断章のグリム 6 赤ずきん(下) | 今日もだらだら、読書日記。

断章のグリム 6 赤ずきん(下)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

同じ<騎士>である勇路からの攻撃を受け、意識不明の重体に陥った雪乃。彼女の居ない間、単独で泡禍の調査を続ける蒼衣は事件に関係のある人物達から話を聞く機会を得るが、「赤ずきん」の泡禍は彼らの予想を遥かに越える深さで、街に巣食っており…
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「赤ずきん」編、完結編。だんだん前作とは違った方向で面白さが出てきたなあという印象になってきた「グリム」ですが「Missing」シリーズから通して見ても、こういう衝撃的なラストはなかなかなかったように思えます。今回の事件を完全に解決するにはこういったラストが“必要”ではあったと思うのですがインパクトの強さと後味の悪さはシリーズ髄一の出来だったかと。特に今回のシリーズは結構正当派な現代異能モノというか、解決の仕方に至っては様式美的なものすら生まれつつあった事もあってそれを裏切っての解決法自体にも衝撃が強かったですね。

早い話が、蒼衣たちの所属する組織は正義の味方であると思わせておいて、実際のところは「Missing」で言う『機関』と同じような位置にある組織だったという事がこの巻のラストで明らかになります。いつもの通り後味の悪いながらも一応の解決を見せた事件の直後に蒼衣の能力の限界、雪乃・風乃姉妹と笑美の見せる圧倒的な殺戮……と畳み掛けるような絶望的な展開が繰り広げられます。本当にラストが容赦ない。泡禍に関わった人間が次々に死んでいくのはいつもと同じ展開ですが、今回の容赦なさは今までの比じゃなかったです。

それにしてもやっぱりこの人のウリともいえる残酷描写があんまり(略)。今回読んでてちょっと思ったんだけど、なんか下手に現代異能バトルモノになった所為なのか以前に比べて文章を読んでスッと状況が脳内に思い浮かべられなくなったんですよね。何回か文章を読んでようやく状況を把握してる部分も多々。「Missing」の残酷描写は未だに思い出して背中がゾクゾクするシーンが大量にあっただけに、その辺がやはり物足りないのですが。あれ以来風呂でシャワー浴びてるときに長時間目を閉じられなくなった私…。

とはいえ、そろそろMissingとグリムは違うシリーズなんだと割り切ってグリムはグリムの良いところを見ていった方がいいんじゃないかという気もするのですが。

少しずつ不穏な様相を呈してきた物語。
行方を晦ませた<最後の赤ずきん>の件も含め、続編が楽しみです。
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コメント

  1. 断章のグリム(6)

    断章のグリム 6 (6) (電撃文庫 こ 6-19)甲田 学人 メディアワークス 2007-12-10売り上げランキング : 262Amazonで詳しく見る by G-Tools グロさよりもイタさの方が強かった印象。 今日もだらだら、読書日記のうららさんが書いているように、 Missingとは少し方向性が違って..

  2. 渡猫 より:

    はじめまして、渡猫といいます。

    >あれ以来風呂でシャワー浴びてるときに長時間目を閉じられなくなった私…。

    こんなところで俺発見!って感じで思わずコメントしてしまいました。

  3. うらら より:

    渡猫さんいらっしゃいませ!コメントありがとうございます?!
    Missingは本当に怖いシーンが多かったのですが、あのシーンは特に、日常で普通にやっている動作なだけに余計怖かったですね。自宅の風呂はまだしも、他所に出かけたときのシャワールームとかは未だにかなり怖いです。

  4. 電撃文庫・2月の感想1

    ■甲田 学人×三日月 かける『断章のグリム? 赤ずきん・下』  ★★★★☆
    街灯の明かりも届かない、細くて暗い袋小路。暗闇の中から流れ出?...