[著]ツカサ [絵]近衛 乙嗣 船の事故で両親と妹を亡くした啓介は、妹の手を掴めなかった「右手」で掴んだ物を消してしまうという呪いにも似た力を得る。事件以来孤独を恐れ、周囲に怯えながら生きてきた彼はある日、自らを魔術師と名乗る半透明な少女・アリッサに出会い、何故か彼女にとり憑かれる羽目に!? |
色々とトラウマとかグログロした展開もあり、魔術師達の話だけあってエグい展開も多少はありますが、表紙イラストから印象的な「空」のイメージが良く似合う、とても爽やかなお話でした。エピローグも綺麗にまとまってて…特に主人公が自らが作っていた「壁」を自覚する所なんかは凄く良かったです。
個人的にはいささか主人公の後半の行動がかなり唐突過ぎるのと、後半になるにつれて露骨に奈須きのこ臭がプンプンしてくるのはどうかなーと思ったりしますが、まあ面白かったので無問題です。よく判らない所でやたらと強調文字を使うのがちょっと厨臭いとか、後半の行動原理がもうどうしようもなくどっかの衛宮士郎だろとか、多分ツッコミしちゃいけない部分。強調表現は、地の文で十分に表現できていたと思うんで余計な事しない方が普通に良かった気がするんだけど。
ただ、「魔法」と「魔術」の定義の違いのあたりは、ちょっと説明不足気味なものを感じたかも。前述の奈須きのこ作品をはじめとして既存の作品でもそういう設定の作品がちょくちょくあるようなので説明不要と思われてるっぽい印象を受けましたが、そういう知識がまったく無い人には判り辛かったんじゃないでしょうか。
そんなこんなで全体的にバトルシーンがちょっとイマイチな印象を受けたのですが、ボーイミーツガールものとして読むと非常にツボな作品でした。イラストも雰囲気に合ってて、文句なし。続編が出るか、新作が出るときには是非ともバトル分薄めにした少年少女の成長物語を読んでみたいなあ。
コメント
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております。
ちょっと気になったところがあったのでコメントさせていただきます。
「魔法>魔術」は富士見ファンタジア文庫の魔術師オーフェンでも出てくる設定なので、それでTYPE-MOONと結びつけるのは早計かな、と思いました。
まぁ自分も奈須きのこ臭を感じたので、この作者がTYPE-MOON好きなんだろうなー、とは思いますが。
いらっしゃいませ、コメント&ご指摘ありがとうございます!
やはり、「魔法>魔術」って設定はTYPE-MOON以外でも使われている設定だったのですね。後ほど文面を訂正しておきます!
オーフェンは序盤で読むのを止めてしまっているので、これを機会に少しずつ読んで行きたいなあと思います。
[現代異能バトル][ラノベ]RIGHT×LIGHT 空っぽの手品師と半透明な飛行少女
RIGHT×LIGHT—空っぽの手品師と半透明な飛行少女 (ガガガ文庫 つ 2-1) (ガガガ文庫 つ 2-1) 作者: ツカサ, 近衛乙嗣 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2007/10/18 メディア: 文庫 「なかなか面白かった現代異能バトル、しかし、これ続くのかなあ?」 と思った新人さんの話
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