「孵石」を研究している研究所が灰色名詠士により襲われる事件が相次いだ。次の狙いがトレミア・アカデミーではないかと予想した教師達は、学校を一時的に閉鎖するという決定を下す。事情を知らないほとんどの生徒達は不安に思う半面、突如振って沸いた休校を暢気に喜んでいたが、既に"敵"は学園寮内に侵入していて…!?
1巻・2巻は良くも悪くも「綺麗で優しい」お話で面白くて確かに大絶賛だったんだけど何か1味足りない気がして、ラノベサイト杯で投票した際も他の4作品と比べると1レベル下がる印象だったのですが、この3巻で一気に面白くなってきました。どこが、と聞かれると難しいんだけど。特にただ「綺麗だな」としか思っていなかった“讃来歌”のセラフェノ音語に明らかに知っている単語が(本編中に出てくる単語とは違う意味で)入っているのに気づかされた時には思わず震えた。あとがき曰くセラフェノ音語には今後の伏線や重要な事実が隠されていたりするらしい。…だ、誰か解読してー!!(他人任せ)
新キャラのサリナルヴァさんに萌え。白衣にハイヒールで典型的な研究者気質で、でも武道派なお姉さんタイプだなんてどれだけ私を萌えさせれば気が済むんですか!彼女の活躍に密かに期待w
ラストバトルでは、強大な敵である灰色名詠の使い手に対し、絶体絶命の状態からエイダが、サリナルヴァが、ミオが、クルーエルが、ネイトが…とそれぞれがお互いを信頼して相手に戦いを託していく姿が印象的でした。まさに「黄昏色の?」シリーズならではの美しさ・優しさが伝わってくるバトル。特にクルーエルからミオ、ミオからネイトへのそれぞれの戦いのリレーは本当に素晴らしかったです。ネイトが悩みながらも初めて自らの「コトバ」で無事名詠に成功したのは皆の協力が不可欠だったわけで…ほんとこの辺りでは身悶えました。間接的ではあるけれどアーマとクルーエルのやりとりがまた良かったです。
そしてラノベサイト界隈でも話題騒然な(笑)ラストのあの台詞!
まだまだお互い「子供」同志なネイトとクルーエルの淡い恋を印象付ける、最高の殺し文句だったと思います。ああ、なんていうかほんと可愛くて微笑ましい!今後の二人の行方も注目ですね!!
…ところで今回、何か既視感を感じるなあと思っていたのですが、
Alles ist im Wandelさんの感想を見て激しく納得してしまいました。
都合二回あった奴との遭遇の場面は、なぜか脳内で甲田節になってました。
正直近頃の「グリム」よりも甲田節入ってた気がします。