“田口 仙年堂” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:田口 仙年堂 (72 件 / 8 ページ)

Zぼーいず/ぷりんせす2

 
るご

今度はとつぜん幼女が増えた!? 「生き返ってやる! 絶対に!!」決意を胸に“姫護者”になった健太郎たち。姫のクリクリ(三歳)のお世話にも慣れたある日、遊び場で小さな女の子と出会う。「……く、くるしゅうない……」それが、”イレギュラー”を巡る新たな事件のはじまりだった! 「下僕のみなさん、お仕事です」「だから、ひと言多いんだよ!」そんな時、クリクリが何者かに攫われる。生徒も教師もゾンビのように彷徨う学校で、一体何が起こっているのか――!? ハートフル不死者コメディ第二弾!

ょぅじょ(と残念な人)が増えた!!

ひょんなことからようじょ 死神のお姫様に魂を食べられてしまった高校生3人が生命を返してもらうため、ようじょのお守り “姫護者”となる不死者コメディ第2巻。

死神姫・クリクリに続いて、ょぅじょ 天界のお姫様・エルエルが登場して彼らの引き起こした「イレギュラー」騒ぎでひともんちゃく……というお話なんだけど、とにかくエルエル側の付き人二人の残念具合が酷い(褒めてる)。 変態紳士という名のロリコンを患う残念すぎるイケメンと、男子高校生同士の絡みが大好きな腐天使の組み合わせってどういうことなんですか!!腐天使はもっと男子同士の絡みを促進させていいのよ!!!(聞いてない)

それにしても、メインのストーリーも良いけど高校生5人の仲良し具合が美味しいなあ。特に前巻で健太郎と文吉に命を救われる形となり、仲良し4人組に加わる事になった双六と4人のやりとりがイチイチ美味しかった。個人的には(一葉さん的な期待もやや含めつつ)男子3人の仲良しっぷりがもっと見たい。


本日の騎士ミロク7

 

「ジュジュ!しっかりしろ!」「バカ…私は、へーきだ…」「大丈夫だからな!俺が必ず助けるから!」「…」「必ず助かるから!ジルサニアに帰ろうな!」暗い森の向こうから、冷たい風が襲ってくる。吹雪の予感。熱を出したジュジュ姫を背負い、俺、ミロクは走った。どこか、暖かくて安らげるところへ、一刻も早くジュジュを…!大会議に向かう途中で陰謀に巻き込まれ、二人きりで敵国ツッキーニを彷徨うことになった俺とジュジュ。そこで出会った新たな人々、そして初めて聞くジュジュの想い―。問題は山積みだけど、ジュジュ、いつものように笑ってくれよ、俺が絶対守るから!―。 (「BOOK」データベースより)

敵の思惑により敵国・ツッキーニで孤立してしまったジュジュとミロク。運良くツッキーニのレジスタンスが隠れ住む村にたどり着いたのは良かったが、ジュジュの元気がなくて……というお話。

“ジルサニア王女”ではないただの年相応の女の子としてミロクに接するジュジュが新鮮。ミロクの腕を信じていないわけではないけど自衛手段がないに等しい状態で敵地に晒されたら、弱気にもなりますよね。王女としての重責を背負いながら、その地位こそを使って戦ってきた彼女の脆さが露呈したというか。そして年齢相応の少年少女としてお互いを意識してしまう二人が微笑ましい。

しかし、ページ数的な問題に加えて他の赤目隊メンバーがいないせいもあってか全体的に物足りない感じが。最後の「引き」の為の物語が出来てる感じがした。あとがきに書かれているとおり「ターニングポイント」になるお話なので……というのもあるかもしれないけど。

とりあえず次巻でヴィクトルとディアートの絡みに期待せざるをえません。
あと「あとがき」が……!!これなんてイナイレww


Zぼーいず/ぷりんせす

 
るご

今日からいきなり3歳児の下僕!? 田口仙年堂が贈るハートフル不死者コメディ、第一弾!
「おなかすいた――――――!」 ある日拾った迷子の幼女は、何と死神の王の娘。命を食われた健太郎と文吉は、死神姫の眷属『姫護者【クレイドル・ガーダー】』になってしまった。命がない=死なない体=ゾンビ。そして立場は姫(三歳)の下僕。「冗談じゃない!! 元に戻せっ!」 けれど瞳クリクリの可愛い笑顔にほだされて、なし崩しにワガママに振り回されてしまう二人。「だからオレ達は下僕じゃねえ!!」 一方、その頃街では通り魔事件が起こっていて――。

些細なことをきっかけにして幼い死神姫・クリクリに魂を食べられ、“姫護者(クレイドル・ガーダー)”と呼ばれる存在になってしまった普通の高校生・健太郎と文吉。殺しても死なない/怪我しても痛くない/すぐに治る身体になってしまったことに戸惑ったりしつつ、無邪気なお姫様の「子育て」に振り回される日々を送っていたが……というお話。

人間の理から外れた存在になってしまっても、あくまで普通の高校生な主人公達の悩みや葛藤がすごく良かった。“姫護者”なんて大そうな名前がついていても「死なない」「痛くない」以外はあくまで普通の高校生で、世間を騒がせてる“通り魔”なんかにはかなうわけない。身近な友人が死後の世界に旅立とうとしていて、何かが出来そうなのに何もできない。そして大切な人を目の前で理不尽な形で失うことになって、自分たちは死なないのに見ていることしかできなかった二人の悲痛な思いに胸が痛くなる。

「死神姫」であるクリクリを狙う勢力の存在をはじめとして、今後にいろいろ含みを持たせたシリーズ導入編という感じでありましたが、重い設定ながら重くはなりすぎず、田口さんの作品特有のハートフル疑似家族成分は見失わない感じでとてもおもしろかったです。

まだまだょぅじょなお姫様とその従者のサラ、そして「姫護者」となった面々のかかわりとか、ゾンビになった男子組のキャッキャウフフ具合とか、とにかく今後がとても楽しみ。


本日の騎士ミロク 6

 

「なに書いてんだ?」「…見りゃわかるだろ」「そうだな、見て分かった。『反省文』ね―って、どんだけあるんだよ!」ディアートに思わず二度見されたほどの原稿用紙の山と格闘しているのは俺、剣バカのミロク。「なんだミロクお前、そんなに学園じゃワルなのか?」ってディアートは言うけど…違う、そうじゃない!俺は、ちゃんと騎士として仕事をしただけだ!後輩の恋路を応援したり、女生徒の水着姿を覗く不届き者を成敗したり。学園でも働きまくりの俺なのに、なんでジュジュは怒るんだ!?てか、なんで俺、走る銅像に追われたりしてんの!?超ユニークな学園で、本日もご愁傷様な学生騎士ミロクの日常譚。 (「BOOK」データベースより)

ドラゴンマガジンに掲載された「本日の騎士ミロク」の短編集。騎士の仕事の傍ら普段は学校に通っているミロクたちの学園生活を描く番外編。

ジルサニアやらオウガンやらといった国の話が絡まない分、どこかまったりとしたドタバタ話が多くて、気楽に楽しめる1冊。ビスマルクやトーラット、フェリサといった年長組の出番が殆ど無いのは残念ですが、シスコンっぷりを全開にする「お兄ちゃん」なミロクや年相応の少女らしくミロクにヤキモチを妬いたりするジュジュの姿が可愛かったです。

それでも赤目隊で鍛えた「騎士」としての腕前は健在。特に第一話の弁当狩りデスマッチで我が意を得たりとばかりに弁当をゲットしていくミロクとアーニィの姿にはニヤニヤしたなあ。プールの話で新たな魅力を披露しつつ、とんでもない離れ業をやってのけるOGのフェリサ可愛いマジ可愛い。

「——お前ごとき、学園長ひとりで十分だ」


しかし、本編のお話も十分面白かったけど全てが書き下ろしのエピローグ「学園長室にて」とあとがきでふっとんだ。学園長の思わぬ正体にもびっくりしましたが何よりも銅像さんマジパネエッス。まさかの銅像さんの大暴走に爆笑、ノリの良いお茶目な(?)学園長で更に大爆笑、そしてあとがきの短編ができるまでの編集さんとのやりとりで腹筋崩壊の三段コンボでした。「ひめぱらを見習え!」と「くっつけました」も実に酷かったですが、挿絵の高階さんにおっぱいを描かせようとする製作者サイドの息の合いっぷりが素敵です。ていうかこれなんてリアル漫才……


本日の騎士ミロク5

 

「じゃ、行ってくるね」なんでもないことのように言い、ミーヤー姫は戻っていった。一度はなんとか脱出できそうだった王宮―動く死者の群れと、邪悪なベトの魔導士が待つ地獄の中へ。「ミーヤー、俺も行く!」走り寄ろうとした俺、ミロクの腕をディアートがつかむ。わかってる。人質の命を救うためのギリギリの決断だって。ミーヤーの背中は凛としていた。でも、俺は聞いたんだ。祈るような声を。「…必ず、助けに来てよ」ゾンビVS赤目隊、反撃ターン開始。ベト編クライマックス。 (「BOOK」データベースより)

4巻から続くペド編の完結編。

うーん、先月末に出た「魔王城」の方が猛烈に面白かったので比べてしまうのかもしれないけど、なんか盛り上がりに欠けるなあ。面白くないわけではないんだけど、今回は物語の焦点が完全にミロク&ジュジュではなくてミーヤー&ヴィジャに寄ってしまったからだろうか……ミーヤーの「種」の加護を受けたヴィジャが強かった分、主人公であるはずのミロク達が完全に脇役になってしまった印象を受けました。なんか今回のミロク、ヴィジャの後ろでドヤ顔してそうなイメージがあるんだよね……

他にも敵の作り出した「ゾンビ」達の扱いや末路とか、なんか全体的に「らしくない」というか、ちぐはぐな印象を受けてしまった。前巻のラストから胸のすくようなミロクの大活躍を期待してしまっていたせいもあるけど、ちょっと全体的に残念な感じでした。

しかし新たな赤目隊のメンバーとなったディアートはとても美味しいキャラだなあ。悪態をつきながらさらっと隊長の無茶振りをこなしていく姿にニヤニヤします。「なんでもこなす」赤目隊の個々の役割分担の話とかもとても面白かったです。


魔王城五限目

 
鉄雄

魔王の遺児、歩く災厄―魔人。そう呼ばれる子供たちを守るため、「魔王」となることを決意したエイゴ。国王に直談判するため王都に向かって進軍を開始するが、その行く手には、義勇軍と正規軍の大部隊が待ちかまえていた。一方、王都で二十年前の魔王戦争について調べるハイナートとギビングは、その過程で、英雄のある秘密を知ってしまい―。過去の魔王の想い、英雄の願いと罪。すべてを知った魔王エイゴが選ぶ道とは!?好評シリーズ、感動の大団円。(「BOOK」データベースより)

魔王城シリーズ完結編。「魔人」の子供たちを守るため自ら「魔王」を名乗ったエイゴが、子供たちの居場所を作る為、国王の元を目指す……というお話。

エイゴたちの戦いが佳境に入るのと同時に、20年前の魔王と英雄の事情が明かされるんだけど、エイゴと同じように迫害される魔人達の為に立ち上がった心優しき「魔王」と彼を倒さなければならならず、その後良かれと思った行動が思わぬ結果を生んでしまった悲しき「英雄」の姿に胸が痛くなりました。エイゴ達の事情にしても、お互いにちょっとずつすれ違った結果が大きな悲しみを生んでしまったというのがやりきれない。

「英雄」を慕うあまりに取り返しのつかない過ちをおかしてしまったハイナートの最期に同情する気は起きないけど、最後に少しでも報いがあったことにほっとした。「吉永さん家」でもそうだったけど、本当にこの人の作品には「悪人」が居なくて、誰も彼も憎みきれないなあ。

エピローグはもう、エイゴの「ただいま」と思い思いの未来を得た子供たちの姿だけで感無量すぎるんだけど、最後の「魔王」エイゴの台詞に震えた。世界はそう簡単に変わらないけど、彼等の想いが結実したような幸せなエピローグに胸が熱くなった。

「俺は魔王だ。君を魔王城まで連れ去りに来た」


最高の物語を、本当にありがとうございました。




以下やや腐向け感想↓
今回は正直後書きも壮絶に破壊力高くて、ラストの1Pには思わず涙ぐんだりしてしまったのですが、各キャラの後日談が非常にやばかった!!

伯爵のその後やべええええええええええええ!!!!!
これは、憎まれ口叩き合う腐れ縁やら俺様に見えて実は苦労症キャラが大好きな私への挑戦状ですか!!エイゴと伯爵のじゃれ合いを妄想するだけでご飯10杯いけます。エイゴが他所の街に魔人拾い(違)しにいってるあいだにしょぼくれてる伯爵可愛いよ伯爵マジ可愛いよ!!!後日談のスピンオフ外伝化はまだですかとりあえず伯爵メインで1本書いたらいいとおもうんですマジそれやるべきだとおもうんです!!!


本日の騎士ミロク4

 

「だーかーらー!俺はジルサニアの騎士なんですってば!」「なんでジルサニアの騎士が竜に乗って来てんだよ!」「そ、それは俺がオウガンの出身だからで」「やっぱりオウガン人なんじゃないか!」だあああああっ!!剣バカの俺に、説明なんて求めんなッ!ジュジュを守って重傷を負ったトーラットを癒してもらうため、飛竜を駆り治癒魔法の発達したベト神聖国に飛んできた俺、ミロクとウサギのビスマルク隊長。でもいきなり不審者扱いされるわ、曲刀剣士ヴィジャにのされるわ、やけに色っぽいミーヤー姫に夜ばいをかけられるわ、案の定の大混乱。しかも翌朝大事件が勃発し!?何なのこの国、ジュジュ、俺、大人の段階上っちゃいそう。 (「BOOK」データベースより)

前巻ラストで重傷を負ったトーラットを治療するためベト国へやってきたミロク&ビスマルクが、守るべき王女の居ない異国でまたもや謎のトラブルに巻き込まれて……なベト国編・前編。

赤目隊の女子組が全員居残り……ということで、なんとも男子率の高いお話だったなあ。ミロクと似たような立ち位置に居るミーヤー姫の護衛の少年・ヴィジャやら、今回意外な活躍を見せるディアートなどなど、メイン以外でも男子の活躍が目立つ巻でした。そして田口作品ではきっと珍しい、女子向けサービスも……!!やべえミロク受に目覚めそうだった勘弁してくださいごめんもっとやって

多勢に無勢な状態でもニンジン1本で切り抜けちゃうミロクはやっぱり凄いんだけど、今回は守るべき王女と、そして本来の獲物がもてない状態で本気を出せずもどかしい展開が多め。次巻ではジュジュとミーヤーの前で思う存分本気を出すミロク&ヴィジャが見たいなあ。あと色々な意味でトリックスターとなりそうなディラートに期待、超期待。あとはっちゃけ度合いが今回もおかしいあとがき……次巻も楽しみにしてます!!正直3巻のBLミロクのインパクトには勝てませんが今回のも散々笑わせてもらいましたw

それにしてもディラートとヴィクトルの関係について詳しく、小10時間ほどkwsk
ジュジュが同性愛説を揶揄した際のディラートの反応の仕方が正直かなりハンパなかったんですけど、いろいろな意味でカップリング的な期待をして良いのですか?


魔王城四限目

 
鉄雄

策略にはまり、ツノツノと士長を死なせてしまったアプリール。その“悪行”は英雄研究学会により国中に広められ、学校は、英雄の志を継ぎ、魔人を討伐しようという義勇軍に包囲された。自分を責めて泣き続けるアプリール、憔悴を隠せない子供たち。何もできなかったエイゴは、無力感を噛みしめながら考え続ける。この状況を打開する方法を。そんな中、パーパテッタの錬金術師を名乗る男がエイゴの前に現れ、ある交渉を持ちかけてきて―!?決断の第4弾。 (「BOOK」データベースより)

ふおおおおおおおおおエイゴおおおおおおお!!!!!!!

絶大な魔力を持ち「魔人」と恐れられる子供達と、彼らの「先生」としてやってきた軍人の青年の心の触れ合いを描くファンタジー、急展開の第四弾。大人たちの思惑に巻き込まれたアプリールが引き起こしてしまった「事件」をきっかけに国中の目が魔人の子供たちに向いて……というお話。

自分のしてしまったことへの責任に押しつぶされそうなアプリールが押しつぶされそうになっている姿が痛々しい。そして彼女が「なにかしよう」と動くたびに事態が悪い方へ悪い方へと動いていくのがもどかしかった。

街に集まった義勇兵達の言動や行動にはいちいちイラっとするものがあるんだけど、その一方で街の人々の態度に胸が熱くなりました。3巻以降、どんどん事態が悪化して行ったのは確かだけど、その一方でエイゴが築き上げた物が確かにそこに在る気がして。どうにもできない事態を打開するためにエイゴが選んだ「選択」と、絶望的な状況の中でも彼等が勝ち取った「信頼」という小さな希望に泣かされた。あと伯爵のかっこよさが異常。

あと1冊でシリーズ完結。エイゴの選んだ道はどうしようもなく険しく、先の見えないものではありますが、それでもエイゴと子供たちが幸せな未来を掴む事が出来ますように。最終巻が本当に楽しみです。


それにしても、今回は挿絵にドキっとさせられることが多かった!かつての朝未さんの挿絵も非常に好きでしたが、鉄雄さんの挿絵のショタショタしいエイゴのナマイキそうな表情が正直たまりません。特に後半2つのエイゴの挿絵にはごろごろ転がらざるを得ない。エイゴって……エイゴってこんなに可愛かったのか……っ!!!


魔王城三限目

 
鉄雄

魔王にもなり得る魔力を秘めた「魔人」たち。けれどその力を良い方向に向ければ、英雄にもなれる。その思いを伝えたいと、今日も今日とて苦心しながら授業を進めるエイゴだったが、一番年下のユーニィはまだ五歳。なかなかうまくは伝わらない。悩むエイゴの前に、あるチャンスが訪れるが…。悲劇の種は、その時既に撒かれてしまっていた。王都の陰で渦巻く様々な思惑と陰謀。そしてついにある組織の手が、ひとりの少女へと忍び寄る―。急展開第3弾。 (「BOOK」データベースより)

絶大な魔力を持ち「魔人」と恐れられる子供達と、彼らの「先生」としてやってきた軍人の青年の心の触れ合いを描くファンタジー第3巻。前巻の終盤辺りから不穏なフラグがびしびしと立ってましたが、新たな組織の存在を絡めて予想していた以上に重い展開に…。

エイゴの活躍によって、それまでただ実態も知らずに彼らを恐れるだけだった町の人々と交流を持つようになり、まだまだ問題は多いものの少しずつつたない人間関係を構築していく姿ににやにやしていたら……これだよ!!!子供達を排斥しようと思う奴らや彼らの魔力を利用しようとする奴らの思惑が動き出して、子供たちの善意がどんどん逆方向へと転がされていくのが、とてももどかしい。

丁寧におぜん立てされた「作られた」悪意が無関係の人々を巻き込んで形を為すのは次巻以降となるのでしょうが、せっかく仲良くなれた人たちとも今までのような穏やかな関係で居られないであろう未来が透けて見えてしまって、やるせない。そして発端を引かされたアプリールの、女の子としてはあまりにもささやかな願いが胸に痛い。

しかも、当事者である誰もかれもに悪意が無いのが逆に、怒りのぶつけどころが見出せなくて辛いんですよね。おぜん立てを整えた人々ですら(一部のちょっとイっちゃってる人達はともかくとして)自らの正義を貫き通そうとしてすれ違ってしまっているだけなのが。ハイナートですら、自らの正義に盲目すぎて手段を選んでないだけで、どこか憎めないんだよなあ…。

これまで以上に「魔人」達への風当たりが強くなってしまいそうな次巻、子供達とエイゴが少しでも幸せな未来にたどり着けるよう祈るばかりです。


本日の騎士ミロク3

 

「けどさ、隊長だって無罪とは限らないよね?」アーニィの意見に、ジュジュが答える。「…殺人はともかく、爆破って言ってたよな。ビスマルクなら、やりかねないんだよなー」「納涼騎士団祭り」も三日目、最終日。閉会式までヒマなはずだった俺ら赤目隊は、ビスマルク隊長が器物損壊&殺人未遂容疑で逃亡中と聞かされ全員驚愕。隊長が「聖書」を爆破した!?たしかに隊長は魔導球を常備している。だけどこの事件、何かウラがあるって!必死で隊長を捜す俺たちだけど、祭りのあちこちに暗殺者が―。剣バカの俺、ミロクには推理なんて無理。だけど、やるべきことはわかってる。ジュジュ姫を守り、隊長を見つけ出すんだ。 (「BOOK」データベースより)

あとがきやべええええええええええ!!!!!

もう本編にも色々言いたいことがあったんだけど、全部あの「あとがき」で吹っ飛んだ感が!!まさかのビスマルク+トーラット×ミロク……だと……!?本編とはうってかわってしおらしいミロクと、イケメン補正250%なトーラットと渋いビスマルク(※八頭身ウサギ)に超もえた。これは二次創作で見掛けたら全力で萎えるタイプですが原作者がやるとうっかり萌えるタイプのパラレルというか……なんか、普段から作風にそういう色の狙いが無い作品でやるからこその萌えだなあ。というかこの短編を書くために一生懸命資料を漁って悶絶しながら執筆してる田口先生を想像するとものすごい萌える。

第三巻はジルサニアのお祭りを満喫中の赤目隊が罠に嵌められたビスマルクのせいでジルサニアの騎士団「黒鎖隊」に追われ、更にジュジュを狙うオウガンの放った刺客達にも追われて……というお話。

思わぬ形で引き離され、孤軍奮闘を迫られる赤目隊の面々の意外な弱点が見れたのが興味深かったです。誰かを「護る」状況では実力を発揮できないアーニィとか、ゴーレムを使えないトーラットの闘いとか、フェリサの意外な強さの秘密とか。特に同じ前衛でも「誰かが居ると強さが半減する」アーニィと「誰かが居る事で強くなる」ミロクの戦い方の違いは特に面白いものがありました。1巻では彼らの法外な強さがアピールされた感じだったし、2巻では頂点対決みたいな勢いだったので赤目隊の強さばかりが印象に残っていた部分がありましたが、3巻では刺客とはいえそれよりも「格下」の相手にてこずる赤目隊の姿が印象的でした。戦闘には直接参加しないジュジュや赤目隊には属さないミロクの妹・コーニィにも、彼女達にしかできないそれぞれの“闘い”がありました。

しかし、ジュジュを傷つけられてキレるミロクかっこいいよミロク。武器:ニンジンのくせにバカかっこいいよ。本編のミロクがかっこいい分あとがきとのギャップが光るよ(だいなし)

トーラットやフェリサ、ビスマルクの過去も少し明かされて、赤目隊の特殊性が浮き彫りになった巻でした。ビスマルクの負傷は今後への伏線っぽいしなあ…なにはともあれ、続きが楽しみです。