女王の化粧師 | 今日もだらだら、読書日記。

女王の化粧師

 

あなたの化粧には力がある――。時代に翻弄された女王候補と化粧師の物語!
五人の候補者が次期女王の座を競う小国デルリゲイリア。 ある日、花街の化粧師であるダイの下に、女王候補の遣いと称する男ヒースが現れる。 ダイの腕を見込んだ男は、専属の職人にとダイを誘うが、主となる娘は“最も玉座から遠い”と言われていて!? 「わたしにできることはただひとつ。あなたを、あなたが望むように美しくするだけ」 WEBで大反響! グランドロマン開幕!!

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1巻だけぱっと読むつもりで一気に2巻まで読んでしまった…化粧を駆使して人々に力を与えていくダイの姿にワクワクするし、ファンタジーお仕事モノとしてめちゃくちゃ楽しい。そして、恋がはじまりそうな2巻ラストにわくわくしました。ビーズログ文庫なんとか頑張って3巻も出してくれーー!!

“化粧”が、女を強くする

花街で芸妓達に化粧を施す仕事をしていたダイは、花街に訪れた青年貴族・ヒースに才能を見いだされて女王候補のひとり・マリアージュお嬢様のお抱え職人として王都に迎えられることになった。女王候補になったものの自分に自信が持てないお嬢様に化粧の力で自信を与えてほしい──と依頼されたダイだが、貴族社会において化粧は「血筋の悪い証」として忌憚されており……。

とにかく最初に芸妓達に化粧を施していくダイの姿が鮮やかで、その姿が胸に焼き付けられる。芸妓たちの服装やコンディション、客の好みetc…と、様々な状況を踏まえて一番似合う化粧を施していく姿が、様々な色を重ねて自然な「肌色」を演出していく手付きがまるで魔法のよう。ある時は彼女達の背中を押し、自信をもたせ、またある時は、傷ついた彼女達の心と身体の傷を隠し、力を与え、奪われた誇りを取り戻させる。序盤を読むだけで「化粧なんて白粉を叩いて口紅を塗るだけのもの」などというヒースの言葉がいかに浅い認識であるかが伝わってきます。いや私も似たような認識だったんでアレなんですけど……化粧ってスゴイね…。

“化粧”だけでは変えられない展開がもどかしい

そんなダイが仕えることになった女王候補のひとり・マリアージュお嬢様は自分に自信がないだけでなく、とんでもない世間知らずで癇癪持ち。精神的にも不安定なばかりか貴族であるがゆえに化粧への偏見を持つ彼女に“化粧師”としてだけではなく、ひとりの従者として真正面から向き合っていこうとするダイの姿に胸が暖かくなりました。

そして徐々に、マリアージュひとりだけではなくお屋敷そのものの歪みも見えてくる。家の中に大きな問題を抱えながらそれを知らされもせず、いずれ人の上に立つ身でありながらろくに世間も知らぬまま育てられてしまったマリアージュ。よそものでありながら当主代行を務めるヒースを良く思わない反面、依存せざるをえない従者達。狭い世界だからこそ見えづらくなっている部分が外から来たダイだからこそ見えてしまうんだけど、ダイも一介の使用人でしか無い訳で。序盤を読んで感じた「化粧」への万能感とは打って変わって、少しずつ良くなっていく部分はあれど“化粧”をするだけではどうにもならないと思わせてくる展開が印象的でした。

ラストすごいところで切れた!!

気難しいところもありながらも少しずつダイに気を許していったマリアージュだが、ある日、これまでにない大きな癇癪を起こしてしまい──いろいろなところで気になりすぎるところで終わるラストと言うか本当に2巻までで一気読みしてほしい内容で、ほんとどうしてこれ1冊にまとめてくれなかったんだという気持ちが凄い。いや、ビーズログ文庫の1巻的に分厚すぎることになってしまうのは解るのですが…せめて2巻連続刊行とか駄目だったんですかね!!

話が綺麗に2巻までで一区切りという感じだったので感想まとめようかと思ったのですが、それはそれで上手く感想がまとまらなかったので素直に1巻分で一度切ります。いやでもほんと今から読む人は2巻まで一気読みしような。

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