能力はあるけどコミュ障気味なプログラマーの島垣が、初のプロジェクトリーダーに任命される。同じチームに配属された新人SEの藤森は、島垣とは反対に明るく人懐こいイケメンで苦手意識を持っていた同僚の友人。仕事のやり方でぶつかり合う二人だったがとあるアクシデントをきっかけに藤森の部屋に泊まりこむ羽目になって……!?というお話。
甘やかしなイケメン後輩×甘やかされなコミュ障三十代なんだけど、年上の島垣が振り回される話のように見えて、なんだかんだで島垣を甘やかしたくて仕方ない藤森が見せる年下っぽい子供っぽさとそれを大らかに受け止める島垣の様子が微笑ましい。私はこの段落で「甘やか」を何回使いましたか。
2編目は桜井に言われて「甘やかされ」を自覚した島垣が色々な意味で自立しようとするお話なんだけど、藤森と付きあっている限り無理な気がしますね!!島垣の方が駄目そうに見えて、真の駄目人間は藤森だと思う。でも、こういう独占欲が先走った残念な攻は嫌いじゃないぜ!!
恐らく島垣の人間性の基礎を作ったであろうあとがき曰く「最強の小姑」こと島垣兄が本編に登場しないのが本当に残念でした。藤森を連れて実家に帰ったら島垣兄が「こいつと付き合うなら俺を倒してからにしろーー!!」って立ちはだかるみたいな残念な人たちの話が超読みたいです。むしろ島垣兄+桜井vs藤森が読みたい。本編で噂話程度の登場しかしていないのに、ここまで胸がときめくキャラも珍しいのではないでしょうか続編が出るなら残念な兄をぜひ!!!
両思いになった直後の藤森の『運用保守より開発が好き』は多分笑う所。