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ガーゴイルおるたなてぃぶ

 

普段はガー助って呼ばれてる自動人形、俺の名はガーゴイル。遠くの町を守る最強の門番にあやかって名づけられた。猪崎市のとある雑居ビルが俺と相棒の住処だ。そこで駆け出し錬金術師のひかるとなんでも屋「鳥屋」を開業し、普通じゃ解決できない仕事を引き受けてる。暴走ダチョウの捕獲が済んだら、次の依頼は見たことも聞いたこともない巨大生物の相手だと!?どーすんだ。俺に任せすぎんなよ尻デカ天パー女!新“錬金”コンビが贈るハートフルコメディ。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

吉永さん家のガーゴイル」と世界を同じくし、本編でも少しだけ登場した古科学者と新米錬金術師・ヒカルともう一人のガーゴイルの戦いを描く番外編的シリーズ。

バトルメインの展開自体は悪くはないんだけど、無理にバトルシーンを増やそうとして持ち味である人情味とかご近所成分が潰されてしまってる印象で、それがかなりキツイかなぁ…というか、物語の裏にはちゃんと「ご近所成分」がありそうな気配がするのに、それを描いて貰えないというのが凄くもどかしい。ご近所成分不足でとても欲求不満。

キャラ立てが終わる前にバトルに入ってしまっているので、各キャラに感情移入しづらい。特に高原喜一郎という、本編でしっかり描かれているキャラが登場するとどうしてもそっちに目が行ってしまう。ていうか喜一郎可愛いよ喜一郎。

ヒカル達が古科学を憎むようになった理由も中途半端にしか語られず、当事者であった千秋はとにかく、ヒカル達がそこまで彼らを憎む理由がイマイチ伝わってこなかったり。基準がどうしても本家本元の吉永家&ガーゴイルになってしまっているからか、ヒカル達の心が狭いように感じてしまう。うむむ……。バトルもいいけど、もうちょっとその前にキャラ立てをがんばってほしいというか…。

とりあえず、本家「ガーゴイル」とのクロスオーバーが気になるのでもう少し読んでみたいと思いますが、できれば次はもうちょっとバトル置いておいてキャラメインの展開にしてほしい……。


ツァラトゥストラへの階段

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

学校でふと意識を失い、目を覚ました福原を待ち受けていたのは暗い部屋の中で自分と同じように手錠と鎖で繋がれた男女。そして部屋の真ん中から吊り下げられている一人の人間。彼らに与えられたのはトランクの中に入った大金と1丁の拳銃…。部屋に残った人間のうち1人が最後に首を吊られてしまうという“ゲーム”に巻き込まれた11人はそれぞれの思惑の元、脱出の為動き出すが…
   個人的お気に入り度数
「扉の外」で色々と物議をかもし出した土橋さんの新作。「扉の外」のような人間を使った悪趣味な頭脳ゲームに、ライトノベルらしい異能バトル要素を加えたような内容で、前作を楽しめた人は結構楽しめるんではないかという内容になってます。まあ個人的には異能バトル要素いらなくね?とかむしろ「扉の外」の続編希望とか人知れず思ったわけですがその辺はきっと作者さんにも諮りきれない大人の事情があるのでしょう。他の作品でも同じような印象を受けた事があるんだけど…尖がったマニア向け作家を無理に一般受けさせようとして作者の持ち味そのものが薄味になってしまったような印象というか、そういうのが拭えない新シリーズです。(…ちっともほめてない気がすすのは気のせい)

とはいえ相変わらず人間の暗部をさらけ出すような、悪趣味(こっちはほめ言葉)なゲームシステムは健在。さりげなく「扉の外」と共通したキーワードが登場する事からひょっとして尻切れトンボで終わった「扉の外」との世界観共有があるのかな??と期待してみたりしてます。

適当にキャラ設定変えればそのまんま「扉の外4」と言っても行けちゃいそうな「Split Game」に対して、後半の「Interest Game」はかなりサバゲーから頭脳ゲーに近いというか、異能要素も相俟って今までとは多少毛色の違うゲーム展開になってました。というかゲームでの敗北がそのまま「死」に繋がらないこの「囚人ゲーム」に於いて、「プリズナー落ち」という「死」と同等あるいはそれ以上の重い「ペナルティ」の存在を印象付けて今後の展開に緊迫感を与える為の話という印象?というか、「SplitGame」の方が作者さんの本領発揮という感じを受けたりしました。

あと今回は主人公固定で行くみたいだし、もうちょっとキャラクターにも重点を置いてほしいなあ…。主人公が「囚人ゲーム」に参加する事になった動機がちょっぴり無理やりすぎるような気がするし、性格上、様々な女の子の間でグラグラしてきやがるので感情移入しづらい。ヒロイン格も無難な方面に行ってしまって「あの」正樹愛美・蒼井青子を超えるには到底魅力が足りない感じ。まあ前作は正樹愛美のキャラが何気に突き抜けてたっていうのはあるんでしょうが…。

そのほかゲームの難易度が上がってて私の弱い頭では理解するのに時間がかかったりと気になる部分もありましたが、ゲームシステムは相変わらず凄く面白いし、続きが楽しみな1作です。



【追記】そういえば、後書きの話だけどある意味2巻の後書きが気になる展開に!!


ムシウタ 00. 夢の始まり

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

友達もあまり居らず、家にも居場所が無いと感じている目立たない少女・杏本詩歌。自らの居場所が欲しいと願う彼女は目の前に現れた不思議な女性にその夢を語る。それが、悪夢の始まりとも知らず…。一方、小さい頃から不思議と困っている人を見分ける事の力を持っていた利菜は、3人の虫憑きと出会って…。
   個人的お気に入り度数

詩歌・大介・利菜ぞれぞれの「はじまり」を描く番外編です。

詩歌が虫憑きとなる「夢の始まり」は、なんかどこかで見たことあると思ったらつい先日アニメでほぼ同じ話(…の、大介と詩歌が邂逅するまで)を見ていたのでした(1巻にも同じような描写があったような気がしなくもないんだけど…どうだったっけ?)。その分、詩歌の家庭の事情よりもその後の大介と土師の関係やなみえの葛藤などが面白かったです。

ていうか土師と大介はなかなかいい関係してますよね。おねえちゃん思わず読了後に「土師×大介」でググっちゃったよ。でもムシウタで女性向ってあるのかな。さすがになさそうだな。個人的に有夏月×大介も良いとおもうよ。

そして後半は「レイディ・バード」こと利菜が虫憑きになったエピソード「夢の黄昏」。1巻ラストで彼女が「本当の夢を忘れていた」というシーンがありましたが、むしばねのリーダーとして疲弊するうちに忘れてしまった訳ではなく、意図的に忘れようとしていたというのもあったんですね。序盤は一見可愛らしい子供同士のお話にみえるだけに、ラストの重さが印象的でした。

しかし、最近の「ムシウタ」シリーズは何度も言ってるけどキャラクターの把握がしきれなくなってきて、久しぶりに出るキャラクターとか居るとそのキャラクターが本編でどのような活躍をしたキャラクターなのか思い出せないということが多すぎてかなり困ります。もうちょっとここだけはなんとかならないものかなあ。「なみえ」とか「センティビート」とか名前はなんとなく覚えてるけど、あんまり印象が無くてイマイチ感情移入出来ないというか、意外な過去に驚いたりしづらいというか。

アニメ化もしたことだし、クライマックスへのおさらいとして富士見の「超解!」シリーズみたいなムック本を一冊希望。


断章のグリム 4 人魚姫下

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

法事の為、海辺野家を訪れていた親戚達がいっせいに謎の怪死を遂げる。また、ほぼ同時刻に街にある寺の住人が同じように怪死…。“人魚姫”の怪奇は未だかつて無い規模で、街に広がりつつあった…!

 

いつまでも前作と比較するのはお門違いだってわかってるんですが、どうしても今回もあんまり痛くないなあと思ってしまう今日この頃ですが、「物足りない」と感じてしまう私は甲田作品に慣らされすぎでしょうか。あまり痛さを感じないのは描写が現実離れしすぎてるからか、それとも登場人物に感情移入しづらいのが原因か。(Missingでは空目様は兎に角、残りの3人には結構感情移入の余地があったものだけど)

今回なんと言っても印象的なのはやはり神狩屋の過去話。いい話と見せかけておいて、ラストのオチでドン底まで落とすっていうのは流石すぎます。しかし、なんとなくオチが読めてしまったのはやはりどこぞのチャイニーズスープが脳裏をよぎったからでしょうか(わかる人にはネタバレ)

そういえば物凄く余談ですが、私↑で髣髴した作品の感想を書いたときに、思いっきり甲田さんの作品と比べてたりしました(笑)やはり、こうやって比べると「Missing」とはグロはグロでも方向性が違うっていうのが良くわかります……でもここまでやっといて「グロが苦手です」っていうのは素敵過ぎる発言だと思いますが。

ラストの展開は、最後までどうしても読めませんでした。(ネタバレ→)千恵が元凶ではないんじゃないかというのは途中でなんとなく読めたのですが、まさかそう来るとは。生き残った彼女が今後どうなるのかがちょっと楽しみです。ひょっとして新たな仲間になったりするのかな。


これがマのつく第一歩!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

出航直前に起こったテロのお陰で、ヴォルフラムやギュンター達と離れ離れになってしまったユーリ。貨物船でシマロンの若き王・サラレギー、大シマロンからの使者・コンラッド、そしてヨザックという微妙なメンツで神族の住まう国、聖砂国を目指すことになるが…。一方、いつまでたっても戻ってこないユーリを心配した村田は、とある人物とつなぎを取ることに…!?
 

完全に次作への「つなぎ」の一冊。後半にグレタメインの番外編が入るため、本編はたった100P程度しかありません。簡単に読めるけど、物凄くコメントしづらい一冊だ…。

電撃文庫の400Pだの500Pだのの本に慣れていると、「原稿が300P越えたから分冊!!」という思考が全く理解できません。多分ビーンズが活字の苦手な学生をターゲットに絞っているとかそういう関係も多少はあるんだろうけど…そこで敢えて「300Pがなんだ!」といいたい。内容的には、分冊なぞせずに1冊にしてまとめて読みたかった。外伝を含めても400P。電撃なら全然余裕のページ数なのに!!!

ていうかもう1000ページ越えなければ全然許容範囲内だよ!?
(それどこの終わりのク●ニクル)

せいぜい見所といえば、村田という日本側で立ち回るキャラクターを得たお陰で、「お嬢様とは?」「息子はマのつく?」に出てきたキャラクターが少しずつ出張ってきていることでしょうか。外伝を読むのを後回しにするならこの本の前に読んでおくのがオススメ。

というかもう、日本側で渋谷兄に、魔族側でヴォルフラムに、そして外伝でグレタに萌えれればもうそれでいいとおもうよ!個人的には予想以上に弟バカだった渋谷勝利兄がお気に入り。村田やボブとの掛け合いがなんとも可愛い。ヴォルフラムは聖砂国に行く為の救助隊を指揮することになり、ますます漢前が上がりました……救助に行く為、ギュンターの“秘術”で魔力を封じてまで……………


………………

ってこれなんてホモゲ!!??

どちらかというとノリはどこぞの「これが私の御主●様」っぽかったですが…なんというか、シリアスだらけのストーリーに一服の清涼剤をありがとう。いやー、ギュンターはやっぱりこうでなくっちゃね☆

むしろ本編よりも見所はグレタがメインで活躍する「マ王陛下の優雅な一日」でしょう。眞魔国王宮を舞台に、久しぶりにほのぼのとしたドタバタ劇が見られます。うわぁぁぁぁぁ、グレタ可愛いよグレタ(*´д`)


クビキリサイクル—青色サヴァンと戯言遣い

オンライン書店ビーケーワン:クビキリサイクルクビキリサイクル

発売:2002.2
発行:講談社
[著]西尾 維新 [絵]竹 
以前から読みたいと思いつつ、踏ん切りがつかなかったところを友人に貸してもらい、ようやく読むことが出来ました。

「ファウスト系」というとどうにも最初に読んだ奈須きのこの「空の境界」が性に合わなかったらしく、「回りくどく小難しく感情移入しづらい」というイメージがあったのですが確かに初めはくどくど気味で入り辛かったけど中盤からは一気に物語りに引き込まれました。ミステリーは基本的に殆ど読まないので新鮮というのもあったと思う。トリックがどうのとか自分で全く考えないで読んで行く性質なので、皆がどんなに簡単だというトリックでも殆どわからなくて新鮮に読めるんですよね(その分、トリックを自分で解く楽しみというのは殆ど経験したことが無いんだけども…)

お金持ちのお嬢様が“天才”と呼ばれるVIP達を絶海の孤島に集め、サロンのようなモノを作っていた所に殺人事件が起き、友人の付添いでやってきた主人公達も巻き込まれる、というのがおおまかな粗筋。島に集まっているのは天才の名前に相応しく変わり者ばかりで、それぞれのキャラクターの強烈な個性にクラクラしてしまう程。かなみさんあたりはある意味天才の歪んだイメージとしてはオーソドックス過ぎる気はしたけど…。

そして出番の殆どない“名探偵”こと哀川潤がまた素晴らしい個性の持ち主。本当に出番自体は少ないのに私の中に強烈な印象を焼き付けてしまいました。元々こういうキャラが好みだっていうのもあるけど。彼女の存在だけで一気に続刊を読みたくなったくらいです。赤音さんと潤さんが激しく好みです。

しかし、脇役が個性的すぎる所為なのか、主人公が悪目立ちしちゃってる気が…。主人公としては結構異質なタイプだとは思うんだけど、ちょっと諦観しすぎっていうか「戯言だよな」って言いすぎな気がしますよ!(「戯言シリーズ」っていうくらいだから言わなかったらタイトルに偽りありになっちゃうけどさ…そしてこういう主人公なのが戯言シリーズなんだろうから、しょうがないんだけどさ。)

とりあえず鬱主人公と呼ぶには感情の起伏がなさ過ぎるので(鬱になるのは自分の後ろ向きな感情を制御しきれない場合ですし)、このタイプをこのサイトでは勝手に低体温主人公と呼ぶことにしました。あと「殺愛」と「閉じられた世界 絶望系」の主人公も一緒に括るといいと思うよ。

さすがファウスト系の看板作品というだけのことはあり、面白かったです。
今回では明かされなかった主人公の過去とか、姫名さんの残した今後への伏線?っぽい発言もかなり気になるので続編も積読消化したら徐々に読んで行こうと思います。