“029” の検索結果 | ページ 9 | 今日もだらだら、読書日記。

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SH@PPLE?しゃっぷる? 1

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

ちょっと引っ込み思案な少年・淡路雪国が一目ぼれしたのは双子の姉・舞姫の通うお嬢様女子中学に通う生徒だった。その事を知った舞姫は自らのガス抜きを兼ねて、雪国と“学校交換”を行う事を持ちかける。女だらけの学校生活に最初は戸惑うばかりの雪国だったが…?!
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タイトル、あらすじからして完全な萌え系百合コメだとおもって周囲の評価待ちかな?と思っていたのですがこんなエントリ書いた後でスルーするのもなんだろうと思い購入。結果、大当たり。露骨な萌え要素は殆どなく、びっくりするほど正統派な入れ替わりラブコメでした。つか公式あらすじに「バラ色の生活を目指す」とか書いてあるのがいかんと思うですよ…。

一目ぼれした女の子・蜜に一目逢いたいという気持ちのままに姉の提案を受け入れ、女子高に潜り込んだら、姉・舞姫の意外な学校での姿が見えてきてそれに疑問を抱いたり、高嶺の花だと思っていた蜜の意外な一面が見えてきて動揺するわ驚くわ……それでも、今度は“等身大”の彼女を改めて好きになっていく、という過程が非常に素敵でした。天然な雪国がその邪気のない行動でライバルのお嬢様・典子の毒気を抜いてしまうシーンでは思わずニヤリ。勿論、男女入れ替わりならではの着替えシーンも忘れてはなりません。もうとにかくベタベタな展開が心地よかった。

一方、雪国の学校に潜り込んだ舞姫の方も負けてはいません。元々女の子なのにすっかり王子様扱いで、挙句の果てに“兄貴”呼ばわりされてしまうサッパリとした性格は……うん、確かに女の子にウケるわ、この子。可愛い弟の為に人肌脱いじゃう姿は物凄くかっこいい。そして彼女を兄貴と慕うオタク集団SECの面々がまたいいヤツらばっかりで…性別を感じさせない舞姫とのやりとりには思わず噴出してしまいました。

ラストのオチはちょっと強引に感じなくも無かったんですが(通り魔の正体あたり)萌え全開なあらすじとイラストからは想像もできないほど王道で可愛くてアツくて楽しい入れ替わりモノ。女装男子萌え的な展開は殆ど無いので、そっちの耐性無くて遠慮してる人も是非読みましょう。むしろ「女装男子モノ」だと期待して読むとちょっと物足りないかも?

ただ、こういう物語に萌え全開なイラストがついているのはある意味勿体無く感じたりします。
これはぜひとも女の子にも分け隔てなく読んでほしい作品。温泉ネタらしい次巻に期待です!


この作品読んでて、「何かににてるな?」と強烈なデジャヴを感じていたのですが、
昔なかよしでやってた高瀬綾の「せりなリニューアル」って作品に似てるんだなー。
こっちは女の子同士の入れ替わりモノで女装要素はないのですが、
「SH@PPLE」が気に入ったならおそらくツボに来るんじゃないかと。
併せてオススメしてみたり。
せりなリニューアル (講談社コミックスなかよし)


アリアンロッド・リプレイ・ルージュ+1 ノエルと白馬の王子

[著]菊池 たけし / 久保田 悠羅 / F.E.A.R. [絵]佐々木 あかね

ライン王国の事件を解決して一息ついていたノエルは、何故か財政難のダイナストカバルを救うため、トランと一緒にお祭りでヤキソバのテキ屋をやることに。ヤキソバ屋は盛況でかなりの儲けを得たのだが、なにやらヘンな奴が現れて…!?
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アリアンロッドルージュ「+1」っていうのは「ルージュ+」の 1 巻という意味ではなく、「ルージュ」「+1」という意味だったという驚愕の真実。

みっしょん06直前の、ノエル達4人の最後の平和なひと時が描かれる「ノエルと白馬の王子」と雑誌に掲載された4コマに加えてランダムダンジョンで繰り広げられる超サバイバルなリプレイ「魔を貫く者」を収録。帯に書かれた矢野さんのセリフに、うっかりじんわりせずにいられない。

「白馬の王子」はトランとノエルの二人にゲストキャラ・ヴァルを加えて送る、思いっきりギャグなシナリオ。ヴァルの妹の仇で自称“ノエルの婚約者”の白馬の王子様とのトンデモ対決までしっかりダイスで行われて、こんな事までTRPGで出来るんだなあという懐の広さを魅せ付けられるシナリオでした。大食いだの幅跳びだのクイズだの…とオバカな競技が目白押しで大変面白かったのですが、何よりも噴いたのはやはりポージング対決でしょう。これはないwwwwしかも勝負の結果が……もう神すぎるwwww

金に困った「ノエルの父親」と資金繰りに苦労する「ダイナストカバル首領」とか、既に本編を読み終わっているとニヤリと来るネタも非常に多く、とにかく笑いまくりの短編だったのですが、やっぱり“あの悲劇の直前”であるという演出が際立っていて不意を付かれてジーンとさせられることが多かったです。特にエンディングの演出はあざとすぎて不覚にも泣いた。くそう、こんなところでトラン×ノエルを半公式にされたって嬉しいんだか哀しいんだか!!

そして何気に必見なのが佐々木さんの描く4コマです。ジュライ可愛いよジュライ。

そして残る「魔を貫く者」ですが…申し訳ないけどなんでこれに収録したのかが良くわかりません…ゲストキャラもあっちのリプレイの人だったし、「ハートフル」の方に収録すればよかったんじゃない?最初から最後までルージュキャラのネタかと思っていたので、GMもメンバーも殆ど変えての「プラス」に凄いびっくりしたというのもあるのですが、それ以上に、これまでとは打って変わって露骨に上級者向けのシナリオに戸惑いました。私の中で「ルージュ」というシリーズはとにかく初心者向けにTRPGの楽しさを知ってもらう為のコンセプトで作られてるシリーズっぽい印象があったのですが…。

上級ルールブックどころか初心者用のルールブックも読んだこと無い、単にノエルとその仲間達の行く末を楽しみに読んできた私のようなTRPGも殆どわからないズブの素人には、殆ど理解できないシナリオになっていて、読みながらモニョモニョしてしまった。せめてランダムダンジョンのルールくらいはもうちょっとしっかり説明して欲しかったなぁ…なんかこの本を読んでる人なら上級ルールブックや「ハートフル」読んでて当然だよね!?的な雰囲気が全体的にあって、物凄いキツかったです。キャラクターにもストーリーにもイマイチ感情移入できなくて、ゲーム性優先のシナリオという感じだったのでそちらも併せてつらかった。

そういえば、「白馬の王子」のラストに出てくる魔族の女性はこちらの短編に出てきたショコラって女性という事でいいんでしょうかね。いかにも今後本編に絡んできそうな出方をしていたので色々な意味で期待していたらそのまま正体すら明かされずに終了してしまって拍子抜けでした。

うーん、最初の「白馬の王子」が凄いツボだっただけに、後半で興をそがれてしまったカンジがして凄い残念でした…


モンスターズ・イン・パラダイス3

[著]縞田 理理 [絵]山田 睦月

辞表を提出し、姿をくらませたカートを説得して連れ戻す為、ミリシャと共に彼の実家へやってきたジョエル。しかし、ジョエルの血を吸おうとしてしまったカートは再び同じ事が起こるのを恐れ、二人の説得を頑として聞き入れない。そこに、カートの父親を名乗る男性が現れて…
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シリーズ完結編。オチのつけ方が多少力技のように感じられなくも無いんだけど、それを相殺して余りあるほどにキャラクター達のやりとりが面白かったです。

何よりも、カートの父親・クラウス氏のキャラクターが最強。軽妙なノリでルーシーやジョエルの質問をかわしてみたかと思えばシリアスな表情で実の息子に迫ったり襲ったり(笑)、かと思うとエルモに対しては全く頭が上がらなくて、弱気になって必死になって息子にメッセージを伝えようとしたり……軽妙かと思えばヘタレ、シリアスと思えばギャグ…という具合にどんなキャラでも美味しくこなしてしまうスーパーお父さんに完敗。

彼がヘタレてしまったおかげでラストバトルは一気に軽くなってしまった気がしてなりませんが、あれはあれで面白かったので良し。圧倒的な力を持つ神二人にけちょんけちょんになるまで振り回されるクラウスパパンの姿に、シリアスな話のはずなのに大爆笑してしまいました。登場してからカートやルーシーと和解(?)するまではカッコイイキャラだったのになあ…

そして彼らの10年後が語られる短編「サークル・サウスの昼と夜」は、このシリーズのラストを〆るのにまさに相応しいカンジのほのぼの話。どこかシリーズ開始当初のジョエルを思わせる青年・ボブの姿が見ていてほほえましかったりするのですが、それ以上に各キャラクターのその後がしっかり描かれているのが好印象でした。特にミリシャの10年後は様々な意味で必見。いつかジョエルとミリシャが晴れて相思相愛になった暁には彼女が素晴らしい姑っぷりを発揮する予感がして、今から実に楽しみです。ところどころにさりげないBL臭男臭さを漂わせる本編ですが、ちゃんとミリシャとジョエルの関係も描いてくれていたのが凄く好印象でした。

個人的には申し分の無い終わり方で、3巻が一番ツボだったかも。すっかり「伝説のペア」として有名になってしまった10年後のジョエル&カートコンビの雰囲気が素敵すぎで、また何かの形で外伝が読めれば良いのにな?、と思ってしまいました。


おと×まほ4

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

「ちょっ!?のぞきはまずいと思いますの!」
漸く戻ってきた母親・此方の提案で、魔法少女達全員で慰安旅行と称し温泉に行くことになった。温泉に入ってゆっくり疲れを癒す彼方だったが、実は女湯の方ではとんでもない計画が進行していた!?
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もうこのシリーズって、「女装」モノっつーより「百合」モノだよね。
彼方が男の子である意義や必要性が感じられない時点で、「女装」モノとしてはちょっと駄目だよなー。一発ネタとして読むには面白かったと思うのですがシリーズとして長期化するとシリーズが進むごとにそういう部分が薄れていってるように感じます。どちらかというと、彼方を男にすることで魔法少女たちとの百合な絡みシーンを不自然にさせない意図を感じるというか……。

明日野丈や古伊万里みさらの彼方と出会うきっかけ話が語られる「甘いお菓子が食べたいわ♪」がすごく良かったです。単なる変態セクハラ男だと思っていた明日野丈のさりげない心遣いに惚れました。普段のどつき合いの裏で隠された、二人の深い信頼関係がすごく良かったです。同時に、彼と出会う前の“笑わない”彼方に興味が湧きましたね。自分の容姿について今ほど割り切っていない彼方が丈やいいんちょと出会うことにより少しずつ自分自身と折り合いをつけていく様子が描かれたら面白いんじゃないかと思いました。勿論、丈の告白という大きな節目はあったんでしょうが、それをきっかけに「少しずつ変わっていく」彼方の姿が見たいです。

あと、アニメイト限定版と通常版表紙と、本編とのリンクに噴いた!!!w
いっそアニメイト限定ではなくて普通に両方の表紙で2バージョン出して、どっちの売り上げが良いか調べればよかったと思うw
ちなみに私は明日野丈派です。タキシードこなたんモエー。

しかし、残りの2編は悪い意味で「いつも通り」でうーん…悪い方向で中途半端。温泉ネタは他のラノベ作品であったようなな、もっと激しい応酬を期待してしまったこっちが悪かったんですが…。百合ギャグに走りたいのかシリアスに走りたいのか中途半端な印象を受けました。

そして彼方が女の子になってしまった一週間の話「少女な彼方の一週間」は、元々あまり好きではない性転換ネタであるということを置いておいても微妙。どうせ少女になった彼方の話を描くならもっと盛大にはっちゃけるべきだった!!体育の時間の話といいグレ子にバレそうになる話といいどちらも全く「バレてしまうかも!」という緊張感がなさ過ぎる。もっとドッキリハプニングが欲しかったです。特に後者は押しの弱いグレ子だけじゃなく依お姉さんもその場に居て、胸の真偽を確かめるという名目で追い掛け回されるくらいの勢いが欲しかった。

3巻ラストで彼方が男に戻ったのは既に確定している事項なので、戻れるか戻れないかの緊張感も足りないのも致命的でした。こういうのを入れるのならば彼方の性別が戻ったかどうかはこの短編の最後まで伏せておいたほうが良かったと思うんですよね。なんかあらゆる意味で「ぬるい」短編でした。

後書きで3巻の際に賛否両論で色々悩んだみたいな記述がありますが、ここいらで女装少年モノとしての当初の路線を貫くのか、女装もアリのセクハラTS物として本格的に百合方向に進んでしまうのかをはっきりとさせたほうが良いと思う。「色々な方向をやっていきたい」とのことですが、今回の短編集はあまりにもどっちつかずで、中途半端です。女装派とTS派どちらも手放すまいとしてすっ転んでしまった印象が拭えません。

ぶっちゃけ、気に入らなかったらファンは切るだけなんですから、一部のファンの意見なんか気にしないで自分の好きな方向に行けばいいと思うんですよ。彼方にはそれだけの魅力があるんだし。ある程度、方向が合わないファンを切り捨てる覚悟も必要だと思うのですが。(まあ私は今後もTS展開が頻発するようなら切ると思います)

【オマケ】なんとなく脳内に浮かんだ、「おと×まほ」派閥表。

かなたん可愛いよ派
  │
  ├─ かなたんは男だからこそいいんだよ派(女装派)
  ├─ 今後TS変身ヒロインとして活躍すればいいよ派(TS上等派)
  ├─ むしろ3巻最後で女の子になっちゃえば良かったんだよ派(女の子派)
  ├─ こなたんや魔法少女の誰かとくっつけばいいよ派(百合派)
  └─ かなたんの性別は「かなたん」だよ派(性別:かなたん派)


少年伯爵は月下に奏でる

[著]流 星香 [絵]おおきぼん太

レオニールと血の契約を結び、“二人で一つ”の吸血鬼となったベルナルド伯爵。一行は化け物達の襲撃を避けながら街の外にある修道院に身を寄せていた。一方、ベルナルドのいなくなった伯爵邸では彼の双子の弟がベルナルドの身代わりとして据えられる。影武者として育てられた彼の立ち振る舞いは完璧だった筈なのに、なぜか王子に正体を見抜かれて!?
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うーーーん、なんかシリーズが進むにつれ、ますますJUNEラノベ化が進んでいるご様子。1巻でそこはかとなく漂っていたホモ臭がかなり露骨になりつつあり、本編そのものよりもそっちが鼻について物語り自体が素直に楽しめなくなってきました。二次専腐女子の私としては、ここまで狙った展開に突っ走られるのはちょっと…。

対の吸血鬼となることを余儀なくされたベルナルド&レオニールがのっけから全開です。本文中に「小動物を可愛がるような?」というフォローはありますが、それにしたって一応男性を姫抱きにするのがデフォな男って色々とどうかと思います。そして今回登場する双子の弟・ルディの可愛さはまさにBL世界からやってきたものとしか思えません。あきらかに総受け。女の子まできゅんきゅんさせちゃう美少年とか、もう発想がBLだよね。いっそ本番ありのBL小説としてルビー文庫から出してくれた方が、余程割り切って読めるのに。

あと本編の物語自体は悪くないと思うんだけど、全体的に展開が駆け足過ぎるかな?という印象が。今まで会った事もなく、今後も会うことはないと思っていたであろう弟をいきなりあだ名呼びする兄伯爵(一体いつそのあだ名を考えたんだっ!?)とか、それまであんなに渋っていたのに突然実家に戻ってしまう辺り(ていうかお祖父さんは何も言わなかったのか!?)とか、弟伯爵のピアノの話とか、無茶な展開に猛烈な違和感を感じた部分がいくつかあり、全体的にキャラクター・物語の動き方が唐突に感じる。文章もイマイチテンポがよくないというか、同じ語尾を使って畳み掛けるように事実だけを描写していくようなカンジで、なんか物足りない印象。

特にルディのピアノの件は強引にまとめすぎ。そんな気の持ちようの違いくらいで動物呼べるようになったら世の中は天才ピアニストだらけだと思うっ!!!

うーん、とにかく、悪くは無いけどちょっと自分には楽しめない作品になってしまったかな?。
近いうちに続巻が出るようだけど、2巻で切りで。

そういえば、今回表紙のベルナルドの髪の色がちゃんと金髪になってますね。
白髪のときは某エクソシストにしか見えなかったんですが、金髪になったらレオニールとあわせて某ガンガンの焔の大佐×豆錬金術師にしか見えません。本当にありがとうございました。


【オマケ。】 この本の説明文が、なんかすごかった。

人気急上昇!!ツンデレ伯爵とオレサマ軍人の最強コンビが放つヴァンパイア・ファンタジー!!
「討ちもらすな」大切な人たちを守るため、求血鬼となった美少年伯爵・ベルナルド。「我が主の命とあらば」正義を貫くため、ベルナルドの〈対〉なる給血鬼となった凄腕の軍人レオニール。怪物を殲滅する彼らをよそに、都ではベルナルドの代わりをしていた双子の弟が、兄の存在を知り、暗殺を企てていた!!月明かりの導きのもと、ここに『血の契約を』——!!ツンデレ伯爵とオレサマ軍人が贈る主従ファンジー第2弾!

(角川書店公式サイト説明文より)

これがビーンズの豆寄せかっ!!!

ていうかベルナルドは貴族として誇高い少年ではあっても「ツンデレ」ではないよ…ね……?なんでもかんでもツンデレツンデレ言うのはよくないと思うんですけども。


モーフィアスの教室2 楽園の扉

[著]三上 延 [絵]椎名 優

教頭から注意を受けた綾乃が保健室に入り浸れなくなり、彼女が傍にいないと熟睡できない直人は困ってしまった。一方、綾乃は保健室に居られないならば…と直人の家に居候し始める。当然、彼女をよく思っていない妹の水穂が良い顔をする筈はないのだが、そこに新たな<夢神>が現れて…
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しょっぱなから綾乃との同居にスネて、嫉妬しまくりで「最低」だの「ケダモノ」だのと暴言を吐きまくる妹・水穂ちゃんグッジョブ!!ツンデレ全開の態度も素敵ですがそのボギャブラリーにはとにかく感服せざるをえません。「 淫 獣 」なんて単語、普通の女子学生は中々出てこないと思います。

なんかなんだかんだ言いながらもあっさりと綾乃が周囲に<夢神>の事をばらしちゃったのはちょっぴり意外でした。個人的にはもうちょっと引っ張ってもよかったし、棗に対して綾乃の正体を偽ったのはその後の話で真実が発覚したときへの伏線だと勘違いしていたので拍子抜け。しかし、1巻であれだけ強気な一面を見せた綾乃の脆い一面を垣間見た気がして新鮮でした。

<夢神>の正体は序盤でなんとなく予想がついたように思わせておいて、最後でどんでん返されました。なんでもないあのエピソードが、ラストのそこに繋がるとは思わなかったなぁ…。何気にこのシリーズ、<夢神>の潜有者を推理するのが面白いです。上手い事裏切られて斜め横45度上を行かれる展開に、ニヤリとしてしまいます。

しかし、1巻がこれまでになく派手な印象だっただけに、2巻はその辺が安定しちゃったというかいつも通りよく言えば堅実・悪く言えば地味なイメージが……。いえ、安定して面白いのは良いことなのですが。今回は綾乃・水穂・棗の3人の関係に主眼が置かれていたから仕方ないのかな?とは思うものの謎解きの後はバトルもあっさり目だったのはほんと残念。個人的には  が最後で本性出して抵抗するみたいな展開になってもよかったと思うんだけどなあ?…。

キャラクター的にも綾乃の弱い一面が見れたのはよかったのですが、同時に1巻で強烈なインパクトを残したあの個性が緩和されちゃった気がしてなりません。その辺は今回露骨にヤンデレ化フラグ立てまくられてた棗さんが今後どうなっていくのかで相殺というカンジがしなくもないですが。

ここはひとつ、ラスボスが棗くらいの勢いで頑張っていただきたいです(何をだ)


千の剣の舞う空に

[著]岡本 タクヤ [絵]柏餅 よもぎ

交通事故に遭い、空手で最強を目指すという夢を閉ざされてしまった速見真一。諦めざるを得なかった“世界最強”の文字に魅せられるようにして“サウザンドソード”と呼ばれる対戦格闘ネットワークRPGを始め、その世界での最強を目指し始めるが、そこで出会った少女がクラスメイトであると気づいて…
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とあるネットワークRPGで“世界最強”を目指している少年がネットゲーム上でクラスメイトの少女と出会って少しずつ彼女の知られざる内面を知っていく……という物語。設定はそれなりに風変わりなものの物語自体は王道すぎるほど王道な爽やか青春ストーリーでした。他所の感想サイトさんでも言われていましたが、一途にゲームにのめり込む少年がその世界での“最強”を目指しながら、自らの“リアル”での生活との両立を見出していくという方向性は、他所でも言われてましたがあの『連射王』に通じるものがありますね。

自分の世界にのめり込むあまりに友人を作る事も出来ず、同時に自らも友人を作らない事を良しとして生きてきたタカヒロ(真一)と、自分とは正反対の明るくて社交的な性格なアスミ(明日美)がリアルの世界では文化祭、「サウザンドソード」の世界では最強のプレイヤー“闇”を倒すため…とお互いの正体に気づかない(真一はその“フリ”をした)まま行動を共にする事になり、2つの世界を通してお互いの抱える違った一面を垣間見ながらも歪みを克服し、成長していく過程が非常に素敵でした。更に、二人を取り巻くクラスメイト達や「サウザンドソード」で合間見える強敵たちも非常に暖かい人たちばかりで、読んでいて心地いい。「悪者」も「嫌なヤツ」も居る世界だけど、それでもこの世界に登場するキャラクターたちはどこか優しい。エピローグの赤シャツのエピソードがあまりにもこの物語の本質を物語っているように思えて、思わずニヤニヤしてしまいました。とにかく、非常に爽やかな気持ちで本を読み終える事が出来ました。

“世界最強”を目指す物語ながら、誰にでもどこにでもありえる親近感もたまらない。続編になるのか新シリーズになるのかはわかりませんが、作者さんの新作に期待!!


サージャント・グリズリー

[著]彩峰 優 [絵]bomi

上級生から虐められ、クラスの中では空気な少年・玖流玖準のクラスにやってきた転校生“グリズリー・軍曹”。なぜか頭にクマの被りものを着け、軍服姿の軍曹をクラスメイトたちは“クールでかっこいい美少女”などと言う。厄介ごとに関わるのはゴメンだと思っていた準だが、何故か軍曹と友達になることになってしまって…?!
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えーと……なんていうか……久しぶりに地雷を踏んでしまった……。
えーとですね、序盤でグリズリー軍曹が主人公とドタバタな学園生活をおくりはじめた位の頃は、フルメタ短編の男女逆転したようなノリで結構面白くて、結構期待してたんですよ。

しかしこの後、なんで途中から学園はなれてハードなシリアスになるの?!
いらないよ!!後半のシリアスまとめていらないよ!!!
なんか読んでいても全く情景が頭に浮かばない、面白くないバトルシーンの連続に辟易していたら、その場で思いついて付け加えたようないらない設定がバンバン現れて、読者置いてきぼりのまま終了。それまでただのネクラで内気な少年かとおもわれていた主人公が突如としてギャルゲーオタであるらしいことが発覚したり、主人公が突然大財閥の御曹司であることが明らかになったり、伏線らしい設定に心を躍らせるとなんらフォローがないまま話が終わってしまったり……。

これが序盤の「不条理系ギャグ小説」のまま進んでくれたらある程度設定に穴があったり、突然知らない設定が当たり前のように出てきてもその手のギャグなんだとおもって納得がいくのですが、後半は完全にシリアス。しかもなぜか結構欝展開。

後半みたいな裏社会で活躍する荒くれ者たちのバトルを描きたいならヒロインを着ぐるみにする必要はどこにもなかった。後半で軍曹が主人公をヒロイン的な意味で恋する乙女的に心配する描写があるのですが、所詮、グラフィックがハイイログマであることだよとか考えるとなんかイマイチ、グっときません。主人公にも全く見せ場が無く、とりあえず駄目人間であるというところばかりが目に付きます。ラストではちょっとだけかっこいいところを見せてくれますがそれ以前が駄目人間過ぎて相殺しきれてません。というか、未だにあのラストの行動はそれまでの主人公の行動からするとありえなさすぎて、主人公が英霊か何かに精神を乗っ取られて起こした行動かなにかなのではないかと疑ってしまう自分が居ます。

あと、なんで主人公はエピローグで両親に勘当されるんだ?
なんとなく想像つかなくもないけど、一応助けてあげたのに随分冷たい両親だよね?母親の方は結構まともな親っぽい描写があるのに……いや、もういい……何もかもがどうでもいい……。

前半のパートがそれなりに面白かっただけに、ガッカリも大きかったです。前半のノリのままバトル分なしのドタバタラブコメにしてしまえばまだそれなりに面白かっただろうに。(それでも1?2月にまとめて発売となったギャグコメ系ラノベのレベルが全面的に高すぎたので評価されるかどうかは微妙だと思いますが…)

なんか物語の構成自体、狙ってこういうシュールな作風にしたというよりは、作者がその場の勢いのまま、思うが侭に自分の書きたいものを書きたいまま後のことなど何も考えずに書いて、駆け抜けていったという印象を受けます。きっと作者は一瞬の風になって、天高く吹き上がっていったのではないでしょうか。

……ごめん、もうむり。


今月のオススメと面白検索キーワード[2008年2月分]

2月のまとめ。読了冊数は18冊でした。平均よりは多めってとこ。
「ネクラ少女」シリーズの一気読みがいい具合に効いた模様です。

2008年2月のオススメ本。


生徒会の一存(⇒感想

MAMA(⇒感想

黄昏色の詠使い5
⇒感想

人類は衰退しました
⇒感想

なんか2月の新刊は全体的に、「あと一歩キメ手はないけど文句なしに面白かった」くらいのレベルの傑作が乱立していて、5作品くらいが甲乙つけがたい状態で並んでました。「MAMA」と「黄昏色」と「ベン・トー」と「衰退しました」と「らっきょ」が未だに脳内でガチンコバトルを繰り広げて居るのですが…キリがないので枠を増やして、一応この4つで決定。アクセス数の関係が無ければここにフルメタ新刊も並んだことでしょう。

2月の新刊の中で頭一つ飛び出て面白かったのは「生徒会の一存」。ハイテンションでまったりでメタメタなハーレムギャグコメもの……と思わせておいて、予想以上に懐が広くて魅力的な大バカモノ・杉崎鍵のキャラクターにやられました。「ミミズクと夜の王」の紅玉さんの新作「MAMA」はミミズクがライトノベルに近づいたような、それでいて特有の御伽噺のような雰囲気は消えていない名作。そして遂にエピソード1完結の「黄昏色の詠使い5」ははぅ?ネイトかぁいぃよぉお持ち帰りィィ! 

最後の1枠、「ベン・トー」と「人類は衰退しました」で敗者決定戦を行ったのですが僅差で人類?が勝ちました。あの超癒し系の雰囲気がクセになる…!!

2008年2月の人気(?)感想…諸事情により「4選」です。

 波乱万丈……今月ほどこの言葉を実感した月もなかったでしょう。

フルメタル・パニック!せまるニック・オブ・タイム(⇒感想

バカとテストと召喚獣3.5
⇒感想

バカとテストと召喚獣
⇒感想

バカとテストと召喚獣3
⇒感想


 ど ん だ け バ カ テ ス 。

12月にバカテス同人を出して以来、着実に「バカテスと女装萌えな腐の人」というイメージが定着しつつあるような気がしてならない今日この頃。ちなみにこれだけバカテスぶっちぎり状態が続いているのにもかかわらずなぜか2巻の感想のみ全くといっていいほどアクセスが伸びておりません。うーん、確かに1?2巻は一気読みしたので2巻の感想がかなり適当であることは否めないのですが……読み返しを経て、現在最萌え巻と化した2巻の評価が世間的にもあまりよろしくないのが非常に不満な今日この頃。

このままではバカテス2巻感想だけ全面改稿を行いそうな勢いです。
…それはそれでありか?開き直って思いっきり腐れた感想をアップしてみるか?……うーん。

そして1位の「フルメタルパニック!」ですが、衝撃の展開があまりにも話題になってしまったのか感想をアップした18日から素晴らしい勢いでPVを伸ばし、発売日前後でPV爆発がおきました。……えーと、21日のユニークアクセスとPVが、感想を上げる直前(2月17日)のPVの3倍近くあるんですけど……。

良くも悪くも「衝撃的」で「センセーショナル」だった最新刊だったと言えましょう。
クルツ……orz

これに関して月間アクセス数の推移がかなり面白い動きをしていたので、参考までに掲載しておきます。いや、最初はどんだけバカテスがぶっちぎりだったのかをレポートしようと思ってスクショしたんだよね…。…バカテス3.5の感想、一応うちのサイト的にはぶっちぎりで過去最大のアクセス数だったんです。いや、普段多くても1ヶ月で500行けばいい方なんで。

ちなみに、くどいようですがフルメタ感想をアップしたのは2月18日昼過ぎです。

2月14日夕方時点 → 2月22日 日付変更直後時点 → オマケで3月1日現在

1月&2月の面白検索キーワード


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ゴッデス!2  美少年のお世話って大変なの!!

[著]ひかわ 玲子 [絵]近衛 乙嗣

イグドラシルの力を借り、元の世界に戻ったアキラと桜羅子。しかし、二人を待ち受けていたのは誰も居ない、瓦礫ばかりの廃墟と化し滅亡した街の姿だった…。仕方なく神々の世界へと舞い戻った二人は未だ“神”の力を持たず、戦力的に役立たずの宙良のパワーアップを図る——!?
   個人的お気に入り度数
神々の世界で神殺しによって“神”になった少年少女達が百合百合したり血なまぐさいドロドロを繰り広げるシリーズ第二段。少しずつ世界の謎が見えてきた一方で謎が深まったり新たな謎が生まれたり………むしろそれは総合的には余計謎が増えたというようなっ!?

今回は、1巻では割合空気だった美少年従兄弟・宙良が大活躍(?)します。大活躍……というよりはむしろ完全に2巻でヒロインのポジションを確立した感がありますが。ヘタレで駄目な子に目が無い私としては大変喜ばしい事です。絽貴くんと張り合うのに、今更明らかに無関係な得意科目の話を出す辺りが最高にヘタレwしかし、カラー挿絵で月を背にする宙良くんが非常にかっこよかったので、密かに彼の成長と大活躍と虐げられっぷりを楽しみにしている私なのでした。というか、目次のところを見た限り、「キャラの!」本誌掲載時にはひょっとして、囚われのお姫様モードで鎖に繋がれてる宙良のカラー挿絵とかあったんじゃまいか……本当にあったんだとしたらすげえ見たかった。

そんなヘタレもといいらない子もとい宙良くんですが、予想通り重大な秘密が…。後半で宙良が謎の狼と遭遇して以降の展開はとにかく重くて、欝で、ドロドロ。宙良がヴァーリー神に取り込まれた恋人の璃李と再会するシーンは素晴らしい悪趣味っぷり(←褒め言葉です。)。

さてさて、今回この“神々の世界”が北欧神話を下敷きにした世界であることが明らかとなるわけですが、そうなると名前的に明らかに何かの関係ありそうなキャラクターがいらっしゃるわけで…ぶっちゃけお名前を聞いたときから「ひょっとして北欧神話とかラグナロクとか関係あるのかな?…?」と思っていたので思わずニヤリとしてしまいました。また、更に悪趣味な方向になりそうだ…。このシリーズの悪趣味さはかの「バイトでウィザード」や「Missing」、「ダブルブリッド」にも通じる程のものがあるので、是非ともこのまま悪趣味全開で頑張って行ってほしいです

……しかし、連載ペースでこれだけかかるってことは、次の新刊は来年か…?あと、やはりこの悪趣味な本編に、超ハイテンションなあの後書きはあんまりだよ…悪くも悪くも雰囲気壊しまくりだよ…!!この後書きは、ある意味本編以上に悪趣味だ……。