“皆川 ゆか” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:皆川 ゆか (23 件 / 3 ページ)

運命のタロット13 《女教皇》は未来を示す

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《魔法使い》への気持ちを自覚したライコは、坂崎と戦っている彼を助ける為に《女帝》とのフェーデを受ける事を決意する。ところが、彼女とのフェーデで提示された“改変”の内容は、ライコにとって思いもよらないものだった。“改変”を阻止するか、躊躇ってしまうライコだったが…
  個人的お気に入り度数
『女教皇』は未来を示す—運命のタロット〈13〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
やっぱり表紙はネタバレか!恐ろしい子!!様々な謎の一端が明かされる、シリーズ第一部完結編です。

大河と大河兄の関係とか、ライコ&《女帝》&《女教皇》の関係とか、おおむね予想したとおりだった。しかし、未来の唯との別れや《女帝》とのフェーデの場面は本当に胸に痛かった。大河兄があの時代に存在したという事は……というのは予想できていたけど、ライコ・大河・唯の報われない一方通行の姿が凄く悲しい。大河兄の名前も、いざ物語のキャラクターの言葉として聞かされるとまた全然重みが違う。しかし、唯の物言いから言うと、ライコがあの時点で消えてから13年間一切会ってないような言い方に思えるのは気のせいかしら。《女教皇》の事を考えると、どこかの時点で……というのは間違いないとは思うのですが。

《女帝》とのフェーデの内容も、これまで「誰かを救いたい」という形で“改変”を食い止めていたライコにとっては、その逆に回らなければいけないという事はこの上なくつらいことで……でも、ある意味それが致命的な形となって彼女の前に提示されるような形になるまえに自覚出来たのは不幸中の幸いというべきなのか。今後ティターンズのやってることの一端を知ったライコがどう動くのかも気になる。

ラストで漸くライコと《魔法使い》、二人の思いが通じた……と思ったらこういう形になるのか!!《女帝》の最期を見ていると、ある意味この後のライコが辿る道は読者には見えてしまっているわけで、第二部ではイチから二人の関係をリセットして、待ち受ける運命を“改変”していくような方向になるのかなあ。第二部の物語がとても楽しみです。


運命のタロット12 《女帝》1995

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《月》の“体験”によって《魔法使い》や《女帝》の過去を知り、《女帝》に対して嫉妬している自分を自覚して動揺するライコ。ところがそんな彼女の元に「会堂」から抜け出してきた坂崎と彼を回廊に戻そうとする《世界》が現れ、その力の余波で時の縦軸に弾き出されて13年後の世界に飛ばされてしまった!右も左もわからないライコの前に現れたのは……
  個人的お気に入り度数
『女帝』1995—運命のタロット〈12〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
素直になれない《魔法使い》の行動にニヤニヤしたり、少しずつ自分の気持ちに気が付いて《女帝》への嫉妬で葛藤するライコにニヤニヤ……とかしてたらいきなり急転直下の展開だよ!!!なシリーズ第12巻。《魔法使い》はツンデレさんですねわかります!

ライコ、《女帝》、《女教皇》、《魔法使い》、《皇帝》ときて大混乱する《魔法使い》の過去関係に、今度はさらに男性の協力者がいたことが明らかに!?これ以上この周辺のキャラは増えないと思ってたのでびっくり。

1995年というとちょうど自分がリアル学生時代だったので、ギャップに戸惑うライコの姿だけじゃなくて身に覚えのある懐かしさににやりとしてしまう。「SD(=SDガンダム)?CD?LD?この時代のものには何でも“D”がつくのね!」ってコメントには爆笑してしまった。しかし平成世代はそもそもLDの存在を知らないのか…考えると、作品の舞台からは更に14年の月日が流れているのですよね。

大人になった唯と再会し、大きくなって夢を叶えた彼女との(唯にとっては)13年ぶりの語り合いの場面ではそれまでの急展開を考えると心が和むけど、なんだか歯に物が詰まったような物言いの彼女の姿を見ていると、色々不安が押し寄せてくる。というか、この唯の反応ってひょっとしてそういうことじゃないのかなあ、と思ったり大河兄はやっぱりどう考えても……とか。ラストの唯の涙とか、もう不吉な予感しか思い起こせない。ここからどうなってしまうんだ……!!!

以下、次で最終巻なので真相推理。
ぶっちゃけライコ→《女教皇》→《女帝》という流れがあるんじゃないかと思ってるんだけどどうなんだろう?前巻の「未来のラスプーチンと戦った」という記述を見る限り、少なくても2つ目までは間違いないと思ってはいるんだけど。《魔法使い》←→《皇帝》という流れがアリなら、ライコが人間から三段変化するのもアリな気がする。

あと、《魔法使い》かつての協力者って誰?予想が当たっていて前巻のような状況がありうるなら、意表をついて《魔法使い》と《皇帝》が協力者関係というのもアリな気がしてきたけど、それはさすがに飛躍しすぎかな。ああいう伏線を張るからには、今まで出てきたキャラクターのだれかな予感がするんだけどなあ。

というかそういう予想が脳裏を渦巻いているせいか、13巻の表紙がどうかんがえてもネタバレやってるようにしかみえなくて困ります。…いや、これだけ露骨に示唆されるとミスリードの危険性もありそうですが。

それにしても《女帝》と《女教皇》の表紙はどっちもツボにハマりすぎで困るー。


運命のタロット11 《神の家》は涙する

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

2週間の行方不明の罰として自宅謹慎を言い渡され、唯と大河には真実を問い詰められ……と散々なライコは《月》から呼び出され、勝利したフェーデの報酬として《魔法使い》の過去を彼女の象徴の力で見せてもらうことに。でも、《皇帝》と《魔法使い》の間にとある疑念を抱くライコは《魔法使い》が記憶を取り戻すことに一抹の不安を覚えていて…
  個人的お気に入り度数
運命のタロット〈11〉「神の家」は涙する (講談社X文庫—ティーンズハート)
シリーズ11巻目はまるまる1冊、《魔法使い》の過去が語られるお話。

タロット側のお話も気になるんだけど、そろそろ唯と大河には何らかの形で報いてあげてほしいなあ…という気が序盤のお話でむくむくと。ここにきてもまだ適当なこと言って誤魔化そうとするのは、さすがに本気で心配している彼女たちに対して不誠実なように思える。唯みたいな子だったら「事件には巻き込まれているけど、事情は明かせない。これからもこんなことがあるかもしれないけど、心配しないでほしい」とかタロットの事以外は全部素直に打ち明けてしまった方がしこりが残らない気がするのですが。あと、前巻から気になってたんだけど、大河兄ってひょっとして未来n……ゲフンゲフン。

時間の制約から解き放たれているタロットたちの過去話は、様々な時間の人たちが入り乱れていてますます物語を読み解くのが難解に……《女帝》は?《女教皇》は??ライコはどうなっちゃうの?うーん……!?《太陽》の元協力者である彼女も今後物語にかかわってくるような展開になるのでしょうか。もう、続きが気になりすぎて仕方がない。

ラストで《月》がライコに思いを託す場面はただただ、切ないな。
彼女は何年も矛盾した2つの記憶を持ち続けたまま自分をだまし、せめぎあっていたのか……と思うと、胸が痛くなります。


運命のタロット10 《皇帝》はうなずかない

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《月》が起こそうとしている“改変”から河内さんを護ろうとするライコと《魔法使い》。しかし、河内さんにはすっかり誤解されて楽屋に入るのを拒否され、更に片桐先輩と一緒に居るところを追いかけてきた《太陽》から攻撃されてしまう。ライコ、絶体絶命の大ピンチ——!?
  個人的お気に入り度数
『皇帝』はうなずかない—運命のタロット〈10〉 (講談社X文庫—テイーンズハート)
《魔法使い》vs《月》と《太陽》vs《戦車》、2つのフェーデ決着編。

2つのフェーデだけではなく、遂に《皇帝》が現れたりあの人が《愚者》の協力者になったり……と、序盤巻でのもどかしさのトリを一気に取るかのような盛りだくさん感!!最後まで悪役を貫いた坂崎の最後にも、哀しい想いを抱えた《月》の協力者の真実にも物凄い惹きこまれた。二人とも脇役ながらいいキャラしてる。ただ、《太陽》と坂崎の関係はちょっと見た目通りのものではない力関係を感じたので、ここでご退場されてしまうのは惜しいなあと感じてしまったり…。

《太陽》との戦いの後に起こったジュリエットの事件を巡る攻防は、本当に瀬戸際での戦いになって物凄い緊迫感。むしろ《太陽》と戦ってる間もずっと「本当に大丈夫なのか」「実は今の間に寝首をかかれてるんじゃ…」とヒヤヒヤしっぱなし。誰もが笑って迎えられる結末ではなかったけど、とりあえず“改変”を防げた事にホっとせざるをえません。

そして遂におまちかねの《皇帝》登場!!演劇中のライコとのやりとりにニヤニヤしつつ、「いやでもやっぱりあの人に似てるなあ…」なんて思ってたら、ラストに巨大爆弾投下されて脳内で叫びまくってました。っていうか自分の9巻感想がいろいろな意味で預言者過ぎる。

ところで、後書き読むと次は《女帝》で一部完結、って書いてあるけど実際には次は《神の家》で残り3冊ですよね。おもいっきり延びてる延びてるよ!ああそういえば、真タロのほうは22冊で終われなくて「8上」とか「9下」とかどこかの終わクロみたいな表記になってたなあ…規定冊数で終われなかったんだろうなあ…


運命のタロット9 《太陽》は人々を照らす

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《戦車》と大河兄の助けを借りて《太陽》達から逃れる事が出来たライコと《魔法使い》はその足で「コミックスクエア」という同人誌即売会にやってきていた。唯と伊東さんに売り子とコスプレをする約束になっていたのだ。《魔法使い》も姿を現し、なんだかんだ言いながらも賑やかで楽しい一日を過ごしていたが…
  個人的お気に入り度数
「太陽」は人々を照らす—運命のタロット〈9〉 (講談社X文庫—ティーンズハート)
同人誌即売会編(違)&《太陽》との小競り合いの続き。

同人誌即売会のシーンから時代の流れを感じすぎて困る。「そのうち何日にもわたって開催されたりして」はリアルタイムにそうなったからのネタなのかそれとも単純な予想なのか。っていうかコミケがたった800サークルしかなかった時代があるということそのものに驚いたわ?。ちょっと気になって現在の参加サークル数を調べてみたらこのような記事を発見したのですが、これによると去年の冬コミで私がスペース取ったジャンル800の「FC(小説)」が単体で1178サークルだそうな。夏まで取ってたジャンル300「ゲーム(その他)」がかなりマイナーなジャンルばかりで825。総サークル数34,927……ううむ、やはり800サークルしかないコミケって想像できないです…。

しかしイベント中の喧騒とか参加者全員から漲る活気とか、現在と規模は違えど同人誌即売会の空気がリアルに伝わってきて、一人ニヤニヤしながら読んでました。《魔法使い》の言葉がまた的確すぎて、にやにやする。ほんと、イベントは楽しいよね!!感想からは盛大に脱線しました感がしてしょうがありませんが。

そんな和気藹々としたイベントシーンから一転、《太陽》と彼らの協力者である坂崎が登場してからの展開が凄すぎる。坂崎は典型的なワルというか、周囲の目や被害を考えずに行動している分、もう場所的な意味でも坂崎が圧倒的に優位か。人の目を気にするあまり反撃に転じる事すら出来ないライコ達の姿がとてももどかしい!!

しかし、同人誌即売会→《太陽》襲来、のコンボで「これで《月》とのフェーデどうなるの?!」と思っていたらラストで急展開!!《太陽》カルテットとの決着も付かないままだし、更に謎のタロットが出てきたり…と、これほんとどうなっちゃうの次回。

例の謎の声は、読書メーターとかのバレによると《皇帝》らしい。喋り方から勝手に、未来の《魔法使い》かなんかだとおもってたよ……なんとなく、喋り方似てないですか?


運命のタロット8 《戦車》が兄とやってくる

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《月》とのフェーデで狙われたのは河内さんだった。河内さんにその未来の一端を打ち明けてその改変を阻止しようとするライコだが、山根くんとの仲を疑われて逆に拒絶されてしまう。一方、新聞部では例の覆面少女の一件で“ヘルハウス”を再度調べる事になり…
  個人的お気に入り度数
運命のタロット〈8〉「戦車」が兄とやってくる (講談社X文庫—ティーンズハート)
《月》とのフェーデどうなるの!?とか思ってたら途中から突然新しいタロット登場&物語があらぬ方向に!?いやこっちの話も話で気になるんですが…

河内さんに“改変”の事を打ち明けるシーンは、さすがにその説得法は無茶だろう?と思ったり。せめて新聞1冊全部持っていけば良かったんじゃ…いやそれでも信じて貰える確率半分以下だと思うけど、労力的に捏造の可能性は低くなりそうな気はするような。しかし、やっぱりあのライコの行動は山根との仲を嫉妬されてた事を差し引いても浅はかだった気がするなあ。

会話の中でも更に新しいタロットの名前が出てきたり、意外な人と意外なタロットとの関係が明らかになったり…と物語は結構急展開。っていうかあの人が《愚者》の協力者とは……うーむ。《月》とのフェーデも、ここからどうやって展開するんだろう。とりあえず次が楽しみ。

むしろ次の巻、同人誌即売会ネタに期待せざるを得ない。


運命のタロット7 ≪死神≫の十字路

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

頑なに次のフェーデを拒むライコの前に現れた≪女帝≫。同じプロメテウスのタロットである≪節制≫を倒した彼女によると、フェーデに負ければ≪魔法使い≫と一緒にライコも封印されてしまうらしい!?しぶしぶ、≪月≫とのフェーデに協力することにしたライコだが…
  個人的お気に入り度数
運命のタロット〈7〉「死神」の十字路 (講談社X文庫—ティーンズハート)
≪節制≫の喋りをみるたび、脳裏をなんかのアニメキャラの声がよぎっていくんだけどマジで誰だろう……超気になる。まろんさんの「ルー語に聞こえる」にも全力で同意したいですが。

色々ヒミツがありそうな姐御肌の≪女帝≫可愛いよ≪女帝≫。近い未来フェーデをするってことだけど、12巻のタイトルに名前が入っているのでこのシリーズでのラスボス的立ち位置なのかな。彼女とラブラブらしい旦那様も早く見てみたいものです。

全然本筋と関係ないけど、同人誌の修羅場を手伝うシーンすごかった。修羅場テンションで話がどんどんおかしい方向に転がってくのあるあるすぎる。うちはデジタル仕上げのせいであまりこういう修羅場は経験したことないですが…気がつくと売り子やらコスプレやらゲストやらを否応なしに引き受けさせられてるってよくあるよねww

そしてついに≪月≫とのフェーデ開始。また露骨に犯人(というか協力者)っぽい人出てきたけど、きっとひっかけなんだろうなーとか斜に構えつつ。早くも次で決着がつくらしいので楽しみです。


運命のタロット6 《節制》こそが身を守る

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

《恋人たち》とのフェーデに勝利し、“改変”が行われる前の時間軸に戻ってきたライコ。持ちかけられた《月》とのフェーデを拒否して片桐先輩と感動の再会をしたのもつかの間、ふたたびきな臭い事になってきて……
  個人的お気に入り度数
運命のタロット〈6〉「節制」こそが身を守る (講談社X文庫—ティーンズハート)
前回に引き続き、タロットな新キャラが多数登場して急展開な第六巻。自分的に《女帝》がとても好みなのですがなんだか色々と思わせぶりな会話が気になります。

改変前の時間軸に戻った直後のライコの反応に、いちいちしんみり。片桐先輩だけじゃなくて色々な人達が犠牲になって、それを見た様々な人達が悲しんで……たとえなかったことになったとしてもその時の悲しさは、ライコの中では消えない。その数時間後にはすっかり花村さんと片桐先輩を取り合って火花散らしてるライコの姿を見たときは思わず噴出しましたがww

そんな姿を見ている分、フェーデをひいてはそれによって引き起こされる“改変”を厭う彼女の気持ちが、痛いほど判る。でも、なんだかんだいってなしくずしに巻き込まれていくんだろうなあ…現れた《節制》や今回は殆ど動きを見せなかった次のフェーデのお相手・《月》が今後どうやって動くのか、次の巻がとても楽しみです。


運命のタロット5 《月》が私を惑わせる

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

片桐先輩を生き返らせるために《恋人たち》の協力者を探すライコは第二新聞部の島津に疑いの目を向ける。島津と佐倉の予想外な過去が発覚したことから、ますます疑いの目を深めるが、事件は意外な方向に…
  個人的お気に入り度数
運命のタロット〈5〉「月」が私を惑わせる (講談社X文庫—ティーンズハート) (文庫)
《恋人たち》とのフェーデが決着する、シリーズ第五弾。

ライコが今にも“宣告”を行ってしまいそうになるのにとてもヒヤヒヤ。流石に「この人」が犯人だったらストレートすぎだよなあ…と思ってたらやっぱり違う人だった。でもこの人へのひっかけも結構露骨だったので、更にもう一枚上手で違う人がいやむしろ一周回ってストレートにこの人が…とかいろいろ深読みしてしまった…。

真実が明らかになり始めるたら一気に物語が動いて、とても面白かった!これまでのもどかしさを吹き飛ばされた。でも、≪恋人たち≫の「悪あがき」のせいで多くの犠牲が出る場面は、例え最終的には“なかったことになる”世界の事だと判っていてもやるせないなぁ。しかし、≪魔法使い≫が思い出した新たな事実や≪恋人たち≫の最期の言葉などなど、いろいろ引っかかる点が多いのも確か。

一応ひと段落はついて当面の敵?らしき組織の存在も明らかになったものの、物語にまつわる謎は以前よりも大きくなった印象。なんか後から思いっきり今回の「勝利」をどかんとひっくり返してきそうな、そんな火種が眠っていそうな予感が…

ラストのライコの言葉を受けて、他のタロットたちがどのように動き出すのかも気になるところ。このまま次のフェーデに突入する…のか?


運命のタロット4 《愚者》は風とともに

[著]皆川 ゆか [絵]乱魔 猫吉

≪恋人たち≫とのフェーデに勝ち片桐先輩を生き返らせるため、制限時間内に事件の犯人を捜すライコ。しかしそれには様々な制約がつきまとい、更には犯人を指名するチャンスは一度だけ…そんな中、新たなタロットの精霊が現れて!?
  個人的お気に入り度数
運命のタロット〈4〉「愚者」は風とともに (講談社X文庫—ティーンズハート) (文庫)
シリーズ第四弾は3巻から引き続き、≪恋人たち≫が引き起こした事件の捜査回。

少女小説特有の表現が減って読みやすくなったけど(というか先輩がいなくてライコのテンションが上がらないからか?)、なかなか真実が見えてこないのがとてもヤキモキします。露骨に疑いかけられてる人はなんかもうもろにひっかけっぽい感じがするし…新キャラが出てきてもう少し事態が動くのを期待したんだけどなあ。(大河兄はもろに今後への伏線っぽい予感がするけど…というかひょっとして≪愚者≫の協力者ってこの人では?)

個人的には、中盤の花村さんとのやりとりにちょっとジーンとなりました。実際、「フェーデに勝てば生き返る」という希望を持って動けるライコよりも、衝撃は彼女たちのほうが大きかっただろうしなあ…これまでずっと悪役として描かれてきただけに、不意を突かれる想いでした。彼女の姿を見て、自分自身を省みるライコがまたいい。

そして最後にしてようやく、運タロ読了済の人たちから「うららさんすごい」って言われまくった訳が分かった!!というか、そこくらいしか思い当たる節がないなーとは思ってましたが、予想以上に凄い展開がやってきて噴いた。……すげーなーティーンズハート、フリーダムだなー……ティーンズなのに…(遠い目)

しかし、総合すると今回は「今後にかかわってきそうな新キャラ登場」「某キャラの驚愕の真実が明らかに!」以外はほとんど動きがなくて、残念。そろそろストーリーが解決のほうに向かってほしいです。