[著]中村 恵里加 [絵]酒乃 渉 |
…もとい、「ダブルブリッド」の中村恵里加さんの新作です。
なんか読み始めて思ったのが「ああ?、中村さんだああああ」の一言に尽きちゃったのですが。
主人公の性格とか会話の展開とか地の文とか。どこがどうとは表現できないのですがなんとも味があって、この味は中村恵里加さんにしか出せないんだろうなあ、という感じ。
主人公の比呂緒のどこか達観した性格が「ダブルブリッド」の優樹さんとどことなく被る気が。
「ダブリ」時代からこの人の文章の書き方がすごく好き。
特に241P最後とか最後とか。もう一人でゾクゾクしちゃってました。
そして、中村作品のヒロインキャラが毎回めちゃくちゃ好みなんだよう。
優樹さんもそうだけど、比呂緒かなり好みです。すごくこの子の人格には裏がありそうで(二重人格という意味ではなく)
それにしても主人公、作中で何回「馬鹿」って言われてるんでしょう(笑)
妹には罵られ、暴力を振るわれ、先生にも怒られ、ほとんど友達もできず…という
普通の人間なら引きこもりにもなりかねないような状態でも、へらへら笑っている主人公って、実はかなり強い子なのではないかと思ってしまいます。(というかこの状況で笑っていられるのって本気で感情機能がマヒしてるか、本当の馬鹿じゃないってことじゃないかと思えるんですよね)
ただ、彼女が「馬鹿」なのもいろいろ深い訳があるらしく…。それがこれから明かされていくだろうと思われるのが結構楽しみ。
「ダブルブリッド」でも発揮されていた鬱展開(というかグロ展開)に通じそうな設定や複線張られまくりで読んでてかなりどきどきものですが
(特におっちゃんが…微妙に太一朗っぽい役回りになっちゃいそうで怖い(苦笑))
これからが楽しみです。グロくても大好きですから、中村恵里加。
挿し絵は以前ガンガンで漫画を描いていた酒乃渉さん。久しぶりに見るとだいぶ絵柄変わったような…そういえばガンガン時代もカラー絵は見たことないので比較しようがないですが。最初酒乃さんだとわからなかったです。カラーの色使いや塗り方がキレイで今の方が好みかも。