[著]響野 夏菜 [絵]裕龍 ながれ
今日は「冬始まりの日」。新しい冬服に身を包んだイズーは突撃魔女・ビーから今夜は外に出ないよう、念押しされる。なんでも男子禁制の「ひみつの魔女集会」が行われるらしい…。好奇心をそそられはするものの、もう「ま」のつく面倒ごとに巻き込まれるのはこりごりだ、と家でおとなしくしていたイズーだったが、あろうことかダナーク署署員のシーカーが魔女集会を覗いてしまって…?!
長らく放置してました、「ダナーク魔法村」シリーズ第二段。好奇心から「ひみつの」魔女集会を覗いてしまったシーカーを助けるためにイズーとビーが奔走するというお話。今日は「冬始まりの日」。新しい冬服に身を包んだイズーは突撃魔女・ビーから今夜は外に出ないよう、念押しされる。なんでも男子禁制の「ひみつの魔女集会」が行われるらしい…。好奇心をそそられはするものの、もう「ま」のつく面倒ごとに巻き込まれるのはこりごりだ、と家でおとなしくしていたイズーだったが、あろうことかダナーク署署員のシーカーが魔女集会を覗いてしまって…?!
どう考えても一大事だっていうのに、妙に緊張感の無い村人の一連のやり取りが素敵過ぎます。魔女鍋にぶちこまれることよりも、自分を煎じて出来る薬が単なる軟膏だという方に文句をつけるシーカーとか、とりあえずシーカーがぶち込まれた牢屋に色々運び込んじゃう村の男達とか…軟膏のくだりについては、本気で飲んでたお茶噴きそうになりました。もうほんと、常識人なイズーの苦労が偲ばれます(笑)
ただ、逆にそれだけのんびりしたやりとりがあるからこそ、魔女達のはっきりとした態度に薄ら怖いものを感じてしまいました。村の男達もシーカーに差し入れをするくらいはやるけど、助命嘆願みたいな話には絶対に乗ってこない。ほんと、こういう“伝統”だの“慣習”のたぐいって怖いです。
シーカーの罪を帳消しにしてもらうため、「まくらの森」と呼ばれ、普段はダナーク村の人々が近づかない闇の森に向かうイズーと、魔女長アガードの命令でイズーについていくことになったビー。ビーをはじめとしたダナークの魔女、特にマリーク家にまつわる確執などといったダナーク村の影の部分が少し明らかになって、今後の展開に影を落としてきそうな感じです。いつのまにか3巻が既に発売されているようなので近いうちに買ってきたいと思います。
それにしても、本編もさることながら今回は普段とは違ったビーの一面を見て、内心右往左往するイズーが非常に良いですね!特に元気の無いビーを励まそうと孤軍奮闘し、我に帰って自己嫌悪に走る辺りのくだりなんか最高!!しかもそんなイズーの心遣いを知りつつもさりげなく焦らして美味しいところを持っていくビーが可愛い。
何も知らないまっすぐな少女と思わせておいて(それもまた彼女の一面ではあるのですが)、今回は完全にイズーより一枚上手でした。この二人のやりとりは是非もっと見てみたいです。
女の子はみんな魔女!!