ページ 160 | 今日もだらだら、読書日記。

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バカとテストと召喚獣 2

[著]井上 堅ニ [絵]葉賀 ユイ

試召戦争の最後で大ポカをやらかし、「畳に卓袱台」から「ござにみかん箱」に教室設備を落とされてしまったF組。身体の弱い姫路瑞希に至っては両親が体調や生活環境を心配して転校まで視野に入れている始末。彼女の転校を阻止するため、そして少しでも設備を良くする為に明久達は春の「清涼祭」で催される出し物の成功と、「召喚大会」での優勝を狙うのだが…?!
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勝てば老朽化した旧校舎の改修を行ってくれるという密約を学園長との間に取り付けた明久&雄二の文月学園最低コンビ、人呼んで『修学旅行のお土産コンビ』がタッグを組んで召喚大会に出場。一方で教室の設備(みかん箱&ゴザ)を少しでも改善しようと文化祭の出し物にも気合を入れるのですが、営業妨害や嫌がらせを受けて…—というお話。相変わらずのバカたちが繰り広げるバカ模様は絶好調。章始めの「バカテスト」も半分文化祭仕様で笑わせてくれます。電車の中でこの本を読むのは、人として駄目な気がするよー!!(←続きが気になってうっかりやってしまった)

1巻を読んだ時はバトル要素にあまり魅力を感じられなかったというか…アイデアは面白いけど単なる点数の見せ合いっこになってしまっている印象を受けたのですが、2巻ではそこらへんのバトル話が結構面白くなってきました。ある時は明久が《監察処分者》の慣れを逆手にとって自分よりもずっと点数の高い相手を打ち倒し、またある時は雄二が悪知恵を振り絞り……と愉快痛快な試合内容にニヤニヤ、時に爆笑。

そして何より、決勝戦の燃えっぷりは半端じゃありません。ラノベ界最低のバカが見せる一世一代の頑張りに、ひたすら胸をアツくするべし。マジで、あの点数を見たときには胸が熱くなった。ボロボロになっても仲間の声で立ち上がり、決勝戦の相手に立ち向かっていく明久に燃えた。正直なところ、このギャグコメでこんなに熱くなるとは夢にも思いませんでした。

アイデアの勝利でテンションの高い1巻、とにかくバカと熱いノリでどこまでも突っ走る3巻と比べて、試験召喚バトルメインになる2巻は全体的にお得意のギャグは控えめな部分がウィークポイントととられがちのように思われますが、ためしに1度読み返してみるともうとにかく見所満載で、凄かった。召喚大会決勝戦も最高ですが、拉致されたヒロイン達を助けに行った明久が、チンピラたちの非道な行いにマジギレするシーンはマジ最高。普段明久って、自分より年上のキャラには一貫して敬語を貫いてるというのに、本気でキレた時に一瞬だけ思いっきり本音が爆発する瞬間があるんですよね。そういう細かい燃えポイント発見してしまうと、ギャップ萌えとしてはもう……!!

……ああ、今こそ言おう。明久かっこいいよ明久!!!


【以下、腐女子発言注意!】


ちなみに、そんな圧倒的な「燃え」でお送りする2巻ですが、強烈な「萌え」の存在も忘れてはなりません。男性向・女性向どちらにも対応できる幅広いニーズにお答えして素晴らしいめくるめくる萌えの世界が貴方を待っています。

「性別:秀吉」という、ラノベ界の歴史に残る名(迷)言を産んだのもこの2巻です。最早男という性別を超越した秀吉の萌えはまさに萌えの新境地。しかもチャイナとか緊縛とかセクハラとか、殿方向けのシーンもばっちり完備されております。私も当然萌えました、萌え転げましたとも!!

そして同時に、2巻は明久の萌えキャラ化が始まった、記念すべき巻であります。正直、メイドさんになって正体気付いてない常夏コンビからセクハラ目線を向けられる明久のシーンだけでご飯10杯喰える。あと雄二と明久のコンビに最もスポットが当たった巻になるので、雄二×明久で友情カップリング萌えを楽しみたいなら2巻は絶対必読。そのカップリングを妄想しながら読むと、最初に女子更衣室に隠れてた明久と雄二が鉄人から逃げ回るシーンとか、明久と雄二が喫茶店のテーブルをゲットするために校内を駆け回るシーンとか、あのシリーズ最燃えエピソードともいえる決勝戦のアレとかが5味くらい違った味を持って貴女に襲い掛かるに違いありません。だ、だから「相棒」呼びは反則だと………(ブシャアアアアア)

更に決勝戦の後、雄二から語られる「あの」エピソードにいたってはもう正直貴様ら同棲してたのか!?毎晩どっちかの家でお勉強会だったのか!?一晩中ってつまりお泊り会だったのか!?今すぐ答えろ貴様ら!!!!!と熱く問い詰めたくなること請け合いです。井上先生、いつか是非とも、お勉強会の様子を事細かに書いてくださ……





結論:明久かわいいよ明久。
3.5巻の「僕とバイトと危険な週末」の明久に萌え転げた貴方、一度2巻を読み直してみませんか?

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バカとテストと召喚獣

 

「こんな教室は嫌じゃああっ!!」アホの明久は叫んだ。ここ文月学園では、進級テストの成績で厳しくクラス分けされる。秀才が集まるAクラスはリクライニングシートに冷暖房完備だが、彼のいる最低Fクラスの備品はボロい卓袱台と腐った畳だけ。明久は密かに憧れる健気な少女・瑞希の為、組代表の雄二をたきつけ対クラス戦争を始める。それは学園が開発した試験召喚獣を使い、上位の教室を奪うという危険な賭けだった!?第8回えんため大賞編集部特別賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)

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上半期ラノサイ杯第一位の作品。「ライトノベル読もうぜ!」さんの感想を読んで以来、密かに気になっていたのですがラノサイ杯がキメ手になって漸く手にとって見ました。

噂には聞いてたけど噂を遥かに超えてバカだーーーっ!!!
なんていうかもう、とにかくバカです。バカとしかいいようがありません。バカな奴らがバカばっかりやってるお話です。やっばいこれはドツボ。

学園ではクラスの待遇に差を付け、その代わり下のクラスの生徒はテストの成績によって強さが決まるという“試験召喚獣”を使ったバトルを他のクラスに挑み、設備を入れ替える事が出来るという方式で生徒達の向学心を煽るシステムを採用しており、これがまた面白い。イマイチバトルシーンは迫力が無くて単なる成績の見せ合いっぽい印象は受けるんだけども、このシステムを考え付いただけでも90点はあげちゃう。だって自分のテストの成績で召喚獣の強さが決まるとか、下克上可能とか、すごく楽しそうじゃないですか!私だったら自分の召喚獣に腕輪装備させるために頑張って勉強しちゃう(かもしれない)よ!?張り切ってテスト受けまくっちゃうかもしれないよ!?日本の教育機関はゆとり世代対策として早急にこの「試験召喚システム」の実装を急ぐべきだっ!!

ひたすらバカな話ではありますが、成績がほぼ全てを決めてしまうシステムの中、最低な成績のFクラスが悪知恵を駆使して上のクラスを攻略していく姿は結構熱いです。こういう“明らかに敵わない相手に向かって勝ちあがっていく底辺の人々”というようなお話は凄く好き。これだけ持ち上げておいて、ラストにちゃんと恐ろしいオチをつけてくる辺りにも「ギャグ小説」としての一種のこだわり的な何かを感じます。あと、章ごとに差し込まれる「バカテスト」は本気で笑いが止まりませんでした。オバカ全開な回答も面白いんですが、それ以上に先生の冷静なツッコミに爆笑してました。

キャラクター的には瑞希や美波と明久のかみ合わないやり取りにもニヤニヤしていたのですが、大方のご推測の通り秀吉にハァハァですよー。個人的にはもう少し男の子らしさを強調してくれると萌えるのですが、まあでもああいう女の子だと見ても非常に好みなキャラクターでした。ただ、制服がブレザーで秀吉のカットがいい具合に上しか出ないもんで、男性だと思わせる要素が皆無なんだよなー。好きなキャラではあるのですがびしょーねんキャラとしては失格ですね。

そういえば瑞希が明久と雄二の関係を危ぶんでいるというシーンがありますが、個人的には秀吉×明久を押したい。

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Dクラッカーズ・ショート 1 欠片?piece?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

「エリゴル」は自分の"細胞"を構成するメンバーの一人が組織を裏切っていると聞きつけ、追跡を開始した。実働部隊である自分達にとってオーナーですらないその裏切り者を始末するのは簡単だろうと踏んでいたのだが、逃げ込まれた遊園地でことごとく裏をかかれ…!?
 

「Dクラッカーズ」シリーズの短編集。各キャラクターの過去、本編シリーズを補完するような短編に、ファンタジアバトルロイヤルに掲載された未収録作品を収録してます。どの作品も楽しく読めましたが、個人的なお気に入りは梓と景の過去の一幕を描く「台風?storm?」、本編の内容を敵側から補完する「序曲?prelude?」、千絵に振り回される水原を描いた「休日?holiday?」です。

「台風?storm?」は今の関係とはちょっと違った二人の微笑ましい姿が見れて素敵でした。特に本編ではどこかミステリアスな魅力のある景ですが、この短編では素晴らしいヘタレという素顔を覗かせてくれます。いやあヘタレいいよヘタレ。

そして"ヘタレ"といえばいろいろな意味で最強なのが「休日?holiday?」。腹ごなしに街に出たら偶然千絵に会い、なしくずしに彼女の行動に巻き込まれて?…という、ヘタレ全開な水原のお話。元気爆発というか、もはや暴発気味の千絵に振り回される周囲の姿に始終笑いが止まりませんでした。本編がシリアスしてるので、こういう短編はすごく癒されるw

「序曲?prelude?」は本編1巻での"セルネット"側の動きを追うお話。梓に"彼女"が憑いていた原因とか、松崎祐子が細胞に抜擢されたり、真里奈が飛び降りた理由なんかが描かれて、なかなか面白かったです。そういえば松崎祐子が「"F"よしも下は嫌」というような場面がありましたが、これも何か理由がありそうですよね。水原辺りをライバル視してたとかありましたっけ?1巻読み返してみようかなあ。

読みきり版「Dクラッカーズ」はストーリーの大まかな内容は1巻と一緒なんだけど雰囲気とかがぜんぜん違って、その違いを感じながら読むのが楽しかったです。本編の1巻と比べると圧倒的に景のジャンキーなイメージが強調され、全体的に暗いです。ぶっちゃけ、最大の差は千絵が居るか居ないかってことなんだけど、彼女が出てこないだけでここまで印象が変わるとは。暗すぎて一般受けしなさそうな感じはするけど、こっちはこっちでかなり好みでした。

その他の短編もすごく面白くて、満足な一冊でした。今月発売される、本編の続きも楽しみ。

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Fate/Zero Vol.3 -散りゆく者たち-

[著]虚淵玄 [原作]TYPE-MOON [絵]武内 崇

狂気に駆られ暴走するキャスターを前にして、ライダーはセイバー・ランサーとの共同戦線を持ちかける。しかし、その裏で漁夫の利を狙う者達の影が暗躍する?!とある事件を切っ掛けにセイバーと衛宮切嗣は決定的に対立し、他のマスター達も多くが己のサーヴァントとの間にすれ違いを起こしていた。徐々にサーヴァントやマスターが倒れていく中、言峰綺礼は今まで向き合う事を避けていた自らの本質と否応無しに対峙させられることになり…
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Fate/Zero Vol.3 -散りゆく者たち- (書籍)
「ギ ル ガ メ シ ュ (誘い受け)」 by田中ロミヲ

すいません何よりも解説に爆笑しました確かに今回のギル様ってばとっても誘い受けーーー!!!ギル様といえば私服ギル様とホロウに登場する子ギルの可愛さは尋常じゃなく、トラぶる花札のギル様はアホの子っぽくてとてもよいですが、Zeroのギル様は実に妖艶な魅力があると思います。まさに誘い受けですねギル様!そんなん聞いてないですかそうですか。

…と、あやうくギル様萌え語りで感想が終了してしまうところでしたが、ストーリーも佳境に入って少しずつ色々な所から破綻の足音が響いてきました。特にキャスターを前にして皆が協力してあれだけ熱い闘いを繰り広げた直後、あんな展開になるとは…本当に容赦がないです第四次聖杯戦争。

各ペアを始めとした色々な人々のすれ違いが鮮明に描かれていてその辺が凄く印象的。どちらも心底、桜の事を思っての行為であるのに、だからこそすれ違ってぶつかってしまった雁夜と時臣。すれ違いが悲しすぎる惨劇を呼んでしまう、ランサーとロード・エルメロイ。切嗣のやり方を認められないセイバーとそんな彼女に憎悪にも近い感情を抱く切嗣。何か明らかに過去の因縁がありそうなバーサーカーとセイバー。そして時臣と折が合わないので綺礼を誘惑しまくってみる唯我独尊ギル様。特に雁夜と時臣の桜に対する考え方の違いはどちらももう少し話し合えば解決しそうな問題なのになあ…とか思ってしまってほんと哀しい。

唯一の清涼剤はやはりイスカンダルとウェイバーなのですが、この二人も不安要素が無いと言えなくも無く…でもやっぱゲームの初回限定版をゲットしてエバる征服王とか最高。しかし、ほんとこの二人のコンビは大好きなんで、ウェイバーには死なないでほしいですね。ランサーの最期が痛々しかっただけに、切実にそう思います。

あと何気にキャスターと龍之介のやりとりがツボでした。残虐非道ぶりは登場キャラクターの中でも群を抜くわけですが、もうほんと色々な意味で純粋なヤツらでなんだか最期まで憎めないコンビでした。龍之介に至ってはなんか可愛いなとすら思えてしまったりw


最終巻は冬コミ発行予定だそうで、ここからどうやって決着をつけてくれるのか、本当に今年の冬コミが楽しみです(今度こそ企業スペースいけるといいなあ…

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繰り世界のエトランジェ 第1幕 糸仕掛けのプロット

[著]赤月 黎 [絵]甘福 あまね

生物から伸びる繰り糸を視、それを繰る事が出来るという異能を持つ高校生・睦月透真。失踪した母の代わりに“依頼”を引き受け、連続殺人事件の犯人を探していた彼は雨の公園でボロボロの制服を来た少女・カタナと出会う。更にその日家に帰ると、母の実家から使わされたというメイドの少女・冥まで現れて…?
 

スニーカー大賞奨励賞の作品を改題したものらしいです。「投稿作」って言われると納得なんですが、実に「詰め込みすぎ」な作品。

人を繰る“繰糸術”」からはじまって「自らを人形と名乗るメイド少女」「古の異能に改造された、全身狂気の少女」「戦闘中に性格が凶暴になる主人公」「蟲使い」だのときて、極め付けに「“何をされても声さえ上げない。当たり前だ。だって心が死んでいるんだから。”」というセリフに悩殺され…と、設定や世界観が片っ端からツボヒットでした。新人さんの作品は基本的にあまりチェックしないのですが、この作品だけはスニーカーの告知をみて以来めちゃくちゃ楽しみにしてたってくらいには。

しかし、ちょっとストーリーが消化不良。冥とカタナで別個のバックグラウンドがあるんだけど、カタナ側が中途半端に謎だけ提示されて、何も消化されていないのが微妙すぎる。つか、「月姫」始めてアルクェイドルートやってたら中盤から突然翡翠ルートの後半に突入してしまったような消化不良さ(わかる人だけわかってください…)。表紙からしても明らかにカタナがメインヒロイン扱いで、ストーリー前半もちゃんと彼女がメインヒロインしてるんだけど、途中からいつのまにかメインヒロインが冥になってしまうので、凄く違和感感じました。

改稿して出版する事が出来たんだったらカタナを完全なサブヒロインの位置付けにして、彼女の追っている敵とか彼女自身の正体には踏み込まない方がスッキリしたと思うのですが。なんか後書きを読むとカタナを推したい編集と冥を推したい作者の間で色々あったようなので、その辺の余波なんでしょうか…後半カタナ空気だし。設定とかがめちゃくちゃ好みだけに、凄くもったいない。

しかし、世界観やキャラクターはめちゃくちゃ好みだったので、次巻以降で落ち着いてくれるのを期待…?ご主人様とそれ以外で性格変わりすぎな冥ちゃんや、王道すぎるツンデレ娘のカタナはどっちもめちゃくちゃ可愛かったので、続編でもうちょっと出張ってくれるのを祈ります。兎に角パーツパーツがいちいちツボすぎるので、次回はもうちょっと美味しく調理していただきたいところ。ラストがあんな終わりかただし、「第一幕」と銘打たれているのできっと2巻は出るでしょう。

あと、個人的にはたった1P先の事だとはいえ、とあるキャラの死を挿絵でネタバレするのはやめてほしかったです…多分死ぬと思ってはいたけど、ああいう風に時間差でイラストバレされると興ざめ。

ところで、ラノベでエロゲっぽい異能バトル系作品の主人公の名前が結構な確立で「とーま」なのは、なんかのお約束でもあるんですか?いや、ナインエスとか禁書とかのことですけど…。

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腐女子彼女。パート2

[著]ぺんたぶ

—つきあいはじめた2つ年上の彼女は腐女子でした—
腐女子の彼女・Y子に振り回される非オタク男子の恋愛を描いたノンフィクションブログ本第二段。

 

同名のブログの書籍化第二段。ボケとツッコミの激しいテンポの良い会話と、時々ナチュラルに展開される愛の言葉の応酬が魅力です。

彼女のBL趣味に振り回される著者の姿を面白おかしく?…という部分は前巻から比べて鳴りを潜めてしまったのがちょっと残念。というか、明らかにY子の行動に動じなくなってきてるよねセバス。露骨に動揺してるのはエロゲーやBLゲーを進められたときのやりとりくらいでしょうか。あと声優さん関係のやりとりは面白かった。どちらかというと今回は腐女子属性がどうのというよりも、単純に「彼女に振り回される男子」というノリになってきてますね。

ですが会話のテンポが良くなっていて、文章自体は前巻よりも面白くなっている印象受けました。普通に自分の両親に彼女を見せに行くやり取りが面白かった。つか、大分「化物語」の影響受けすぎじゃね?多少脚色を入れて書いているのかなとはおもうけどこの会話をリアルで交わしていたのならこの人たち、ある意味凄い。

そして、何気にライトノベルネタが多くてニヤリ。冒頭で「化物語」や「戯言シリーズ」「ハルヒ」に関するやりとりがあるほか、中盤でDSを買うというネタでは脳トレか言語トレーニングソフトを買おうとする著者に対しY子がボン太くん目当てにスパロボWを買おうとするというやりとりがあります。同日発売の「となりの801ちゃん2」でも「ミミズクと夜の王」が取り上げられていて、密かにニヤリでした。何気にラノベが一般オタクに認知されてきたということか!!

そしてこのブログ本の魅力は、やはり腐女子ネタよりも、ノリツッコミの激しい「化物語」のような会話の中、普通に愛の言葉の応酬が始まってしまってしかもそれが浮いてないというこの展開じゃないかと。ほんと二人とも相手が好きなんだなあ?というのを感じられて素敵です。普段ヘタレでY子さんの言動に振り回されっぱなしのセバスが時々突然会話の主導権を握りだすのも凄く萌え。

今回で完結とのことで、お二人とも末永くお幸せに?!

ちなみに「腐女子の奇行にふりまわされる男子」的なネタを読みたいなら、同日発売の「となりの801ちゃん」をオススメ。こちらは腐女子×オタ男子 オタ男子×腐女子(←すいません、素で間違えた)なので会話もそちら方面に濃いし、全体的にLOVE分よりもオタク分の方が高かったりします。というか、同じ腐女子の彼女を扱ったネタなのにここまで展開が違うのかと比較しながら読むと中々面白いですね。「腐女子彼女」のぺんたぶさんは思いっきりツッコミなんだけど、「となりの801ちゃん」のチベさんはどっちかっつーとボケというか。「801ちゃん」の2巻では全く服装構わないチベさんの服を選びに行くエピソードがドツボでした。


となりの801ちゃん2
[著]小島 アジコ
宙出版(2007.8)

 
夏コミで「チベくん総受本」を買いに行く気マンマンの私です。

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2007年上半期ライトノベルさいと杯・エロ部門に敢えて投票してみる

 ■ 2007年上半期ライトノベルさいと杯・エロ部門(非公認)(鍵の壊れた部屋で見る夢さん)

エロ小説どころかラブコメ方面殆どノーマークな私ですが
敢えて自らのズレにズレまくったポイントにツボヒットした作品に投票してみたいと思います。
なんでもない一行から敢えてエロスを感じ取るのが腐女子のさだめ!!
こ、この挑戦受けて立つぜ!!!
明らかに一人だけ投票しているものがおかしいですが笑って許してやってください。
ていうか 生 ま れ て き て ご め ん な さ い 。

色々と後が怖いので「続きを読む」からどうぞ!!!

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黄昏色の詠使い3 アマデウスの詩、謳え敗者の王

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

「孵石」を研究している研究所が灰色名詠士により襲われる事件が相次いだ。次の狙いがトレミア・アカデミーではないかと予想した教師達は、学校を一時的に閉鎖するという決定を下す。事情を知らないほとんどの生徒達は不安に思う半面、突如振って沸いた休校を暢気に喜んでいたが、既に"敵"は学園寮内に侵入していて…!?
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人を石に変える力を持つ「灰色名詠」の名詠士と対決するお話。同時にクルーエルの持つ力が徐々に明らかになってきました。突然真精を呼び出したり、2巻で自らの力に不安を覚えていたりしたのできっと凄い潜在能力を秘めているんだろうなあとは思っていましたが、その才能は想像以上のもの。なんか妙なフラグも立っているようで今後本当にどうなってしまうのか…。

1巻・2巻は良くも悪くも「綺麗で優しい」お話で面白くて確かに大絶賛だったんだけど何か1味足りない気がして、ラノベサイト杯で投票した際も他の4作品と比べると1レベル下がる印象だったのですが、この3巻で一気に面白くなってきました。どこが、と聞かれると難しいんだけど。特にただ「綺麗だな」としか思っていなかった“讃来歌”のセラフェノ音語に明らかに知っている単語が(本編中に出てくる単語とは違う意味で)入っているのに気づかされた時には思わず震えた。あとがき曰くセラフェノ音語には今後の伏線や重要な事実が隠されていたりするらしい。…だ、誰か解読してー!!(他人任せ)

新キャラのサリナルヴァさんに萌え。白衣にハイヒールで典型的な研究者気質で、でも武道派なお姉さんタイプだなんてどれだけ私を萌えさせれば気が済むんですか!彼女の活躍に密かに期待w

ラストバトルでは、強大な敵である灰色名詠の使い手に対し、絶体絶命の状態からエイダが、サリナルヴァが、ミオが、クルーエルが、ネイトが…とそれぞれがお互いを信頼して相手に戦いを託していく姿が印象的でした。まさに「黄昏色の?」シリーズならではの美しさ・優しさが伝わってくるバトル。特にクルーエルからミオ、ミオからネイトへのそれぞれの戦いのリレーは本当に素晴らしかったです。ネイトが悩みながらも初めて自らの「コトバ」で無事名詠に成功したのは皆の協力が不可欠だったわけで…ほんとこの辺りでは身悶えました。間接的ではあるけれどアーマとクルーエルのやりとりがまた良かったです。

そしてラノベサイト界隈でも話題騒然な(笑)ラストのあの台詞!
まだまだお互い「子供」同志なネイトとクルーエルの淡い恋を印象付ける、最高の殺し文句だったと思います。ああ、なんていうかほんと可愛くて微笑ましい!今後の二人の行方も注目ですね!!


…ところで今回、何か既視感を感じるなあと思っていたのですが、
Alles ist im Wandelさんの感想を見て激しく納得してしまいました。

都合二回あった奴との遭遇の場面は、なぜか脳内で甲田節になってました。

正直近頃の「グリム」よりも甲田節入ってた気がします。

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お・り・が・み 龍の火

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ?

魔殺協会から解放され、再会した母親の元で平和な学園生活を送り始めた鈴蘭。平和を噛みしめるのもつかの間、彼女の学校に新任の教師としてやってきたのは“ご主人様”こと魔殺協会社長・伊織貴瀬だった!!しかも理事長の孫から半ば脅迫されて伊織の過去を取り戻すのに協力する事になってしまい…
 

ご主人様こと伊織の知られざる過去に迫るお話。かなり口先だけで世の中渡ってきた悪役キャラ(「終わりのクロニクル」の佐山系?)だとばかり思っていたら、予想以上にエライ過去をお持ちで、びっくりしました。ドリルマニアの医者と過去を取り戻した伊織の会話が凄く良かったです。伊織もそうなんですがそれ以上にただのギャグキャラだと思っていた医者があんな二面性の持ち主だったとは…やめてくださいうっかり萌えちゃうからッ!!

あと数時間でクーデターが起きるという超劣勢の中、伊織が記憶を取り戻した事を切っ掛けに始まる快進撃に一気に引き込まれます。まさに反撃の狼煙のごとく、タイミングバッチリで登場する沙織のシーンなんか最高にかっこいい。そして挿絵でも登場する、伊織の“あの台詞”には本気で悶えます。あああああこれぞまさに“悪役”!!悪役萌え!悪役サイコー!!!

リップルラップルの過去にも何かありそうだし、ラストでのヴィゼータと伊織のやり取りなど、まだまだ波乱が起こりそうな予感で一杯で、続きを読むのが楽しみです。

そういえば、「マスラヲ」とこっちでみーこさんの口調が大分違った気がするんだけど、その辺の謎も読んで行けば明かされるのかな?

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秋津島二 惑いし宿命の乙女

[著]鷹野 祐希 [絵]水上 カオリ

託宣は「大物が動けば全てが動く」と告げた。恋人の仇を討つために、斎としての力が欲しい事に変わりはない…しかし、そんな理由で斎になってしまっていいのだろうか。諏訪・厳島の斎に出会い、自らの受け継いだものの重さを知った佐唯の胸には迷いが生まれる。何とか迷いを断ち切り、宿神儀式を行うため奈良に戻った彼女の元に、厳島の斎・弥彦から知らせが届き…
 

どこが?といわれると難しく、時にちょっと小難しくはあるのですが、地道に面白いですね。逆に言うとイマイチ盛り上がりに欠けて感想が書き辛かったりするんですが。

前回もかつて姉妹のようにそだった少女たちと戦う運命になったり、その少女の手によって恋人が殺されてしまったり…と非常に重い話でしたが、斎としての力を剥奪するという目的で襲われそうになったり、水百の過去にもいろいろあったり…と、ますますストーリーに重さが増していく印象です。奈良の面々にも受け入れられたというわけではないようですし、かつての妹分だった祥姫の黒化はますます進むし、厳島の斎・弥彦と宿神・市寸島比売にも妙なフラグが立ってしまっていそうな予感がするし、ラストに現れたあの人はどうみても…だし。しかし、そんな中で僅かながらではありますが前向きに自らの宿命を受け止めようとする佐唯の姿が素敵です。今後の展開がどうなっていくのか非常に楽しみ。

そんな中本当にわずかな間でしたが、奈良の大神神社で佐唯と感応して言葉を交わした大物主命のキャラが偉い素敵なのですが。とにかく重い空気の中彼のセリフだけが素敵に浮いてます。真顔で「禊の際に服を着て水を浴びるのはおかしい」「斎が自らの夫である宿神の前で全てを見せないのは変だ」だのと言い出した挙句、「禊の際は是非、服を脱げ」としきりに強要する神って、ほんとにどんなんだwこの作品唯一の清涼剤として是非今後も頑張っていただきたいものです(セクハラ発言を)

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