ページ 49 | 今日もだらだら、読書日記。

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そんな世界は壊してしまえ 2 ‐クオリディア・コード‐

 

人類の『敵』―“アンノウン”と戦う近未来。防衛都市東京に所属する朱雀壱弥は、初めての問題に直面する。狂っているのは自分か、それとも世界か。あるいは―「いつもにこにことなりでスマイルピース!あなたのカナリア、みんなのカナリア!毎度おなじみ、宇多良カナリアです!」―この女か。水着で無意味にぴょんぴょんするカナリアに、朱雀の正義が揺れ動く。逡巡の末、新たな仲間たちを指揮するが…「教えてあげる―その気持ちが、恋だよ」「おまえ、もしや目が腐っているのでは?」TVアニメ『クオリディア・コード』7月より放送開始!原作プロジェクトにして、『変態王子と笑わない猫。』コンビが贈る青春ラブコメの最前線、待望の第二弾! (「BOOK」データベースより)

 東京主席の少年との一件以来、自らの“正義”に疑問を感じ始める朱雀壱弥。働きを認められ、戦闘科の配属になった彼はカナリアと共に、学園からドロップアウトして防衛都市の外で暮らす生徒たちと接触する。彼らを鍛え上げて、学園に復帰させようとするのだが、思わぬ事態が待ち受けていて……というお話。

 1巻からもうこの物語の世界観や登場人物達の歪みっぷり本当に凄いんだけど、2巻は更に輪をかけて凄かった……特に戦闘科の生徒たちの選民思想というか歪んだエリート意識ヤバイ。こんな狂った世界でそうしなければ生きてこれなかったみたいな部分もあるんだろうけど、強いものにへりくだり、隙あらば蹴り落とし、弱い者やドロップアウトした者を見下す彼らの姿勢が清々しいまでにゲスくて直視できなかった。しかも、狂っていたのは上に居る彼らだけではなくて。

 これまでとは違う道を模索しようとして、少しずつかつての当たり前の少年らしさを取り戻しつつあった壱弥が最悪の状況で手ひどく裏切られて絶望して、それでも最後に少しだけ光が垣間見るという終わり方がとても好き。壱弥って確かに歪んだ人格ではあるんだけど、きちんと自分が認めた相手にはそれなりの敬意を払っているのがどこか微笑ましい。

 それで、私はラブコメ的には正直カナリアよりもつぐみ派なんだけど、つぐみは原作のここで脱落っぽい感じなのが残念。終盤の彼女のモノローグと諦観の混ざった心の動きが、どこか切なくて好きです。

 終盤は少し駆け足感を感じたのだけど、良くも悪くも「アニメに続くための物語」で逆にこの後の物語をアニメできちんと見たいと思わせる終わり方だったと思う。2冊で綺麗にまとまっていて、アニメでは描ききれないキャラクターたちの事情や感情を理解することが出来て、良かった。

 余談なんですがエピローグの電話の件、なんだかんだで彼らのことを気に掛けてるのがまるわかりでめちゃくちゃにやりとするんですけどアニメの1話でしっかりその『彼』が戦闘科で生徒たちをまとめる役割っぽいポジションになってるんですよ!!!アニメのクォリディアで防衛都市の細かい話をやるのかどうかはわからないけど、未来の彼らの姿も少し期待してしまう。

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そんな世界は壊してしまえ ‐クオリディア・コード‐

 

人類の『敵』―“アンノウン”の襲撃により世界が崩壊した近未来。湾岸防衛都市東京の学園に所属する朱雀壱弥は―人類を愛しすぎていた。全人類の発展のため、美少女の告白をバッキバキに叩き潰し、戦わない同級生の心をボッキボキに叩き折る。デート?カップル?それはこの世界でどんな意味が?なにもかもを論理で語れ。自分の正義を信じてやまない朱雀に、謎の転校生少女の調査任務が与えられ…?ポジティブクズとドM天使が出会い、新たなる変態ストーリーの幕が上がる―!『変態王子と笑わない猫。』コンビが贈る青春ラブコメの最前線!刮目せよ!(「BOOK」データベースより)

 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。

 舞台は防衛都市・東京。高い戦闘能力を持つが飛翔する“世界”を持たないゆえに最前線の戦闘科から外された朱雀壱弥。人類を愛するあまりに個人への恋愛感情を理解できない壱弥とそんな彼に告白して以来すっかりセット扱いされているつぐみの2人は、東京次席の鷹匠からとある依頼を受けることに。全人類の可能性を信じるが故に戦闘科の劣等生達の心をバキバキに追っていく壱弥の前に、初恋の少女とそっくりな少女・宇多良カナリアが現れて……?というお話。

 しょっぱなから朱雀壱弥という人間の歪みっぷりを思い切り出してきて、そんな壱弥に周囲が振り回されるお話かな?とおもったら次から次へともっと歪んだ登場人物達が出てきて東京がヤバイ。ラブコメ的な軽いノリの世界観かとおもいきや、思った以上に深い所から歪んでいて最高に楽しい。東京住みという優越感やら微妙な選民意識を闇鍋で煮詰めてどろどろにしたやつに、得体のしれない敵との先の見えない戦いとかほぼ子供達だけの閉じた世界とか、それがうみだす社会の歪みとか一緒くたにぶちこんで一見学園異能ラブコメの皮かぶせてました!みたいな。

 どこか虚ろな狂気をもって世界全てに無償の愛を注ぎ続けるカナリア。壱弥の理想を体現したような歪んだ男・東京主席の少年との出会いを経て、少しずつ自分の考えに疑問をいだいていくのが印象的。アニメの前日譚ということで、壱弥とカナリアの都市内での立場もかなり違うんだけど、ここからどうやってアニメの物語につながっていくのかも気になる。

 よくも悪くも壱弥がどう「変わっていく」のか、楽しみです。

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はたらく魔王さま! 0

 
029

赤い空と大地が覆う魔界の地。弱小部族出身の少年悪魔が、かつて魔鳥将軍と恐れられた老悪魔カミーオと激しい口論をしていた。少年の名はサタン。後に魔王サタンとしてエンテ・イスラ征服に乗り出すが、今は非力な一悪魔であった。サタンは二大勢力の蒼角族と鉄蠍族に対抗するため、強大な力を持つハグレ悪魔ルシフェルを味方にしようとしていた。ルシフェルとの出会いからアルシエルとの激突までを描く、魔王達の始まりの物語を書き下ろしで収録。さらに勇者エミリアの旅を綴った書き下ろし短編に、魔王達が日本に来てすぐの年末年始を描く「電撃文庫MAGAZINE」掲載の短編をプラス。庶民派成分控えめの特別編! (「BOOK」データベースより)

 サタン、エミリアの過去編を収録した短編集。

「はたらく魔王さま達!-a long time ago-」
 少年時代のサタンが弱肉強食の魔界で、『知恵』を武器に一癖も二癖もある荒くれ者達を味方につけていくのがとても楽しかった!ただ力の弱い者が知略を弄すのではなく、最初は誰よりも弱いところから、少しずつ仲間にした魔族達から「学び」「成長」していく姿にワクワクする。特にルシフェルを仲間にするところとか、いかにもという感じで好き。良くも悪くもルシフェルの立ち位置は今も昔も変わってないのが美味しかったです。

 力を誇示するだけが全てだった魔族達の中で、唯一「知性」を使い一族を増強してきた鉄蠍族の長・アルシエルとの決戦がまた熱い。それでも、この物語の最後の時点ではアルシエルは忠実な魔王様の部下ではなくていつか寝首をかいてやると虎視眈々と狙う元敵将でしかないんだよなあ。個人的にはアルシエルがどうしてこんなにサタン様一筋(違)になったのか、この物語では語られなかった四天王・マラコーダ周りの話も含めて読んでみたい所。

 短いシーンだけど、ラストの千穂の言葉に対するアルシエルの反応が好き。なんかこう、細かいところで「人間」と「魔族」の考え方の違いが示唆されているのが興味深かった。

「はたらく勇者さま達!-a long time ago-」
 魔王を倒すために旅をしていたエミリア一行が、とあるトラブルに遭遇して……?というお話。あとがきでも触れられている通りまだ「正義」をやってた頃のオルバがとても新鮮なんだけど、そんなオルバがたまたま近くに居たベルに完全に振り回されてるのにニヤニヤした。この爺さん、悪役でもいい人でも割りと振り回され体質だよね……。

 そしてベルが色んな意味でフリーダムすぎて笑ってしまう。なんか結構異端審問官時代は黒歴史というか色々本人にとってはつらい思い出……みたいなイメージだったけど満喫してるじゃないですかー!!ラストのドヤ顔想像するだけで可愛いズルい。

「悪魔と勇者と女子高生-A happy new year-」
 クリスマスに、突発のバイトでコンビニのケーキ売りをすることになった真奥と芦屋。夕方になった頃、OLと思しき女性が現れて……?

 この短編集唯一の庶民派成分。物語が始まる前の年末年始、まだ面識のなかった真奥と芦屋、千穂、恵美が面識のないまま出会うお話。知らない人同士として出会う4人のやりとりがびっくりするほど新鮮で、本当になんてこともない、とりとめもない年末年始のお話なんだけど、それがびっくりするほど面白かった。他2編が魔王さま的に物凄く「非日常」な物語だけにほっとするというか安心感もあるなあ。

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最強喰いのダークヒーロー

 

「こんなの、反則じゃない!」「ククッ。勝ちゃあいいんだよ」『ソードウォウ』―世界を熱狂させる新時代の異能競技。最弱の無名選手・阿木双士郎は、最強の新入生リザを初戦で下してみせた―許されざる卑怯な手によって。騙し、あざむき、裏をかき、奇策にハメて突き落とす。勝つためにあらゆる術を尽くす冷徹な勝負師・双士郎は、「行くぜ、馬鹿おっぱい」「それってまさか私のこと!?」リザを手駒に加え、悪魔的な策略と詐欺で、平和ボケした最強共を容赦なく喰らい尽くしていく。最弱の男が最悪の頭脳で頂点へ。常識を嘲笑う悪党が魅せる、カタルシス満点の痛快大物喰い、開戦!!(「BOOK」データベースより)

 ソードウォウの欧州覇者という鳴り物入りで聖海学園に入学した新入生・リザ。高校生世界大会「祓魔祭」の学内予選に出場した彼女は、初戦に学内最弱と揶揄される三年生・阿木双士郎に完全試合を決められてしまう。失意にあった彼女の元に双士郎が現れて……。

 異能力を使った戦いがスポーツの華形としてもてはやされる世界。異能を持ってはいるものの戦闘力は文字通りずば抜けて「最弱」の主人公が、ずば抜けた観察力と頭脳とえげつない手段を使って世界に対して下克上していくのが爽快で気持ちよかった!3年間掛けて準備に準備を重ねた双士郎が罠をしかけ、言葉を弄して戦略を見誤らせ、排除しようとする学園側の汚い裏工作もなんなくかわし……と次から次へとえげつない手段で勝ち進んでいくのが楽しい。

 そんな双士郎に初戦敗北し、最初は否応なく彼の協力者になったヒロイン・リザが少しずつ彼の事情に触れ、自らの意思で彼の協力者となっていくのにニヤリとする。勝利するためなら手段を厭わない双士郎とは正反対の疑うことを知らないリザが汚いやり口に振り回されるのが楽しくて仕方ないし、同時に彼女にも複雑な事情があって自然に双士郎に惹かれていくのが理解出来る感じなのも凄く好き。正直、双士郎側はまだまだ彼女に腹の中を明かしてない感じすごいので今回の終盤のいい話っぽい展開も素直に信じて良いのか?と疑いたくなるんだけど、それが良い。

 もう一人のヒロインである檸檬子との関係も好き。中盤で明かされる、双士郎がこの戦いを始めたきっかけがまた凄く重たくて。『地獄』を味わったのにもかかわらず失ったものが多すぎて。全ての事情を知った上で双士郎に協力する檸檬子の共犯者関係というか様々な言葉の端から感じる薄暗い依存性にぞくぞくする。

 チーム戦についてはまだメンバー集めの途中という感じだし、良い意味で序章という感じの第一巻でしたが、個人戦チーム戦合わせて続きがほんとうに楽しみ。もうひとりのヒロインは司会をやってたアイドルの子らしいけどどんな手口で仲間に引き入れるのか、個人的にはいかにも王道主人公やってる爽やか好青年・ヴィレットとの男二人の関係性も楽しみにしたいところです!!

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典6

 

講師として頑張ることを決意した矢先の解雇宣告。クビを回避するには自腹での古代遺跡の調査が必要で―金欠のグレンが思いついた手段は…生徒を利用するという相変わらずロクでもない方法で!?天使ルミアの厚意で生徒たちの協力を得られたグレンだったが…なぜかセリカも同行することに!?遺跡に眠る世界の深淵に触れた時、家族の絆が試される!! (「BOOK」データベースより)

 魔術学院の教師なら定期的に出さないといけない論文を出していなかったせいで、クビを言い渡されそうになったグレン。論文を書くために、生徒たちを動員してとある遺跡の調査を行うことにするが何故かそこにセリカがついてきて…!?

 力量不足に悩むシスティーナがかねてから念願の遺跡探索を前にして盛大に空回りしたり、自分よりもグレンと親密で有能なセリカの出現に動揺したり、他の生徒達がグレンに頼られてるのを見てヤキモキするの可愛すぎました。遺跡探索に向かう前のやりとりとか本当に面倒くさい子すぎてヤバい。最後はなんだかんだでグレンの役に立てて良かったね……残念な子は残念なほど可愛いのでいいぞいいぞもっとやれ!

 また、生徒たちの魔術師として人間としての成長にもニヤリとするお話でした。セリカやグレンといったプロの魔術師と比肩することは出来なくても、自らの力量を見極めた上で無茶はせず、彼らの背中を守ることを決断する展開に胸が熱くなる。セリカの名声や立場のせいで最初は腰が引け気味だった生徒たちがすぐにセリカを受け入れて仲間として扱ってくれるのにも人間としての成長を感じた。

 本編はセリカの話を通して物語の謎に迫っていくハードな展開で、自身にも解らない“使命”に取り憑かれた『永遠者』であるセリカが、グレンという家族を得てもなお止まれなかった理由がとんでもなく人間くさくて愛おしい。セリカって前の巻でも描かれた通り精神的にはむしろ脆いくらいで、あくまで普通の人間でしかないんだよなあ。改めてグレンとの深い家族の絆を感じる展開が胸に熱い。

 今後への伏線を思い切り張りましたという感じで、天の智慧研究会まわりは一休みなんだけど、色々なことが明らかになり、それ以上に今後への謎が増える展開でした。アレやらコレやらルミア周りの話も不穏な気配が立ち込めてるというか、ラストの記憶云々って多分彼女のことだよね……。

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スカーレッドライダーゼクスゼノン Scared Rider Xechs XENON

 
pako
 
原作
レッド・エンタテインメント

紅の世界と呼ばれる異世界から現れた侵略者“ナイトフライオノート”。世界を救えるのは、若き司令官・萌黄アキラ率いる第五戦闘ユニット・SR5だけ―のはずだった。過酷な戦いの果てに、次々と命を散らしてゆくライダーたち。世界が終わろうとしたその時、アキラがとった選択とは!?人気キャラクター甘粕ソーイチロウの目線から語られる、もうひとつのスカーレッドライダーゼクス。 (「BOOK」データベースより)

 音楽学院の受験会場で異世界生命体ナイトフライオノートの襲撃に遭い、“音楽”を奪われた甘粕ソーイチロウ。事件の際に出会った対ナイトフライオノート特務機関LAGの教官・萌黄アキラに惹かれ、琉球LAGのスカーレッドライダー候補となることに。彼女の率いる第五戦闘ユニットは様々な戦果を挙げていくが‐‐PS2/Vitaで発売されたニチアサ特撮ドラマみたいな乙女向けゲーム「スカーレッドライダーゼクス」の“一世代前”の戦いを描いた前日譚ノベライズ。

 世界観設定上のネタバレを盛大に含むものの、ゲーム本編以前の話となっているのでゲーム版をやっていない人でも楽しめると思います。本編の真エンディングに続く為のひとつの挫折の物語なので、「Fate/ZERO」とFate本編の関係性に近いかも。あと、原作ゲームからして乙女ゲームの体裁取ってるけどあんまり乙女臭くなかったのが、視点が男性のものになって大体「乙女ってなんだっけ」って感じになってます!乙女ゲー苦手な人にも安心しておすすめできる雄臭さです。

 ゲーム版の特典についてきた用語集がゲームには使われない設定てんこもりで物凄い濃厚で、その設定でもっと話読みたい!と思っていたんだけど、そのゲームで出てこない設定がガッツリ盛り込まれた物語でとてもおもしろかった。第五以前のユニットのこと、決して暖かいばかりの関係ではなかった人間とサブスタンス達の歴史、あの人やこの人の事情など、ゲームをやっていなくても楽しめるけどゲームをやっていると更に楽しめる。特にレスポールに関しては後にゲームで果たす役割を思うと……。

 第五ユニットの、第六ユニットとは似たようでどこか違う空気もとても楽しくて、彼らの戦いをもう少ししっかり見たかった気がする。ヒジリが彼らの元に保護された直後のやりとりとか凄く暖かくてきゅんとする。

 何より衝撃だったのがゲーム本編ではメインストーリーには絡んでこないけど何か事情を知っている雰囲気であったソーイチロウの第五戦闘ユニットでの立ち位置か。赤の世界と青の世界の両方から“選ばれた”が故にどちらに行くことも出来ず、大切な物を二度も奪われたソーイチロウ。そんな彼が、“彼女”を手に入れることが叶わないと知りながら、それでも第六戦闘ユニットの補佐官としてLAGに関わり続けるのが凄く好きです。

 それにしても、甘粕のヒロイン度も大概にひどいけど、エピフォンのヒロイン度が更に突き抜けててすごいな!!だいたいエピフォンのせいで赤の世界と青の世界の衝突が起きてる気がするの、多分気のせいじゃないよな!!

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甘城ブリリアントパーク8

 

まもなく甘城高校の文化祭!地上界の学生たちが繰り広げる祭典にラティファは興味津々で、西也もクラスの喫茶店のマネージャーを引き受けたりと意外にやる気満々?しかし、いすずは西也の残した意味深なメッセージが気がかりで悶々としていた。そんな折、西也から物件の内覧にと誘われる(まさか自分との同棲を考えているのでは?)―だがそんなわけもなく、訪れたのは廃墟と化した遊園地跡だった―。そこで明らかになる甘ブリの未来の姿とは!?そして、奇妙な現象に巻き込まれた西也といすずは、ふたりっきりでラブホに一泊することに!!甘ブリは、そして彼と彼女の関係はどこへ向かう!? (「BOOK」データベースより)

 学校でもパークでもどこか様子のおかしい西也を心配するいすず。そんなさなかに西也から不動産物件の下見に誘われる。そこで待っていたのは廃墟となったテーマパークで…?というお話。

 ラブコメ的にはいすず回。というか、いろいろあってラブホでどぎまぎする西也といすず可愛すぎるし、いい空気だったところを中断されて色々“我慢”してる西也がDT男子高校生すぎてクソ可愛い。っていうかこの手のイケメン系ラノベ主人公がここまで赤裸々に男子高校生らしい性欲に満ち溢れた本音をぶちまけることってあっただろうか!ご褒美ですありがとうございます!!!!!

 ストーリー本編としては、可児江西也、迷走するの回。300万人を呼びこむのが無理ならいっそ甘城企画との契約自体をなしにしてしまえ、という“逃げの一手”を打とうとするんだけど、どこまでも前向きな一手ではないのが伝わってくるというか、そもそも6巻で300万人呼びこむ事がラティファの呪いを解く鍵みたいな話出てなかったっけ?

 移転を見据えて訪れた廃墟遊園地でのひとつの出逢いと、そこで示唆されたあまりにもおぞましい『成れの果て』の姿にぞっとする。加齢による衰えの話もそうだけど、自分の体力・人材含めていつまでも同じではいられないというのは本当に年をとってみないとわからない話で、それを想定できない西也はよくも悪くもまだ“子供”なんだなあと。語られる未来予想図が実際にあまりにも「どこにでもありそうな話」でぞっとするし、もう読んでくだけでしんどい。アラサーには刺さる話だった……。

 そんな「地獄」を体験しながらも思いを同じくする仲間に出会ったこと、そして『アニムス』や『消滅(モノス)』について深く知れたことは僥倖だったのか。遺された想いを背負い再び立ち上がる西也の姿が印象的でした。

 6巻くらいから表面化していた「甘ブリに300万人呼びこむ」という不可能に近い先の見えない命題に一区切りの回答を見出した終わり方だったのと、学校でのあれこれ含め一件落着して本当によかった。7巻もドタバタやってたけど、西也だけ明らかに様子がおかしかったからなあ。明るい展望も少しだけ見えてきて、次はドタバタ話のほうも楽しみにしてます!



 ところで余談ですが甘ブリのメディアミックスがアニメ・コミカライズどちらも原作の途中でif分岐して原作とは別展開で終わりそうで凄くメディアミックス追ってない人に布教したい。

B01CZALACY アニメでは1巻終盤に西也が小火騒ぎを起こす前の所で分岐するけど、コミカライズは6巻途中の栗栖との対峙前で話が分岐したので、どういう終わり方をするか今からとても楽しみなのです。どちらも分岐条件に「事情をモッフルに話す」が入ってるのがいろいろな意味で面白いと思うんだけど、原作ではまだまだ王統の魔法の話なんかはモッフルには伏せられているのでまだまだこじれるんだろうな。モッフルがいつその辺の事情を知ることになるのか、とても楽しみです。

甘ブリのアニメDVD6巻は「甘ふも」時空からやってきた栗栖氏と西也(+いすず)の掛け合いコメンタリーも最高に良いよね(狂ってて)

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ラノベのブックガイド企画本を出しました

 ブログの更新が殆ど出来なかった時期で宣伝せずじまいだったのですが、割りとツイッター等で小説ジャンル二次創作の話や作品布教の話で盛り上がっていたので便乗して2015年10月の「COMIC CITY SPARK10」内で発行したラノベのブックガイド本についての宣伝を今更します。

夏コミ受かりましたのでこちらの本も搬入します!
8/12(C90-1日目)東3キ-25a「CELESTE BLUE」でお待ちしてます。
2日目の東ア-12a「1day」様に委託もさせてもらいます。


 同日にラノベプチオンリーを主催させていただいたのですが、実を言うと元々は「小説サークルさんやラノベ好きの二次創作者の人たちが今推してる作品を知りたい!なにか企画できないかな」というのがきっかけでした。何度か他のかたのブックガイド本を読んだり、友達のブックガイド企画に参加して、こういうのをもっと広い形でやってみたいと思ったのもあります。ペーパーラリーみたいな企画が良いのではないか、でもそれだと配置が離れたサークルは把握し辛い。それなら企画本としてまとめてしまおう。一緒にプチオンリーして企画本はイベント企画にしよう!!みたいな流れ。

 かなり突発的な企画だったし、日取りが電撃文庫秋の祭典と激突したりして万全な体制でのぞめているとはいえないのですが、おかげ様でプチオンリーは主催含め31サークル、企画本には25名(挿絵のみの参加も含めますと27名)のかたにご参加いただきました。

 そんな、問題の企画本がこちらです。
 このラノのぱkオマージュっぽい表紙ですが、ランキングはやっておりません。


企画本紹介ページはこちら

 →通販:COMIC ZIN / BOOTH

 書店委託サイトの情報等からだと伝わりづらいので補足しますと、タイトルの通り「あなたのおすすめの一冊を教えて下さい」というテーマで、好きな作品を1〜2Pの分量で自由な形で紹介してくださいという趣旨の本です。ネタバレと“ラノベ”の定義は参加者様の裁量で、未読者を想定した内容の全年齢向けで、という形でお願いしました。結果として、ブックガイド・感想・考察のようなテキスト主体の物からイラスト、マンガ、小説等バラエティに富んだ形式の作品が集まりました。


そして収録タイトルがこちら↓


(クリックで拡大)


 プチオンリーとの併催という点も踏まえて作品が偏るかな?と思ったのですがある程度の偏りはあるものの、最新の定番タイトルから往年の名作、少女小説、ノベライズ、一般文庫レーベル、Web小説までかなり幅広い感じで収録されてます。私は「甘城ブリリアントパーク」で2P書いています(大体アニメと原作1巻ラストと6巻の話です)


 作品を知ってる人にはニヤリとできる、知らない人がちょっときになる作品をみつけられる(かもしれない)楽しい1冊となりましたので、発行から半年以上が経ってしまいましたが気になる方はぜひ手にとって見ていただければ幸いです。というか友人からは割りと褒めてもらえたのに部数読めなくて刷りすぎてしまったのでもっとたくさんの人に手にとって貰えたらなあと!下記の通販サイトの他、とらのあな様でも時々取り寄せ販売という形で置かせて頂いているのと、あと夏コミに受かれば夏コミで俺と握手!!も出来ます。どうぞよろしくお願いします。

 →もう一度通販はこちらから:COMIC ZIN / BOOTH

 なんか本当に宣伝自体が凄く今更なんですけど、未読者むけプレゼン企画本凄く楽しかったのでこういう企画あってもいいとおもうのですよねというか1冊にするほどじゃないけど1〜2Pなら、マンガや小説じゃなくていいならって人は結構居ると思うので。そしてほんと色々大変なところはあったのですが楽しかった!ので!そういう作った側の楽しさとか作品紹介ページからひしひしと伝わってくる情熱とか作品愛とかそういうの感じて貰えたら幸いだな、と思います。


 ついでに分厚さと情熱だけが売りのバカテス再録本もだしましたついでにこちらもよろしくお願いします(便乗商売)A6サイズのカバーと帯つきの本だよ!!


 →通販はこちらから:とらのあな / BOOTH

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜最終決戦はついに離婚!?〜

 

頭髪は寂しくなったけれど、無事に夫クロウと再会できたフェル。束の間の甘ーい休息に心は休まるやら乱れるやら。そんななか、ようやく妖精王とクロウの弟パールの魂を引き離す方法が見つかった!妖精王の悲願が叶う“ワルプルギスの夜”までに救い出そうとするが、それはフェルの身を危険に曝す賭けで…!?離婚の期限を前に(仮)夫婦、天下分け目の大一番!! (「BOOK」データベースより)

 なんとか無事にクロウと再会することが出来たフェル。だが、能力を使いすぎたせいでフェルの目は妖精王と繋がってしまい、いつ連れ去られてもおかしくない状態に。でも、妖精王の中でパールの魂がまだ生きていることがわかり…!?というお話。

 一難去ってまた一難、ついに妖精王との最終決戦という展開なんだけど、久しぶりに腹を割って話しているクロウとフェルのやりとりがとても楽しかった。特に正体バレからのやりとりは久しぶりに掛け値無しにニヤニヤしてしまって表情筋がヤバイ。以前よりも甘さの加わったやりとりが可愛くて仕方なかったです。

 最終決戦は最初から最後までリグレイン妃の独壇場だったなあ。醜い執着から歪んだ愛情を向けることしかできなかったウーベル帝の行いに、気高く強かったリグレイン妃が少しずつ心折られていくのが心痛く、復讐に囚われた彼女がフェルとの出会いや強くなった息子の言葉に少しずつ気持ちを変化させていくのにはぎゅっとなる。最後の息子との対峙での言葉に、彼女の精一杯の“母親”としての情を感じて思わずほろりとしてしまった。しかし終わり方に関しては色んな意味でウーベル帝の一人勝ち感あるな……。

 しかし、ようやく全ての障害を取り払ったところで、それでもたどり着くのは「そこ」なのかー!どっちにせよシレイネとして婚約してしまっている以上どこかで関係性をリセットしないと円満解決にはならないんだけど、クロウがあの場面で「フェルディア」じゃなくて「シレイネ」っていってるのは絶対伏線なんでしょう!?後1冊使って最終的にはくっつくんでしょう!?って思いながら続きが気になって気になって仕方ない。

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚しちゃうと絶体絶命!?〜

 

夫クロウの遺髪を見せられても、「あの人は死んでない!」と強がるフェルだが、実際の安否は不明なまま。皇宮ではいつの間にか、クロウが『いなくなった皇子』となり、弟のパールとフェルが結婚したことになっていた―なんて冗談じゃない!反撃に出るフェルだが、パールもおぞましい計画を立てていて!?離れてこそ夫婦の絆が試される!激動のニセ未亡人(?)生活第10弾! (「BOOK」データベースより)

 王宮に連れ戻されてしまったフェルを待っていたのは、クロウが死んだという知らせと、クロウのことを忘れてしまった人々の姿。しかもフェルはパールと婚約したことになっており、「ユナイアへの人質」という立場で軟禁されてしまう。心折れそうになりながらも思わぬ人の助けを得て、クロウが護ろうとした人々を自分が護ろうとクルヴァッハに向かうが、そこではパールが更に恐ろしい計画を立てており……。

 前巻の裏切りに次ぐ裏切り、絶体絶命四面楚歌の展開から少しずつ僅かな希望を繋いでひっくり返していく展開が楽しかった!これまで登場したキャラクターたちが次々と駆け付けてくるオールキャラ勢ぞろいの展開がまさしくクライマックスという感じで楽しい。特にガウェイン先生の登場は正直とても期待していたけど、一緒についてきた人が男前すぎて腹筋がヤバイ。フェルの男前な性格は彼女だけが持つものと思っていたけど、卵が先かヒヨコが先か状態ではあるけど、思った以上に似た者同士だよなこのひとたち……。

 すっかりお互いに感化されちゃってる黒龍夫妻が離れていてもお互いの存在を感じさせる展開にいちいちにニヤニヤしっぱなしだったけど、ふたりの交わした誓いがが事実上の最終防衛線となり、ふたりの過ごした日々が偽りの記憶を与えられた人々の呪毒を打ち破る展開には震えた。伏線もキャラクターも出し惜しみなしの総力戦が楽しい。

 全体的にヘタレだったユアンが全部持って行った感じ凄いんだけど、ずっとまえからお膳立てされていたミゼとジルフォードの関係には泣かされずにはいられない。最後の最後でどうしても私情を捨てられなかったジルフォードと、そんなジルフォードの事を一途に思い続けるミゼの関係が本当に良かった……。

 一応事態をすべてひっくり返してひと段落……と思いたいけど、最終的な決着はついていないし、まだまだ波乱が起こりそうな終わり方で、続きが気になる。

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