[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]木村貴宏/toi8
| |
ナリタ攻防戦から藤堂の救出戦前後にわたる物語を別の視点から語るノベライズ第三弾。ナリタ攻防戦の後のユフィとスザク、ルルーシュが居ない間のC.C.とナナリーの一幕、C.C.とマオの馴れ初め話、ミレイとロイドのお見合い話……など、アニメの裏側で語られなかった裏側を中心に描きます。
過去話として独立していた0巻はとにかく、1巻「SHADOW」はアニメ本編を見ていないと全く理解できない内容だったのでアニメ本編視聴するまで読むのをストップしてました。漸くR2最新話まで把握できたので、ノベライズ版に手を出すのを再開してみたり。
内容としては一部本編エピソードもありますが、基本的には各キャラに焦点を当てたスピンアウト短編集といったノリで、それを強引に時系列に繋いで繋ぎ合わせて無理やり1つの物語扱いしている印象を受けました。そのため、
R2等をきっかけにギアスに興味を持って、小説版で本編補完を……と思って手を出す人には絶対にオススメできません。本編補完は動画配信かDVDかマンガ版でNE!!!ということらしいです。1巻では黒の騎士団結成エピソードが丸々省かれていて、当時アニメを見ていなかった私には何がなにやら状態でしたが、2巻ではルルーシュとシャーリーの恋の顛末とか、ルルーシュとマオの対決が思いっきりスルーされているので(というか
そのエピソードを知っていること前提に物語が進むので)アニメ見て無いとすごい勢いで置いてきぼりくらいます……。
なんかこういうつくりにするなら、ナリタ攻防戦や藤堂救出のエピソードも省いてしまって、外伝的な短編集として売り出したほうが良かった気がします。半端に本編に忠実なエピソード挟むから他のエピソードが歯抜けになるのが気になるんだよね…。ついでに、裏表紙のあらすじだけ見るとどうみても本編の忠実再現っぽいので、本来この小説がターゲットにしているであろうアニメ視聴者はあまり買ってないんじゃないかと思うんだ…。
エピソード的には、ルルーシュ不在のC.C.&ナナリーのやりとりと、ミレイさんのお見合い話が面白かったです。小説版はナナリーに結構焦点が当たるのでとてもよいと思う。ナナリー可愛いよナナリー。ミレイさんのお見合い話は、チャランポランで破天荒なミレイ会長の知られざる、『アッシュフォード家の長女』としての姿が見れたのが興味深かったですね。個人的にはロイドと上手く行ってほしいな?と思ってたり。あと、なんといっても一番最初のナリタ攻防戦直後のルルーシュとC.C.のやりとりが凄く好きです。一生懸命遠まわしな婉曲表現を考えるルルーシュさんが非常に可愛らしい一幕なのですが
ルルーシュさん、間が悪い自分をちゃんと認識してたんですね!ってあたりが。
あと、後書きでも描かれている通りルルーシュよりもスザクに焦点を当てているのが面白かった。原作アニメを見ていた際、スザク側立ち居地が殆ど読み取れなくてその辺がちょっと引っかかってたので、ノベライズで上手いこと補完してもらったカンジでした。特に、ルルーシュがナナリーの次くらいにスザクを大事に思っている一方で、幼い頃とは変わってしまったスザクの笑顔に一抹の不安覚える描写とか、凄く興味深かった。ストーリー終盤やR2に続くことになる二人の関係を予感させて背筋が寒くなる一瞬なのですが、それ以上に……ぶっちゃけルルーシュは自分の身内だと認定した人間は結構無条件に信頼しちゃうイメージがあったので(笑)
よし、とりあえず歯抜けエピソードについての不満はここで一気に吐き出したので、STAGE3以降は純粋に
短編集として楽しむぞー。