宝島社様より献本をいただきました!
このマスコットキャラがゲスい。
16人居る魔法少女の枠を半分にすることになった。週に1度、人助けをすると貰えるキャンディの数が一番少なかった魔法少女を発表し、その娘を魔法少女でなくす。魔法少女でなくなるとは、『死』を意味していた。最初は平和的な方法で魔法少女枠の争奪戦をしていた彼女達だったが、脱落=死のルールをはじめとして様々な事実が明らかになり、次第に追い詰められていく。あまりにもあっけない最初の魔法少女の『死』からはじまる物語の転落具合が凄かった。
ちょっと希望が見出せたと思うと即それ以上の絶望によって行く手を塞がれていく絶望感がはんぱない。ちょっとギスギスし始めた時に絶妙にそれを煽るような追加ルールが出てきたり、魔法少女内も当然一枚岩ではないので騙し騙されて殺し殺されていく展開が本当に凄かった。殆どの魔法少女達の事情は深く触れられないんだけど、死んだ後に描かれる「本来の姿」だけでも彼女達の想いや無念が透けて見えてきて、辛い。
マスコットキャラが外道な魔法少女モノというとどうしても「魔法少女まどか☆マギカ」が出てくるけど、キュウべえが根っこから別次元の生物だったのに対してこちらのマスコット役を務めるファヴはある意味魔法少女達なんかよりもずっと人間臭いのでタチが悪い。そして端々から感じる悪趣味さがどこまでも本当にゲスい。まじ、ゲスい。
個人的には「まどか☆マギカ」よりも「扉の外」を思い出させる悪趣味さだよなあ、と思う。ゲームマスター側に感じる悪趣味なゲスさとか、プレイヤー達を意識的に追い詰めるために存在する追加ルールやアイテムなんかのあたり。
とてもよい悪趣味さだった。そういうの好きな人なら超オススメ。
↓あわせて読みたい
キーワード:白身魚 (15 件 / 2 ページ)
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2010年下期」に投票します
いちせさん主催のこちらの企画に参加します。
平和さんが主催されていた「ラノサイ杯」の企画終了を受けて立ちあがった類似企画だそうです。
明日締切なので投票を考えてる人はお早めに!
類似企画としてTwitter主導のラノツイ杯もありますよ!こちらも明日締切です。
今回は余裕ないのでコメント短め……orz
既存シリーズ
■ フルメタル・パニック! ずっと、スタンド・バイ・ミー上下(⇒感想) 著:賀東招二 挿絵:四季童子 個人的には、2010年はこれ抜きに語るわけには。 最高の完結編でした。とりあえず、読め。 「君さえいれば、武器などいらない」 【10下期ラノベ投票/9784829135532】 |
■ 魔王城五限目(⇒感想) 著:田口仙年堂 挿絵:鉄雄 こちらも最高の完結編でした。 子供たちを守ろうと立ち上がった心優しき「魔王」の活躍に胸が熱くなる。 あと伯爵マジtndr。 「俺は魔王だ。君を魔王城まで連れ去りに来た」 【10下期ラノベ投票/9784047266544】 |
■ Re:3 バカは世界を救えるか?(⇒感想) 著:柳実冬貴 挿絵:一葉 モカ 次第に明かされていく熾烈な過去に、臆しつつも立ち向かおうとするバカがかっこいい! あと光一と「能力泥棒」の好敵手と書いて「とも」と呼ぶライバル関係が最高!! 今最高に続きが楽しみなシリーズです。 (バカになれ。じゃないと世界は救えない) 【10下期ラノベ投票/9784829136003】 |
■ GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(下)(⇒感想) 著:川上稔 挿絵:さとやす(TENKEY) 先を歩む者達が次代を担う若者たちに託した想いが、凄すぎてもう。 ネタにされるほどの超ボリュームすら苦と感じさせない「最初から最後までクライマックス」感。 アニメもとっても楽しみです。 「次に歴史を動かすのは、私達の方よ」 【10下期ラノベ投票/9784048687355】 |
■ ココロコネクト カコランダム(⇒感想) 著:庵田定夏 挿絵:白身魚 中盤の、事態急変以降の展開の閉塞感が本当に凄かったです。 異能がきっかけで事件が起きて、異能ではないところに収束するのが面白いなあ。 物語の一区切りとなる4巻「ミチランダム」も凄かった。 「たとえそれによって……オレがこの文研部を去ることになったとしても……オレはオレを貫く」 【10下期ラノベ投票/9784047267756】 |
■ バカとテストと召喚獣8(⇒感想) 著:井上堅二 挿絵:葉賀ユイ 雄二と明久、マジ一心同体。 なにはともあれクライマックス目前のやり取りにつきます。悪友マジ悪友。 「ぬかせ。王様(キング)に協力するのは歩兵(ポーン)の義務だろうが」 【10下期ラノベ投票/9784047267275】 |
■ ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6(⇒感想) 著:田尾典丈 挿絵:有河 サトル 全ヒロインを平等に愛そうとする武紀と、一人のヒロインを選んだ「主人公達」が熱い。 シリーズを通して、ラブコメより対峙もの・バトルものとして美味しくなってきた印象が。 電脳系異能バトルが展開される「シルバーバレット」シリーズにも注目です。 「信じるぞ、親友!!」 【10下期ラノベ投票/9784047268197】 |
■ ラ・のべつまくなし 3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ (⇒感想) 著:壱月龍一 挿絵:裕龍ながれ ラノベ作家×腐女子の恋愛ラブコメ。 とにかく主人公とヒロインの甘いやりとりがたまりません。今季床掃除部門大賞。 様々な人の「ラノベ」観にも注目。等身大な腐女子像も印象的でした。 『あなたにとって“ライトノベル”とはなんですか? →』 【10下期ラノベ投票/9784094512205】 |
新規シリーズ
■ ファンダ・メンダ・マウス(⇒感想) 著:大間 九郎 挿絵:ヤスダスズヒト 好き嫌い分かれそうだけど、ツボにハマったら癖になる何か。 読みづらい独特のテンポの文章が心地よく感じられるようになるのが本当に不思議。 『殉教者』マウスと彼に惹かれた人々が繰り広げるお祭り騒ぎに痺れる。 「分かった?これがマウス、私の愛しいマウス。お母様の教えに忠実な狂信者。お母様の教えしか信じず、お母様の教えを守ることにすべてを捧げる原理主義者、狂おしいほど愛おしいお母様の奴隷」「私の愛しい、愛しい、ファンダ・メンダ・マウス」 【10下期ラノベ投票/9784796678865】 |
■ アンチ・マジカル?魔法少女禁止法?(⇒感想) 著:伊藤ヒロ 挿絵:kashmir 魔法少女アニメで育った世代の懐かしく暖かい何かをぶち壊してくる「アンチ・魔法少女」。 某漫画風にいうとまさしく「夢もキボーもありゃしない」。 色々な意味でインパクト抜群な作品でした。まどか☆マギカが好きな人はぜひともこれも読め。 『いいこと、よく憶えておきなさい。人はね??魔法じゃ幸せになれないの』 【10下期ラノベ投票/9784758041683】 |
ココロコネクト ミチランダム
それまでどうか、この考えが『感情伝導』しませんように。
いや、違うな。
「『感情伝導』させるんじゃねえぞ<ふうせんかずら>。そっちの方が絶対に面白いものが見られるからよ」
シリーズ第4巻。“文研部員の誰かの考えている事が、ランダムで部員の誰かに筒抜けになってしまう”という『感情伝導』現象の中、太一は伊織に告白するが……というお話。前巻の『時間退行』現象も酷かったけど、今回の『感情伝導』の性質の悪さ半端ない。それでさえ一瞬考えてしまった気まずい思いなんかが伝わってしまったりするのに考えている事が一部しか伝わらないものだから、ますます誤解が広がってしまう。しかも距離は関係なく伝わるものだから、逃げ道もなくて……という性質の悪さ。
文研部の面々がそれぞれ伊織との関係を修復しようとして次々に玉砕し、挙句にクラス内でももめごとを起こしてどんどん孤立して行ってしまう序盤・中盤は本当にもどかしく、心が痛いんだけど最終的に彼女を引き戻したのは親友・稲葉の行動。決して強いわけではないけど、様々な痛みや葛藤、恐怖に立ち向かいながらも親友の為、不敵に事態に立ち向かっていく稲葉の様子が本当にかっこいい。そしてその稲葉が動くきっかけを作ったのは愚直ともいえる太一の行動で。相変わらず「誰かが動けなくなったら他の誰かがその背中を押す」ような5人の関係にニヤニヤします。今回は伊織の話であると同時に、稲葉の話でもあったよなあ。それにしても、「デレばん」可愛いよデレばん。
結局「永瀬伊織は決して強くなんかない、ただのありふれた女の子だ」という事実を本当の意味では伊織自身すらもちゃんと認識できてはいなかったんだなあと。一見不可解なように見えた伊織の態度の変貌も、ひとたび口に出してしまえば彼女の悩みは本当に年頃の少女としてありふれた悩みで。そんな彼女の悩みを笑い飛ばし、吹き飛ばした稲葉の言葉が心地良かったです。そして危機に陥った稲葉を助けようとする太一・唯・青木の3人の『心の声』と、4人に背中を押された伊織の奮闘に凄くニヤニヤする。
相変わらず真っ直ぐすぎるくらいに真っ直ぐな青春模様も今回の一件でひとところに落ち着いた印象。ふうせんかずらの謎の言葉が示すように、そろそろ物語も終盤に差し掛かったという事でしょうか。どのような結末を迎えるのか、本当に楽しみです。
ところで、今回の話がどうしても↓とオーバーラップする。
性格は全然違うけど、長門と伊織の人間性がどこか似てるんだろうなあ。敵ではなく、「彼女ならなんとかできる」「彼女は強い」という味方の思い込みこそが彼女を追い詰めた。そしてそれを自ら溜め込み、静かに内で爆発させて壊れるしかなかった。そんな所が。
涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)谷川 流 いとう のいぢ 角川書店 2004-07 by G-Tools |
ココロコネクト カコランダム
太一を除く4人が子供の姿に戻ってしまうという、三度目の異常現象。いつものようにふうせんかずらが現れないことを不思議がる4人だったが、実は太一の前にふうせんかずらではない「二人目」という存在が現れており……というお話。「ふうせんかずら」以外の存在の登場で、あちら側の事情が少しだけ透けて見えた巻。このまま異常現象の原因や「ふうせんかずら」側の事情には触れずに話が進むのかなあとおもっていたので、今回の展開はやや意外だったかも。
今回は唯や青木の「過去」がメインの話で、とにかくなにより青木がかっこいい!!自らの記憶のない間に浮上した「唯に似た容姿の元彼女」の話と、思い悩む唯の姿を見て普段の彼らしからぬ迷いを見せた青木だけど、一度心を決めたあとはどこまでも強かった。相変わらず、彼らの見せる青春具合にはニヤニヤしてしまう。
ところが、事態が解決したと思いきや——その後の展開が物凄かった。子供になる時間が予め決まっていたせいでなんとか取り繕われていた「日常」を完全に崩され、どこにも行けず、事態を解決する手段を持たない彼らに襲いかかった恐怖と絶望。そんな中、トドメを刺す様な出来事が伊織の「日常」に襲いかかり、解決の為動いた彼らにあまりにも最悪なタイミングで襲いかかる「異常現象」……と、とにかく容赦ない展開に翻弄された。
何とか事態が終息してホっと一息という感じだけど、何もかもが決壊する目前ギリギリで現れた「ふうせんかずら」にも、今までに無い不気味な意図を感じるし、次の巻では畳み掛けてきそうな気配だなあ。次巻が待ち遠しくて仕方ない。
それにしても、最後の最後で通じ合った伊織母娘、というか伊織母がかっこよすぎるんですが。青木の大活躍がふっとびそうな勢いのオトコマエ具合に噴出したよ!!
読了記録まとめ[2010年8?9月分]
今月も時間がない!!
10日に開催される「COMICCITY SPARK5」合わせの原稿中で今回もギリギリ綱渡りな今日この頃いかがお過ごしですか。今回は薄いコピー本を作っていく予定なのでイベント参加される方は是非覗きにきてやってください。多分今回もギリギリまで睡眠時間を削って力尽きている姿がみられるのではないかと思われます。
さてさて、毎年恒例の「このライトノベルがすごい!2011」Webアンケートは本日が締め切りです。私も滑り込みで今朝投票してまいりました。まだ投票間に合いますので、我こそはラノベ好き!!と言う人は是非投票してくると良いのではないかと思います。
個人的な見どころは
3年連続トップ死守なるか!?第三の性別:木下秀吉(バカテス)
VS
トップ奪還なるか!?ムッツリ傭兵:相良宗介(フルメタ)
であると言ってみます。
相変わらず男子部門以外見えてません。
以下は8?9月の読書メーターログ+α。
続きを読む
ココロコネクト キズランダム
<ふうせんかずら>と名乗る謎の存在に観察対象(?)として目をつけられてしまった高校生5人組が様々なトラブルに巻き込まれるお話、第二巻。
今回は不定期に欲望が丸出しになってしまい、自制がきかなくなる『欲望解放』が起こるようになって……というお話なのですが、「入れ替わり」が起こっていても表面上はマイペースだった前回と違ってしょっぱなからとても余裕が無い。様々な部分で齟齬を生んで、最終的には5人組離散の危機にまで陥ってしまうのですが、それも元はといえば5人が「欲望解放が起きた時に5人のうちの誰かを傷つけてしまったらどうしよう」という優しい想いから来ているのだと思うと、なんともやりきれないものがありました。
それでもなんとか元の関係を取り戻していくのですが、最後まで意地を張り続ける稲葉にはとある秘密があって……5人の関係を壊したくないと思うからこそ何もかもに臆病になってしまう稲葉と、そんな彼女に喝を入れ手を差し伸べる伊織のやりとりがとてもよかったです。前回の「入れ替わり」の影響を最後まで引きずった伊織が太一を立ち直らせ稲葉を立ち直らせて……と今度は5人を助ける鍵となっていく展開は本当に良かった。
というか開き直った稲葉の、エピローグの独白にはニヤニヤが止まらない!!稲葉と伊織の爽やかライバルっぷりにニヤニヤします。あと藤島かっこいいよ藤島。1巻の百合キャラから一気に姐御キャラへの転身を果たした彼女の今後の活躍に期待せざるをえない!!!
しかし、個人的に一番ツボにはまったのは太一と青木の仲直りでした。なんだこの青春具合ふざけてるの萌える。夕方の川辺、なんてもうシチュエーションだけで卑怯すぎる!!!
「なぁ太一。ちょっと座ろうぜ。河川敷で夕日を見ながら男二人で話すって青春全開だろ?青春しようぜ」
ココロコネクト ヒトランダム
ちょっと変わり者で人並みに悩みも持っているけど普通の高校生な5人組が、不定期にお互いの人格が入れ替わってしまうという不思議現象に遭遇して……というお話。
良い意味で5人の反応が「どこにでもいる高校生」的でニヤニヤする。不思議現象の大元を突き止めるわけでも、それぞれの抱える「悩み」を完全に解決させるわけでもないんだけど、その悩みを他人に打ち明けて共有する事で上手いこと消化し、自分の悩みと付き合っていこうとする5人の姿に胸が軽くなる思いがした。本人が物凄い異常だと思っていることも他人からしたらなんでもない事だっていう事はいっぱいあるよね。シリーズ名通り、他人と他人の「繋がり」がお互いを救う鍵になっていくというのが凄く良かったです。
それにしても主人公の太一君は典型的な一級フラグ建築士だよなあ。
基本的に彼が他の4人の悩みを聞いていくポジションだからこうなるしかないんだけど。
シックス・ボルト
Twitterで「暗黒ラノベ」として話題になっていて、懐かしくなったので引っ張り出して再読。否応なしに異星人との戦いに巻き込まれた高校生達が、異星人たちから与えられた強化装甲服に身を包み、「絶滅戦争」と呼ばれる凄惨な戦いに身を投じていくというお話です。
戦争に駆り出された生徒達は、生まれた頃からその戦いのために訓練を受けてきたという経緯はあるもののあくまでどこにでもいるような普通の高校生たちで、そんな彼らがなすすべもなく志半ばで倒れていくのが凄惨さを掻き立てます。死んでも生前と同じ記憶を持ったクローン達が彼らに取って代わるので「事実上誰も死なない」という設定になっているのが逆に悪趣味に感じる。クローニングで“生き返った”としても、当人にとってはやはりその自分が自分自身であるとはいえないわけで……。
そもそも対抗するための武器からしても異星人が用意したもので、彼らに逆らった人間たちの末路も明確に提示されており、とにかく最初から最後まで異星人の手の上で踊らされているような閉塞感が息苦しい。一応この巻で行われる楯岡市での戦闘自体は「勝利」という形になっているのですが、それすらも彼らによって掴まされた勝利という印象が否めず、とにかくすっきりしない。ラストの終わり方も消してハッピーエンドとは言えず、「名目上死者0人」の戦闘が残した傷跡がどれだけ大きかったかをはっきり胸に残していきます。
異星人達の“攻撃”がまた、酷く悪趣味で……人間の生理的嫌悪感に働きかけるような気色悪さがあります。一方で、敵の生み出す“蒼”が奇妙な美しさをかもしだしていたり。序盤でルールを破って滅ぼされた街の描写や、少しずつ楯岡市の日常を彼らの“蒼”が侵食していく描写は、何年も忘れられない程のインパクトがありました。
物語は一応3巻まで出てますが、結局イマイチ異星人側の思惑が判らなかったのは残念…というか、覚えてる限り、結構いろいろと微妙な終わり方をしたような記憶が。第二部完、という形で締めくくられているけどさすがに続編は無理かなあ。1巻と2巻の刊行にかなりの間があいたので、よもや…とか思わなくもないのですが。
生与剥奪権を謎の存在に握られて、限定条件で戦闘という名の「ゲーム」をやらされるというコンセプト自体は最近のラノベだと「扉の外」に近いものがあるかも。あちらは極限状況に追い込まれた人間同士の醜い感情をまざまざと見せ付けられるような気味の悪さがウリでしたが、こちらはとにかく人間が感じる生理的嫌悪感を限界まで追求したような印象が。「落ちてない、落ちてないよ!」な3巻ラストも共通点といえば共通点か(いえ、「扉の外」のほうがまだ落ちてましたが…)
「扉の外」が好きだった人にはオススメかも?
扉の外 (電撃文庫) 土橋真二郎、白身魚 メディアワークス 2007-02 by G-Tools |
ツァラトゥストラへの階段3
[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚 ようやく自らのパルス能力を使えるようになってきた福原は、再び囚人ゲームの誘いを受ける。手渡されたゲーム機には、かつてバベルの塔で出会った少女・オリビアが囚われている姿が映っていた—。オリビアを救出するため東京を歩き回り魔王の手から姫を救出する"ゲーム"に参加する福原だったが… |
光の無いオリビアの居るフィールドでは現実と全く同じ障害物や人間が「敵」として配置されており、ダメージを受けない為には現実空間に居る福原が自らのパルス能力を使い、現実の風景をフィールドのデータとしてフィールドに投影させなければならない。しかも人間の「アタリ判定」がかなり広くて、オリビアは接触する前に敵を倒さないとダメージを受けてしまう…という設定で、最初は普通に面白そうな設定だと思ったのですが実際にゲームが進んでいくと、とにかくそのゲームの「悪趣味」さに気付いて惨憺とした気分に…ダメージを受ける要素は非常に高いのに特定のポイントと自動回復以外の回復手段が無いのがかなり痛い上、彼女が安全に歩けるフィールドを構築するには福原側にも巨大な負担が……と、作品を読んでる最中5回くらい「もう駄目なんじゃ…」と思いながら読んでました。特に新宿駅で降りる事になった場面では普段の人の多さを知っているだけにもう…。
一方で安定して面白くなっている分、物語の流れがテンプレ的になって元々の最大の持ち味だった気持ち悪い人間関係は当初ほどのドロドロ感がなくなってきてるなあ…。今回はもろにどの辺が寝返りそうか判っちゃってたし、カレンはどんどん「悪役だけどいい人」というクライマックス直前でしぶしぶ仲間になりそうなキャラになってきちゃってるし。
前作「扉の外」と比べてドロドロ人間関係分が足りなく感じてしまうのは、やはり飛鳥・舞・由紀(+オリビア)というヒロイン達がしっかりと主人公の周りと固めている所為でしょうか。私今回は絶対、途中で利己関係の相違から飛鳥が敵に回ったり、オリビアが実は性悪で?みたいな展開が来ると信じてたんですが…ちょっと拍子抜けですっ!!一般人の由紀はまだしも、オリビアや飛鳥はもうちょっと自分本位な性格でも良かった気がするんだけどなあ…
…とかなんとかいいつつも、今回のヒロイン勢は皆が皆美味しいポジション過ぎる。「エージェント」としてクールな態度をとろうとしながらどこか人情を捨てきれない舞、なんか微妙なフラグが立ちそうで怖いけど今のところ素晴らしい癒し系な由紀、そして「戦友」的な絆で結ばれた飛鳥。ラストの展開からするとルート的には飛鳥が正ヒロインで決定なのかな?という感じがしますが、本格化しそうな戦いを前に対照的なポジションの3人のヒロインと福原の関係が今後どう変化していくのかも楽しみです。
それはそうと、「あとがき」のデンパっぷりは異常だと思う。普通に「オーレ」言うなw
ラノベ絵師130人ソートを作ってみた
「ラノベ作家140人ソート」に触発されて、ラノベ絵師130人ソート作ってみた。
このラノ2008のランキング「イラストレーター部門」に掲載されている作家+イラストレーター別作品リストの作家から少女小説関係の人だけ抜きました。(そっちまでカバーすると大変な人数になりそうなので……少女小説側も誰か作ってください☆(他力本願))
あんまり多いと時間がかかって大変かと思っての措置だったんだけど正直130人でも十分きついですね!!というか絵師の名前からラノベの作品名が結びついていない場合が予想以上に多くて、物凄い大変でした……。
【7/6追記】
「絵師名から担当作品が出てきません!」という意見がとても多かったので、
絵師名←→担当ラノベ作品の大雑把な対応表及び絵師名の下に担当作品の表示される低難易度バージョン作成しました。よかったらご参考にどうぞー。
基本的に自分のサイトの一覧からデータを出してるので、あまり参考にはならないかもしれませんが。
ちなみにテストでやったときの私の結果はこちら(30位まで)↓
1 原田たけひと(たけひと)
2 椋本夏夜
2 四季童子
4 さとやす(TENKEY)
5 近衛乙嗣
6 あずみ冬留
7 いとうのいぢ
8 えれっと
9 葉賀ユイ
10 黒星紅白(飯塚武史)
11 純珪一
11 武内崇
13 竹岡美穂
14 灰村キヨタカ(はいむらきよたか)
15 結賀さとる
15 るろお
17 山本ヤマト
18 藤原々々
19 山本ケイジ(超肉)
20 倉藤倖
20 佐々木あかね
22 白身魚
23 東条さかな
24 あらいずみるい
24 G・むにょ
26 2C=がろあ?
26 藤倉和音
26 ヤス
29 深遊
30 翠川しん
ちなみにラノベ作家140ソートはこんなカンジでした。順当すぎて噴いた。