[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都 “王国”に向かった景に関する記憶が、少しずつ梓や水原の中から消えていく。カプセルを服用しなかったおかげでただ一人景に関する記憶も持ち続けることができた千絵は焦りを募らせ、執拗にバール達を追い詰めようとするのだがその行動を理解できない水原達との溝は深まるばかり。ある日、ジャンキー達の摘発に協力した3人は、仲間割れを起こしてしまって… |
前巻の最後で忘れた記憶を取り戻した梓を見て安心していただけに、その翌朝の展開はショックすぎました。その後も梓や茜がフラッシュバックで記憶を取り戻した瞬間に取り戻した記憶をすぐさま失ってしまうという展開が続いて、それがただただ哀しいばかりで。遂には「記憶を取り戻さなければいけない」と言う気持ちすら薄れていってしまう事に恐怖を感じました。それまでの行動からは考えられないような、景や氷太に対する淡白な反応ばかりを見せる二人の反応が、本当に薄ら寒かった。とにかく前半の容赦なさは格別でした。
だからこそ、中盤以降千絵の水面下での奮闘によって少しずつ事態が良いほうへ、良いほうへと動いていったのは本当に嬉しかった。序盤の千絵と梓達のすれ違いっぷりにひたすらじれったい思いを感じていただけに…。
後半、千絵と梓が、復活したDDが、茜が、そして最後に水原が……と、これまでバラバラになっていたメンバー達が一つの目的の為動き出すシーンは凄く熱いです。特に水原が景の“悪魔”を召喚した(ネタバレ)シーンでは、正直震えが止まりませんでした。今回は景と梓の恋愛模様だけじゃなく、千絵と梓・水原と景の友情コンビが凄く良い味出してます。カラオケボックスで帰りを待つ久美たち3人の姿もなんだか心強くて。
そして個人的に大プッシュなのが、復活した「茜姐さん」の一幕。密かにかなりの茜ファンの私としては待ってましたな1シーンでした。クールビューティな姐さん復活に萌え燃えしました!
最高潮に盛り上がったところで、舞台は遂に最終巻へ。
どう決着をつけてくれるのか、本当に楽しみです。