Dクラッカーズ・ショート 1 欠片?piece? | 今日もだらだら、読書日記。

Dクラッカーズ・ショート 1 欠片?piece?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

「エリゴル」は自分の"細胞"を構成するメンバーの一人が組織を裏切っていると聞きつけ、追跡を開始した。実働部隊である自分達にとってオーナーですらないその裏切り者を始末するのは簡単だろうと踏んでいたのだが、逃げ込まれた遊園地でことごとく裏をかかれ…!?

「Dクラッカーズ」シリーズの短編集。各キャラクターの過去、本編シリーズを補完するような短編に、ファンタジアバトルロイヤルに掲載された未収録作品を収録してます。どの作品も楽しく読めましたが、個人的なお気に入りは梓と景の過去の一幕を描く「台風?storm?」、本編の内容を敵側から補完する「序曲?prelude?」、千絵に振り回される水原を描いた「休日?holiday?」です。

「台風?storm?」は今の関係とはちょっと違った二人の微笑ましい姿が見れて素敵でした。特に本編ではどこかミステリアスな魅力のある景ですが、この短編では素晴らしいヘタレという素顔を覗かせてくれます。いやあヘタレいいよヘタレ。

そして"ヘタレ"といえばいろいろな意味で最強なのが「休日?holiday?」。腹ごなしに街に出たら偶然千絵に会い、なしくずしに彼女の行動に巻き込まれて?…という、ヘタレ全開な水原のお話。元気爆発というか、もはや暴発気味の千絵に振り回される周囲の姿に始終笑いが止まりませんでした。本編がシリアスしてるので、こういう短編はすごく癒されるw

「序曲?prelude?」は本編1巻での"セルネット"側の動きを追うお話。梓に"彼女"が憑いていた原因とか、松崎祐子が細胞に抜擢されたり、真里奈が飛び降りた理由なんかが描かれて、なかなか面白かったです。そういえば松崎祐子が「"F"よしも下は嫌」というような場面がありましたが、これも何か理由がありそうですよね。水原辺りをライバル視してたとかありましたっけ?1巻読み返してみようかなあ。

読みきり版「Dクラッカーズ」はストーリーの大まかな内容は1巻と一緒なんだけど雰囲気とかがぜんぜん違って、その違いを感じながら読むのが楽しかったです。本編の1巻と比べると圧倒的に景のジャンキーなイメージが強調され、全体的に暗いです。ぶっちゃけ、最大の差は千絵が居るか居ないかってことなんだけど、彼女が出てこないだけでここまで印象が変わるとは。暗すぎて一般受けしなさそうな感じはするけど、こっちはこっちでかなり好みでした。

その他の短編もすごく面白くて、満足な一冊でした。今月発売される、本編の続きも楽しみ。