ戻って翔子達と共に邪神との決戦に備える誠。しかし邪神に目をつけられたことで、その眷属となった配信者や茨城ヤンキー達に襲撃され……!? 「聖女」兼「配信者」がバズって戦う異文化交流コメディ、堂々の卒業配信!?

ランダの孤軍奮闘も虚しく、復活した邪神は魔王の身体と「人」の権能を得て地球へ逃走してしまった!邪神を討つため──そして鏡の向こうに広がる誠の世界に行くために幽神霊廟の最深部へと急ぐアリス。一方、地球に戻った誠は邪神から「人」の権能を与えられた人気配信者達から狙われる羽目に……!?

配信物としてもファンタジーとしても最高に面白かった!

配信者としての力が戦闘力になる異世界の聖女アリスと鏡を通して繋がってしまったレストランのシェフ・誠が織りなす異世界ファンタジー×動画配信モノ、完結編。

ラスボスである邪神との戦いが最終的にフォロワー数対決になるの、いかにもこのシリーズらしい展開でとても良かった〜!相手を炎上させることでフォロワー数を減して相手の力を削ごうとする展開面白かったし、邪神の眷属となった敵の配信者が眷属になったことを隠して水面下でフォロワー数を増やすために撮り溜めていた動画を次々とプレミアム公開して話題作りをしようとするのとか小技が聞いててクスリとしてしまった。それへのこちら側の返しが「やはり生放送のリアルな熱には叶わない」になるのも本当にこの作品ならではの結論という感じ。ファンタジーの世界からやってきた邪神を相手に、ちゃんと「配信」で戦ってるのポイント高い。

その一方でファンタジーというか少年漫画のバトルものとしてもめちゃくちゃ王道な展開やってて、復活した邪神を倒すためにすべての聖女が今回だけはと団結してアリスに「力」を託していく……という展開が最高にアツかった。まさか本編内であれほどファッ◯ン・エヴァーン王国とかいわれて罵倒されてきた彼らが最後の鍵になるなんて……聖女ディオーネとダモス王、ざまぁと言うほど酷くはないが適度に痛い目を見てラスボス戦では間接的な共闘展開も挟みつつそれでも別に和解するわけでもなくエピローグにも出番無し……くらいの距離感で収まったの絶妙で良かったなと思います。あんまり痛い目を見てもこの作品らしくなかったと思うし、かといってただ和解するのはもんやりしそう。

全然進んでいなかった幽神霊廟の試練が一足飛びに終わってしまったのはちょっとこう大人の事情を感じてしまいますが、このシリーズでその部分をあまり引っ張ってもしょうがなかった気もするしちょうどよい塩梅だったのかも。

シェフ・ラビットちゃんよ永遠に

そんなこんなで最高に盛り上がった最終決戦を乗り越えてたどり着いたエピローグ。感染症対策で野外ライブに変更のくだりでそういえばこれコロナ禍中の話だったわとしみじみしつつ、後始末もありつつ全てが落ちるところに綺麗に落ちついて配信者引退してイチャイチャしてる主人公カップルをはじめとして、予想外な進路の多すぎる周囲の人々のその後にニヤニヤしてしまいました。

そして人気配信者のヒロインたちよりガチ恋勢が多いシェフ・ラビットちゃん(引退済)の人気ぶりに笑ってしまう。いやほんと彼女(笑)は上手いことアニメ化できたら1時代を築いてしまう可能性があったとおもうんですよね……このラノ2026でキャラクター部門残ってたら間違いなく投票してたんですが、今年はなくて少し残念。いやでも映像化の難しそうなタイプではあるから本当にうまくやらないとコケそうではあるけど……。

シェフ・ラビットちゃんのアイドル姿とウェディングドレスの挿絵がみつからないんですけど、乱丁ですかね?

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組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い4

 

元・宿敵夫婦の甘々ホームコメディ、おうちを飛び出て旅情編!
「今年も――すっごく楽しい一年になりそう!」 「そうだな。目のキラキラがすごいぞ、律花……」  元宿敵同士で、今はラブラブ夫婦の狼士と律花。年の瀬に、ついに身も心も一つとなった二人。以前にも増してイチャあま全開夫婦の冬はイベントが盛りだくさん! 芳乃と鹿山の関係が気になる初詣。パートナーのことを想うバレンタインデー。そしてついに我が家を飛び出して、奇妙奇天烈な狼士の同僚たちとの社員旅行にも参加! 二人を取り巻く友人や同僚との日常はちょっとずつ変化をしていくけど――そこにはいつも、変わらぬ夫婦の愛がある。  アフター異能力バトルを描く新米夫婦の愛の物語、身も心も温まる第4弾!

すったもんだの末、無事に律花との初めての夜を迎えることができた狼士。張り切りすぎて年始早々「おあずけ」を食らってしまう微笑ましい一件(?)も交えつつ、初詣やバレンタインなどの楽しいイベントをこなしていく。周囲の人間関係も少しずつ変化していく中、ひょんなこと(義兄の策略?)からこれまでスルーしてきた狼士の会社の社員旅行に夫婦で参加することになり……!?

次巻ありきのイチャコラ中心回(今後の伏線っぽいのもあるよ!)

シリアス過去編から突然の◯道カ◯ーテルからの年明け合体祭り──急転直下激しすぎてジェットコースターも床が抜ける本編への繋ぎで相変わらずのキレ味を見せつけつつ、その後は3巻のあの大波乱・大団円を受けてシリアスも下ネタも控えめで平和ないちゃいちゃ展開のまま穏やかに終わる一冊でした。

社員旅行回ということで、狼士を巡る女同士のバチバチがひたすら楽しかったです。最初は触らぬ神になんとやら状態だったふたりが幾多の衝突を通してなんだかんだでお互いに恋のライバルとして認め合っていく展開がすごく良かったし、狼士の前では出さない後輩ちゃんの「素」の姿がすごく印象的でした。後輩ちゃん正直1巻のころからあまり得意なキャラではなかったんだけど、今回の律花との本音を隠さないやりとりがめちゃくちゃ好みで一気に好きになりました。ぶりっ子というより図太いというか、良い意味でふてぶてしいキャラでいいじゃん、後輩ちゃん。

あと、何より鹿山と芳乃のふたりの関係性にも変化の兆しがあって、気になる……!!いつのまにやら素直になれない期を通り過ぎて両片思い状態になってたのびっくりなんですが、今後二人の関係がどうなっていくのか楽しみすぎる。いや、なんかもう鹿山って絶対にこの流れで踏んじゃいけない地雷踏んで死にかける(もしくは死ぬ)タイプのキャラだと思うんでそこは不安ではあるんですが……!!

個人的にはやはりシリアスとイチャイチャの温度差ありきの本作だと思っているのでシリアス比重の低さ(なかったわけではないが)に少し物足りない気持ちもあったのですが、それはまあいろいろな意味で3巻が激動すぎた所はあったよね。そして一見平和な社員旅行の裏で様々な新事実が明かされていたり、「機関」側の新キャラが続々と登場したり、今後への匂わせ展開があったり……前巻以上に伏線や匂わせを盛り込みまくった「次巻ありき」の展開をやってるのはめちゃくちゃアツかったです。いやほんとうに良くも悪くも5巻ありきの展開だったな今回。楽しみだなー。

ところで本編が割と普通にイチャイチャしてた反動なのかBook☆Walkerの特典SSがいろいろな意味でギャグ全開すぎてクソ笑った。好き。

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組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い3

 

新米異能夫婦の甘々ホームコメディ夜の営みお悩み編!?
「ヤろう、律花! 今年中に! 最後まで!」「や……やろう! 最後まで!」「「愛してる!!」」 『イカレた会話にゃ……』 元宿敵同士で、今はラブラブ夫婦の狼士と律花。互いの秘密を打ち明け、悲願の同衾が叶った二人の次のお悩みは、もちろん『夜の営み』について。 全然うまくいかない二人だが、新たなる凸凹カップルの登場や愛猫にゃん吉の通院、狼士の後輩・生駒さんの自宅来訪など、彼らの日常は加速していく! そして迫る十二月の聖夜、いまだ未経験な二人は『幸せな夜』を勝ち取れるのか? 愛しているから一つになりたい。心はとっくに。だから後は身体の方だけ、どうにかして。これは異能力バトルの後の、初恋の後の、ゴールインの後の──新米夫婦が勇気を出してもう一歩を踏み出すための物語。

様々な過去のしがらみを乗り越えて、遂に同衾を果たすことができた狼士と律花。あとは初めての夜を過ごすだけ!と思ったのに、狼士の狼士がデカすぎてはいらないというトラブルが発生!!?心は通じ合っているのになかなか進展しない状況にもどかしい想いを抱える中、律花は会社でカウンセラーをしている女性と彼女のパートナーの男性と知り合うことになり……。

何が何でもチ◯コの話に繋げてくる

今回、とにかく現代軸のメインが「主人公の主人公がデカすぎて合体できない!」だったのでいつもの三倍増し下ネタでスゴかった。もう現代パートではどんな真面目な話してても巧みに◯ンコに繋いでくるので本当に腹筋がツラい。いやこれもう本人たちにとっては本気の悩みなんでしょうけど!でも!!!

偶然知り合った異能力者と無能力者のワケありカップルとの関係、狼士と律花の初体験が無事完遂できるのかを主題にこれまでの展開に大枠でも一区切りつくお話で、過去編やクライマックスの異能バトルパートでは普段と比較してもかなりシリアスな話やってるんですよね。

それだけに 温度差 が 凄い

ここからの新展開が楽しみ

あとがきによると4巻の発売がほぼ確定しているということで、今回の巻では律花の生命を狙う「敵」の存在がチラ見せされたり、匂わせだけだった「あのキャラ」の事情が少しだけ明かされたり……と、これまで単巻でまとまっていた話に明確な「今後の伏線」みたいなのが挿入されはじめたのを感じて、1巻の頃から好きだった作品がここまで続いてくれたことがとても感慨深かったです。いやほんと有象先生の作品が2巻くらいで終わるのをいくつか見届けてきたのもあるけど、最近3巻まで続く原作なろうじゃないシリーズってラノベ界全体で見ても本当に希少な気がしてきたので……。

そしてこの記事は4巻を読み終わった状態で書いてるんですけど、この3巻エピローグから4巻のプロローグの温度差で時間差で腹筋に大ダメージ受けてる。いやロングパスにも程があるでしょ!!ここから先どうなっていくのかとても楽しみです!!!

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