[著]小林 来夏 [絵]由良 七海が同人活動を始めてから早10ヶ月。イベントにサークル参加していた七海を訪れた高橋が連れてきたのはなんと“コミックエンペラー”代表の芹沢と、その甥っ子の美少年・日暮克巳。年少ながらも大手同人作家として活動している克巳は、七海に「こんな落ち目のジャンルには見切りをつけて、売れ線作品で稼ごうよ!」と言い出すが… |
正直、萌えが一定の基準値を突破しないと二次創作できない自分にとっては克巳のあれは一種の才能だよなーと思ってしまうわけですが、正直リアルで彼みたいなのが身近に居たら多分キレると思う、私。物語を読んでる最中も、その言動やら態度やらにイライライライラ。っていうか落ち目ジャンルで何が悪い!!ジャンル規模小さいのの何が悪いというんだ!!例え言ってるのが好みドンピシャの子悪魔美少年だとしても、言っていい事と悪い事があります。ど、同人っていうのはなあ…同人っていうのはそういうものじゃないんだよ!!ぎ、技術よりも愛が重要なんだよ!!たぶん!(…以上、弱小ピコサークルの心の叫びでした。)物語の中盤以降、彼が芹沢やら高橋やら蝶子さんやら西南北やらに言葉のフルボッコを喰らう様子を見て、とてもスッキリしたのは内緒です。
たとえ技術が高くても漫画が面白くても、不思議と作品やキャラへの愛が篭ってない作品っていうのは魅力に欠けると思えてしまう不思議。妄想大爆発のトークとか、書いた本人は後で読み直すと死ぬほど恥ずかしかったりするけど読むほうにとってはかなり面白かったりするよね。っていうか、それが二次創作の醍醐味だと思うんだよなあ。やはり愛がない二次創作は、どんなに良いものでも魅力半減なのです。ただ克巳の場合、少なくても「漫画を描く事」を楽しんでいるのは十分に伝わってくるのでその辺は難しいなあと。あと芹沢への愛は痛いほど伝わってきた!っていうかマジで克巳×芹沢本を、誰か出すべき。
そして思わぬ所で蝶子さんと響が変なコンビ結成してて噴いた。いや、何気にいいコンビすぎて噴いたというべきか……絶対ウマが合わない二人だと思っていただけに、今回の意気の合いっぷりには笑いました。
そして恋愛面では……あれ、これは西南北ルートだとおもってたけど高橋ルートに分岐してしまったのか?西南北が凄い勢いでかませ犬臭を発している気がしてしょうがないのですが……次巻は恋愛寄せらしいので、次で三人の関係がどう動くのか、期待です。
それにしても、ラストの短編での執事には久しぶりにしてやられた。
序盤のスーパー変人ぶりは周囲の変人ぶりも相まって薄くなってきちゃった印象が残念ではありますが、なんかもうむしろ「実はさみしんぼ」キャラで売ったらいいと思う。人知れず三十路突入で腹抱えた。