“藤原 祐” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:藤原 祐 (31 件 / 4 ページ)

アカイロ/ロマンス3 薄闇さやかに、箱庭の

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

ある日の学校帰りの公園で、景介は繁栄派の少女・檻江と出会う。敵であるはずの景介に敵意どころか何の感情も覗かせない彼女は、行方不明の景介の姉がいつも口にしていた詩を口ずさんでいた。姉の手がかりをつかむため檻江を追っていくと、病院にたどりついて…。
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なんかもう、このラノベ「今回のドッキリビックリ“つうれん”」を見るのが最大の目的になってきたような気がしてきた…そんなこんなで毎回つうれんがトバしすぎで困ります。このシリーズの真主役は間違いなく“つうれん”。次回あたりできっとまた打ちなおされて、突拍子も無い武器になってるに違いないと思います。もう枯葉お嬢様の発想力に完敗です。いやまあ、好きだけどチェーンソー+和服美人!!

今回は、繁栄派との戦いを通して鈴鹿の一族の隠蔽された暗部に迫るお話?2巻までは灰原と景介・枯葉の関係を中心に描いてきましたが、それがひと段落ついたからか二人の「姉」と「鈴鹿の一族」の方向にお話の中心が移ってきた感じ。景介の姉はとにかく、枯葉に姉が居たことなんて思いっきり忘れてた…。

景介が人間らしい小賢しさを駆使して戦う場面は面白かったけど、どうやって対抗するのかしょっぱなで判ってしまったのが残念だったかも。普通の高校生らしい発想で戦うというのがコンセプトならある程度予想されてしまうくらいで良いのでしょうが…どうせなら“つうれん”くらい度肝を抜く展開がほしかったかなぁ。

枯葉の知らない一族の裏事情もかなりあるようで、今後それがどのような形で明かされていくのか楽しみです。
というかつうれんの今後に超期待。


アカイロ/ロマンス2 少女の恋、少女の病

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

枯葉と出会ってから1週間後、彼女に誘われて「迷い家」へ再びやってきた景介はそこで型羽と名乗る一族の少女を紹介される。楽しいひと時を過ごした後、猜疑心の強い彼女に送られて自宅へと帰ろうとした矢先、繁栄派の少女達から襲撃を受けて…!?
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枯葉様かっこいいよ枯葉様っっ!!!
伝家の宝刀・「つうれん」を構える挿絵がオトコマエすぎて、心臓をばきゅんと撃ち抜かれた思いです。和服美人に日本刀という組み合わせは素晴らしい様式美だと思いますが、和服美人+チェーンソーという組み合わせのなんとも言えないアンバランスさにうっかり鼻血出そうです。素晴らしすぎる!!!

正直「つうれん」の超改造に度肝を抜かれてそれ以外の感想が色々と頭の中からぶっとんでいる状態なのですが、いなくなってしまった灰原吉乃を「もういない人」として忘れようとするのではなく、彼女を決して忘れず、彼女に恥じないように生きていこうとする二人の姿が印象的でした。「一生お前を(灰原と)比べ続けてやる」はまさに会心の一撃。決して身体能力的には強くない人間である景介だけど肝の据わり具合は一人前で、動けなくなってしまった枯葉を叱咤して立ち直らせる場面ではうっかりホレそうな勢いでした。

一方、彼らの知らない所で繁栄派は着々と動いている様子。行方のつかめない歩摘の行方や、ラストの依紗子と母親の意味ありげな会話も気になる。続巻が楽しみです。


アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃

 

人間ではない『一族』がいた。ある山の奥深く、人の手の届かない場所で里を作り、ひっそりと暮らす―女しか生まれず、それ故に滅びかけていた『あやかし』。今までも、これからも、彼女たちは人の世から隠れ、人の世の狭間に生きていく、そのはずだった。しかし、その日。『一族』が起こしたある諍いは、小さな波紋となって町へと広がっていく。その結果として霧沢景介と灰原吉乃の前に現れたのは、枯葉と名乗る少女だった。彼女がふたりにもたらしたのは、運命か、或いは―。藤原祐×椋本夏夜のコンビが送る現代伝奇ファンタジー、ここに開幕。 (「BOOK」データベースより)

姉が失踪してから8年…高校生となった霧沢景介は、中学時代に親友が失踪して以来塞ぎ込む少女・灰原吉乃に親近感を抱いていた。クラスの中でも孤立する彼女をなんとかしてやりたいと思った景介は友人達と遊びに出かける計画を立て、吉乃を誘うことにしたのだが……

「電撃の黒い太陽」が全開すぎる件について。
序盤読んでレジンキャストミルク的な「ほのぼの×ダーク」な学園異能再びかと思ったらむしろ「ルナティックムーン」もかくやな暗黒展開だったよ!!ごく普通の高校生達が日本の片田舎にひっそりと隠れ住んでいた「あやかし」の一族の諍いに巻き込まれてしまうという、和風伝奇ファンタジーです。

第一巻だというのに、カラーページで紹介されるメインキャラクターの半分近くが死んだり敵に回ったりするという状態で、まさに血みどろ青みどろ。そういえば藤原作品だと「レジンキャストミルク」は割合控えめだったけど、「ルナティックムーン」は結構盛大に人が死にまくったよなあ…と懐かしく思い出しました。まず初っ端で身も蓋もなくヒロインが死亡して、しかも結構グロテスクな展開が待ってたりするあたり、とってもとっても全開です。ていうか、もう1巻でいきなり日常殆ど崩落してるような気がするんだけど、今回は完全に「ほのぼの」分は無しなの…か…?

とにかく序盤で一族の本家跡取り娘である枯葉が“喪着”を執り行う場面が物凄い衝撃で。残酷で、恐ろしくグロテスクな場面の筈なのに、どこか凄絶な美しさがあるというか、なんというか。その他作品全体にも、醜いのに美しいというか、古き日本の様式美みたいなのが漂ってるといいますか…なんかそんな雰囲気がとてもツボでした。あぁ、語彙の無さが悔やまれる…。

キャラクター的には吉乃も枯葉も良いけど、やはりオトコマエな棗さんが良いです。殊子先輩といい、藤原作品のオトコマエ女子キャラはとてもツボだ…そして毎度の如く、ツンデレ全開な主人公がとても良いですね。枯葉の気高く美しく矜持も高く直球な物言いと、どこか世間知らずを漂わせる発言に翻弄されてツンツンしちゃう主人公にニヤニヤします。重苦しい雰囲気の本編の中、中盤移行は枯葉と景介のやりとりだけが唯一の息抜きポイントだったように思えます。

とにかく、「レジンキャストミルク」のダーク分や「ルナティックムーン」が好きだった人なら文句なしに楽しめるかと。かなり容赦ない展開が続くので、ほのぼの分お目当ての人にはちょい厳しいかも…?色々な意味で大変なところで次巻に続いちゃってるので、続きが楽しみでなりません。


れじみる。Junk

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

あの戦いから数ヶ月が経ち、狭間学園に文化祭の季節がやってきた。硝子達はいつもの仲良し5人で文化祭を見て回るのだが、硝子は虚軸が消失して以来、すっかり引っ込み思案でおとなしい性格になってしまった舞鶴蜜の事が気になっていた。そんな中、佐伯ネアが硝子と蜜の二人を呼び出して…?
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絶望した!晶のメイドさん姿がミニキャラだけだった「れじみる。」に絶望した!!

あんまりにも悔しいから満点評価から☆1つ引いてやった!!やってやった!!だってだって、「TS喫茶」と聴いた瞬間から椋本さんの描く女装少年(?)が見られるー!と期待してたのに!2Pぶち抜きまでは出来なくても、1P全部メイド晶の挿絵で使うくらいしてくれてもいいと思う!!
……え?需要が無いですか、そうですか……

そんなわけで、一連の事件が終わったあとの文化祭中に「思い出話」という形で語られるほのぼの短編集。殊子にからかわれる晶のクラスメイトの話、里緒がナースの格好で皆の看病(?)をする話、温泉にやってきた殊子が女子風呂を覗こうとして姉妹バトルを繰り広げる話…と、振り返ってみると本編途中退場キャラの追悼スペシャルといえなくも無いような。殊子先輩はやはり良い姉キャラだ。

ほのぼの100%な本編の中、本編の結末を知っているからこそ時折やってくる寂しさというか切なさというかが秀逸。特に「ナンパ×休日×ショッピング」での芹菜のモノローグには不覚にも涙が滲んだ。戦いの果てに消えていった二人については言うまでも無く。とにかく随所随所で涙腺を刺激されます。

そして元の性格に戻ってしまった蜜が様々な過去を振り切って前に進みだす4話「ありがと、ばいばい。」はもう、冒頭の漫画から溢れそうになる涙を堪えるのに必死でした。あのメンバーの中では唯一の「大人」である佐伯ネアが子供達の為に最後の力を使って見せた奇跡と、それに応えようとする蜜の最後のセリフ。本編の余韻を残したまま、綺麗に後日談でちょっと心残りだった部分を片付けてくれたという感じで、本当に素敵でした。

そしてギャグ分100%のオマケ2編は色々な意味でどちらも最高だったのですけど、やはり電撃BUNKOYOMIに収録された「病棟」が最高。ギャグあり百合っぽい展開ありかつパロディ全開という、とんだはっちゃけっぷりを見せてくれました。

「……『キラの旅 ?the coordinated world?』?」
「うん、衝撃文庫でいまいちばん人気の作品なんだよー」
「こんな感じー。『できそこないの人間どもの乗るグフが溢れかえる宇宙を、一台のフリーダム(注・モビルスーツ。胸を貫かれてもパイロットが死なないものだけを指す)が、ゆっくりと飛んでいた。……』」

満員電車の中で思いっきり噴出した私に非はない……と思う。
「胸を貫かれてもパイロットが死なない」が色々と突き刺さった。なんていうか、これだけ色々な作品でネタにされる某ガンダムと某スーパーコーディの人は、実は結構偉大なんじゃないかとうっかり思ったり。


レジンキャストミルク8

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

大きすぎる犠牲を払って<無限回廊>の元から芹菜を救い出した晶達。一向に目を醒まさない彼女を救うため、晶は一つの選択を迫られる。一方、蜜と君子の前に現れた<無限回廊>は、彼らの次の標的が君子と芹菜であると語る。それぞれの想いを胸に、最終決戦が始まった—!
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7巻の盛り上がりが素晴らしかった分、ラストバトルが少々尻すぼみに感じてしまったのですが、あらゆる所で「終わり」を感じさせる、綺麗な終わり方だったなあと思います。

様々な場面であざといまでに(笑)登場人物達が殊子を思い出すシーンが入って、ほのぼのパートでもしんみりモード。不意を付かれて悲しくなってしまうことも多々ありました。7巻での彼女の死によって生じた「欠落」が上手い事料理されていたと思います。

ラストでの戦闘がイマイチ盛り上がらなかったのはやはり<虚軸>以外の人物は、無限回廊さえ倒せば、<修正力>によって確実に復活可能であると予め判ってしまっているからでしょうかね。逆に、これを操られる存在が相手であるからこそ、戦闘がより絶望的になるという効果はあるので一長一短なのですが、やはりある程度「復活しないかもしれない」といった不確定要素が無いと、「死」による説得力が薄いのかも。それでもやはり、登場人物の死は哀しいものではあったのですが…。

より人間に近づいた硝子の葛藤が伝わってくるだけに、お互いがお互いの事を思って行動した結果が裏目に出てしまうのが切なかったです。というか、正直7巻の戦闘が盛り上がりすぎだったんだよ!!いろんな意味で。

ただ、里緒のラストの行動についてはちょっと作者の都合というか無理矢理と言うか、強引に泣かせに来た印象が拭えなかったです。元々<修正力>を安定させるための標的になっていたわけでもないので、イマイチ展開についていけなかった。確かに読み直してみると、今回も死亡フラグは立ちまくりだった訳ですが……。

最終決戦に向かう前の両陣営の前口上が好きでした。「終わりのクロニクル」といいこれといい、こういう前口上にはとことん弱い私です。

あ、ラストのみったん最高。


レジンキャストミルク7

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

全ての虚軸を消すため動き出した城島樹とその計画の柱となる城島鏡、そして“無限回廊”。彼らの元から森町芹菜を助け出すため、晶達も行動を開始した。危険は承知の上で無限回廊に晶と硝子が戦いを挑み、そしてその間手薄になった学校を殊子・蜜・ネア・里緒が守るという作戦を立てるのだが、学校には思いもよらぬ強敵が襲い掛かり…
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なんだかんだいって前巻で捨て切れていなかった“日常”を完璧に捨て去った晶達の反撃戦。以前のように仲間達を利用し抜くという決意を固めつつも彼女達に置く全幅の信頼が凄く頼もしかったです。

そんなこんなでなんとか色々と吹っ切れた事も手伝って殆ど晶・硝子コンビが最強状態。今まで手も足も出す事が出来なかった“無限回廊”に遂に一矢報う事に成功。“無限回廊”と戦っているときの晶は本当に生き生きしていて、なんだか今回は本当に良かった。二人が皮肉交じりに口にする“兄弟喧嘩”という言葉にふさわしい戦いだったと思う。今までのこのシリーズには無いくらい、すがすがしいバトルでした。



でもその後が。
もう、何を言えばよいのか…。
確かに読み返すとこれでもかっていうくらい死亡フラグ立てまくり(ネタバレ)なんですけども…。
なんかどこかで、今回最後に至るであろう道が見えていながらも、暫く彼女の死を認めることが出来なかった蜜(ネタバレ)のように「それはないよね」って自分に言い聞かせ続けてきて、
それでもやはりそうなってしまった時には信じられなかった。
とにかく、どうしようもなく悲しかった。

終わったあとの蜜の行動とか、
硝子と姫のやりとりとか、
蜜と君子のやりとりとか
とにかく全部泣ける。
その後の城島一家の会話とか激しく頭に入らなかったくらい。

もともと凄く好きなキャラだったのですが、今回は本当に姉妹そろっておいしいところを持っていきすぎでした。巻頭の漫画から本編、エピローグに至るまで姉妹の絆がありありと描かれて、読み返すたびに泣けてくる。冒頭の平和なシーンですら、最後を読んだあとだと泣けてしまう。

展開は凄く悲しかったけど、本当にあらゆる意味で傑作級でした。あとがきで「今回は苦戦した」というような事が書いてあったけど、6巻までとはレベルがちがう面白さだと思う。なんていうか、各キャラの感情がこちらにストレートに伝わってきて、ひたすら泣かされました。

次回で遂にクライマックス。
どういう風に決着をつけてくれるのか本当に楽しみです。


レジンキャストミルク 6

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

漸く学校が始まった。今までと変わりない筈の日常…ただ、違うのは森町芹菜がおらず、晶が日常を捨て去ったという事実だけ。晶達は全てを知る為に、“無限回廊”の画策によりこの実軸に帰還した父親・城島樹の元へ赴くが、晶を待ち受けていたのは驚くべき真実だった…!
 

今まで保健室待機が中心で、すっかりコメディパート担当のイメージが強かったネア先生が今回は大活躍です。どうしよう、めちゃくちゃ惚れた。ネア先生といい殊子先輩といい、今回は年上組大活躍でいう事なしです。正直本編さておいてネアと殊子の二人分で五つ星つけちゃうくらいに良かった。

もうなんというかですね、表紙から凄いんですよ。ネア先生が表紙というだけでもかなりのインパクトですが、白衣+SM風ボンテージファッションって何。そんな姿で敵の前に立ちはだかるネア先生は非常に凛々しくて、普段とのさえないイメージとのギャップに萌えました。先生、一生憑いていきます。

前回での晶のかっこよさはどこへ行ってしまったのか、今回は晶が一気にヘタレ化してますね。後半で明かされる真実から考えれば、そのくらいヘタレてしまっても当然かもしれませんが…でも、里緒じゃないですが、他の虚軸をあごでつかって平然としてるくらいじゃないと晶じゃないです。

でも、晶にそれだけの変化をもたらした仲間という存在は、やはり大きかったんだなあと思うとちょっと嬉しい。ちょっと気配りする方向間違ってるけど、それが不器用な晶達が見せた仲間達への「気遣い」なんだと思うと凄く感慨深いです。

そしてそんな展開だからこそ、今回は「仲間」達の行動が凄く光ってました。カーテンフォールの恐ろしさを目の当たりにしても変わらず接してくれる仲間達が眩しい。特に里緒が単独で「無限回廊」に立ち向かう場面や、終盤で殊子が現れるシーンはめちゃくちゃかっこよかったです。特に後者は挿絵が神すぎる!!

そしてネア先生が目立った煽りを食らったのが蜜。すいません、可愛すぎます蜜たんが。すっかりネアに次ぐギャグキャラと化してしまったような気がします。そしてナチュラルに君子を愛しすぎな蜜が可愛い。そんなに心配なら素直に仲良くなっちゃえばいいのにこのぉ?!!(まあ、それが欠落の関係でしたくてもできない、というのがこの作品のダークな部分なのですが…)

今回は本当に色々な意味でダークな展開だけど、ちゃんと正統派な方向に話を進めてくれてるのが嬉しい。今後どうなってしまうのか、楽しみです。


れじみる。

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

姫島姫には早見殊子という“彼女”がいる。そんな彼女と遊園地へデートに出かけた姫なのだが、遊園地には見知った顔が居て…!?
ほのぼの×ダークなレジンキャストミルクシリーズに100%“ほのぼの”な短編集が登場!
 

ツンデレ少女・蜜と硝子がお料理対決をしたり、人間の区別をつけることが出来ない理緒がお祭で小さな男の子と交流したり、皆で海水浴に行ったり、保健教師佐伯ネアのちょっと特殊な嗜好?が明らかになったり…と各キャラクターの魅力満載な短編集です。個人的には5巻ですっ飛ばされた海水浴話が収録されてて満足だったり(笑)

一番ツボにハマったのはなんと言っても2話の蜜VS硝子のお料理対決。テンプレ通りに天然に蜜を刺激する硝子も素敵ですが、なんといっても盛大にスレ違って義娘との距離が縮まったと強引に勘違いしてしまう蜜のお母様が素敵過ぎます。蜜の料理シーンは爆笑必須。電車の中で読む際は注意しましょう。つか電車の中で読むのは危険です。

また、3話の理緒の夏祭りの話は“虚軸”としての悲哀もちょっぴり滲ませつつほのぼの良い話で面白かったです。ラストの男の子のセリフではじーんとしてしまいました。一番ツボったのが“ぶつもり”だなんてナイショですが。そんな明らかに癒され無さそうなダークなスローライフ、ちょっと体験してみたい。そういえば電撃作家陣の間では流行ってるんですっけ?“ぶつもり”。

またプロローグ・エピローグで本編1巻前、5巻直前の硝子が見れます。彼女の感情がどれだけ成長したか感じられるのもなんか良いですね。そして5話ラストのバニー硝子に萌え。

一編一編に密かに本編でも人気な椋本夏夜さんの漫画も収録して、レジンキャストミルクファンなら大満足必至の短編集です。是非この調子で第二段も出して頂きたいです!(笑)


レジンキャストミルク5

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

姫島姫・君島直子を狙った一件から暫く、平穏な毎日を送っていた晶達。しかし、屋上で殊子や蜜に言われた何気ない一言が晶の心を揺さぶる。そして同時に、少しずつ「非日常」の方が居心地良くなっていく自分に戸惑う晶。しかもそこに、明らかに怪しげな双子の転校生が現れて…
 

「私達はね…変わりつつあるんじゃない、終りつつあるんだよ」
という殊子の一言が印象的。

どんどん「日常」に馴染んでいく硝子とは対象的に今まで否定してきた「非日常」の方へ、自分でも気付かないうちに踏み込んでいってしまう晶。確かに硝子が「変化する」ことによって虚界渦が解放され、今回のような結果になったわけだから確かに“終りつつある”という表現は正しいんだなあと感じました。晶にとっては猛烈に皮肉な結末なのではないかと。

そして人知れず蜜たんハァハァ。
義手を巡っての硝子とのやりとりでの意外性たっぷりなドジっ子ぶりに思わず萌えた!!(*´д`)=3

今回の魅せ場はなんといっても晶の告白(訣別)と硝子の虚界渦開放だとおもいますが、どうしようもなくこの作品らしい告白の仕方で、確かに芹菜にとっては残酷なんだけど大好きです。
しかし本当にこの虚界渦の能力って残酷だよなあ…。

無限回廊の過去最大級の浸食によって、すっかり構図が「非日常」側に書き換えられてしまった感が拭えないですが、やはり気になるのは今後の良司&芹菜の動向でしょうか。良司についてはなんかどさくさに紛れて最終決戦の頃には自軍に居たりしそうだけど(笑)真実を知ってしまった芹菜がどちら側に動くかが個人的には楽しみです。


レジンキャストミルク4

オンライン書店ビーケーワン:レジンキャストミルク 4レジンキャストミルク 4

発売:2006.6
発行:メディアワークス
[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜
見事に四方八方塞がりのまま終わった前巻ですが、今回では主人公を立ち直らせて以降はすっかり快進撃が続きます。ほのぼの×ダークといいつつも何気にやってることは王道展開で非常に好感触です。打ちのめされた主人公が成長して帰ってくるなんてもろに王道!!

しかし3巻で明かされた硝子の戦う理由、そして4巻で明らかになった密の覚悟などが非常にかっこいいのに対して晶はやってることが王道すぎて逆に目だってない感じが。出番の少ない里緒の台詞の方が印象深いのはなぜなのでしょう…。

今回は前巻からの予告通りに君子と蜜の過去話がメインな訳ですが、姉属性萌えとして殊子に激しく萌えました。犬猿の仲の義姉妹だけど、実は予想以上にお互いのことを気に入っているというところが非常に良いです。しかもそれが好きという感情ではなく否定的な感情を持ったが故の執着というところがまた。

ストーリー自体は主人公達が一回り成長して第一部終了という感じでしょうか。今後がますます楽しみです!
最後のきみちゃんの台詞に泣かされてしまいました。