ダブルブリッド7 | 今日もだらだら、読書日記。

ダブルブリッド7

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

元捜査六課のアヤカシ・八牧厳は、自分と自分の仲間たちを脅かす“兇人”を殺そうと決意した。自らが返り討ちに遭う事まで想定して仕組まれた殺人計画を実行に移す為、彼は偶然懐かれてしまった一人の少女を捜査六課に押し付ける。一方、山崎太一朗は自らの狂気と戦いながらも“童子斬り”を切り離す為、大田の言い残した僅かな希望に縋るのだが…
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とにかく希望の無いこのシリーズの中でも格別に救いの無い、シリーズ第七巻。

空木を探すという一筋の希望に縋りながら少しずつ正気を喪って行く太一朗、意識を乗っ取っていた右目を切り離して以来身体の様子がおかしくなっている優樹と、主人公格2人がダブルで絶望的な展開。双方から少しずつでも確実にお互いに関する“記憶”が失われていく様子が悲しかった。太一朗が実家に電話をかけるシーンとか、赤川と太一朗の噛みあわない会話とかで今後の展開がなんとなく予想がついてしまうのがまた…。

もうとにかく、太一朗サイドは精神的に、優樹サイドは肉体的に痛い。特に優樹の傷に関する描写は、シリーズ屈指のグロさです(個人的に一番痛いのは1巻の描写だと思うんだけど、それに追随するレベル)

唯一、八牧と彼が拾った少女・未知のやりとりが地味に平和で面白かったりするのですがこの2人も既に“終わり”が見えてしまっているので痛々しくてしょうがない。特に八牧さんは冒頭から思いっきり死亡フラグ立ててますから…そんな彼がお風呂に入って浦木に会いに行くシーンは爆笑でしたが。

八牧さんと未知の関係は凄く好きでした。“利用するだけの関係”といいながらもいつのまにか未知に情が移ってしまっている八牧の姿がほほえましいんだけど、状況を考えると切なくてしょうがない。大田と八牧のやりとりも最高でした。八牧さんはあんな風貌してるのに実に良いツンデレですね(台無しだ!)

しかし、当時リアルタイムに読んでいてちょうどこの頃から刊行ペースが落ち始めたのだと記憶していますが、今読んでもこの引きはあんまりだ!!!
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コメント

  1. 穂墨 より:

    始めまして。5月にダブルブリッドの完結巻が出るって言うので
    レヴュー書いてある所を回ってましたら1?7巻までの感想が
    載ってましたのでコメント残させて下さい。

    と言うか感想がそのまま自分に近かったので(^^;
    特に最後の『この引きはあんまりだ!!!』に凄ぇ頷いてしまって(笑)
    8と9のレヴューも楽しみに待ってます。

  2. うらら より:

    穂墨さんいらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
    ダブルブリッド、遂に10巻出ますねー!
    現在なんとか9巻まで再読完了したのですが、7巻から9巻までずっと「この引きはあんまりだ…!」状態だった事に驚きました。良く当時耐えたものです。
    そしてファンは9巻の引きで、良くぞ4年半耐えたものです…。

    8巻&9巻の感想も近いうちに書く予定ですので、もしよかったらまた遊びに来てやってくださいませ?。