“栗城 偲” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:栗城 偲 (17 件 / 2 ページ)

まじかる漢の娘

 

世界征服を目論む秘密結社のボスを襲名した光煌は、宿敵であり、初恋の相手である魔女っ娘戦隊のピンク・雅と対峙するのが楽しみだった。ところが初対戦の日、現れたのは逞しく成長した体をピンクの衣装に包んだ漢!!光煌は夢破れ激昂する。そして悪の秘密結社と魔女っ娘戦隊との戦いの火蓋は切られた―はずだが、光煌の企みはことごとく失敗し、その度に雅に宥められて!? (「BOOK」データベースより)

ドキッ★敵も味方も女装っ子だらけのニチアサ系戦隊!触手もあるよ!!

 表紙のインパクトにつられて購入。色んな意味で悪者にはなれないあほのこ主人公(※悪の秘密結社の首領)が穴だらけの悪事(?)を働こうとしてはひとりでスベりまくり、敵の魔女っ子戦隊のメンバー(むきむきピンク、ツンデレブルー、おじさんイエロー)からめちゃくちゃ雑にあしらわれ、気づいたら初恋の相手だったピンク(当時はショタショタ美少女だったが時の流れは残酷だった)と距離感を縮めていくお話。

 魔女っ子戦隊ものエロ作品のお約束を色々踏襲していく展開が頭悪くて楽しい。敵の攻撃を受けると服が破れる仕様とか、暴走して敵味方構わず襲いかかる触手とか、書き手のノリノリっぷりが伝わってくるのが大変楽しかった。触手が見事に女装似合ってる方をターゲットにしてくるのジワジワ来る。絶対あの触手、顔面で選んで襲ってたとおもうんだ!!なんかもう全体的に細かい設定回りがツッコミ所だらけみたいなところはあるんだけど、軽いノリで頭をからっぽにして楽しめる感じで楽しかったです。

 ただ、正直これ魔女っ子側を戦隊にする必要性があんまりなかったよな…。イエローとブルーがデキてて、今回のメインの2人含めたダブルカップリングものとして想定されていた話だったのが半分ボツ食らったみたいな大人の事情を邪推する程度にイエローとブルーが不自然に空気なのが気になってしまっていた。唯一といっていい活躍どころが触手エロの所だったんだけど、あれも光煌がヤられるオマケでしかなかったので……。

 触手の後に絶対黄色と青はヤってたと思うんです。作者さんの傾向的にはイエロー×ブルーと見せかけて年下強引攻×流されゲイ受のブルー×イエローだった気がするんですがどうなんでしょうか正解だけでも教えて欲しい。


全寮制男子校に転入してみた。

 

全寮制男子校に転入した青葉は、思わぬハプニングで絶大な人気を誇る生徒会長・尊に抱き上げられ、嫉みを一身に受けることに。降りかかる嫌がらせを強気で撃退していく青葉だったが、ある日、先輩に部屋へ連れ込まれ、襲われかける。怯えた青葉は、咄嗟に生徒会役員たちが住む特別寮に逃げ込んだ。ところがそこで尊の秘密の素顔を知ってしまい、口止めのため準役員に指名されて!? (「BOOK」データベースより)

 アメリカで大学を飛び級で卒業した青葉は、憧れの大伯父の通っていた全寮制男子校に転入することに。ところが、とあるハプニングから多くの男子生徒達のやっかみを一身に受けることになってしまい、しかも逃げ込んだ先で学園のアイドル的存在の生徒会長の秘密を知ってしまう。秘密保持のため、生徒会に入る羽目になって……!?というお話。

 可愛い容姿とは裏腹にやられたらやり返すタイプな青葉の男前っぷりが、陰湿なイジメ展開もなんのそのと跳ね返していく展開が楽しい。根底にあるものは恐ろしくドロドロしてるんだけど、青葉の性格やなにやらでドロドロしきれなくてどこかコミカルになってしまう空気感がすごく良かった。逆境を跳ね返して信者を少しずつ増やしていく展開には思わずにやりとしてしまう。しかし、イジメの描写はエグいというよりも一昔前の少女漫画(ガラかめとかエースとかそのくらいの頃のイメージ)でしたよね……。

 「完璧」で通っている生徒会長の素顔の思いがけない残念ぶりと、段々話が進むにつれて信者を増やしていく青葉に気が気じゃないと嫉妬心をたぎらせる姿も可愛かった。外面良いけど中身は残念な豆腐メンタル攻×見た目可愛い男前受は大好きです!!

波音の話は番外編とかで読んでみたかった気もする。


可愛くて、どうしよう?

 

世界一可愛い!そう断言できるほど、宇雪は幼馴染みの嵐のことが可愛くてならない。恋心を自覚してはいたが、無邪気にくっついてくる彼に避けられるのが怖くて、気持ちを抑え込んでいた。なのに、庇護すべき存在だと思っていた嵐が、いつの間にか自分から離れて進路を定めていると知りショックを受ける。おまけにキスされ触られて、嵐の思わぬ男らしさに怯えて泣いてしまい…。 (「BOOK」データベースより)

可愛くて!!!!どうしよう!!!(挨拶)

 完全にしょっぱなから出来上がってる(けどBL的な意味での気持ちの通じ合いはまだの)男子2人が始終イチャイチャしながらお互いの距離感を気にして動けなくなったり、高校生らしい悩みを抱えたり、互いに独占欲を発揮したり……と、大変かわいらしい感じに青春するお話。これは良いほもゆり。

 攻の嵐がアホの子と見せかけて案外頭が良かったり色々将来について考えたりしていて、天然でも腹黒でもないギリギリのあざとさ具合がたまらない。そして受の宇雪が嵐への自分の気持ちにうすうす気付きながらも(多分周囲にはバレバレな感じで)一生懸命隠そうとしてるのがまた可愛い。可愛い×可愛い系ほもゆりなんだけど、二人ともちゃんと要所要所で男らしいところを見せてくれるのが大変ツボでした。

 イチャイチャバカップル可愛い系だけどエロ描写は結構濃い目。あざとさ全開の嵐がいざ致すとなると宇雪可愛いあまりに余裕なくなってがっついちゃうのがまた可愛かったです。宇雪は頑張れ超頑張れって感じだけどな!!栗城さんのBL割とこう、がっついちゃう攻の猛攻に疲れ果ててた受の別れ話から始まる話多い気がするんで、ほんと嵐さんには今後は自重を学んでいただきたいものであります。


ぼくのすきなひと

 

塾の特別進学クラスでも成績がトップの小学生・茂永渓は、ある夜、男に殴られていた高校生の七水を助けた。二度と会うことはないと思っていたのに、それがきっかけで七水に懐かれてしまう。手先はとても器用なのに勉強はまるでダメな彼に教授したりするうちに、男だし年上だしおバカなのに…。いつしか七水が可愛く思えてきて!?4年後の二人の続編も収録。 (「BOOK」データベースより)

 「きみがすきなんだ」に続く小学生攻シリーズ(?)の第2弾。前作に登場した冬弥もでてくるよ!

 秀才小学生攻×頭の悪い天然高校生受。わりとぽやぽやしている割に大事な事は抱え込む受の行動に引っかかる部分も覚えましたが、お勉強一筋で恋愛になんか一切興味なかった攻の渓が無意識に可愛らしい独占欲を発揮したり、七水のいないところで自分自身の気持ちにとまどってまごまごする姿がとても可愛かった!「きみがすきなんだ」だと基本が夏月視点だったせいもあって若干冬弥のイケメンぶりにできすぎなところを感じてしまっていたんだけど、初めての気持ちに戸惑いながらも必死に七海を守ろうとする渓の不器用な内面の動きがたまりませんでした。

 そして攻ショタ3人トリオ(勝手に命名)がそれとなしに恋愛相談したり、4年経って同じ年上の彼氏を持つ身としてさりげなく相談に乗ってもらったりこぼしたりするのが物凄い可愛い!!前作で攻やってた冬弥のイケメンショタっぷりは相変わらずでしたが、残りの一角である吏貢のお相手が気になりすぎました。是非とも、シリーズ第3弾として吏貢の話もやってほしいなあ。

 4年後を舞台にした続編は、普通にかっこいい高校生攻として成長した渓の不器用な紳士っぷりにもニヤニヤしましたが、それ以上に七水の発情っぷりでふきだしてしまった。いや、早くシたくて仕方ないのにお互いにいい出せなくて必死に我慢してる2人が可愛すぎるんですが、それ以上に七水……すごく……いんらんです……。


きみがすきなんだ

 

「俺、生まれたときからずっと夏月が好きだよ」―高校1年生の夏月と小学5年生の冬弥は、マンションでお隣同士の幼なじみ。小さい頃は“夏月おにいちゃん”とか呼んでくれて可愛かったのに…今ではすっかり呼び捨てだし、声変わりして身長もめきめき伸びている冬弥は生意気だ。…でも、いつもは意地悪なのに、夏月が弱っているときは気づいてそっと慰めてくれる。そんな大人びた冬弥に、なんだか夏月はドキドキして…!?二人の成長編も収録。(「BOOK」データベースより)

 付き合っている彼氏が、自分はあまりそういう事が好きではないのに執拗に肉体関係を求めてくる事に疲れ、落ち込んでいた夏月。隣に住む小学生の冬弥が何かと気を使ってくれていたのだが、いたしているところを見られてしまって……というお話。

 小学生攻の冬弥がほんとに男前すぎる。生意気発言しながらもさりげなく気遣ってくれたり、成長してからも同性との肉体関係で嫌な思いをした夏月を気遣ってプラトニックな関係を貫いたり……と年下とは思えないよく出来た彼氏ぶり。個人的には小学生攻ならもうちょっと挿絵の方も体格差があってもよかったのよ!!と思ったけど小学5年生だとこんなもんか。

 しかし、攻がオトコマエすぎるせいか受の夏月ももうちょっと男らしくてもよかったんですよ?という気がしなくもない。性的嗜好を受け入れてくれる人だからと安易にお付き合いしてすれ違ってしまって自分から軌道修正もできない…という流れはわからなくもないけど、もう少し自分から事態を動いてほしかったなあと。微妙に、悲劇のヒロイン的な自分に酔ってる雰囲気も感じてしまったし。

 個人的には成長編で手嶋と冬弥のバイト先が同じ、っていうエピソードが一番ときめいたのですが。入院中の手紙のやりとりとか、なんだかんだで夏月の一件で微妙な火花が(冬弥から一方的に)とんでたりとか、個人的には本命カップルよりも三角関係の攻二人のやりあいのほうが美味しかったです。特に手嶋の最後の台詞のニヤニヤせざるをえない。バイト先で絶対ねちねちと昔の一件持ち出されてるんだろうなあ…!!

 というか手嶋が普通に話せば解りそうな相手だからこそ、夏月の流されぶりが鼻に付くんだ……。


君の隣で見えるもの

 

とある事情で高校を停学になった郁斗は、一足早く迎えた夏休みをひとり母の実家へ送り込まれることになった。電車は少なくコンビニは遠く、訛りのきつい言葉が飛び交う東北の田舎町は、郁斗にとって心細くよるべなき場所。そこで郁斗をあたたかく迎えてくれたのは、一つ年下の広大だった。長身の頼れる男に成長していた従弟に、郁斗はだんだん惹かれていくが…?優しく切ない、青春エモーショナル・ロマンス。 (「BOOK」データベースより)

 東北の田舎町にとある事情で里帰りした都会っ子が、田舎の人々と交流しながら年下の従兄弟と相思相愛になるお話。

 うーん、正直、東北弁に対するフォローがあとがきまで行かないと一切無いのがちょっとキツかった。かなりガチで東北弁なのですが、音が似てるからと共通語であてはめて意味を取ってたところが最後に答え合わせしたら全然違う意味で……みたいなの多数。なんらかの形で注釈が欲しかったなあ、と。

 正直メインの二人はあんまり好みじゃなかったなあとおもうんだけど、方言の話はともかくとして田舎特有のゆったりとした雰囲気とか、そういうのが伝わってくるのが凄く良かったです。雪かきの話とか翌日筋肉痛とかニヤニヤする。

 それにしても、元彼の城田先生が清々しいまでのクズで思わず笑った。


今日も明日も会いたくて

 

ああ、可愛い俺の嫁……。たまらん、抱きしめたい! 弁当店の浅緋は、お客の黒崎が気になる。背も高く格好いいのになんだか挙動不審で、そのギャップが可愛く思えてしまうのだ。ある日、思いがけず黒崎への想いを自覚した浅緋は、彼がゲイで恋人でなくても体を重ねると知り、つい「俺でもいいじゃん」と誘ってしまう。なのに羞恥と混乱で泣き、逃げ出してしまった。傷ついたような黒崎の表情に、どうしていいか分からなくて……。

 浅緋のやっているお弁当屋にある日やってきた奇妙な客・黒崎。弁当を注文している最中に居眠りしはじめたり、栄養の偏ったお弁当ばかり買っていくのが気になってつい食生活のアドバイスなどしてしまっていたのだが、ある日高校時代の友人の片倉とともに黒崎の家にお邪魔する事になってしまい、というお話。

 イケメン枠なのに臆病でヘタレでいろいろな方面に残念な攻の黒崎がとにかくかわいい!浅緋も健気可愛いんだけど目が離せない的な意味で黒崎のかわいさが勝ってた気がする。これは浅緋や廣瀬をはじめ、周囲の人間が動かなかったら黒崎からは絶対に関係を進められず、永遠に「おともだち」のままだっただろうなあとおもうと余計にまにま。最初に黒崎の部屋に行った時の「俺の嫁」発言といい、寝ぼけて浅緋を押し倒しかけたときのやりとりといい、これ攻視点でよんだらどれだけ残念な妄想が垂れ流されていたことかというかんじでそれ物凄く見たかった気がする。

 本編もすきだったけど後日談の「恋で世界は回ってる」が!!前作「恋をするには遠すぎて」に登場した外舘が男前なイケメンに進化してて転がるしかなかった。黒崎の相談にしれっと乗りつつ、付き合ってる相手が『彼女』だと思い込んでる黒崎からの発言の数々に事情を知ってるとニヤニヤするしかない。ラストの浅緋の男前っぷりもかっこよすぎて素敵でした良い男前受ごちそうさまでした!!

 しかしこれ正直、廣瀬と蘇芳のその後の話が見たいです。あれは良い悪友系喧嘩っプルになってそう…。


恋をするには遠すぎて

 

チャラい高校生の袖崎陣は、地味で無口でオタクなクラスメイトの外舘翔馬が大嫌い。目障りに思い、陰湿な嫌がらせを繰り返すが、無反応な外舘に苛立ちは募るばかり。そんな中、袖崎は外舘と2人きりで夏休みの補習を受けることになってしまう。いやいや参加していたはずが、恋バナにすら赤面する外舘の初心で小動物みたいに可愛い一面にときめき、キスしてしまい…。 (「BOOK」データベースより)

 小さい頃に「オタクっぽい男」にストーキングされて嫌な目にあったことがある袖崎はクラスのオタク男子達を良く思って居なかった。笑いものにしたり、虫の居所が悪いと嫌がらせをしたりしていたが、外舘という男子だけは全く動じる様子を見せない。あるとき、外舘と二人で追試と補習を受ける事になってしまい……というお話。

 ギャル男とオタクの異文化コミュニケーションBL。百戦錬磨の女たらしのはずなのに、色々な意味でマイペースな外舘が気になって仕方ない袖崎の「嫌がらせ」がマジで好きな子に素直になれない小学生男子レベルで微笑ましいどころの騒ぎじゃない。外舘に気持ちを伝えて「お試し期間」に突入してからは今日びマンガやアニメでもお目にかかれないようなテンプレすぎるツンデレ台詞を吐きまくる袖崎に笑いが止まらなかった。

 女性経験は豊富でも恋愛感情自体は未経験の袖崎と、良くも悪くも二次元一筋で生きてきた外舘が相手や自分の気持ちに戸惑いながらも少しずつ不器用に距離を縮めていくのが可愛くて、きゅんきゅんする。外舘の親友・片倉がまた良い確信犯っぷりで2828!!外舘の鈍感っぷりを生暖かく眺めながら時々は二人の事をからかったり、しかしその一方で袖崎と外舘がすれ違っていくのが解るときちんとフォローしてくれる親友っぷりたまりませんでした。

 袖崎とは対象的に色々な意味でマイペース(といえば聞こえはいいけど悪く言えばオタクにありがちなコミュニケーション無関心症患者)で男前な外舘なんだけど、いざ本番!となった時の慌てようが可愛すぎてやばい。そして思わず「薄い本のネタにできる」思考になってしまう外舘に笑った。これまで読んだオタクネタBLとしては一番位にオタク描写が少ない物語だったけど、外舘が良くも悪くも解りやすいオタクっぷりで良かった。

 それにしても、袖崎の子供っぽい独占欲美味しいです。「俺のもん」とかツボに入りすぎて困る。

 番外編では、実は壁大手同人作家の外舘が嫌がらせで外舘×袖崎のマンガを描いて袖崎に読ませる(←この時点で色々な意味でニヤニヤが止まらない)話が掲載されてるんだけど、外舘視点の袖崎がかっこいい男すぎて爆笑した。嫌がらせのつもりで遠まわしなラブコールしてますよね外舘もっとやれ!!


だけど、ここには愛がある

 

ナルシストの佐宗は自分が一番好き。それを知った上で付き合う悠馬は、ウエディングドレス姿で陶酔する佐宗に抱かれて写真を撮らされたりと、振り回されてばかり。けれど、佐宗自身の次、二番目に好かれていればいいと思うほど、彼のことが好きだった。なのに、佐宗の従弟が居候したことで二人の仲がぎくしゃくし出した矢先、その嗜好を理解し彼に好意を抱く人物が現れて…。 (「BOOK」データベースより)

豆腐メンタル女装攻×ちょっとズルい包容力のある男前可愛い受とかなにそれ俺得

 こう、そんなに読んだことないですが、商業BLでここまで的確に自分の萌え属性をついてきた作品初めてな気がします!需要ないから商業にはないよねって思ってました!なにこれ俺得!!なにこれ俺得!!(大事な事なので3回言いました)

 しょっぱなから攻が花嫁さんで受に自分の写真を撮らせるという全力でマニアックなシチュエーションから始まってしかしこの鬼畜花嫁さんなかなか美味しいぞと思っていたら、ナルシストでやや天然気味な彼がとあるきっかけから長年恋人としてつきあってきた親友との関係を改めて考えることになり、だんだん「自分が一番」だった気持ちが変化していく……という二編目の一転シリアスな展開に持っていかれました。二人が付き合うきっかけとなった一言こそどこかズルいものを感じたけど、なんだかんだで懐広く佐宗を受け止める悠馬の姿にとてもニヤニヤする。

 しかし、それ以上に佐宗の従兄弟・颯とその恋人の関係を描いた3編目「かわいいきみ」の俺得具合がたまらない。ゴリマッチョ(本人談)な攻を女装させてその羞恥する姿を見て可愛い可愛い可愛い言う颯とは美味い酒が飲めそうです。本編でのかませ犬っぷりもとても良かったけど、もはやどっちが攻だか解らない精神的逆転具合にニヤニヤが止まりませんでした。

 似合わない女装は正義!!!(←結論)


恋愛モジュール

 
RURU

人付き合いが苦手なプログラミング・オタクの島垣は、ソフトウェア会社に勤めている。一日中パソコンに向かっていられたら幸せなのに、新規プロジェクトのリーダーになってしまった。新しく職場にやってきたSEの藤森は、王子様のような年下のイケメン。明るく人懐こいその男と上手くやっていく自信が島垣にはなかった。だが、一人デスマーチの末に島垣が倒れたことから、二人は急接近し…?IT業界ラブ。 (「BOOK」データベースより)

 能力はあるけどコミュ障気味なプログラマーの島垣が、初のプロジェクトリーダーに任命される。同じチームに配属された新人SEの藤森は、島垣とは反対に明るく人懐こいイケメンで苦手意識を持っていた同僚の友人。仕事のやり方でぶつかり合う二人だったがとあるアクシデントをきっかけに藤森の部屋に泊まりこむ羽目になって……!?というお話。

 甘やかしなイケメン後輩×甘やかされなコミュ障三十代なんだけど、年上の島垣が振り回される話のように見えて、なんだかんだで島垣を甘やかしたくて仕方ない藤森が見せる年下っぽい子供っぽさとそれを大らかに受け止める島垣の様子が微笑ましい。私はこの段落で「甘やか」を何回使いましたか。

 2編目は桜井に言われて「甘やかされ」を自覚した島垣が色々な意味で自立しようとするお話なんだけど、藤森と付きあっている限り無理な気がしますね!!島垣の方が駄目そうに見えて、真の駄目人間は藤森だと思う。でも、こういう独占欲が先走った残念な攻は嫌いじゃないぜ!!

 恐らく島垣の人間性の基礎を作ったであろうあとがき曰く「最強の小姑」こと島垣兄が本編に登場しないのが本当に残念でした。藤森を連れて実家に帰ったら島垣兄が「こいつと付き合うなら俺を倒してからにしろーー!!」って立ちはだかるみたいな残念な人たちの話が超読みたいです。むしろ島垣兄+桜井vs藤森が読みたい。本編で噂話程度の登場しかしていないのに、ここまで胸がときめくキャラも珍しいのではないでしょうか続編が出るなら残念な兄をぜひ!!!

 両思いになった直後の藤森の『運用保守より開発が好き』は多分笑う所。