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キーワード:椋本 夏夜 (34 件 / 4 ページ)

れじみる。

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

姫島姫には早見殊子という“彼女”がいる。そんな彼女と遊園地へデートに出かけた姫なのだが、遊園地には見知った顔が居て…!?
ほのぼの×ダークなレジンキャストミルクシリーズに100%“ほのぼの”な短編集が登場!
 

ツンデレ少女・蜜と硝子がお料理対決をしたり、人間の区別をつけることが出来ない理緒がお祭で小さな男の子と交流したり、皆で海水浴に行ったり、保健教師佐伯ネアのちょっと特殊な嗜好?が明らかになったり…と各キャラクターの魅力満載な短編集です。個人的には5巻ですっ飛ばされた海水浴話が収録されてて満足だったり(笑)

一番ツボにハマったのはなんと言っても2話の蜜VS硝子のお料理対決。テンプレ通りに天然に蜜を刺激する硝子も素敵ですが、なんといっても盛大にスレ違って義娘との距離が縮まったと強引に勘違いしてしまう蜜のお母様が素敵過ぎます。蜜の料理シーンは爆笑必須。電車の中で読む際は注意しましょう。つか電車の中で読むのは危険です。

また、3話の理緒の夏祭りの話は“虚軸”としての悲哀もちょっぴり滲ませつつほのぼの良い話で面白かったです。ラストの男の子のセリフではじーんとしてしまいました。一番ツボったのが“ぶつもり”だなんてナイショですが。そんな明らかに癒され無さそうなダークなスローライフ、ちょっと体験してみたい。そういえば電撃作家陣の間では流行ってるんですっけ?“ぶつもり”。

またプロローグ・エピローグで本編1巻前、5巻直前の硝子が見れます。彼女の感情がどれだけ成長したか感じられるのもなんか良いですね。そして5話ラストのバニー硝子に萌え。

一編一編に密かに本編でも人気な椋本夏夜さんの漫画も収録して、レジンキャストミルクファンなら大満足必至の短編集です。是非この調子で第二段も出して頂きたいです!(笑)


カーリー 黄金の尖塔の国とあひると小公女

 

ヴィクトリア王朝時代の面影薫る英国領・インド。14歳だったわたしは、祖国イギリスを離れ、“国王の王冠にはめられた最大の宝石”と謳われた東洋の地で、一人の少女と出会う。オニキスの瞳に神秘的な雰囲気をあわせもつ彼女の名前はカーリー。彼女は、遠い異国の地で出会った、わたしの運命そのものだった―!激動の時代に、イギリスとインドのはざまで揺れる運命の恋を描いた、高殿円のヴィクトリアン・ラブ・ストーリー、遂に開幕。 (「BOOK」データベースより)

インドの英国領にある全寮制女学校に入ったシャーロットは、そこで美しい少女カーリーと運命の出会いをして…という話。

意地悪な継母、高圧的な学校のクラスメイト(しかも縦ロール)、真夜中のお茶会にダンスパーティ…とハウス名作劇場というか小公女セーラというか古き良きイギリスな感じの全寮制学園モノ…かと思いきや、後半は第二次世界大戦の世界情勢とかが絡み合ってきて、予想以上に面白かったです。
今までイギリスで甘やかされて世界情勢など殆どしらなかったヒロインが、カーリーや友人の少女達に影響されて戦争や自国のことを初めとした世界情勢を一生懸命学んでいく姿が健気で印象的でした。

ストーリーも良いんだけど、真夜中のお茶会とか学園生活といった部分が凄く読んでいて心地よいというか…楽しそうな雰囲気が伝わってきた。次巻ではミチル&ヘンリエッタの出番があるかが個人的には心配です。特にヘンリエッタが良いキャラしすぎ(笑)

序盤百合百合した展開にポカーンとしたりもしたのですが、後半の展開を見て納得。難しいと思うけど二人には是非幸せになってもらいたい。続編が明日発売されるようなのでそちらも楽しみです♪


…とまあ、折角なのでたまには腐女子全開・ややネタバレ気味の感想でしめくくってみようと思います。





お手伝いの男の子(名前失念)とカーリーの夜会話(違)に激しく萌えたんですけど(*´д`)=3ハァハァ


流行に乗って「ライトノベル個人史」書いた

 ライトノベル遍歴を語るのが流行っているようなのでブログのリハビリも兼ねて投下します。前半は以前に書いた記事の焼き直しなので、個々のタイトルの紹介は省略します。あと永遠の21歳ということになっているので年代はかかない。

ひたすらお金がなかった少女小説読み漁り期


 図書室と図書館と古本屋の100円以下ワゴン(ブックオフ参入前の微妙な古本屋とかだと10円とか30円みたいなワゴンが割りとあった)で読むものを探していた時代。コバルト・ティーンズハートのミステリ系の長編シリーズや恋愛系の1冊完結系ばかり読んでました。

408610783X殺人切符はハート色 (集英社文庫?コバルト・シリーズ)
山浦 弘靖,服部 あゆみ (著)
集英社
発行:1985-09

 古本屋駆使して一番頑張って集めてたのはやっぱり「星子宙太シリーズ」だとおもうんですけどまさかこれ50冊続いて子供が出来るところまでいったとか流石に知らなかったです……さすがに全部は追ってません。

 なおたまに同世代が話題に上げる「運命のタロット」シリーズは古本屋ではめったにお目にかかれず。ぶっちゃけ、ミステリーものと恋愛物は冊数出てても1冊で話が完結するから巻数バラバラでも追いやすかったんだとおもう。運タロとかあらすじからして時系列バラバラではよみたくないですしね。折原みとの現代舞台の恋愛物とか「とんでもポリス」とか「〜の国のアリス」シリーズとか読んでたはずだけど内容うろ覚え。

4086145685なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)
氷室 冴子,後藤 星 (著)
集英社
発行:1999-04
4758436894あなたにここにいて欲しい (ハルキ文庫)
新井 素子 (著)
角川春樹事務所
発行:2012-10-11

 図書館で読んでたやつというと「ラノベっぽい(と言うかラノベ出身)けど一般レーベルで書いてる」このふたり。氷室冴子はコバルト文庫のやつが割とそのまま文庫やハードカバーで図書室入ってましたね。新井素子は少女小説レーベルで書いてたのとは違う路線のやつが入ってたんだけどそこからコバルトに行って転び直したりしてたから……「あなたにここに居て欲しい」は良い百合なので好きな人はどうぞ。あと「おしまいの日」はいいぞ。

大体林原めぐみが悪い富士見全盛期

B0093SY2YKスレイヤーズ1(新装版)<スレイヤーズ (新装版)> (富士見ファンタジア文庫)
神坂 一,あらいずみ るい,あらいずみ るい (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2011-04-21

 少女小説ばかり読んでいた頃に「らんま1/2」でドはまりした林原めぐみさんのラジオ経由で(ラジオ経由!)わかりやすくアニメ化直前の「スレイヤーズ」にすっころんだ大変わかりやすいオタクです。90年台後半のラジオにはラジオドラマなるドラマCDの連載版みたいなやつが連載されており、林原めぐみさんのラジオでは当時スレイヤーズのラジオドラマが流されていたのでした。

 マンガみたいな軽快なノリの文章と、それとは裏腹にガンガンぶっこまれるヘビーな展開が衝撃で。スレイヤーズはアニメになったのが1部までだからあんまり話題にならないけど2部の重さが結構好きだったんですよね。ラストは子供なりに飲み込めないところもあったんだけど、「まあ神坂一だしな……」みたいな謎の納得があったのを覚えてます。そういう意味で一番刺さったのは3冊完結の「闇の運命を背負う者」だったかもしれない(2巻まででそこそこきれいに落としておいて3巻で突き落として重い物背負わせる感じがすごい)。


 スレイヤーズで林原めぐみでわかりやすくこっちも好きだったオタクでした。セイバーマリオネットもアニメと違って原作の重たい展開が……とかずっと言ってたんですけどJtoXは原作とは全く別方向に重たかったなあ……。

B009AALA2Iそれゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】1
庄司 卓,赤石沢 貴士 (著)
朝日新聞出版
発行:2010-10-20

 ちなみに林原めぐみのラジオ経由というとこっちもそうですどんだけ罪深いんだ林原めぐみ。スレイヤーズとこれがほぼ同時期だったんじゃないかな……アニメはまともに見てなかったので特にヨーコはラジオドラマのイメージが強いです。ああいうの好きだったので今の声優ラジオには全く興味がもてなくてすまない……。

B009NNZO5Qロスト・ユニバース−1 幻夢 目覚める<ロスト・ユニバース> (富士見ファンタジア文庫)
神坂 一,義仲 翔子,義仲 翔子 (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2011-12-01

 そして3年後には空前の「ロスト・ユニバース」期来るんですよ。私の青春の林原めぐみから逃げられてない感じすごすぎてツライ。そしてライトノベル原作で初めて人生を狂わされた男は間違いなくお前だケイン・ブルーリバー。「ヤシガニ屠る」とかいってはいけない。

4044156026魔導物語 (2) (角川文庫?スニーカー文庫)
山本 剛,壱 (著)
角川書店
発行:1995-03
487025350X小説 ツインシグナル〈Vol.6〉時の彼岸 (COMIC NOVELS)
大清水 さち,北条 風奈 (著)
エニックス
発行:1998-08

 今も大体好きなアニメのノベライズは追うけど当時はノベライズ頑張って読んでて、その中でも特に山本剛の「魔導物語」シリーズと北条風奈の「小説TWINSIGNAL」シリーズがお気に入りでした。あと書影がでてこないんだけど久美沙織の「MOTHER」シリーズ。後者は特に初めて同人的な方向でドハマリした作品だったので、死ぬほど読み返したし、当時の読書遍歴にも大分影響あったとおもう……というか当時は並行して国内・海外SFブームが来ていたので私のソノラマ全盛期はここです(秋山完がわりと好きです)。

 良くも悪くもアニメ・マンガとともにあったスレイヤーズ全盛期のラノベ遍歴でした。

私の傷みでオタクの道を踏み外す

 割とここまでメディアミックス済の作品をメディアミックスから入って原作まで追う、というわかりやすいオタクをしていた私に、当時ネット上でお付き合いのあったお姉さんが勧めてくれたのが電撃文庫の大定番「ブギーポップは笑わない」です。暫くはブギーポップとキノの旅を追いかける解りやすいオタクをしていたのですが、盛大に道を踏み外したのはこの2作品が元凶。

B01GNKL6I0ダブルブリッド<ダブルブリッド> (電撃文庫)
中村 恵里加,藤倉 和音 (著)
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
発行:2016-06-16
4840229961Missing〈12〉神降ろしの物語 (電撃文庫)
甲田 学人,翠川 しん (著)
メディアワークス
発行:2005-03

 当時の読書遍歴を思い出すと「ダブルブリッドで優樹さんが自分の目えぐるシーンやばい」「Missingの呪いのFAXの話こわくない?」「インフィニティ・ゼロの虫の描写やばかったほんとうにやばかった」とか言い出してなぜそんなに痛み描写の激しい小説ばかり読んでいたのか。

 特にダブルブリッドと出会わなかったら今のライトノベル読みみたいな自分はいないとおもうので文字通り足を踏み外した感じすごいんですけど、身を切られるような傷みの描写と傷つけ合いながら必死に関わろうとする人間と人間でないものの生き様に震え、最終巻付近になったら年単位で刊行ペースが開くようになって震えたあの日。本当にウン年ぶりで完結してくれてよかったです……あと中村恵里加の新作のためにいまだに電撃の新刊チェックしてる

学園異能はいいぞ

 ダブルブリッドで道を踏み外して暫くたった私に襲いかかったのは学園を舞台に超常能力を持った生徒達が世界の裏で暗躍する系ラノベ。なんかこの呼び方にも色々異論があるみたいなんですが言いづらいので以後とりあえず「学園異能」っていいます。定義は個人の解釈です。

4840231516レジンキャストミルク (電撃文庫)
藤原 祐,椋本 夏夜 (著)
メディアワークス
発行:2005-09
B01C272O1Qシャドウテイカー 黒の彼方<シャドウテイカー> (電撃文庫)
三上 延,純 珪一 (著)
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
発行:2016-03-03
B00RYOKE2O殺×愛1 ?きるらぶ ONE?<殺×愛> (富士見ファンタジア文庫)
風見 周 (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2015-01-13

 まだあんまりラノベ感想を書いててもラノベ感想サイトは漁ってない時期なので表紙やあらすじで「おっ」となったやつを片っ端から買って読んでいくスタイルだったんですが、特に好きだったのはこのあたり。三上延先生は「ビブリア」で一発当ててしまいましたが電撃のオサナナジミスト系学園異能系が本当に好きだったので原点回帰してくれないかなあ……。

 「レジンキャストミルク」は心に欠落を抱える少年少女達がその欠落を異能の力として戦うみたいなお話なのですが異能力から感じる華やかさ、痛みや物語と挿絵のマッチ感が本当に好きで、あと殊子先輩が大好きだったので色々察して欲しい。きるらぶは何度も脱落しそうになりながら追いかけた記憶が割と強いんですけど、刹那的な世界観となんだかんだでご都合主義爆発なハッピーエンドがとても好きです。

バカテスから先はまだ歴史にはなってないのでこの辺で。
それではアイドルマスターSideMの学園異能イベント走ってきます。


カーリー 二十一発の祝砲とプリンセスの休日

[著]高殿 円 [絵]椋本 夏夜

突然、シャーロット達の通う女学校にインドの中でも有数の力を持つ藩王国・バローダの王女パティがゾウにのって転校してきた。破天荒で我侭な彼女の行動に歯止めをかけられる人間はおらず、生徒達はただただ困惑するばかり。
カーリーをパティに取られ、更に気の合わないヴェロニカと相部屋にされてしまい面白くないシャーロットだが、偶然彼女の秘密を知る羽目になり…
 

苦手だった筈のヴェロニカやライバル(?)のパティをなんだかんだいってほっておけず、頭を悩ませたり、奔走したりするシャーロットが非常に可愛いです。前回以上に寄宿舎がメインになっているので、前回気に入っていた学園パートが比例して増えていて凄く嬉しかった。

破天荒で派茶目茶で恋に生きるお姫様?なパティや、新キャラで結構クーデレのベリンダさんとか実は凄まじいツンデレだったヴェロニカたんとかキャラクターも最高です。特にヴェロニカ様がサリーをご所望するあたりはもうひたすらにやけ笑いが止まりませんでした。最高!!そしてベリンダ、ラストでいいところもってきすぎ…!

パティに纏わるお話は本当に色々な意味で良かったし、切なかった。
寄宿舎での振り回しっぷりも、彼女の真意と併せて読むと壮絶な覚悟を感じて凄く切なくなります。この後時代は大きく変わっていくわけですが、その中でパティも本来の彼女らしく、自由奔放に生きてくれていたらいいな、と心から願ってしまいました。

しかし華やかで面白おかしい学園生活の裏で、インドを…ひいては世界をも大きく震撼させる出来事が進行しているというのがまたこの刹那の学園生活に輝きを与えているように思えます。次巻が出るにしろでないにしろ、寄宿舎での話は今回で終了とのことで非常に残念。個人的にはなんとしてでも続編を刊行して頂きたいので、興味のある方は是非買いましょう。是非。






しかしもうね、今回出番が少なかったんですがそれ以上にカーリーが最高なんですよ!

「…………牛乳、小魚、卵かな」とかアヒルとの低レベルな確執とかシャーロットとのウキウキ★ヒンドゥー語レッスンとか見所満載すぎ。

どんどんシャーロットの前でのみヘタレ王子(誉め言葉)になってきてしまったカーリー最高。前巻での割合パーフェクト少女なカーリー、そしてキレモノなアムリーシュ殿下も最高でしたが個人的にはこっちの方が断然好みです。いいよヘタレ王子もっとやれ!!シャーロットが判らないのを言いことに自分の都合の良い事言わせて悦に浸ったり、判らないのを良い事にヒンドゥー語で愛を囁いてしまうヘタレなカーリーを全力で応援したく思います!!

しかし次回以降はあのパーフェクト美少女にみせかけて実はヘタレッ子なカーリーたんはもう拝めないのでしょうか。非常に残念です…もう少し見たかったなあ。パティのルームメイトに選ばれたあたりの下りを読んで、もうカーリーがメイド服でお仕えするんだと信じて疑わなかった(しかもそんなカーリーの挿絵が入ると信じていた)ダメ人間で本当にごめんなさい。


レジンキャストミルク5

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

姫島姫・君島直子を狙った一件から暫く、平穏な毎日を送っていた晶達。しかし、屋上で殊子や蜜に言われた何気ない一言が晶の心を揺さぶる。そして同時に、少しずつ「非日常」の方が居心地良くなっていく自分に戸惑う晶。しかもそこに、明らかに怪しげな双子の転校生が現れて…
 

「私達はね…変わりつつあるんじゃない、終りつつあるんだよ」
という殊子の一言が印象的。

どんどん「日常」に馴染んでいく硝子とは対象的に今まで否定してきた「非日常」の方へ、自分でも気付かないうちに踏み込んでいってしまう晶。確かに硝子が「変化する」ことによって虚界渦が解放され、今回のような結果になったわけだから確かに“終りつつある”という表現は正しいんだなあと感じました。晶にとっては猛烈に皮肉な結末なのではないかと。

そして人知れず蜜たんハァハァ。
義手を巡っての硝子とのやりとりでの意外性たっぷりなドジっ子ぶりに思わず萌えた!!(*´д`)=3

今回の魅せ場はなんといっても晶の告白(訣別)と硝子の虚界渦開放だとおもいますが、どうしようもなくこの作品らしい告白の仕方で、確かに芹菜にとっては残酷なんだけど大好きです。
しかし本当にこの虚界渦の能力って残酷だよなあ…。

無限回廊の過去最大級の浸食によって、すっかり構図が「非日常」側に書き換えられてしまった感が拭えないですが、やはり気になるのは今後の良司&芹菜の動向でしょうか。良司についてはなんかどさくさに紛れて最終決戦の頃には自軍に居たりしそうだけど(笑)真実を知ってしまった芹菜がどちら側に動くかが個人的には楽しみです。


レジンキャストミルク4

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発売:2006.6
発行:メディアワークス
[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜
見事に四方八方塞がりのまま終わった前巻ですが、今回では主人公を立ち直らせて以降はすっかり快進撃が続きます。ほのぼの×ダークといいつつも何気にやってることは王道展開で非常に好感触です。打ちのめされた主人公が成長して帰ってくるなんてもろに王道!!

しかし3巻で明かされた硝子の戦う理由、そして4巻で明らかになった密の覚悟などが非常にかっこいいのに対して晶はやってることが王道すぎて逆に目だってない感じが。出番の少ない里緒の台詞の方が印象深いのはなぜなのでしょう…。

今回は前巻からの予告通りに君子と蜜の過去話がメインな訳ですが、姉属性萌えとして殊子に激しく萌えました。犬猿の仲の義姉妹だけど、実は予想以上にお互いのことを気に入っているというところが非常に良いです。しかもそれが好きという感情ではなく否定的な感情を持ったが故の執着というところがまた。

ストーリー自体は主人公達が一回り成長して第一部終了という感じでしょうか。今後がますます楽しみです!
最後のきみちゃんの台詞に泣かされてしまいました。


レジンキャストミルク3

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

姫島姫の身体を固定剤にして現れた“無限回廊”。その中に自らの親友である姫の意識が生きているということを晶に告げられず、思考回路に不全を生じさせる硝子。硝子の友人・君島直子や“壊れた万華鏡”舞鶴蜜を巻き込んで事態は最悪の展開に。
 

…というか、2巻から見事に主人公の思惑が裏目に出まくりですね。「こうなったら嫌だよなぁ」とおもった方向にストーリーがズンズン進んでいくのはある意味流石という感じです。虚軸になってしまった某クラスメイトの狂気も必見(ありがちではあるけど、王道なだけに痛々しいんだよなあ…)

ある意味一番強烈だったのがゲストキャラ?の担任の先生かも。
ノリ的には「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」の先生に近いんだけど、その正義感が裏目に出てしまった最たる例というか…いつでも「友情・努力・勝利」で切り抜けられるもんじゃないというのが痛烈に痛い。少し考えればわかるはずの結果すら見えない盲目ぶりはもう見ていて不快にすらなりました。
“行き過ぎた正義は悪である”っていう言葉がぴったり来ますね。(しかしこれ、どの作品のセリフだっけ?)

どろどろに鬱でシリアスでダークなストーリーが連発する中、それでも時々しっかりと甘いほのぼのコメディが入ってくるのがまた上手いです。大体こういう小説って話がシリアスになればなるほど、シリアスの比重が多くなってコメディ色が薄くなるものですが、このシリーズは短いながらもほのぼのパートのインパクトが強いのでほのぼのとダークのシリアスが絶妙に感じます。

酒に酔った舞鶴のツンデレ発言連発に大爆笑。(作者さん狙ってる?(笑))
そしてカラー口絵漫画にも大爆笑(プリンの国って…!!)
カラー口絵で漸くなんとなーくだけど虚軸について理解した私でありましたorz

しかしこれ、2巻がみつからなかった関係で4巻発売直前に読むことになって正解だったかも。発売日直後に3巻読んでたら続きが気になってしょうがない1ヶ月を送るところでした。
というわけで、4巻に期待!!


レジンキャストミルク2

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発売:2006.1
発行:メディアワークス
[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜
序盤の“ほのぼのパート”で色々と癒されていると、後半のどろどろのダークパートで痛い目をみる「レジンキャストミルク」の第二段。
全体的に考えるとほのぼのとした日常生活のパートは本当に最初のちょっとしたところしかないはずなのに妙にそちらが印象に残っており、当事者でもないのに彼らが2巻開始当初での関係には戻れないんだなあ、と思うと無性に悲しくなります。
いやもう、カラー口絵のかしまし4人組のやりとりとか覚えてたりすると、マジで欝ですね…。

特に姫島姫がいなくなってグループのバランスが崩れ、彼女の代わりを務めようとする硝子を八重が諭すシーンなんか秀逸かと。
他人が全く同じ台詞・同じ行動をとっても、その人じゃないと務まらないポジションってありますよね。人の真似をすれば良いもんじゃないっていうか。逆にそういった本来直すことの出来ないはずのバランスまでも違和感がないように修正を行ってしまえるペイントマーカーってものの存在がそら恐ろしく感じました。

しかし、前巻に引き続き戦闘シーンがかっこいい。特に里緒のマジ切れモード萌え(笑)主人公達の台詞は前巻よりもソフトになってましたね(やはり「レ●プして」はマズかったんでしょうか…)


Add 機械に捧ぐレクイエム

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発売:2005.3
発行:角川書店
[著]仁木 健 [絵]椋本 夏夜
なんか全体的にちぐはぐな印象…。
基本的に「萌え」を狙いたいのか「燃え」を狙いたいのかようわかりません。色々な意味で。きっと椋本夏夜さん+銀髪ツンデレ二重人格ゴスロリ美少女という時点できっと萌え狙いなのだろう。
なんというか、説明しがたいですが「萌えと燃えがお互いを抑制しあって微妙な小説になっちゃいました」みたいなイメージががが。
主人公の「マンガおたく」な設定とか殆ど生かせてないし。(時々出てくる「マンガの法則」とかが結構的を得ていて面白かったり、特殊戦闘モード時の掛け声に燃えてしまっただけに余計残念…)
アイリーンも可愛いんだけど、なんか二重人格設定があまり生かせてない気がするし(自他共に認める二重人格萌えとして残念でならない)
1巻読んだあと2巻を読むまでにダレてダレてダレまくり、2巻読んでる途中でもダレた。
素材はいいのに調理法をまちがっちゃったようなそんな印象がぬぐえません。

アイは可愛いんだけど、リンがアイが感情を取り戻す為だけのダシに使われているようにしか見えなくて、なんだかかわいそうなんですよう…。

このシリーズ、萌え萌えなラブコメ小説路線か、燃え燃えなアクション小説路線のどちらか一本に絞った方が売れるんじゃないかしら。


レジンキャストミルク

オンライン書店ビーケーワン:レジンキャストミルクレジンキャストミルク

発売:2005.9
発行:メディアワークス
[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜
「ルナティック・ムーン」の藤原・椋本コンビの新作です。
“欠落”と引き換えに特殊な力を手に入れた子供たちがバトルするという、そんなかんじの話。

個人的に見所なのは各登場人物の壊れぶり。
ここまでまともなキャラが居ない作品って言うのも珍しいんじゃ(誉め言葉)
主人公は酷くまともに見えますが、後半に進むにつれそんなことは全く無いということがわかってきます。
個人的には舞が好きです。壊れぶりが激しくて。

ツンデレと二重人格が大好きな私にはたまらない作品でした。
ただ、設定がぶっとび過ぎて一部ちょっと判り辛い部分があったかも。
戦闘モードに入るときの主人公とヒロインの発言がかっこよくて好き。

後半部分の彼らの会話は年齢指定入りそうな勢いでしたが!

兎に角、個人的にはオススメの一作です。