ページ 72 | 今日もだらだら、読書日記。

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死神姫の再婚 -ひとりぼっちの幸福な王子-

 

「本当の嘘」はどれ? 怪物王子が求める「物語」とは――!? 囚われの身のアリシアは、ゼオルディスが望む「幸せな結末」の物語を考え続けていた。 創作の参考に、幽閉中のグラネウスを訪れるが、そこにはライセン家の「家族の肖像」が! 最愛の人の姿に涙を流すアリシア。しかし、突然その絵にゼオルディスがペンキをぶちまけた!! ころころと変わる彼の態度。アリシアの中に、おかしな違和感が広がっていき……? 真実の「幸福」を告げる第14弾!!

 ゼオルディスの望む「物語の続き」が書けたらグラネウスの処刑を取りやめてくれる、という言葉を受けてゼオルディスと向き合う覚悟を決めたアリシア。その一方で、王子に味方する人間はどんどん減っていき……というお話。アリシアの脳内カシュヴァーン様が光輝きすぎてやばい。

 アリシアが漸く突き止めたゼオルディスの「物語」の真実がとても切ない。ゼオルディスの態度からして薄々そういう方向だろうなというのは解っていたんだけど、ずっと張り続けてきた虚勢の裏から覗く本音が、切なかったです。

 着々と味方を失っていく王側と、離脱した軍勢も取り込んで大きくなっていく女王側の対比が凄かった。特に女王側のドンチャン騒ぎの直後、王宮側の話をもってこられるともう。個人的に今回ある意味一番の見所だったのはジスカルドと、トレイスかなと。肝心な事にまるで鈍感なジスカルドのうろたえぶりと、そんな状況でも小姑根性忘れないトレイスの肝の据わりっぷりに大変ニヤニヤした。トレイスは嫌かもしれないけど、なんだかんだいってシャンテとお似合いなんだよね……しかしなぜトレイスの服装をちゃんと挿絵にしてくれなかったんですか。

 長く続いた夫婦の離別編もそろそろクライマックス。これまでなかなか動きを見せなかったカシュヴァーンがついに動き出して、夫婦の再会に向けての期待が高まって仕方ありません。そしてカシュヴァーン様夫馬鹿一代ここにきわまる。

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できたら一攫千金!〜

 

ド庶民根性なめんなよ!! サディスト皇子vsド庶民娘のうっかり婚ラブコメディ!! 病弱な王女の身代わりとして、鬼畜な策略家と噂の敵国の皇子『毒龍公クロウ』に嫁ぐことになったフェルディア。 実は彼女には、下町育ちゆえのちょっとした特技がある。 そんなフェルに与えられた使命は、クロウと"円満"に離婚すること! ……のはずが、いきなり新婚初夜に襲われたあげ句、軟禁されるってどういうこと!? こんな男、絶対離婚してやる! ――フェルの偽装新婚生活、スタート!!

 巨額の報酬につられ、守銭奴の鉄腕アルバイター・フェルが請け負ったのは自分とそっくりの王女・シレイネの身代わりとして隣国の皇子に嫁ぎ、離縁して戻って来いというものだった……というお話。

ドS男子×男前女子さいこおおおおお!!!

 下女達に嫌がらせを受けても、仮とはいえ旦那に冷たい態度を取られまくっても庶民根性全開でへこたれないフェルがかっこいいそして可愛い!王女モードのシレイネがとんでもなくかっこよくて、本当にたまらない。これまでも何度も「入れ替わり」を体験してきたタマモノなのかフェルが元々併せ持つ男顔負けの行動力・潔さに王族らしい高潔さ・美しさが加わってもうどうしたら良いのか。特に201ページのアレは展開・挿絵も併せて転がらざるをえない。

 王女の『シレイネ』と下女の『フェル』のときでガラっと態度の変わるドS皇子・クロウにも散々転がされました。この基本鬼畜・ドSなところに微妙なヘタレぶりと、冷たい態度の裏に隠された優しさのバランスが絶妙でたまらない。振り回してやったとおもったらいつのまにか自分が振り回されてるこの手綱握られてる感とか、終盤はすっかりフェルにベタボレな感じがにじみ出る発言の数々とか。本当にごちそうさまでした。

 実際に離縁できずにこのままくっつくとなると、彼女が身代わりになっている本当のシレイネ姫はどうなるのかとか、彼女を送り込んだ祖国・ユナディア側にも色々思惑がありそうな感じだし、今後どうなってしまうのかとてもたのしみ。是非続刊をお願いします!凄く面白かったけど「花狩のロゼ」が事実上打ち切りになってしまったっぽいのが本当に悲しいのでこちらは是非2巻をお願いします!!

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はたらく魔王さま!5

 
029

修理の終わった魔王城(築60年・六畳一間のアパート)がなんと地デジ対応に! テレビなど贅沢品と思っていた魔王だが、ついに薄型テレビ購入に踏み切る。家電に詳しくない魔王たちは、恵美の会社の同僚・梨香を誘い、大型電気店に向かうことに。なぜだか異世界の聖職者・鈴乃もそれに便乗し、魔王一行の“お買い物ツアー”がスタートする。そんな中、魔王に恋する女子高生・千穂に危機が迫っていた──!フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、第5弾登場です。(公式サイトより)

 魔王さま、地デジテレビを買うの巻き。あらすじ読んだとき絶対この話のラスボスは1巻で出てきたNHKの集金のおじさんに違いないとおもってたら既に大家サイドで解決してた!なんてこった!テレビの話は、むしろニート堕天使こと漆原が執着しないのがちょっと予想外だったのですがそうだよね……彼はネットの申し子……アニメ見るならネットで見るよ……(魔王城にある旧型PCで動画再生可能なのかはこの際置いておいて

 とりあえず序盤の一流ニート堕天使vs三流ネカフェ難民大天使で萌え死んだわけですが、物語はフリーターネタが減ったせいか予想以上に天界・魔界入り乱れてのシリアス展開。恵美の両親や千穂まで巻き込んでの総力戦でした。天界の話が絡むと漆原が活躍するなあ……「一流のニート」語りで盛大にふきだしましたが、双方の情報を整理する探偵役を務める中盤はびっくりするほどの漆原無双。味方側でも突き抜けて年齢を重ねている事もあり、まだまだ色々魔奥や芦屋のしらないネタを握っていそうな感じ。

 人間側は千穂ちゃんがうっかり○○しちゃったり(アルティメットまどかにしかみえなかったのは私だけで良いです)、いよいよ本格的に梨香と芦屋にフラグが立ったり……でこちらも目が放せない。梨香さんは今回で履歴書が出ていよいよレギュラーメンバー昇格なのか。次巻もとてもたのしみです。

 シリアス分多めで魔奥の労働ネタは少なかったけど某うどんチェーンの話とか、新人バイトの教育の話とか、値切りの話とかなんだかんだで庶民ネタも忘れてはいないあたりがさすがすぎる。そろそろこういう小ネタで短編集とか出せるんじゃないですかね!本編シリアス気味だからそろそろ、ね!!ニート堕天使とネカフェ難民天使ズの怠惰な一日とか見たいですね!!

 ところで、大変個人的に今回の「あとがき」にぐっ……となりました。言葉にうまくできなくてもどかしいけど、あの震災ってやっぱり何かを決定的に変えてしまったんだなあというかなんというか。

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魔法少女育成計画

 

大人気ソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』は、数万人に一人の割合で本物の魔法少女を作り出す奇跡のゲームだった。幸運にも魔法の力を得て、充実した日々を送る少女たち。しかしある日、運営から「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」という一方的な通告が届き、十六人の魔法少女による苛烈で無慈悲なサバイバルレースが幕を開けた……。第2回「このラノ」大賞・栗山千明賞受賞作家の遠藤浅蜊が贈る、マジカルサスペンスバトル!

宝島社様より献本をいただきました!

このマスコットキャラがゲスい。

 16人居る魔法少女の枠を半分にすることになった。週に1度、人助けをすると貰えるキャンディの数が一番少なかった魔法少女を発表し、その娘を魔法少女でなくす。魔法少女でなくなるとは、『死』を意味していた。最初は平和的な方法で魔法少女枠の争奪戦をしていた彼女達だったが、脱落=死のルールをはじめとして様々な事実が明らかになり、次第に追い詰められていく。あまりにもあっけない最初の魔法少女の『死』からはじまる物語の転落具合が凄かった。

 ちょっと希望が見出せたと思うと即それ以上の絶望によって行く手を塞がれていく絶望感がはんぱない。ちょっとギスギスし始めた時に絶妙にそれを煽るような追加ルールが出てきたり、魔法少女内も当然一枚岩ではないので騙し騙されて殺し殺されていく展開が本当に凄かった。殆どの魔法少女達の事情は深く触れられないんだけど、死んだ後に描かれる「本来の姿」だけでも彼女達の想いや無念が透けて見えてきて、辛い。

 マスコットキャラが外道な魔法少女モノというとどうしても「魔法少女まどか☆マギカ」が出てくるけど、キュウべえが根っこから別次元の生物だったのに対してこちらのマスコット役を務めるファヴはある意味魔法少女達なんかよりもずっと人間臭いのでタチが悪い。そして端々から感じる悪趣味さがどこまでも本当にゲスい。まじ、ゲスい。

 個人的には「まどか☆マギカ」よりも「扉の外」を思い出させる悪趣味さだよなあ、と思う。ゲームマスター側に感じる悪趣味なゲスさとか、プレイヤー達を意識的に追い詰めるために存在する追加ルールやアイテムなんかのあたり。

 とてもよい悪趣味さだった。そういうの好きな人なら超オススメ。
 ↓あわせて読みたい

扉の外 (電撃文庫) 扉の外 (電撃文庫)
 土橋 真二郎、白身魚
 メディアワークス (2007/02)
 2007/02

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しずまれ! 俺の左腕

 
NOCO

善良なリア充である高校2年生の篠中紳士は、ある日謎の飛来物と衝突、異世界の魔王に憑依されてしまう! 紳士の左腕を乗っ取った魔王は、その恐るべき力を用いて……ネトゲ三昧!? 「くくく、携帯をよこせ! まとめサイトを見るのだ! 」「やめろ魔王! くっ、しずまれ僕の左腕……! 」リア充から一転、邪気眼へとクラスチェンジしてしまった紳士の運命は!? 『伝説兄妹! 』のおかもと(仮)が贈る、笑いと感動の庶民派ラブコメディ、いよいよ開幕!

宝島社様より献本をいただきました!

 リア充高校生が爆発したら、左手に魔王が憑依していた。な、なにをいっているかわからねえとおもうがry←あらすじ

 左手に憑依した魔王は無類のゲーム好きだった。ことあるごとに左手を操ってはネトゲやソーシャルゲーをやりこもうとする魔王を抑えようとする主人公・紳士だけど、その行動が結果的にどうみても邪気眼にしかみえなくて……という周囲とのディスコミュニケーション具合が楽しい。

 そんな奇妙な一身同体生活を送るうちに魔王の可愛いところが少しずつ見えてきて、いつしか……という流れは少々強引に思えたけど、魔王への気持ちを自覚した後の紳士の恋する男子高校生具合はたいへんニヤニヤできました。彼女を護る為に強くなろうと思って空回りし、魔王と引き離されても彼女を助け出す為に頑張る男子高校生の妄想力マジ最強。

 個人的には、魔王を追う勇者や警察の特殊部隊が動き出してからが本番かなあという印象。浪人生で超豆腐メンタル系ヤンギレ勇者・赤井川兎や頭髪に不安のある大鳥局長とのやりとりが楽しかった。シリアスバトルの最中にヅラだの浪人だの入ってイチイチ脱力させられるグダグダ具合は好き嫌いわかれそうだけど、個人的には結構好きです。

 あと、幼なじみの2人が可愛すぎる。邪気眼認定されてクラスメイト達が距離を置いても、引きながらも以前と変わらぬ付き合いをしてくれる二人の友情って実は凄く貴重なものだとおもうんですが、正直恋する幼馴染暴走特急・巻名ちゃんが濃厚すぎて友情とか幼馴染とのほのLOVEとか感じてる場合じゃない感。健気可愛いんだけど、健気可愛いんだけどいろんないみで強キャラすぎる!!!

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君の隣で見えるもの

 

とある事情で高校を停学になった郁斗は、一足早く迎えた夏休みをひとり母の実家へ送り込まれることになった。電車は少なくコンビニは遠く、訛りのきつい言葉が飛び交う東北の田舎町は、郁斗にとって心細くよるべなき場所。そこで郁斗をあたたかく迎えてくれたのは、一つ年下の広大だった。長身の頼れる男に成長していた従弟に、郁斗はだんだん惹かれていくが…?優しく切ない、青春エモーショナル・ロマンス。 (「BOOK」データベースより)

 東北の田舎町にとある事情で里帰りした都会っ子が、田舎の人々と交流しながら年下の従兄弟と相思相愛になるお話。

 うーん、正直、東北弁に対するフォローがあとがきまで行かないと一切無いのがちょっとキツかった。かなりガチで東北弁なのですが、音が似てるからと共通語であてはめて意味を取ってたところが最後に答え合わせしたら全然違う意味で……みたいなの多数。なんらかの形で注釈が欲しかったなあ、と。

 正直メインの二人はあんまり好みじゃなかったなあとおもうんだけど、方言の話はともかくとして田舎特有のゆったりとした雰囲気とか、そういうのが伝わってくるのが凄く良かったです。雪かきの話とか翌日筋肉痛とかニヤニヤする。

 それにしても、元彼の城田先生が清々しいまでのクズで思わず笑った。

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読了記録まとめ[2012年5月分]

5月の読了数は感想書いてない再読本2冊を含め21冊でした。
……うち12冊がBL……もう何のブログだかわからない……ラノベの感想を求めてうちに来てくださってる方にはほんとうにすいませんでも自重しない。

今月のオススメマンガ

プラナス・ガール(5) (ガンガンコミックスJOKER)
 今更過ぎるくらいの定番だけど「プラナス・ガール」最新刊が絆可愛すぎて死んだ。「魔法のアメ」からはじまってまさかのメイド祭に転がり、ウェディングドレスに飛び跳ねるよ。「男の娘」という単語はあまり好きじゃないけど、こればかりは至高の男の娘モノとして全力で押したい。絆かわいい。
月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE)
あとなんか色々な人からオススメされて手に取った「月刊少女野崎くん」が猛烈に面白かった!無骨でごつい外見なのに少女漫画家の野崎君に惚れてしまった女の子がなぜかアシスタントにされてしまうお話。少女漫画家なのに恋する乙女の気持ちなど1ミリもわからない野崎君のすっとんだ発言の数々にふきださざるをえない。あとみこりんマジヒロイン。

5月の読書メーター

読んだ本の数:29冊 / 読んだページ数:6193ページ

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ごめんなさいと言ってみろ

 

出版社のパーティーで出会った、少女マンガ家のリツとハードボイルド作家の久々野。初対面は最悪、再会も超バッド・シチュエーション―なじり合って罵り合って、お互いの印象はドン底だった二人だが、そんな彼らに突然コラボ企画が持ち上がった。「よりによって作風正反対のおれ達が共同作業だなんて無理無理無理!」と、かたくなに断ろうとしたリツだが…。皆様お待ちかねの大人気マンガ家シリーズ、オール書き下ろしで最新作登場。(「BOOK」データベースより)

 出版社のパーティでいけすかない男・と大喧嘩をしてしまった少女漫画家の律は、親友だとおもっていた元担当編集・能代からとんでもない事実を聞かされる。そのショックから立ち直る暇も無く、能代から久々野とのコラボ企画を持ちかけられ…というお話。

 俺様系で傲慢で尊大な久々野と、プライドが高くて男前だが意地っ張りな律の喧嘩ップル具合にときめきがとまらない。謝る気がないわけじゃないけど毎度いい具合に久々野に煽られて謝罪の言葉をひっこめてしまう律の姿に超ニヤニヤする。自分とは正反対に男らしい外見の久々野にコンプレックス刺激されまくる姿も美味しかった。

 そんな二人が出版社の企画でコラボをすることになり、最初は断るつもりだったのにお互いの『作品』に夢中になってしまって……という流れがとてもたのしかった。特に、コラボ小説の第一稿を読んでその世界に引き込まれていく律の姿なんか、こっちまでその世界に引き込まれていく感じで。普段はぶつかってばかりなのに全く作風の違う二人がこれまでの彼らの持ち味を生かしあったまま、新しい世界を切り開いていく姿にわくわくする。

 しかし、メイン2人のやりとりにワクワクが止まらない反面、能代の空気読めなさ・天然だからこそ邪気なくダイレクトに律のトラウマを抉ってくる姿がちょっとキツかったです。お前もうちょっと空気を……お願いなので空気を読んでください……。

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きみがいるなら世界の果てでも

 

俺のせいで東海林がダメになっちゃう!?ルコちゃんという愛称で人気上昇中のマンガ家・二木は、恋人同士となった今も変わらず、いっさいの面倒を東海林に見てもらっていた。お互いそれで良いと思っていたはずの関係だったが、次々と東海林にアクシデントが起きる。さらに高校時代、二木の世話を焼いていた男・甘利が現われ…。きみがいなけりゃ息もできない―そんな二人の行き着く先は?マンガ家シリーズ最終巻!オール書き下ろし。(「BOOK」データベースより)

 「マンガ家シリーズ」最終巻。漫画家仲間の律から「東海林に負担をかけすぎ」と指摘されて以来、自立しようと頑張る二木だったが思いは空回りするばかり。挙句、東海林に怪我をさせてしまって落ち込む彼の前に高校時代に世話を焼いてくれていた先輩があらわれて……というお話。

 この人たち、お互いがいないと本当に何もできないんだなあ…!!二木の人間としての破綻ぶりも前巻以上でしたが、二木を失った東海林が予想以上に何も出来ない人すぎてふきだす。普段のしっかり者ぶりのイメージが強いだけに終盤の破綻ぶりには吹くしかない。

 高校時代に二木の世話を何かと焼いていた先輩・甘利との三角関係(?)が中心なんだけどまさかああいう展開になるとは思ってませんでした……予想以上に重い展開に愕然としたけどオチを聞いてある意味納得というか、「嫌な奴」というイメージしかなかった甘利のイメージが一気に「かわいそうな残念な人」に変更された瞬間でした。先輩頑張れ超頑張れでも悪い事いわないから二木は諦めろ。

 「マンガ家」シリーズ主人公総出演で、それぞれのスタンスを語ってくれたのも面白かったです。第二作だけ後回しにしてこれ先に読んじゃったんだけど、これは全部読んでから手を出すべきだったなあ。

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カゲロウデイズ -in a daze-

 
しづ

『カゲロウデイズ』他、ニコニコ動画に投稿された楽曲の関連動画再生数が1000万を超える超人気クリエイター・じん(自然の敵P)。その本人による書き下ろしノベルが登場! 全ての関連楽曲を繋ぐ物語が初めて明かされる!――これは、8月14日と15日の物語。やけに煩い蝉の声、立ち揺らめくカゲロウ。真夏日のある日にある街で起こった一つの事件を中心に、様々な視点が絡み合っていく……。新感覚の燦然たるエンタテインメント体験がここに! 『目』が眩むほどの衝撃を見逃すな!

 ニコニコ動画にアップされている人気VOCALOID曲「カゲロウデイズ」を中心にした楽曲シリーズの小説版。表題曲にいたるまでの物語を描いた前日譚的なお話です。

 謎の美少女ウィルスにPCを乗っ取られてしまった引きこもりの兄と何故か勝手に他人の『目を惹きつける』という異能に近い力を持つ超人気アイドルの妹。二人はそれぞれの事情でとあるデパートで起きた事件に巻き込まれ、『メカクシ団』と呼ばれる不思議な一団と出会う……というお話。ちょっと不思議な能力と独特なキャラクターを持った登場人物たちが繰り広げるやりとりが凄く面白く、そして中二かっこよかった。これは色々な意味でラノベ向けなお話だなあ。あと、挿絵が凄くよい仕事をしてる(「みたい!」と思った場面に入る+大変雰囲気に合ってる)

 小説や漫画と違って聞いた人がそれぞれ、さまざまな解釈が出来るのが曲の醍醐味だと思うので、最近のボカロ小説化の波はどうなのかなーと思っていたけど、そういうのは置いておいてひとつの物語として楽しめました。主軸となる「カゲロウデイズ」の物語は次巻以降、存在を匂わせだけで終わっているので、この登場人物たちとどう絡んでいくのかがとても楽しみです。

 ちょっとこれは、CD欲しくなりました。

B007N6SBAUメカクシティデイズ(DVD付)
 じん
 ソニー・ミュージックダイレクト
 2012/5/30

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