ロレンスが行商で立ち寄った村を去ろうとした時、荷馬車に可愛らしい娘が寝転がっていた少女には犬のような耳と尻尾が生えていた。自らを豊作の神・“賢狼”ホロと名乗った彼女は故郷へ戻りたいといい、なしくずしにロレンスにくっついてくるのだが…
適当なバトルモノなんかよりももっと熱い、手に汗握る商人同士の騙しあい…駆け引きもさることながら、何よりもロレンスとホロが繰り広げる言葉の駆け引きが非常にツボ。ホロを必死にやりこめようと頭を働かせて、それでもやっぱりホロが一枚上手…という駆け引きには思わずニヤケ笑いが止まらなくなりそうでした。老獪なのに、それとは正反対の少女のような心をもっているホロの魅力を存分に堪能させていただきました。ホロ可愛いよホロ。
「経済をテーマにした小説」と聞いていたのでMissingのような薀蓄が大目のもっと堅い話を想像していたのですが、予想以上に軽妙なストーリー展開でかなり楽しく読むことが出来ました。特にホロを助け出そうとロレンスが必死に策を巡らすシーンは物凄く熱くて、手に汗握りながら読んでしまいました。
しかしここまで頭脳戦で拳にも負けない頭脳バトルを繰り広げてきたのに、結局ラストは力押し…っていうのが個人的には気に食わなかったです。ここまできたらなんとしても口先三寸で丸め込んでほしかったなあ。やりとりとかは好きだったので、ラストだけが非常に不満でした。っていうか本音をぶっちゃければ何でオチがダブルブリッd(うわーなにをするー)
なんだか半端じゃなく高い評価から自分の中でいつの間にか期待を掛けすぎていた所為か、最初に予想していたより「物凄く」面白くは無かったかも。つまらなかった訳でもなく続編も普通に読む気満々ではありますが。