“夕鷺 かのう” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:夕鷺 かのう (33 件 / 4 ページ)

「好きラノ 2021年下期」投票します。

ブログやtwitterによるラノベ人気投票サイト。2021年下期の人気ライトノベルはこれだ!!

今年も参加します。
下半期はあまり新刊が読めてなかったので件数絞りました……。

有象 利路「サキュバスとニート 〜やらないふたり〜」
【21下ラノベ投票/9784049140347】
落ちこぼれのサキュパスとワケあって引きこもった主人公がわりとしょうもない日常を送りつつ、その裏で機能不全に陥った親子関係を修復していくハートフルギャグコメディ。最後の最後でいい話と親子間・親友感の巨大感情話をまとめてぶちこんでくるのやめてほしいそういうの好きだからー!!!
橘 公司「王様のプロポーズ 極彩の魔女」
【21下ラノベ投票/9784040740751】
一目惚れした相手と合体して見た目は美少女になってしまった主人公が、随所で合体相手を褒めちぎりながらこれまでご縁のなかった異能バトルの世界に巻き込まれていくのがとても楽しい。ごく普通の世界の裏側に300時間に一度は世界崩壊の危機な異能バトル世界が存在する…という設定、ド派手な能力バトルも良かった。
夕鷺 かのう「薄幸な公爵令嬢(病弱)に、残りの人生を託されまして 前世が筋肉喪女なので、皇子さまの求愛には気づけません!?」→感想
【21下ラノベ投票/9784047368057】
筋肉によって磨き上げられた鋼のメンタルを持つOLが心の強さが肉体の強さに直結する世界の薄幸の令嬢に転生する。ファンタジーの世界を筋肉でなんとかしてしまうパワフルなヒロインが、その反面あたりまえの女性らしい繊細な心を内に秘めているのがとても良かった。あとメガネ系兄が最後に全部いいところ持っていきましたね。
海月崎まつり「ヴィクトリア・ウィナー・オーストウェン王妃は世界で一番偉そうである」→感想
【21下ラノベ投票/9784065225011】
タイトルの通りめちゃくちゃ偉そうな王妃が、婚約破棄もものともせず王をメロメロにして周囲の問題を力づくで解決していく姿が爽快。典型的な私TUEEものでありながら、大事なところではしっかりと気弱な王を立て、あくまで彼を支えるに徹する姿が印象的でした。それはそれとしてとにかく王妃がイケメンで読んでると爽快な気持ちになれるので日々の生活に疲れたら読んでみて欲しい。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5」→感想
【21下ラノベ投票/9784046808462】
久しぶりのクラス対抗戦、各クラス内での意見統一を目的とした駆け引きがめちゃくちゃ楽しかった…!!衝撃的な結末にクラス内の関係はどうなってしまうのか。今後の展開も一筋縄ではいかなそうなことが示唆されて、今後の展開も楽しみになってくる。
二月 公「声優ラジオのウラオモテ #05 夕陽とやすみは大人になれない?」→感想
【21下ラノベ投票/9784049138603】
納期ギリギリの限界アニメ制作現場に明らかに自分たちより上手い天才タイプの後輩。ままならない状況に悲鳴を上げながら、先輩声優として主役に抜擢された後輩を支えていく二人の姿に成長が感じられてとてもよかった。本当に安定して面白いなこの作品。
栗原 ちひろ「死んでも推します!!2 〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜」
【21下ラノベ投票/9784065257081】
セレーナに影響されてか、時折「オタク特有の早口」が飛び出すフィニス様にニヨニヨしてしまった。キャラクターも増えて推し語りとドタバタが楽しい一方、ラストの一行でおもくそ不穏な話入ってきて、肝心の死亡フラグも折れてるかわからない感じで色々な意味で続きが気になる。


後宮天后物語 〜絡まる想いにご決着!〜

 

決死の告白でようやく想いを通わせた雛花と志紅。だが、仮死状態だった兄・黒煉の体に、志紅に宿っていた男神・伏羲が戻ってしまった。このままでは兄の自我が食い潰されると焦る雛花は、瀕死の志紅とともに禁城を脱出。渾沌の魔・丹朱から解決の糸口を探ろうとするが!?「何もかも片付いたら、俺と結婚して欲しい」柵から解き放たれた二人の結末は!?(「BOOK」データベースより)

殴り合い含む紆余曲折の末、やっとのことで想いを通わせた志紅と雛花。ところが、今度は黒煉が自らに伏羲真君を再び降ろしてしまう。ふたりを遠ざけようとする黒煉の手から逃れ、なんとか禁城を脱出したのは良かったが、城下では国家転覆を目論む一派が急速に影響力を強めていた。事態収集の鍵を握るのは、雛花に宿る丹朱のみで……!?

3巻最初の時点でもうこれどうやって決着つけるの!?くらい無茶苦茶に絡まっていた想いを解きほぐしての大団円に思わずにっこり。今巻は最初から両思いなのにすれ違い続けていた志紅と雛花がようやく両思いになれたこともあって、これまでとは一味違う二人の関係も美味しかったです。

志紅・雛花と黒煉の方も良かったけど、伏義と女媧娘々の腹を割った話し合いが微笑ましくて、思わずニヤニヤしてしまう。ただ一緒に居るためだけに桃華源王家の代々を犠牲にしつづけたふたりの行いは犠牲にされた当事者の立場からしたら到底許されることではないんだけど、これも悲しいすれ違いの結果なんだよなあ。しかし、腹を割って喋った二人のやりとりがとても永いことすれ違い続けた人たちのそれとは思えずニヤニヤしてしまう。特に女媧娘々の方は相当腹に溜め込んでたんだなという気持ちが……すごく……。

個人的にはやっと本来の姿を取り戻した黒煉の活躍はもう少し見たかった気がするのですけどというかエピローグの黒煉と志紅のやりとりなんなんですかねプロポーズか!?いや冗談は置いておいても伏義を追い出して志紅と雛花が両思いになった後の確信犯で志紅弄ってくる黒煉様マジ好みのタイプのせm(自主規制)。

大団円後のエピローグといい、これまでお世話になった人たちに弄られまくる主人公カップルが可愛すぎてもう僕は私はで、もっとこの二人とその周囲の人々を見ていたい!という気持ちになる完結編でした。もう一冊、後日談があってもいいとおもうんですけどどうですか…!!

本編と関係ないんですけど、あとがきの古代中国詩人萌え語りが個人的に大変美味しかったです……良い萌え語りを読んだ。


後宮天后物語 〜幼馴染の猛攻はご迷惑!〜

 

志紅が雛花に告白したことにより、数々のすれ違いからようやく一歩進んだかに見えた二人。しかも告白で開き直った志紅の恋着は留まることをしらず、雛花は押されっぱなし!!一方で、知れば命がない皇室の秘密を知ってしまった雛花は、己に宿った女媧(じょか)=女神(?)と命を懸けた謎解きに挑むことに。ところがようやく見つけた答えは、まさかの後宮解散!? (「BOOK」データベースより)

国の根幹に関わる超存在の謎と桃華源という国自体の成り立ちに迫るシリーズ第三巻。すわ3巻完結か!?というくらい気前の良く謎が解き明かされ、最初から最後までクライマックスもかくやという盛り上がりでしたがゴールテープだけは最後の最後で掻っ攫われた感というか続いて良かったけどいろいろな意味でこの終わり方ーー!!

お互いに「自分が死んで相手が幸せになるならそれで良い」で平行線だった志紅と雛花の関係が、何度かの本音のぶつかり合いを経て少しずつ「相手も自分が死んだら悲しむ」「だから共に生きよう」の方向に変わっていくのが胸熱。少年向けラブコメラノベの主人公もびっくりなこじらせ方をしている鈍感ヒロインの雛花ですが、少しずつ自分の本当の気持ちを自覚して素直になっていく姿が印象的でした。でも、自覚したのはあくまで「自分の気持」なんだよなあ……志紅にあれだけ全力で押されているのにまだ(志紅からの感情が)「恋愛じゃない」っていってるの強敵すぎませんか!?

多くの謎が明かされた一方で解らなくなった点も多く。雛花達の周囲で謎の動きを見せる人々や、なにより『丹朱』の思惑に関してはますます謎が深まった感じ。少しだけ前進したとはいえ、雛花と丹朱の関係は切れないままだし、今後は否応なしに動きを封じられていたアノ人も動き出しそうな印象で本当に続きが楽しみなんですけどほんとうにこの作品、自己犠牲精神高い人多すぎるよね。その血の呪いのせいとはいえ、彼の人の戦線復帰で更に話が面倒くさくなった感がすごい。

というかこの人、こんなキャラだったのか……もっとこうサバサバしてるキャラだと思っていたと言うか、物語の根幹には絡んでこない流れだとおもってたので意外だ。


後宮天后物語 〜新たな妃にご用心!?〜

 

「明晩から、陛下がこちらにお泊まりになられます」帝位を簒奪した志紅の目的を探るべく、後宮脱出計画中の雛花に突如告げられた同衾宣言。実は、志紅が新たに迎える四妃の中の一人に、魔物が擬態しているというのだ。志紅が妃を娶るのも複雑だが、警護のために一緒に寝るのも…と心臓がもたない雛花の前に現れたのは、妃とは名ばかりの面々で!? (「BOOK」データベースより)

監禁!介護!待機児童!この後宮がヤバい2018!!(※以上あとがきより抜粋)

新しい妃を迎えると聞いて目的が魔物退治とはいえ複雑な気分になっていた雛花の前にやってきたのは、まだ年端もいかない幼子達で……!?というお話。老女の次は幼女と頭を抱え、更に親と引き離された子どもたちの世話に振り回され、夜は今は対立しているとしてもまだまだ恋心は健在の志紅と同衾することになってテンパる(むしろ実は志紅もテンパってる)雛花の姿にニヤニヤが止まらない。

老老介護(※むしろ世話されてる説)とお泊り保育でてんやわんやしながらも、持ち前の嫉妬力(観察力)で事件を解決していく展開が相変わらず楽しいのだけど、それ以上に周囲のためならと自分を投げ出してしまう雛花の危なっかしさが印象的なお話でした。それでさえ「天后」という地位の時点で身売りしてるようなもんなのに、そりゃあ志紅も珞紫も必死になって阻止しようとするよな。「雛花を大切に思っている」ことだけは信頼できるという一点のみで成立している、志紅と珞紫の共闘関係が最高に好きです。

それにしてもこんなに全体的な設定は重いのにめちゃくちゃ笑えるのずるいというか、天后関係というか女媧まわりの話はますますうさんくさくなってきたというか、ほんと3巻酷いところで切れましたよねえ!?続きが気になりすぎて早く3巻出て欲しい……。


後宮天后物語 〜簒奪帝の寵愛はご勘弁!〜

 

武将軍・志紅に淡い恋心を抱く公主の雛花は、幼馴染の彼のため、特別な神の力を授かることができる“天后”になろうと勉強に励む日々。ところがその志紅が、雛花の兄である皇帝・黒煉を殺して帝位を纂奪!しかも「今日から君は俺の妻だ」と告げ、雛花を後宮に拘束してしまう。大好きだった人の豹変に、雛花はあの手この手で脱走を図り、目的を探ろうとするが!? (「BOOK」データベースより)

小さな頃から恋心を抱いてきた幼馴染・志紅のため、空位になったままの"天后"を目指している雛花。ついにその能力に目覚めた…と思ったら、志紅が異母兄を殺して帝位を簒奪してしまった!?しかも、自分を皇妃として指命してきて…。

兄を殺され、憧れの人と腹心の部下には裏切られ、『天后になる』という夢も閉ざされかけて…失意のドン底に落とされた主人公が、自虐と嫉妬癖が生んだ観察眼の高さを武器に、簒奪事件の真相を知るために立ち上がる姿が印象的でした。安定安心の男前すぎる夕鷺ヒロイン。王家に脈々と受け継がれる神降ろしとそれを巡る物語はとても重たいもののはずなのに、雛花の自虐と嫉妬が一周回った前向きさと、どこかシリアスになりきれない展開でぷっと笑えるものになっているのが本当に楽しかったです。

幼い頃から想い合っているにもかかわらず、なぜかお互いの事となると勘の良さも観察眼も働かない志紅と雛花がお互いを想うが故にすれ違い続けるのがもどかしいんだけど同時に微笑ましくて仕方がない。これだけわかりやすく横でヤンデレムーブされてるのに気づかない雛花のニブさはいかにもという感じなんですが、あれだけガッツリ告白されておいてまだ誤解してる志紅お前もさーー!!雛花からわかりやすい好意を向けられると途端にヘタレになるのずるいと思います!

そしてあとがきのヤンデレ連呼と『旦那にしたくないことに定評のある夕鷺ヒーロー』が言い得て妙すぎて爆笑してしまった。確かにクロウ好きだけどリアルの旦那にはしたくない!!


(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜最終決戦はついに離婚!?〜

 

頭髪は寂しくなったけれど、無事に夫クロウと再会できたフェル。束の間の甘ーい休息に心は休まるやら乱れるやら。そんななか、ようやく妖精王とクロウの弟パールの魂を引き離す方法が見つかった!妖精王の悲願が叶う“ワルプルギスの夜”までに救い出そうとするが、それはフェルの身を危険に曝す賭けで…!?離婚の期限を前に(仮)夫婦、天下分け目の大一番!! (「BOOK」データベースより)

 なんとか無事にクロウと再会することが出来たフェル。だが、能力を使いすぎたせいでフェルの目は妖精王と繋がってしまい、いつ連れ去られてもおかしくない状態に。でも、妖精王の中でパールの魂がまだ生きていることがわかり…!?というお話。

 一難去ってまた一難、ついに妖精王との最終決戦という展開なんだけど、久しぶりに腹を割って話しているクロウとフェルのやりとりがとても楽しかった。特に正体バレからのやりとりは久しぶりに掛け値無しにニヤニヤしてしまって表情筋がヤバイ。以前よりも甘さの加わったやりとりが可愛くて仕方なかったです。

 最終決戦は最初から最後までリグレイン妃の独壇場だったなあ。醜い執着から歪んだ愛情を向けることしかできなかったウーベル帝の行いに、気高く強かったリグレイン妃が少しずつ心折られていくのが心痛く、復讐に囚われた彼女がフェルとの出会いや強くなった息子の言葉に少しずつ気持ちを変化させていくのにはぎゅっとなる。最後の息子との対峙での言葉に、彼女の精一杯の“母親”としての情を感じて思わずほろりとしてしまった。しかし終わり方に関しては色んな意味でウーベル帝の一人勝ち感あるな……。

 しかし、ようやく全ての障害を取り払ったところで、それでもたどり着くのは「そこ」なのかー!どっちにせよシレイネとして婚約してしまっている以上どこかで関係性をリセットしないと円満解決にはならないんだけど、クロウがあの場面で「フェルディア」じゃなくて「シレイネ」っていってるのは絶対伏線なんでしょう!?後1冊使って最終的にはくっつくんでしょう!?って思いながら続きが気になって気になって仕方ない。


(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚しちゃうと絶体絶命!?〜

 

夫クロウの遺髪を見せられても、「あの人は死んでない!」と強がるフェルだが、実際の安否は不明なまま。皇宮ではいつの間にか、クロウが『いなくなった皇子』となり、弟のパールとフェルが結婚したことになっていた―なんて冗談じゃない!反撃に出るフェルだが、パールもおぞましい計画を立てていて!?離れてこそ夫婦の絆が試される!激動のニセ未亡人(?)生活第10弾! (「BOOK」データベースより)

 王宮に連れ戻されてしまったフェルを待っていたのは、クロウが死んだという知らせと、クロウのことを忘れてしまった人々の姿。しかもフェルはパールと婚約したことになっており、「ユナイアへの人質」という立場で軟禁されてしまう。心折れそうになりながらも思わぬ人の助けを得て、クロウが護ろうとした人々を自分が護ろうとクルヴァッハに向かうが、そこではパールが更に恐ろしい計画を立てており……。

 前巻の裏切りに次ぐ裏切り、絶体絶命四面楚歌の展開から少しずつ僅かな希望を繋いでひっくり返していく展開が楽しかった!これまで登場したキャラクターたちが次々と駆け付けてくるオールキャラ勢ぞろいの展開がまさしくクライマックスという感じで楽しい。特にガウェイン先生の登場は正直とても期待していたけど、一緒についてきた人が男前すぎて腹筋がヤバイ。フェルの男前な性格は彼女だけが持つものと思っていたけど、卵が先かヒヨコが先か状態ではあるけど、思った以上に似た者同士だよなこのひとたち……。

 すっかりお互いに感化されちゃってる黒龍夫妻が離れていてもお互いの存在を感じさせる展開にいちいちにニヤニヤしっぱなしだったけど、ふたりの交わした誓いがが事実上の最終防衛線となり、ふたりの過ごした日々が偽りの記憶を与えられた人々の呪毒を打ち破る展開には震えた。伏線もキャラクターも出し惜しみなしの総力戦が楽しい。

 全体的にヘタレだったユアンが全部持って行った感じ凄いんだけど、ずっとまえからお膳立てされていたミゼとジルフォードの関係には泣かされずにはいられない。最後の最後でどうしても私情を捨てられなかったジルフォードと、そんなジルフォードの事を一途に思い続けるミゼの関係が本当に良かった……。

 一応事態をすべてひっくり返してひと段落……と思いたいけど、最終的な決着はついていないし、まだまだ波乱が起こりそうな終わり方で、続きが気になる。


(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚のはずが大波乱!?〜

 

亡くなったはずのクロウの弟・パールが生きていた。誰か的確なツッコミを!!な状況にたじろぐフェルだが、皇宮の人々は彼が当たり前に存在するかのように過ごしている。何とか正体を探ろうと試みるも、事態はエルラント帝国がフエルの故国ユナイアの侵攻にまで発展。このままではフェルが人質に…。戦争を止めるには“アレ”をやるしかって、旦那様、本気ですか―!? (「BOOK」データベースより)

 亡くなったはずのクロウの弟・パールが生きていた!?しかも、ただ生きていただけじゃなく、クロウもお城の人たちもパールが死んだという話自体が嘘だったかのような態度を取ってくる。混乱しつつもそれがとある呪毒の影響だということを突き止めるが、事態はどんどん悪化して…!?というお話。

 エルラント王宮に来てからの展開ってたいがいホラーでしたけど今回のホラー感あらゆる意味ですごい。味方を得たと思えば返す口で裏切られ、誰が操られているかわからない、味方の誰を信用したら良いのやら分からない展開が凄かった。しかも呪毒で操られている者達は、普段はいつも通りの態度を取ってくるのでたちが悪い。

 特に終盤のあの人やらその人に関しては途中であれだけ解りやすいお膳立てがあったのに、状況があまりにもフェル達に対して不利すぎてもう裏切ってない前提で読まざるをえなかったというか(※あくまで個人の感想です)、あれだけフラグが立ってたのに終盤の展開を「衝撃の展開」として読めるのが凄いなぁと。

 これまでどんな状況でも味方だった、頼れる味方の面々までもが敵に周るという足元が揺らぐような不安感、フェルを襲う妖精王の影、心の弱いところを突かれて今までになく疲弊していくクロウと本当に気の安らぐ暇がない展開でハラハラしっぱなしでした。面白かったけどほんとうにホラーだ……。

 色んな意味で凄い所で終わってしまったので早く続きが読みたい……。


(仮)花嫁のやんごとなき事情 -すべての道は離婚に通ず?-

 

“仮花嫁”ファンの皆さまに贈るスペシャルブック!――「絶対損はさせませんわよ」 敵国の皇子クロウと“円満離婚”するため、絶賛身代わり花嫁中のフェルディア。仕事に厳しくお金に甘い残念脳勤少女だが、本当は不器用で泣き虫だった!? 養い親ガウェインと彼女の絆を描く過去編のほか、フェルとクロウの離婚バトル【お忍びデート編】など爆笑必至の短編が満載! さらに、山下ナナオ先生渾身の激甘描き下ろし漫画やイラストも盛りだくさんのファン必見スペシャルブック♪

 いつもとおりの夫婦のやりとりから、各キャラクターの過去話・スピンオフ、更には人物紹介やスペシャルコミックまでたくさんの番外編を詰め込んだ短篇集。

 ガウェイン先生とフェルの過去話「夕暮れの泣き虫」で語られる過去のフェルが可愛すぎてヤバイ。小さな頃から面々と培われた庶民ド根性なのかとおもっていたら、何もできなくてガウェイン先生に守られてばかりの姿が衝撃でした。そんな彼女が少しでも大好きな先生に負担を掛けたくない一心で頑張ろうとして、様々な人との出会いを経て変わっていく姿が可愛すぎる。それにしてもラストのフェル男前すぎて……抱いて!!(ガウェイン先生を)

 クロウとその兄弟達の物語も、兄弟たちの新たな一面を知ったり、今後への伏線らしき描写にそわそわしたりと大変楽しく読んだのですが、ジルフォード兄上の「氷の貴公子」ぶりが凄い。本編で不穏なフラグ立てまくりのこの兄上だけど、色んな意味でどうしてあのイケメンが(いえ今も十分イケメンなんですけど)現在のラ族になってしまったのか、気になりすぎます。この辺は核心部分のようなきがするので、今後明かされたりするのかなあ。ジルフォードとミゼルカの気のおけないやりとりに思わずニヤニヤしてしまう一方、やはり不穏なフラグしか見えないのでハラハラしてしまったり。

 クロウとフェル、両者がデレはじめて暫くくらいの時系列の話が多いので若干甘さ多めの物語が多いのですが、個人的にはやっぱり1編目の「カヴィバエリの華争い」の甘酸っぱさが好きだなあ!クロウの掌の上でぐるぐる踊らされちゃってるフェルが、クロウに無自覚で不意打ちかましてくるのがたまらない。日々を生きることにいっぱいいっぱいすぎて自分のことなんか顧みられないフェルが少しずつ自分の「好き」を表現しようと一生懸命になる姿が本当に可愛かったです。

 それにしても、「プロフィールおまけ」のクロウがなにげに重い。


(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚の誓いは教会で!?〜

 

フェルが偽物だということがクロウにバレていた。短い人生でした!!と混乱するフェルに追い打ちをかけるように、クロウの態度が急変。今まで自分を信じてくれた彼に、これ以上嘘をつきたくないフェルは“偽嫁”白状を決意する。ところがいざ告白、というときにクロウから「神誓を解除したい」と言われてしまい!?それって、仮嫁とはマジ離婚ってこ…と?ニセ新婚生活、想いが大迷走の第7弾! (「BOOK」データベースより)

 正体がクロウにばれてた!!大混乱に陥るフェルだけど、せめて自分の口から真実を伝えたい、その上で自分にできることがあるなら少しでも役に立ちたいと決意。ところが、時期を同じくして何故かクロウに避けられ続けて……気まずいままエルラント中央教会へ向かったが、クロウから飛び出したのは「神誓を解除したい」というとんでもない一言だった。

 少しずつ物語の黒幕が見えてきて、いよいよ物語も佳境に入ってきたなという展開。今回の黒幕の人はしょっぱなから胡散臭さ漂わせてたよなあと思いつつ、カイズ猊下の不器用ぶりに大変ときめきました。いろいろな意味で、彼は再登場してほしいキャラだなあ。同時に、前々から少しずつ姿を表しつつあった彼の不気味な動きが恐ろしい。

 色々ふっきったフェルのオトコマエぶりが安定すぎるのに対し、クロウのめんどくせー男っぷりがヤバい。割りとフェルを嫌いになって邪険にしてるわけではないというのは一目瞭然というくらいなんだけど、傷つけるのを恐れるあまりわざと嫌わせてそばから手放そうとする男の人は面倒臭いとおもいます!!そしてすっかり二人の保護者というか姑ポジションになってしまった感じのあるガウェイン先生がクロウとフェルの恋愛的な意味でも、バトル的な意味でもとてもかっこよかった。

 しかし、途中までの面倒くさい男ぶりが光りすぎだったぶん、クロウのクライマックスの言葉には思わずニヤリとしてしまいました。最後の最後でフェルに真意伝わりきってない感じするのがまた不憫感あって素敵です!!個人的にはやっぱりクロウには不憫もいいけど、ふてぶてしい、ちょっとこわい旦那様であってほしい。これから物語はもっと過酷になっていきそうな雰囲気ですが、今後の展開も楽しみにしてます。

——では改めて。これからよろしく、共犯者どの?