桐原家の人々 4 特殊恋愛理論 | 今日もだらだら、読書日記。

桐原家の人々 4 特殊恋愛理論

[著]茅田 砂胡 [絵]成瀬 かおり

交通事故で両親を亡くした桐原零は、両親の棺の前で初めて伯父である広美と出会い、彼の家に引き取られることに。両親を亡くしたショックを隠しきれない零だったが、引き取られた先の桐原家では次々ととんでもない事件が勃発して!?
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「桐原家の人々」シリーズ最終巻。零の視点から三つ子が生まれた時の桐原家の大騒動と、その後の大学時代の零の話を描く番外編です。

今回は全体的にちょっと重めの雰囲気。桐原家の、特に女性陣の語り口だと全く深刻さを感じられなかった「過去の大騒動」ですが、当事者で桐原家の中では割合常識人(?)である零の視点から語られるとまた全然重みが違ってきます。零の両親の遭遇した交通事故はかなり悲惨だし、女性陣が軽いノリで語った「祖父の死」「父が出張先でクーデターに巻き込まれる」「麻亜子の婚約解消」のあたりも、当時の当事者達にとってはかなり重い話だったんだなあ…特に既刊である程度出てきていたとは言え、眞己と猛と都を「三つ子」として届け出た時の麻亜子の反応はかなり意外だったかも。

しかし、重い物語をあんなにあっさりと語ってしまう桐原家の人々はやはり豪胆だなあ、と改めて思う。その他にも駆け落ちした零の両親を追い掛けてきた零の母親の家庭の人を銀次郎・締の老夫婦がそれぞれ包丁・薙刀を持ち出して追い払ったエピソードなど、思わずニヤリとしてしまうような展開が合間合間に入ってきます。

後半は零と4巻でちょっとだけ出てきた零の親友・城段輪とのエピソード。最初はお互いに良い感情を持っていたわけではなかった2人が大学で再会し、様々なトラブルを経て徐々に掛け替えのない親友になっていく姿がとても良かったです。輪が過去に持つエピソードもなかなか重たいものがあるのですが、どこか最後の最後で湿っぽくならないというか、弟・環くんのに関するエピソードなんかは一種桐原家に通じるものを感じました。っていうかオチ(=環の結婚相手)に噴いたw

あ、あと零の女装シーンがとても良いですね!!麻亜子が自作した女装用ブラにドン引きする零の姿に思わずニヤリとします。その後も早く脱ぎたいのに三つ子達と写真を撮る羽目になったり、家庭内記念撮影会が開催されて周囲の注目集めまくりだったり…といろいろな意味でツボをついたエピソードでした。いろいろな意味ですばらしい女装でした!

色々な意味で、全4巻フルに楽しませて貰ったシリーズで、このシリーズがここで終わってしまうのは残念でなりません。もう1?2冊、桐原家の巻き起こすドタバタ騒ぎを読んでみたかったかも…。またいつか、余裕があればこの人の他の作品にも手を出してみたいなあ、と思った次第です。