空戦魔導士候補生の教官5 | 今日もだらだら、読書日記。

空戦魔導士候補生の教官5

 

≪ベベル≫への切符を賭け、ベテラン小隊陣に挑む!
『≪ベベル≫にて空戦舞踏祭開催』――その通達で、急遽≪ミストガン≫代表小隊を決める学内選抜戦が行われることになった。格下Fランク小隊も選抜戦に参加を表明。するとクロエが教官補佐を名乗り出て――?

浮遊都市において絶大な権力を誇る教皇浮遊都市《ベベル》にて、数年ぶりに学園浮遊都市の最強を決める「空戦舞踏祭」が開催されることとなり、ミストガンでも代表選手を決めるための学内選抜戦が開かれることに。ミソラ達も選抜に参加するが、格上の小隊相手に負け続き。カナタは格上の小隊に勝つための秘策を授けようと新たなる特訓を開始するが、カナタの幼馴染で特務小隊のリーダーでもあるクロエがなぜか期間限定の教官補佐に名乗り出て!?一方、《ベベル》の研究者・エリスは前回の任務の際に現れた魔甲虫の変異種を撃破した人物に興味を示して……。

きな臭いを通り越して不穏になってきたぞコレ!?

久しぶりの特訓回でワヤワヤするE601小隊が微笑ましかったんですが、キナ臭いとか通り越してもうめちゃくちゃ不穏なフラグ立てまくって来たんですけど!?空戦魔導士科長であるフロンや特務小隊の前で崩力を使ってしまったカナタ、その存在を巡って繰り広げられる学園上層部や《ベベル》をも巻き込んだ駆け引きが不穏すぎるし、もうこんな平和な学園生活は戻ってこないよと言わんばかりの「時間がない」アピールが不吉すぎる。正気のまま崩力を操るカナタがイレギュラーみたいな話はたしかに2巻くらいで軽く匂わされていましたが、予想以上に大事っぽいぞコレ……。

エリスが魔甲蟲側の存在であるというフリは前巻であったけど、学園統括長・クリスもカナタに同情的であるとはいえ彼女側の人間のようで……クリスが学園統括になっているのが《ベベル》の意向であること、前巻での危険すぎる捜索指令なども踏まえて普通に本国?である《ベベル》が怪しすぎるんだだよな。世界創生の真実を求めて《ベベル》を目指すという流れ、完全に敵の懐に飛び込むと同義な気がして不安しかない。でも、今回明らかになった事実や(思った以上に魔力を使った戦いができなくなっている)カナタの様子を見ていると、このままミストガンに居ても何も解決しないというのも事実なわけで。

ひたすら不穏な空気が流れる中、呪力を得たせいで本来の魔力を失いつつあるカナタを助けるために空戦舞踏祭の学園代表を目指すミソラ達。しかし、格上だらけの学内選抜戦にまったく歯が立たず……例によってカナタ考案の一見トンデモ特訓を受けることに。例によってリコ&ユーリが早抜けして、次にレクティ&ブレアが共に特訓の意図を掴んで、ミソラだけが残される……という流れなんだけど、これまでと少しだけ違う流れになっているのが印象的でした。これまでの戦いを経て小隊内での実力不足を感じたミソラがわざと特訓をクリアせず、学園最強の少女でありカナタの幼馴染でもある少女・クロエをも巻き込んで必死に努力を重ねていく姿がとても良かった。それにしてもカナタ教官やっぱり美少女をコスプレさせるのお好きですよねえ!!

遥か上をいく……ともすればそのまま手の届かぬところに行ってしまいそうなカナタの背中を追いかけるのではなくその横に並び立とうと懸命に努力するミソラの姿がなんとも頼もしく、その一方で自覚しはじめたカナタへの恋心に七転八倒する姿が大変微笑ましかったです。これまでよりも一層強い想いによって結束したE601小隊とAランク最強・A177小隊との対決、そしてそこから立て続けに描かれる魔甲蟲の変異型の襲撃……そしてクロエとミソラの直接対決……どの戦いもメチャクチャにアツかった!

カナタを巡る学園上層部での不穏な動き、カナタとクロエの幼馴染関係、そしてミソラの空士としての成長……と様々な動きのあった巻でしたが、ミソラやクロエだけでなく小隊メンバーそれぞれから形の違うカナタへの強い想いを感じることが出来て、次巻から始まるだろう《ベベル》を舞台にした新展開が楽しみになる一冊でした。いやほんとにこの明日をも知れない不穏っぷりはめちゃくちゃ続きが楽しみになっちゃうタイプの不穏なんだよなあ……楽しみです!!

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