クラスメイトの須藤が、Cクラスの生徒を一方的に殴ったと告発されて停学の危機に。それは須藤と同じバスケ部のメンバーが、彼の実力を羨んで仕組んだ罠だった。正当防衛だったという須藤の言葉を信じて平田・櫛田を中心に冤罪の証拠探しに動き出すD組だが、堀北はどこか乗り気でない態度を見せる。極めて不利な状況の中、事件を目撃していた人物の存在が浮かび上がって……。
引き続き面白かった!いくら相手側の罠だったとはいえ、頑なに正当防衛を主張して自分の非(生徒を殴ったこと)を棚に上げて悪びれない須藤の態度に少しもやもやしていたんだけど、そういう部分まで含めて「ここに落とす以外ない」くらいの絶妙な落とし所にたどり着いたので読み終わった後の爽快感が凄い。ただ冤罪を晴らすだけでは終わらない展開が良かった。
1巻から喰わせ者感を漂わせまくっていた綾小路がますます胡散臭くなってきていて読んでて楽しい。自称『事なかれ主義』発言についてもそうなんですけど、特に一人称でやたらと出てくるぼっち発言や櫛田や一之瀬に対するミーハー発言が妙に言葉に感情通ってない感あるんですよね。実際全く興味なさそうというか。堀北との会話での「ボロを出した」という話もそうですけど、「無理やり平凡な男子高校生の皮を被ろうとしているそれ以外のなにか」という感がますます強くなってきて期待しかない。
ストーリーもそこに登場するキャラクターも面白かったんだけど、それをふまえて、章毎に主要人物達の学校側の評価が載っているのがまた楽しかった。学園側がどういう基準で生徒たちを評価しているのかもわかるし、今度に向けて色々匂わせてくるのがたまらないなあ。綾小路がワケアリなのは伝わってきてたけど、櫛田ちゃんもワケアリなのか。
ようこそ実力至上主義の教室へ2
著
衣笠 彰梧絵
トモセシュンサク生徒の全てを実力で計る、完全実力主義の教育学校・高度育成高等学校。最底辺のDクラス所属の綾小路清隆は、心優しき美少女・櫛田桔梗に懇願され、Cクラスの陰謀で停学の危機に陥ったクラスの不良・須藤を助けることに。隣人たる堀北鈴音にも声を掛けるが、彼女はなぜか消極的。聡明な鈴音から唯一示されたヒントは、クラスメイトの地味少女・佐倉愛里の存在。事件の鍵を握る彼女を追跡するうち、清隆達は愛里の隠された秘密に気付き…。さらにはBクラスの謎の美少女・一之瀬も加わり、須藤の救済に挑む!大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録第2弾!?(「BOOK」データベースより)