ページ 170 | 今日もだらだら、読書日記。

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「今日からマ王!?クマハチ☆すぺしゃる」を買いました

amazon.co.jp:今日からマ王!?クマハチ☆すぺしゃる今日からマ王!?クマハチ☆すぺしゃる

喬林知
角川書店(2006.11)
だって、amazonに在庫があったんだもん。
amazonのお蔭でkonozamaです。本当に責任とってください。
いや、だってね。amazon在庫に気づいたのが昨日だったから、通常版も持って……る……orz

なんだか色々悔しくなってきたので「ラノベ初(多分)の初回限定版」を徹底分析してみます。通常版との違いもコッソリ分析。さりげなく話題になってましたし需要の無い話題ではない筈…!

そうでもしないと通常版買った古本代300円弱が浮かばれない…!!!


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■ 内容 
「今日からマ王!」文庫本編(限定仕様)の他
小冊子「迷ううちにクマハ・・・チ?」、ミニチラシ「真魔国日報・・・略してシンニチ」そして「クマハチフィギュア」の3点が付属。去年散々流行った各種コミックスの限定版の値段を考えるとそれなりに良心的な価格のようにも思えますが、ここで特筆すべきは発売日。

なんと、「今日からマ王!?」通常版よりも2週間ほど先駆けて発売されています。参考:ラノベの杜様

角川お得意の「初回版だけ先に出して通常版買おうと思ってた人が続きが気になってしょうがないから初回版買っちゃう」戦法の登場です。私もかつてあまりにも続きが気になるところで切れてたケロロ軍曹11巻で待ちきれずに先行発売の方を買ってしまうところでしたが、なんて罪作りな戦法でしょう。元々キャラ人気な涼宮ハルヒで同じモノを出したら元々初回版狙いの人が多そうだからいいですが、キャラ人気の高いわけでもなく凄く良い所で話が切れてるラノベで同じ事をやったら「いらないのにー」と文句をいいながら初回版を買い求める人が大量発生すること請け合い。少なくても私が「ダブルブリッド」や「消閑の挑戦者」や「フルメタ」でやられたら迷わず初回買います。角川…なんて恐ろしい子!!

なんていうか、大人の世界って汚い。

■ 本編 

「今日からマ王!?」本編感想はコチラ

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あまり綺麗な画像じゃないのでお分かりいただけないかもしれませんが、
何気に表紙の絵柄が違います。
初回版は裏までイラストが続いているというスペシャル仕様で、
裏表紙に居たユーリが通常版の表紙に移動になってるようです↓

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ちなみに、本編は特に追加シナリオなど変わった部分はありません……と思いきや
巻末座談会の内容が総入れ替えされてます。他にもひょっとしたら小さな違いがあるかもしれませんが登場人物紹介や挿絵に変化はないですね。あと、限定版は最終ページにまるまるとクマハチのイラストあり。

■ 小冊子「迷ううちにクマハ・・・チ?」 

いやもう、表紙の天使の微笑みヴォルフに悩殺されましたが、本文でキレてるヴォルフにも悩殺されました。なんだこの漢前美少年。萌える。(あれ?)

「閣下とマのつくトサ日記!?」でユーリとヴォルフ達がクマハチとの初邂逅を果たした後、巣立ったはずのクマハチの一匹が群から逸れて取り残され、それを群に返しに行くという内容。内容は親馬鹿モードのコンラッドとクマハチの可愛さに悩殺されてしまえばそれでいいという感じです。良くも悪くも、毒にも薬にもならないなあ。

個人的にはヴォルフラムが漢前だったから後はどうでも(殴)

■ フィギュア

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「終わりのクロニクル」ドラマCD特典でついてきたようなミニフィギュア。立体物は興味無い…というかあまり得意ではないですが、普通にこれは可愛い。

でも、こういうのって例によって置く場所に困るんですよねえ。終わクロのドラマCD特典フィギュアも可愛いなあと思いつつ未だにドラマCDの入っていた箱に大切にしまってあったりします…(笑)


■ 総評

通常版発売日を遅らせてみたり、中身を微妙に変えてみたりと 角川書店のあざとさが満載 角川書店独特のサービス精神が印象的でした。そんな余計な事しなくていいよ!ってツッコミはなしなんですよね。

さて、次はどこが初回版を出してくるんでしょう。ビーンズ文庫関係ではマ王と同じく801臭いキャラ人気を振り撒く「少年陰陽師」辺りが次に狙われそうですが、「彩雲国物語」で同じことしたらそれこそ「フィギュアいらないのにぃぃぃー」とかいいながら買う人が多そうです。
ビーンズ以外では、個人的には「涼宮ハルヒ」辺りを推します、キャラ人気高いしマ王と同じ角川だし。

なんでもいいから通常版と発売日ずらすのはやめてほしいんですけどね。

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今日からマ王!?

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

先人曰く、「親は子供に疎まれないのは、中学に上がるまでの十数年に過ぎない」という。ならばせめて疎まれるようになる前にグレタと沢山思い出を作っておこう!と親子ミュージカルを決行したユーリ達。その夜、親子ミュージカルに触発されてグレタの部屋に忍び込んだといういかにも怪しい男から、“血盟城の奥に、前王陛下が作った禁断の花園がある”と聞かされるのだが…?マ王シリーズ外伝第四弾。
 

第一話の「マ王奥」が色々な方向で最高w
「あのツェリ様が作った」というのと、マイヨールの容姿からしてどんな「秘密の花園」なのか誰か1人でも想像出来ないものか…言葉の響きだけで舞い上がってしまうユーリが凄く年相応の少年らしくてなんとも可愛いです(笑)

そしてどんどん毒女アニシナに毒されていくグレタ…“罠女を目指す!!”とか言い出しちゃう辺りホント最高。個人的には是非アニシナもびっくりな漢前少女に育って頂きたいものですネ!そしてアニメを見ていないので判らないのですが「意外に男前な声のヴォルフ」にときめく(笑)

有利がアニシナのふしぎ道具で皆の夢を除き見る「だってお年頃なんだもん」。
村田の夢といい、ラストのアニシナの台詞といい、コミカルな中にもちょっとシリアスな部分もあり…しみじみと良い話でした。特にラストのアニシナの言葉が凄く心に響く。ユーリは自分が何もしてないとおもってるかもしれないけど、彼が来たことによって変わったことも沢山あるんだなあと実感させられるお話。

ヨザック視点から語られるあの人達の出会いを描いた過去編「迷ううちに花は」。
若き日のアニシナ様が可愛すぎて鼻血でます。グウェンダルとの夫婦漫才ぶりもこの頃から健在。「箱はマのつく水の底!」を読んだ後だと元気なヨザックの姿にしんみりしてしまいますね。

コンラッドとスザナ・ジュリアのちょっとしたエピソード「星の名前」と、コンラッド視点から語られる「大切なひとを失った」。
うわー、初登場のスザナ・ジュリアが予想以上に可愛い。でもアニシナ・ツェリ様と並べられる美女ということで一筋縄ではいかない人物らしい(笑)是非とも彼女のエピソードも見てみたいです。

というわけで長いこと気合で読んできた「まるマ」シリーズも漸く最新刊まで読み終わりました。うわー、他のラノベを消化しつつだったし、凄く長く感じましたねー。これだけの長編シリーズを一気読みしたのは久しぶりです(笑)
本編は非常に気になるところで終っているので、ここは早い所続きを出して欲しいなあ。



しかし、戦いは実はこれで終わりではなかったのだ…!
番外編へ続く!(明日くらいに更新予定)

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殺×愛 6—きるらぶ SIX—

[著]風見 周 [絵]G・むにょ

『カーテンコール』が激化する中、サクヤへの思いを断ち切り“オメガ”としてではなく“椎堂密”という人間として来夏と人類の最期を見届けようと決意した密。しかし、密を傷つける事ができるのは来夏ではなく、サクヤだった。その事実は同時に密が来夏ではなく、サクヤに惹かれている事を示していた。
「僕は来夏を“愛”している」「だけどサクヤに“恋”している」
二つの心は鬩ぎ合い、同時にサクヤを、そして来夏までも傷つけていって…。
   個人的お気に入り度数

うわああああああ、もうなんていうか、切な過ぎる…。
カラー挿絵を見た瞬間嫌な予感がしたけど、ラストがマジ泣けました。もう来夏の想いにもサクヤの想いにもなまじ共感が出来てしまう分、もうほんとに泣いた。ボロボロ泣いた。

今回はよくも悪くも「来夏スペシャル」な巻。来夏ファンの方には必見(笑)私はどっちかっていうとサクヤファンなので中盤の来夏の態度に度々イライラしてしまいましたが…

あの挿絵を見てから読むと、もうどんなシーンも来夏死亡フラグへの伏線にしか見えないんですよね。なんというか凄く幸せそうな二人の姿が逆に儚くて、お互いの気持ちを隠して付き合っている姿がうそ寒く見えた。最初「こんな重要なネタバレしちゃっていいの!?」と思いましたが、この挿絵ネタバレがなければこのうそ寒い感覚はなかった筈。ある意味上手く挿絵でネタバレしやがったな、って感じです。

多分、来夏の「全部知ってる」は密のサクヤへの想いも全て含めて…だったんでしょう。もうなんかそう踏まえて本編を読むと確かに中盤の来夏の態度にはイライラするんだけど、同時に凄く切なくなる。密は彼女だけは壊したくないと必死に護ろうとしてたんだけど、実際来夏のつけた密の傷が治ってしまった時点で来夏は壊れてしまったんじゃないかとも思う。

密が彼女を“愛”していたというのはうそじゃないと思うし、今までつきあった相手の中で一番大切に扱っていたのが来夏なのは間違いないでしょう。でも多分、来夏が欲しかったのはそんな関係じゃなかったんだと思う。

そして来夏スペシャルの裏で存在が霞がちですが、サクヤの姿も物凄く印象的。初登場の時からのサクヤの感情の変化が如実に感じられて。二人が“最後のデート”をするシーンは救いの無い今巻で唯一ほっとできる話でした。「恋ってなんだろう?」と聞かれたときのサクヤの答えがまた良いんだけど、現在の二人の状況を踏まえてそれを読むとそれがまた切ない…。

なんというかもうこの本については、感想を書けば書く程切なくなってくるよう…。

凄く良い所で終っているので、これからの展開が物凄く楽しみです。生き残った密やサクヤに、少しでも幸せなラストが訪れますように。

そして後書きコラボの短編が最高です。にゃみちゃん可愛すぎです。っていうか二人とも、にゃみちゃんのこと愛しすぎだよ!!!(笑)

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なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。

[著]樹戸 英斗 [絵]ほんだ ありま

スポーツ特待生として高校に入学した智紀は、肩を壊して甲子園への夢を諦めざるを得なくなった。しかし近頃は痛めた肩の調子が妙に良い。このままなら部に復帰できるかも…と思いつつ、いつものようにウサ晴らしのバッティングセンターに足を運んだが、そこには金属バットを持ったヘンテコな女・夏希が待ち構えていて…!?
 

第13回電撃小説大賞<銀賞>の作品。3冊買って正直1番期待していなかったのですが、一番電撃らしくて面白かったのがコレでした。大賞「ミミズクと夜の王」はどこまでも電撃らしくなかったし、金賞「扉の外」はこの作品とは別の方向でチャレンジャーな電撃らしかったですが、イマイチ自分の好みとは合わなかったので。

主人公の智紀をはじめとして一度自らの夢を打ち砕かれ、「夢魔」に取り付かれた少年少女達が紆余曲折しながらも少しずつ様々な挫折を乗り越え、再び前向きに歩き出す姿が物凄く爽やかで、読み終わったあとすごく清々しい気分になれました。1話の時点では結構ありがちな感じでそこまで面白く感じなかったのですが2話で一気に面白くなって、3話ではもう完全に物語に引き込まれてしまってました。面白すぎる。

2章でメインになってくるとあるキャラクターの台詞が月並みだけど凄くインパクトありました。

「目の前を真っ直ぐに、地平線の向こうまで伸びていた道が、遠くから飛んできた大きな看板に遮られちゃったような、そんな感じ。その看板にはなんて書いてあると思う?『この道は現在から永久に使えなくなりました。お気をつけてお戻りください』だって。戻る道なんて、どこにもないのにね」


確かに自分の夢に一筋で生きてきた人には、挫折も同じだけ大きいんだろうなあ。なんか凄くそういう色々な気持ちが端的に現れた一言だと思いました。

何よりも、夏希の独特なキャラが良いです。2話までの強引なキャラに惹かれていると3話で…という感じで、(非常に良い意味で)裏切られます。ただラストは少々ご都合主義だったかな。一人称や喋り方を少し変えただけじゃなく、もっと何か明確な変化が欲しかった気がする。(ネタバレ)

受賞作品名を見たときにサブタイトルが猛烈に印象に残っていたので残念だなあと思ったのですがこちらは確かにタイトル変えたのが正解だったかな。タイトルの通り、とにかく直球ストレートでフルスイングな青春ストーリー。オススメ!

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箱はマのつく水の底!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

コンラッドとはぐれ、ヨザックを失い、サラレギーと二人きりでいわくつきの地下道を行くユーリ。精神的なショックからか視力を失ったユーリをサラレギーは更に追いつめようとする。その頃勝利達と意見を違えた村田は単身で異世界に渡る為行動を開始して…!?
 

遂にコメディパートが殆どなくなってしまって鬱展開まっさかりなまるマシリーズ。ストーリーも短いページ数でブツ切りだし例によって嫌すぎる所で切れてるし…聖砂国篇をリアルタイムで追いかけてたら読むの挫折してた危険性もあったかも…。

今回はヨザックを失って鬱々としているユーリを更に追いつめるサラレギーと、少々危険な方法で異世界に渡ろうとする村田がメイン。前世以前の記憶を有する村田が歩んできた苦悩のシーンが印象的でした。そして「地にはマのつく星が降る!」で有利が感じていた安心感と同じ、もしくはそれ以上のものを村田が有利に感じていたというのは少し感慨深い。何はともあれ今回の村田はボブ&勝利組を出し抜いた件といい、前世以前の記憶の話といいかっこよすぎる。くそ、やめてくれ、あんたの逆ツンデレっぷりに萌えてしまうじゃないか!!

(※逆ツンデレ:普段はだらしなく、おちゃらけている人物が、真面目な話しをしてきたり、実は重荷を背負ってたりする様の事。某SNSで発祥し、密かに私が現在一番プッシュしている萌え属性。ちなみに、これに対してヴォルフラムはその手のコミュニティで必ず名前があがる程展開的な男のツンデレである。)

対して聖砂国組はますます重いですねー。非常事態とはいえもうすっかり大シマロンの事とか忘れて陛下陛下言いまくってる気がするコンラッドが素敵すぎです。あんた、そんなに陛下LOVEならシマロンなんか行かなきゃ良かったのに、このー!(笑)

いやあしかし、ギュンターも毒女アニシナもグレタも出てこないまるマがこれだけキツイとは…確かにこの状態で眞魔国残留組のほのぼの小ネタを挟まれても微妙な気はしますが…。どこまでも鬱展開まっしぐらで、どこで息継ぎをすればいいのか判りません。本編がたった140ページで終わるのはある意味救いですが、これはこれで物凄く蛇の生殺しという感じ。ていうかもう少しお待たせしても構わないからこんなページ数で分冊しないで欲しい。300ページで分冊とか、何度も言うけど電撃文庫だったらありえない措置だよなあ…近頃の少女小説って皆こうなのか!?

あと聖砂国篇に入って以来、めっきりBL小説化が著しいのが気になります。カロリア篇の頃から似たような傾向がありましたが、近頃の挿絵の狙いっぷりは酷い。特に75ページと115ページは電車の中では間違っても開けません。なんだこの全開エロス…さすがBL漫画も描かれているテマリ先生だぜ!!!うっかり萌えちゃっただなんてそんな…ッ、サラレギー×ユーリ萌えなんてちっとも考えてないよ!!!??

サラレギーはエロい仕草でユーリをいたぶるし
コンラッドは正直、眞魔国に渡る前より陛下LOVE度アップしてるし
ムラケンまでナチュラルHOMOな彼らに毒されたのか、今回遂に

「僕はずっと渋谷有利がほしかったんだ」

なんて言い出します。ちょっ、所有宣言キタコレ!!!


しかしここまできたら何故最後の展開に挿絵が付かないのか小1時間問い詰めたいのですね。
ちょっとヴォーーールーーーフーーーー!!!!!


とりあえずヴォルフラムスキーとして、現在物凄い蛇の生殺し状態なので早い所最新刊出してくださいお願いしますマジで。


短編の「マ王陛下の花嫁は誰だ!?」は本編の衝撃が大きすぎて特にいう事なし。あ、入れ替わった有利と村田の挿絵が非常に可愛かったです。というか何度も言ってるけど短編は短編で別に一冊出して頂いて、本編で余計な分冊を繰り返さないで頂きたい。

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腐女子彼女。

[著]ぺんたぶ

1年前に彼女が出来ました。2つ年上の、憧れの女性だった彼女はしかし、付き合うときにこう言いだしました。
私—オタクなんだけど、それでもいい?
そう、彼女は腐女子だったのです。それもかなりの…!!これは腐女子な彼女・Y子に振り回される筆者の、闘いの記録です。
 

すいません、「攻めの反対語」の正答が真面目に判りませんでした。
もう色々と終ってますか、そうですか。

オタクで腐女子な彼女に非オタクな彼氏が振り回される、同名のブログを書籍化したもの。いい具合にブログの雰囲気が表現されていて、非常に面白く読めました。根っからの腐女子な彼女に振り回され、徐々に汚染される筆者の姿にちょっぴり同情しつつ、「でもあるあるwwww」と腐女子彼女に超同意してみたり(笑)

いつのまにか彼女の趣味で「ガンダムSEED」の同人小説を書かされたり(ていうか何のカップリングで書いてるのかその辺詳しく!!!)、着メロを「巫女巫女ナース」に勝手にされちゃったり、彼女の腐女子仲間にはいつのまにか「受けセバス」と言われてたり、自宅にエロゲーを送り付けられたり少女漫画を放置されたり…と、とにかく一連のやりとりが秀逸。散々声出して笑わせてもらいました。個人的に一番ツボったのは「クルーゼ鍋」。さっきまで連合vsザフトやってた所為か、きちんとせきとし声で再生されちゃったぜ!!!

普段は彼女の尻に敷かれっぱなし、やられたい放題の筆者ですが、ちゃんと決める所は決めるところがニクイ。まあ筆者の視点から書かれている分、多少の誇張や美化された部分もあるとは思いますが、筆者が普通に萌えキャラなんだよね、超個人的に。

何より、非オタでありながら、色々とついていけないながらもちゃんと腐女子な彼女と対等の関係を築いている筆者に好感が持てました。やはり男性側にとって「腐女子」の世界は理解し辛いものであるし、理解できなくてもある程度当たり前だと思うし、色眼鏡をかけて見られる事も多いと思います。実際同じオタク同士でも男性と会話している際に「腐女子です」というのは中々暴露し辛かったりします。それでもそんな所を全部理解して、対等な立場から「それでもあなたの事が好きです」といえる関係。腐女子とつきあってくれる彼氏の最終的な理想じゃないかと。

正直、「ボーイズラブとか、超キモイよねwwwww」というような男性とはお付き合いできる自信がありません。多分一週間でキレます。

ただ、個人的には内容に対して値段が高すぎるのがネック。漫画以上ラノベ以下の内容量で1000円だもんなあ…確かにおなじページ数&装丁の同人誌を買ったと思えばこんなもんかと思うのですが、読み終わったときにかなり読み足りない気分になりました。

元々Webで掲載されていたものに金を払う事に対してはあまり抵抗を感じないのですが(正直長文になるとパソコンで読むよりも書籍にしてじっくり読みたいので)、最近のこういう「ブログ本」系はもう少し値段が安くてもいいのになあとか思ってしまいます。

ちなみに、「同人系腐女子な女の子に振り回される少年」というフィクションでは阿部川キネコ先生の「辣韮の皮」という漫画がオススメです。「腐女子彼女。」が楽しめた人種なら多分ハマるかと。主人公(男オタ)の滝沢君がバリバリの同人腐女子な先輩・月子先輩や他の漫研部員達に振り回されるという漫画。
(同人イベントの準備が忙しくて)クリスマス越え出来ない」っていうのは同人作家共通の悩みっぽい感じがします(笑)

オンライン書店ビーケーワン:辣韮の皮 1辣韮の皮 1

阿部川 キネコ著
ワニブックス(2002.2)
余談ですが、作中で登場する「乙女ロードの某ショップに連れの男性を放置」というシチュエーションは、私も男友達で実践した事があります。しかも中古同人誌コーナーのレジ付近に放置して一人店内で同人誌漁ってました。戻ってきたら連れてきた友人はとても居心地が悪そうにショーケースを眺めてました。


ものすごーく周りの女性の目線が、痛かった、そうです…………





…ほんと、ごめんなさい。

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扉の外

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

2年4組の生徒たちが目を醒ますと、おかしな場所に閉じ込められていた。“ソフィア”を名乗る人物は、地球は核戦争により滅亡して彼らは優秀な人類なので宇宙船に保護されている…と説明する。上から物を言っているソフィアの言葉に反感を覚えた紀之は彼女の庇護を拒絶し、逃げるように一度出たら戻れない“扉の外”へと飛び出すが…
  

※この感想には、作品に対する否定的な表現・攻撃的な文章が多数含まれております。
 申し訳ありませんが、苦手な方は御注意ください。

2008/05/19 … コメント欄よりご指摘を受けて、注意書きを追加しました。









えーっと……これ、なんて劣化バトロワですか?

修学旅行に行く筈がクラスごと拉致され、おかしなルールを押し付けられて生活をしていくうちに最終的にはクラス対抗の生存競争をする羽目になる…という、粗筋だけを取ればまさにSF仕立てのバトロワ。考えればまさに“生存競争”と思しき事をしているのだけど、そのルールがまんまテレビゲームの領域で、お互いが生きた生徒であることを知らされないままゲームが進行する為まるで現実感が無い。しかし、同時に過酷な生存競争があるわけでもないのに、異常な状況に置かれて少しずつおかしくなっていく生徒たちの描写は空恐ろしいものがありました。

ただ正直な所、下手をすれば自らの生存問題にも関わるだろうに、反抗期の子供のように「見下されている」という言葉を免罪符に、自らの周囲に起こった全ての事象を拒絶しようとした主人公にまるで共感がもてません。

きっと作者さんの中では存在したであろう紀之がソフィアの言葉を衝動的に拒否させるような「何か」が、それっぽい伏線は見て取れるものの読者にはちっとも伝わってきません。作中の話を総合すると「きっと過保護で痛い親に育てられた、反抗期真っ只中のお子様なんだなあ」という程度。(蒼井さんの話から総合すると、正直反抗期の少年少女達に良くある悩みみたいな感じで、そんなに深刻な家庭環境の不和があるとは思えません)。

特に紀之が4組を出奔するまでが本気でキツイです。自分の無思慮な行動をまるで棚に上げてクラスメイトにばかり責任をおしつけ、ソフィアの保護に入らない自分は偉いんだと言わんばかりの紀之の甘さと傲慢さにまず嫌悪感。(自分で拒絶したのに、食べ物は結局殆どクラスメイトの配給を分けてもらってて、それを当たり前の事だと考えているとか、甘すぎ)そしてそれ以上に幼馴染の亜美の行動に生理的嫌悪感を感じてしまうのが、どうしても抑えられなかった。

そしてこの作品で一番(私的に)駄目だったのが、結局特に事態が良い方向に向かうわけでもなく、結局ぐだぐだのまま終了する所。読み終わった直後

「落ちてない、ちっとも落ちてないヨー!!」

と呟いたのは言うまでもありません。まるでジャンプの10週打ち切り漫画のようなラストに呆然としたまま、作者の電波な後書きを読む羽目になって非常に鬱でした。

クラスメイト達が少しずつ狂気に感染していく過程は非常に良かったと思うのですが、やはりこういう作品だったらきちんと全てを解明して黒幕を倒すなりなんな利して欲しい。甘ちゃんだった主人公が段々成長して…という展開だったら大絶賛だったんですが。あと和泉と蒼井のキャラは凄く良かったですね。この2人以外共感できるキャラがてんでいないのもどうかと思うですけど…。

事態が何も解決しないまま主人公とその周囲の一部のみが幸せになって、それでも私達はこの世界にいるんだ!!と、どっかのネットゲーオチRPGのエンディングみたいなまとめかたされても正直困ります。ソフィアの設定にしろ、黒幕の話にしろ、平凡な高校生を学年ごと誘拐して(?)ゲームを行わせた目的にしろ、作者の脳内で完結している設定が多すぎます。正直何も明らかにしないまま終るので、猛烈に後味が悪い。

こういうのを好む方もいらっしゃるのだとは思いますが…とりあえず私には合わない作品でした。私はもっと色々な謎とかが解き明かされたり、成長した主人公が前向きになって皆を救うために頑張る話とかが読みたかったんだ!!!鬱エンドにするにしてももっとやり方ってもんがあるだろう!!!

粗筋を読んだ限り、今回の新人作品の中では一番期待してただけに、物凄く残念です。

もうツッコミはじめると永遠に文句をつけまくってしまいそうなのでこの辺で終了しますが、とりあえず1・4・6組以外のクラスのみんなの安否がとても、気になり、ます。



追記。

ライトノベル名言図書館さんの感想を読んで知ったのですが、この作品の応募時のタイトルは「もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1」というのですね。

なんかこのタイトルだったらこういう終わり方でも酷く納得がいったような気がします。あくまで「シミュレーションケース」であり、現実ではないわけだから、人工知能の正体はなんだとか、黒幕を打倒して元の世界に戻るなんていうのはそもそも些細な事なわけで…このタイトル1つで最も腑に落ちなかった「なぜ最後が謎が謎のままで、色々な方向でオチてないのか」という理由がいともあっさりと解決してしまいます。

なんていうか、タイトルって大事だなあと思った今日この頃でした。
なんで表題変えちゃったんでしょうね。副題にするだけでも大分印象は違ったと思うのですが…

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宝はマのつく土の中!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

小シマロン国王サラレギーの手酷い裏切りを受け、命からがら逃げ出したユーリたちを助けたのは「ベネラ」と名乗る老婆?禁忌の箱を空け、こちらの世界に飛ばされたヘイゼル・グレイブスだった。地下の反抗組織に匿われた一行はシマロンで知り合った神族の双子・フレディとジェイソンが処刑されそうになっているという話を聞きつけるが…!?
 

どんどん暗い方向に話が転がり続けるまるマシリーズ。今刊だけよんだらこれの第一巻が明らかにギャグ小説の類だったなんて誰が想像するでしょう。暗い、暗すぎるよ!!

コンラッドとははぐれ、ヨザックは……で、今回の聖砂国組はどこをとっても救い無し。というかヨザックは前半であざとすぎる行動を取り捲り、読んでいる我々をハラハラさせまくってくれましたが、色々な意味でテンプレ過ぎる行動に涙、涙。

何はともあれ、今回は蓋を開けてみればヨザックが一人で死亡フラグを立てまくる話という言葉できっぱり解説できそう。ユーリとの出会いを振り返ってみたり、ちょっとイイ台詞言ってみたりと…もう今回は本当にあざとすぎですよ!

思わぬところで親馬鹿っぷりを発揮するヴォルフラムとか刈りポニのゆくえとか、何気に面白い小ネタもあるのですがやはりメインの所がどんどん救いの無い方向に…ヨザックの無事を祈ると同時に、早く本来のコミカル路線に戻ってくれないかなあと祈るばっかりです。

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ミミズクと夜の王

[著]紅玉 いづき [表紙]磯野 宏夫

額には焼印、手には鎖を嵌められて奴隷として生きてきた少女は魔物が住むという森の中を歩いていた。己のただ一つの願いをかなえるために。やがて、彼女は月のような金色の瞳を持つ人にあらざるモノと邂逅するのだが…

 

良くも悪くも、「いや、これはライトノベルじゃないだろう…」という作風。魔法や魔物がはびこる世界で起こる人間と魔物のふれあいの物語なのですが、“ファンタジー”というよりは“児童文学”の世界の物語だと思うのです。ストーリーとしては非常に面白かったし、引き込まれるものを感じましたがこれが「電撃文庫」から出てるのは明らかに間違っているとしか言いようが…。

どちらかといえば、小学校の図書室にハードカバーの本としておいておくと、小学生が大人になってから「そういえば小学校の頃、“ミミズクと夜の王”って作品が大好きでね…」と酒の肴にするような、決して歴史に名前が残る訳ではないけれど当時の子供達の心にいつまでも残り続ける…そんなお話だと感じました。私達の世代で言うと灰谷健次郎とか「ルドルフとイッパイアッテナ」とか「ドルオーテ」とか「ズッコケ三人組」辺りと一緒に並べたい作品。電撃でも悪くは無いんだけど、出来ればちゃんとした児童書レーベルとかから出版して、図書館に並べてもらったり親が子供に買い与えるような本になるべきだったのではないかと思えてなりません。電撃だと「たかがマンガ小説」だといわれていまだに学校の図書室とかには入りにくかったり、親が敬遠したりしそうな印象があるんですがどうなんでしょう。(今は大分改善されていると聞くけど…)

しかし明らかに出版社を間違えているだろうというポイントを除けば、文句なしに名作です。本当にこの作品で“悪人”と呼べるのは最初にミミズクを奴隷として扱っていた村の人達くらいで、あとは魔族も人間も根からの悪人は存在しません。魔物であるフクロウやクロは勿論ミミズクを救おうとする人間達も非常に良い人達で。ただ、愛する者の違いやちょっとした行き違いがあったり、それが原因で分かり合えなかったりするという関係が非常に清清しいというか(ただここで人間達に悪意を持たせない所がまた、“ラノベではない”と思わせてしまう由縁なんだよなあ…)。

明らかに頭の足りない子だったミミズクのキャラクターにちょっと微妙なものを感じたりしましたが、後半で人間の国へと救出された後のミミズクの態度が非常に凛々しくてかっこいいです。特に“命の恩人”であるハズのアンディに「フクロウの絵を焼いたあなたを、あたしは絶対に、許さない」と断罪の言葉を投げかけるシーンはシビれた。

最後はちょっとご都合主義すぎる終わり方をしたなあ、とも感じましたが「ライトノベル」ではなく「児童文学」だと思って読めば全然無問題です。最後のほうの一連のくだりはしっかり泣かせてもらいました。

小学校の頃に読んだB級児童文学を思い出させる名作。小さい頃読書が好きだった大人にも読んで欲しいけど、やはり今の小学生に読ませたい一冊だと思いました。というか、表紙からして明らかにコレ本来の読者層である中・高校生読者を切り捨てちゃってるような。

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やがてマのつく歌になる!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

聖砂国に向かう船の中で、亡命して送り返されそうとしている難民達を発見したユーリ。なんとかして彼らを助けようとするユーリは、一世一代の大芝居を演じることに。一方、ひょんなことから4つの“禁忌の箱”のうちの1つが聖砂国にあることが発覚して…。聖砂国でコンラッドが、羽田空港で勝利が出会った意外な人物とは!?
 

近頃なんだか物凄くストーリーの進み具合が遅くてヤキモキさせられる「まるマ」シリーズ。前巻の感想でぼやいたとおり、「これがマのつく第一歩!」と1冊にまとめて出した方がテンポ良く読めたんじゃないでしょうか?やっぱりどうにも分冊した意味がわからない…

ユーリの王としての成長や眞魔国の人々の変化が見て取れる一冊。ダカスコスが船の中で交わした会話が非常にツボです。ユーリは自分が王様になってやったことなんて殆ど無いと思っているけど、やはりユーリの存在によって眞魔国の人々にもたらされた変化は大きかったんだなあと、ちょっと嬉しい気分になれました。同時に貨物船の中の難民を助ける為にユーリたちが一芝居打つシーンが非常にツボ。花形船長の台詞がいちいちまた熱い。

ダカスコスにしろ花形船長にしろ、生まれついた国の価値観というものは私達が考えていたより大きなものなんだな、と実感させられます。ダカスコスは「人間は魔族の敵」だと思ってて、花形船長は「奴隷は自分達とは違う、虐げられて当然の存在」と思っていたわけですがその二人の価値観をユーリが変えたのだとしたらそれってかなりすごいことだなあ、と思うと思わず胸がジーンとなってしまうシーンでした。

そして遂に外伝「お嬢様とは仮の姿!」のキャラクターが本編に密接に絡んで来ます。勘違いゲイシャガール・アビゲイルが非常に良いです。そしてなんだかすっかり“振り回され属性”な渋谷兄(笑)

サラレギーの正体には少々驚いたものの、その目論見に関しては色々と予想通りな展開でした。それにしてもまた嫌な所で切ってくれるなあ…。


ところで170ページの挿絵はコンラッドがユーリを襲ってるようにしか見えません。
なんですかこのファンサービスはテマリ先生!!

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