“はいむら きよたか” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:はいむら きよたか (15 件 / 2 ページ)

ラストラウンド・アーサーズ2 聖女アーサーと赤の幼女騎士

 

「5000万あったんだぞ、どうしてそれが0になってんの!?」“アーサー王継承戦”に備え、一緒に住む提案をした凛太朗に、瑠奈はあろうことか凛太朗の全財産を使い込み屋敷を買うという相変わらずのロクでなしっぷりを発揮する。そして出会う次なるアーサー王候補は―「師匠!お久しぶりです」凛太朗がかつて戦い方を教えた弟子のエマ=ミシェーレ。エマに仕える“騎士”ラモラック卿の圧倒的な実力に劣勢を強いられる瑠奈は「貴方、凛太朗の身請けにいくら出す!?」まさかの保身と金儲けに走り始め!?納得できないエマは瑠奈と凛太朗を賭けて、王としての器を勝負することになり―。(「BOOK」データベースより)

凜太朗の弟子を名乗る少女・エマ。“アーサー王継承戦”に参加するためにこの町にやってきた彼女は、実力ならトップクラスの円卓の騎士ラモラックを連れていた。凜太朗を慕うエマと凜太朗を振り回す瑠奈は、いつしか凜太朗を巡って王としての器を競うことに。

ぶっちぎりの強さを持つ円卓の騎士・ラモラック卿を相手に一度は苦境に立たされながら、史実をなぞった展開と凜太朗らしい意地の悪いひっかけで追い詰めていくのがとても楽しい。というか、他の作品だと強キャライメージが強い気がするガウェインが割とポンコツ感漂わせてるのが新鮮でした。戦いで疲弊してるところを多人数で襲撃したってそりゃあラモラックにも恨まれるし、この仲間にしれっと混ざっているモードレッドやアグラヴェイン、一体どんなキャラになってしまうんだ……。それでも、そんなガウェインもいざとなればしっかりキメてくれるのが大変美味しかったです。

一方、何故かエマと瑠奈が凜太朗を取り合って恋の鞘当て(?)が始まってしまう学園パート。ラモラックからの後方支援を受けてポイントを稼ぎまくるエマと、そのエマに心配されるほど見事に地雷を踏みまくっていく瑠奈の空回りっぷりが楽しすぎるんだけど、それはそれとしてラモラックの「おしゃれ」に対する価値観が説得力ありすぎてすぎて身につまされるな……「オシャレは他人への気遣い」という言葉、心に刻みます……。ラモラックは色々な思惑があってエマの《騎士》をしているのだけど、この辺りの描写が本当に楽しくて、100%悪意でエマに近づいたとも思えないんだよなあ。

恋愛的にも継承戦的にもぶっちぎりの強敵ラモラック&エマの登場に凜太朗と瑠奈のコンビも解散の危機か──と思わせておいて、すれ違ってばかりいるように見えながら結局最初から最後まで心は結びついたままだったふたり。エマの過去とそれに対する凜太朗の悔恨は衝撃的だったけど、最後はなにもかも懐の深い瑠奈の元にまとめて抱き込まれるラストにほっこりしました。

どんな強い敵でも、一度倒してしまったら強引に味方にしてしまう暖かさと懐の深さこそが、彼女が「王」たる所以であり凜太朗が瑠奈に仕える理由なんだろうな。ロクでなしだが芯は強くて真っ直ぐな瑠奈と、なんだかんだで瑠奈を高く評価している凜太朗の主従関係が良かったです。


いつか世界を救うために2 -クオリディア・コード-

 

暗殺対象である神奈川序列第一位・天河舞姫の突然の来訪。二人っきりになる絶好の機会であるにもかかわらず、動揺する紫乃宮晶。ストーキングの証拠満載の舞姫グッズで埋め尽くされた部屋を隠し通せるのか―。さらには四天王入りを果たしたことで、「神奈川伝統の寝起きドッキリでね!」今度は逆に舞姫たちからストーキングを受けることに!?(「BOOK」データベースより)

 舞姫を巡る事件を解決した功績で、空白となった四天王の一人に押し上げられてしまったシノ。それ以来、舞姫や四天王が突然シノの部屋にやってきたり、追い掛け回されるようになってしまう。舞姫と仲良くなるにつれ、彼女を暗殺するという任務に違和感と躊躇いを感じ始めるシノだが、今度は相棒のほたるが不穏な動きを見せ始めて……。

 アニメ関係の告知見てればシノの正体については割と「ですよねーー」って流れになるんですけど、あらすじが思い切りネタバレかましてくるのに笑った。というかカラー口絵からしてアレなのであんまり隠す気ない。しかし最終的にこの子が「ヒメニウムが足りない」とか言い出すのかと思うと本当にアレだね……。

 任務と良心の間で板挟みになりつつも少しずつ舞姫に絆されていくシノの姿にとてもニヤニヤする。普通に見たらただのストーカー状態なシノの部屋に踏み込んでこられて一悶着するも、まさかの四天王(※だいたいガチの舞姫ストーカー)が庇ってくれるの面白すぎて腹筋が攣った。そこから、舞姫による逆ストーキングからのデート展開で(もちろん四天王のストーキングと余計な入れ知恵つき)、四天王の妄想を再現させられたり、皆の趣味全開の服を押し付けられたりするのが楽しすぎる。それにしても性別バレしてからの方が圧倒的にイチャイチャ度高いのはどういうことなんです!?

 そんなイチャイチャ展開からうってかわって、正体がバレてからの決闘と、全ての真実が明かされた後の呼吸ぴったりの共闘が熱い。陰謀策謀あるけれど、とにかくバトルシーンはめちゃくちゃ強い二人がそんなもの全部吹き飛ばすみたいな展開で、爽快感がすごい。ヒメとほたる、ふたりがいればどんな敵だって怖くないという最強無敵の幼馴染関係が最高に楽しかった!

 そして、同時に最後の真里香と來栖がとても好きです……利害関係からはじまる双方への好感度に依存しない共犯者関係最高。アニメ4話までで基本的に東京以外の小説版の脇キャラは登場して来ないのですが、この2人はなんか枠組み外れたところからしれっと出てきて欲しいなあ。


いつか世界を救うために -クオリディア・コード-

 

西暦二〇四九年。世界は終わるかと思ったが、終わらなかった。突如として現れた正体不明の『敵』―“アンノウン”と戦争を続ける人類。防衛都市のひとつ神奈川の学園に転校してきた紫乃宮晶。彼の目的は『神奈川序列第一位・天河舞姫を暗殺すること』。しかし『最強』の称号を有し、人類の希望である少女の強さはあまりにも規格外で…。「のぞきではない。監視だ」「今は胸を調べている」「無論、尾行だ」「変態ではない、調査だ」「秘密裏に行う家宅捜索だ」舞姫の全てを知るための観察が始まった!?新世代ボーイ・ストーキング・ガール!! (「BOOK」データベースより)

 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。(以上東京編の感想からコピペ)

 舞台は防衛都市・神奈川。南関東管理局の特殊部隊に所属する紫乃宮晶と凛堂ほたるのふたりに神奈川の序列一位・天河舞姫を暗殺せよという命令が下る。どこか不可解なものを感じながらも学園に潜入したふたりだったが、舞姫は10年以上神奈川の首席に君臨し続ける強者で、シノの戦闘能力を持ってしてもなかなか歯が立たない。更に、彼女を崇拝する“四天王”などという存在も現れて、…!?というお話。

 南関東最強を誇る天河舞姫を中心に「ヒメ(舞姫)かわいい!」でまとまってる神奈川の雰囲気が、腹芸上等ギスギスフィーリングな東京編を読んだ後だと、とても癒やされる……。正直、舞姫ひとりが精神的な支柱となっているあたり、ちょっと危ないバランスで成り立っている気がしてならないけど、まあとりあえずギスギスしてるより良いんじゃないかな……。

 そんなアイドル的な存在の舞姫に、本当の目的を隠して近づこうとするシノの行動がはたからみると完全にストーカーだったり、そんな彼を“ライバル”と思い込んだ四天王とのドタバタが楽しくてたまらない。本当に同じ世界観設定のストーリーで東京とここまで違う雰囲気の話になるのかびっくりだよ!!

 ただ、全体的に明るくドタバタとした物語なんだけど、やっぱり繋がる世界観はクオリディアのそれで。しっかり世界観のつながりを感じさせる重たい展開も盛り込んでくるのが面白かった。東京は安定の東京だな……(やることがエグい)。

 それにしても、アニメから入ると“凛堂ほたる”ってこの人ではないよな…?あれ?ってなってしまう罠。なんとなく予想は出来るんですが、ここからアニメの物語にどう繋がっていくのかとても気になります。


メイド刑事8

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

黒須姉妹の末っ子・善香から、宣戦布告とも取れる言葉とともに"狼女の連続殺人事件"という衝撃的な映像が映ったDVDが送られてきた。葵は事件の捜査のため、怪しいと目されている一ノ瀬家にメイドとして潜り込むが……
   個人的お気に入り度数
7巻ラストで登場した黒須善香が動き出し、ついに物語がクライマックスに向けて加速してきた感じのシリーズ第八弾。でも基本的にやってる事はいつも通り。順当にいつも通りなのであまり書くことがな(強制終了)

黒須姉妹子飼いの奥飛騨忍軍の郡星(伊月)が海堂家にメイドとして潜り込む話が一番好き。いつもとは逆のパターンですが、だんだんお屋敷の暖かい雰囲気を見て、自分のしようとしていることに疑問を覚える伊月と、いつもの通り彼女の正体を知っても平然と接するお屋敷の人々が素敵でした。伊月かわいいよ伊月。普通に海堂家に第三のメイドとして居ついてほしかったよ…!!

しかし、毎回安定して楽しめてたシリーズなので次で終了してしまうというのはかなり寂しいです。3編だと仮定すると貴美香、善香、黒幕の「あの方」と戦って終了な感じになるのかな。完結後にニキータやルカをメインにしたスピオンオフ短編集とか出ないかとか期待してみる。


メイド刑事7

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

海堂から殺人事件の捜査の助手を依頼された葵。海堂は「翌朝までに、極秘裏に犯人を突き止めてほしい」という。さらに探偵役として送り込まれたのは海堂家の執事である朝倉老人で…!?3人のミステリーマニアを相手に、執事探偵・朝倉老人の推理が冴えわたる!
   個人的お気に入り度数
木ノ上との戦いがひと段落して、再びいつも通りの「メイド刑事」に戻ったシリーズ第7弾。今回は執事探偵朝倉老人も大活躍です。

というわけで普段の「メイド刑事」とは雰囲気が異なる「マニアック?殺人事件 朝倉老人の華麗な推理」がなかなか面白かったです。自称『ミステリマニア』な3人兄妹の発言から矛盾を見抜き犯人を捜し出すというお話で、学生時代に読んだ海外モノの安楽椅子探偵ミステリを思い出しました。朝倉老人のちょっとトボケてひょうひょうしたキャラクターも探偵役にピッタリで、1回きりの特別編にするのはちょっとだけ惜しいなあ…と感じてしまったり。いつかまたこういう話もやってほしいです。ほら、今なら執事需要も高いことですし!!

そして世界最高の頭脳を持つコンピューター「オフィリア」と葵の心の交流を描く3編目「オフェリアよ眠れ…… 最凶の敵出現!」がめちゃくちゃ熱い。正直プログラムに心を自覚させるには、葵との時間は短すぎるようにも感じたのですが、その辺は短編なので仕方がないのか…ラストのオフィリアの行動には思わず涙がこみ上げてきてしまいました。

そして最後の最後で、木ノ上に代わる最凶の敵が出現。なんかあの展開からして、黒須姉妹とのまさかの共闘とかも期待できそうな気がするんですが、どうなんでしょう!?続きがますます楽しみです。


メイド刑事6

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

突然海堂のお屋敷に現れた男は、さくら夫人に料理対決を申し込んだ。彼は、両親が破滅したのはさくら夫人が過去に取ったとある行動が原因だと言うのだが…?そして命を狙われた堂本大臣の警護の為、保養先に“メイド刑事”として同行した葵に、木ノ上の魔の手が迫る…!?
   個人的お気に入り度数
さくら夫人の過去が明らかになる短編と、葵の両親の敵である木ノ上との対決を描いた中編の2本を収録。相変わらず良い意味で「いつも通りの」メイド刑事、という印象で、面白かったんだけど語るべきことが見つからないのも事実だったりして。

短編の方は珍しく“メイドの一里塚……”が出てこない、ちょっと番外編的なお話。いつもお客さんの状態を見て料理を作るという「料理人」ではなくて海堂家のシェフとしてのさくら夫人の細やかな気遣い溢れる、良い話でした。本当に前しか見えてない対決相手・高橋の痛々しさに苦笑しつつ、最後に改心した後に高橋に向けられた人情にほこほこしてしまいました。

中編は遂に後がなくなった宿敵・木ノ上との最終決戦。宿敵の影を前にいつもの冷静を失いがちな葵に、“メイド刑事”としての自分を取り戻させたルカの言葉が非常にかっこいい。メイドとしても一人の人間としても少しずつ、しかし着実に成長した現在のルカの姿と、初登場の頃の向こう見ずな彼女の姿を重ねて思わず感慨を覚えたりしてました。

そして木ノ上との直接対決はベッタベタな「中ボス戦」という印象。結局葵は敵側の内紛に命を救われたという印象を拭えませんが、木ノ上との闘いを経て一つ大きな壁を乗り越えて成長した事を感じさせる終わり方にちょっと嬉しくなりました。しかしこの御時世に忍者て、発想が素敵過ぎます(笑)今後は更に大きな敵に向けて戦っていかなければいけないであろう「メイド刑事」の、今後の活躍に期待。

しかし、今回の中編を読んで、こっそりこのシリーズを実写ドラマで見てみたくなりました。水曜21時の刑事モノサスペンス枠(「はぐれ刑事」とか「相棒」とかやってる枠)でドラマ化したりしないですかね?ライトノベルのシリーズの中では最も実写に向いてるシリーズだと思うのですが…。


メイド刑事5

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

「メイド刑事」として、海堂から申し付けられた仕事はとあるノンフィクション作家の身辺警護。母親が悪徳リフォーム業者に騙され、母の無念を晴らすためにその業者の不正を暴こうとして命を狙われていると言う。その業者の裏に木ノ上が居ると聞かされた葵は仕事を引き受けるが…
   個人的お気に入り度数
久しぶりに短編3本の形に戻った「メイド刑事」。長編・中編も良いけどやはりこの「短編3本」という形が一番落ち着きます。もうなんていうか様式美的なまでに。

木ノ上が影に居る事件に葵が挑む、いつも通りの様式美炸裂な短編2本に加え、番外編的なルカの初恋話1本。いつも通りのスカっと悪事を解決していくメイド刑事・若槻葵も非常にかっこいいのですが今回はやっぱりルカの初恋騒動が最高に面白かった。恋するルカの姿に過去の自分を重ねて少々嫉妬しつつもルカが心配でしょうがない葵、普段は冷静でキレモノだけど好々爺という印象なのに、今回ばかりは爺馬鹿炸裂で大暴走を繰り広げる朝倉執事、事態を暖かく(?)見守るさくら夫人やニキータの普段見せない姿にもニヤニヤしっぱなしなのですが、何よりも普段通りの姿を装いつつ、明らかにルカの初恋の顛末が気になって仕方ないっぽい御主人様サイコー。いやーあの台詞とかあの台詞とか、内心どんな気持ちで吐き出したのかとか考えると、笑いが止まりませんw

いつもの短編の方は、良い意味で「いつも通りの」展開。個人的には1本目の話で、ずさんな食生活ばかり送っている作家先生とそのアシスタント達の中に、葵がメイドの妙技(違)で少しずつ打ち解けていく描写が凄く良かったです。特に気難しい手島が少しずつ葵に心を許していく過程は最高でした。

そして、次回あたりストーリーが大きく動きそうな予感で、ますます続きが楽しみな感じです。エピローグから推測するに、そろそろ木ノ上との直接対決が来そう?


スプライトシュピーゲル I Butterfly & Dragonfly & Honeybee

[著]冲方 丁 [絵]はいむら きよたか

超少子高齢化による人材不足が進んだ近未来のウィーンでは、凶悪犯罪やテロに対抗するために障害をもつ児童を機械化し、“兵器”として対抗する。それぞれの理由で障害を負い、機械の身体を受けた少女達—鳳(アゲハ)、乙(ツバメ)、雛(ヒビナ)—は“特甲”と呼ばれる機械の手足と羽を武器にテロリスト達と戦う日々を送っているが…
 

語り口が面白く、その独特のテンポに慣れてしまうと結構楽しめるんだけどすっっっっごくとっつきにくいし読みにくい?…。発売日(2月)から読み始めて、1章ずつ読んだり戻ったりを繰り返して本日ついに読了です。読み終わるのにこんなに時間がかかった本も久しぶりでした…。唯一救いだったのが、これがほとんどストーリー的な繋がりの無い「短編集」であることでしょうか。この語り口に疲れたら別の本を読んで?…とやっても最低限の設定を抑えておけばなんとなく次に読むときに大体ストーリーを思い出せるので、その辺はありがたかったです。

それぞれが暗い過去を持ちながらも、それなりに前向きに(?)頑張る3人の少女達が個性豊かでインパクトありました。とにかくメインキャラクター3人のキャラが印象的で、世界観は重いんだけどそれをぶっ飛ばすくらいのパワー持ってます(笑)しかし、前半の4編が暗い過去をにおわせつつそれなりに結構軽やかに進んできたのに対して5・6話「シティ・オブ・フェアリーテイル」がめちゃくちゃ重いです。ゲストキャラである3人の子供達の最期が特に可哀想で…。

しかし、逆にいうとキャラクターや独特な語り口、そして5?6話はすごく印象深かったんですが、1?4話まででそこまで面白かったといえる部分が無かったというか…個人的には、結構前半はキャラクターの魅力だけで引っ張ってる印象でした。だからこそ、なかなか読み進められなかったというのもあるんですが?…。ハマるまでなかなかエンジンのかからないお話でした。とにもかくにも。

現在でも国際的な問題になっている「テロ」についていろいろ考えさせる話でした。まだ明かされていない謎なども含めて、続きが非常に気になるけどやはりものすごく読みづらかったので…続編はどうしようかな?…。


メイド刑事 4

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

刑事事件がこの半年で1件も起きないという、奇跡の数字をはじき出した姉尾県。一見平和そうに見えるその街は県警の桜木本部長が権力と恐怖によって人々を支配する街だった。更に不穏分子を暗殺集団によって排除しているという噂まであり…調査のために桜木の元に乗り込んだ葵は警官殺しの濡れ衣を着せられて警察から追われるハメに…!
 

これは3巻後書きで予告されたとおり、見事な「年末1時間スペシャル」ですね(笑)

シリーズ初の長編。普段は絶対に表に出てこない御主人様や朝倉老人や曜子達昔のレディース仲間までが絶体絶命の葵を助ける為、表に立って大活躍します。普段のシリーズとは違い、大ピンチな葵を助けようと皆が立ち上がるという展開はまさに「一時間スペシャル」。特に御主人様こと海堂と桜木の対決が凄くアツい。普段クールなイメージがある海堂だからこそ、あのやりとりにめちゃくちゃ燃えました。

しかし、やっぱりインパクト強いのは曜子と3000人のレディース仲間達大暴走(笑)あまりの圧倒ぶりにもう場面を想像するだけでもニヤケ笑いが止まりません。前半の大ピンチな展開から、後半一気に逆転していく場面はめちゃくちゃスカっとします。

しかし、姉尾県の事は時期的にも凄く考えさせられるテーマだと感じます。
個人的に怖いのはそういう政治を行った桜木もあるけど、恐怖政治を恐怖政治だとすら思っていない住人の方。自分達に害が及ばなければ多少というかかなりの締め付けを行っていてもちょっと窮屈に思うくらいで、その恐ろしさに気づかないものなのかしら。しかし桜木を見ていると色々とデスノートの夜神月を思い出しますねー。

何から何までお約束な展開の連続で、でもテンポ良く展開されるストーリーはまさにジェットコースターに乗っているようなハラハラ感でした。ちょっとキメ手になったのが敵からの貰い水なのが非常に納得行きませんが、そろそろ葵達の大反撃があるのを楽しみにしたいです。


メイド刑事3

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

レディース時代の後輩、曜子から託された少女・ルカ。チームの中でもはねっかえりでもてあまされていた彼女はなんと、執事の朝倉さんの孫だった…!?さらに、潜入先のお屋敷には怪しい白メイドまで登場して…

 

とりあえずカラー挿絵見て一言。

つ、強いなあ…クイックルワイパー…
銃弾を跳ね返すクイックルワイパーってどんなだよ。葵姐さんかっこよすぎ(笑)

というわけで「スケバン刑事+家政婦は見た+水戸黄門」な燃えメイド小説第三段。
相変わらずお決まりの「メイドの一里塚…」には笑いがこみあげてきてしまいます。いや、真面目な顔して「メイドの一里塚…」って!!馬鹿だ!!

個人的には第7話の方が好きかも。ルカの為を思って敢えて彼女を突き放すレディース達、初めて“家族の情”に触れたルカの態度が少しずつ軟化していく所なんかは非常にツボでした。何より、ルカの前だとどうしてもレディース言葉に戻ってしまう葵さんに萌え。時々いきなりキレはじめる葵さんに萌え!!!

第8話は葵と彼女の両親の仇に関わる話。そして今後“宿命のライバル”となっていくであろう白メイド・貴美香との対決の話。今までのストーリーから比べるとグッとシリアス調になっており、個人的には普段のコミカルなノリの方が好きだったりしますが、これはこれで普通に面白かったです。ただ、このシリアスな雰囲気で「メイドの一里塚…」は浮くよ!!そして、ルカがシリアスな雰囲気をぶち壊していく所にこっそりとニヤニヤしてました。

次回は一巻一話の、初の長編らしいです。
これで葵VS木ノ上、貴美香の対決構図にそれなりの進展があるのでしょうか。長編はスケバン刑事における「年末スペシャル」みたいなものだと後書きに書かれていたので、5巻からはこれまでの短編スタイルに戻るのかな、とちょっと期待。シリアスも面白いけどやっぱりあの短編の1時間番組的積み込み具合が独特で凄く好きだし、今後が長編ばかりになってしまうのはちょっとさみしいので。

ところで、あとがき曰く「踊る?」シリーズで言及されてる“あの問題”ってスピンオフシリーズ第一弾のあれでしょうか?実はDVDもってるんだけど、切らなきゃいけない線が15本あると最早絶体絶命通り越してギャグだよねw