ゆるコワ! 〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜 | 今日もだらだら、読書日記。

ゆるコワ! 〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜

 

最強女子高生、桜井梨沙と、腹黒残念美人、茅野循が贈るとびきりの怖い話!
「私たちも部活で青春をしてみるっていうのはどうかしら?」 最強女子高生の桜井梨沙は、悪魔的頭脳を持つ残念美人の茅野循に誘われ、 オカルト研究会を結成することに。 活動内容は心霊スポットを探索し、調査結果を会報にまとめること。 早速病院の廃墟に向かうが……。 呪いの神社、最凶事故物件、そして「カカショニ」。 ヒトコワ、呪い、都市伝説もどんとこい!  ゾクゾク怖くてスカッと爽快、最強女子高生ふたりの快進撃!

元柔道部の女子高生・桜井梨沙は悪魔的頭脳を持つ友人・茅野循に誘われてふたりきりのオカルト研究会を発足させる。校内に拠点が欲しいだけの研究会、真面目に活動する気など微塵もなかったがひょんなことから過去の研究会で発行された冊子を目にして興味を惹かれ、心霊スポットと名高いとある廃病院に向かう……。

最強女子高生コンビが無双する系ホラー!!(隠し味は百合の味)

軽い気持ちでオカルト研究会を立ち上げたふたりが気になる心霊スポットに突撃取材(概ね無許可)してオカルトやそこに救う人間の悪意と遭遇・対決。好奇心を満たしまくるお話。色々な意味で我が道を行く主役の女子高生コンビがサクサク事件を解決してしまうのであまり怖くなく、ホラーが苦手な人でも楽しめるお話でした。

人間怖い系の話かとおもえばオカルトだったり、オカルトかとおもえば人間怖い系の話だったり……というジャンルの幅の広さも良かった。頭の良い循が周囲を翻弄し、危険な状況は梨沙の体術で対抗する……という感じで基本的に対人間であればおおむね敵なしで安心して見ていられるのが色々な意味で強みだと思うんですが、何割かの確率で相手がオカルトなのでいい感じに安心しきれない感じになっているの良い。ただし、頭脳や体術だけでなくメンタルも普通に強いし頭が良いので多少呪われてても呪いそのものを解決してしまい案外なんとかなってしまう。第三話の「亡者の家」とか、最強だと思われていたふたりが本物の霊を引いてしまってガチで呪われる……というお話なんですが、様子がおかしくなりつつも家族やプロの霊能力者を巻き込みしぶとく立ち回る姿が強すぎて笑ってしまうし、最終的には状況を楽しみながら自分たちで霊障を解決してしまうという展開がめちゃくちゃ心強かったです。

なにより個人的に好きだったのが、女子高生ふたりの関係性が透けて見える第二話の「黒津神社」。丑の刻参りが流行していると噂の神社を調査していたら梨沙の名前が書かれた藁人形を発見してしまい……というお話なんだけど、藁人形を作った犯人を梨沙には気づかれないように探し出し、このへんだとアタリをつけてジワジワと悪魔のような冷酷さで追い詰めていく循の執念が凄い。隠しきれない循→梨沙へのクソデカ感情が最高に良かったし、絶妙に後味の悪い結末もいかにもなホラーで良かったです。なんていうか、少女漫画誌の夏休みの付録についてくるホラー小冊子のような後味の悪さだったなと……(アラサー以上元女児じゃないと伝わらなさそうな表現)(今の少女漫画雑誌って夏のホラー冊子の付録ってあります!?)

その一方で、エピローグで描かれる梨沙→循への感情も大変に良かった。色々な意味で好意がわかりにくい不器用な女・循の伝わりにくい気遣いをしっかり理解してそんな彼女を好ましく思いつつもそれとは全く別のところで彼女とともに過ごす時間そのものを「楽しんで」いる梨沙の姿が印象的でした。それはそれとして例の2話の顛末はもう藁人形が見つかった初手からずっと梨沙には内緒にされてるのでアレなんですが……いやでも梨沙なら余裕で循の肩を持つと思うので無問題かもしれない!?

各編が短めにまとまっていてホラー苦手民でも楽しく読めて、更に主人公2人の関係性でニヤニヤ出来てしまうとても楽しいお話でした。いくらでも続きを作れそうな部活物、というか実際Web連載版ではもっともっと先があるようなので続刊にも期待したいです。

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